ホテル側のトコジラミ対策!クレームや営業停止も?【大量発生を防ぐ手順も解説】
2024.01.09 2024.09.03
海外で大流行し、日本でも被害が相次いでいるトコジラミ(南京虫)。国内のホテルで刺されたケースも多数報告されており、早急なホテル側での対策が求められます。
「費用を抑えた対策は?」
「もし刺されたお客さんからのクレームが入ったら?」
といった悩みや不安を解決するため、トコジラミ対策について詳しく解説していきます。既に持ち込まれてしまっている場合の対応についても紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トコジラミ対策の前に!国内外の発生状況
トコジラミの発生は国内外で深刻な問題となっています。国内では、かつて衛生環境の改善や殺虫剤の普及によって減少していたトコジラミが、2000年頃から再び増加傾向に。
特に、国内旅行や海外からの旅行者による持ち込みが原因とされており、またたく間に被害が拡大しています。
害虫駆除の相談を受け付けている公益社団法人日本ペストコントロール協会の報告によると、相談件数は過去十数年で急増し、特に東京都や大阪府では、過去最多の相談件数を記録しているようです。
海外での流行
海外では、韓国やフランスなどでトコジラミによる被害が報告されており、公共交通機関や教育施設などで防除作業が行われています。
特に韓国では「ピンデミック」という造語が生まれるほど社会問題化しており、政府が対策本部を設置するなどして対応に追われています。
日本で再流行した背景
日本でもトコジラミは古くから存在しており、第二次世界大戦後には殺虫剤の普及によって、ほとんど見られなくなりました。
しかし、近年のインバウンド需要や、コロナ規制の解除による人流の増加が原因で、都市部のホテルや旅館などで再び発生し、被害が拡大しています。専門家はトコジラミ被害の拡大に警鐘を鳴らし、適切な対策の重要性を指摘しています。
このような国内外の発生状況を把握することは、トコジラミ対策を立てる上で非常に重要です。不特定多数の人々が宿泊するホテルの経営者は、被害の拡大を防ぐための準備を進めましょう。
トコジラミの問題は国境を越えており、国内外の情報をリアルタイムで把握すべきだと言えます。
殺虫剤が効かないスーパートコジラミもホテルで増加中
日本を含む世界各地で、通常のトコジラミよりもさらに厄介な「スーパートコジラミ」の発生が報告されています。スーパートコジラミは市販の殺虫剤に対して強い抵抗性を持っており、通常のトコジラミと比べ抵抗性は約1000倍にも及ぶと言われています。
そのため、従来の駆除方法では効果が薄く、被害の拡大を防ぐためには新たな対策が必要です。
ホテル側で必須のトコジラミ対策5選
国内でトコジラミが急増している中、ホテルや宿泊施設ではトコジラミ対策が必須です。ここでは、ホテル側で必須のトコジラミ対策について紹介していきます。
- 従業員教育を徹底
- 部屋内にトコジラミがいるかチェック
- 清掃・熱処理を徹底する
- 部屋のものは移動・入れ替えしない
- 早急に駆除依頼を行う
今すぐに実践できることばかりなので、取り入れてみましょう。
従業員教育を徹底
客室や共用スペースでの発生を未然に防ぐ予防対策も重要ですが、どんなに対策しても持ち込まれてしまう場合はあります。お客様対応を含め害虫発生時の適切かつ迅速な対応を確実に行える従業員の教育が重要となるでしょう。
トコジラミに関する知識、検出方法、対応手順、顧客へのコミュニケーション方法など、従業員が総合的な理解を持つことで、発生時の対応が向上します。
部屋内にトコジラミがいるかチェック
トコジラミ対策の一環として、部屋内のトコジラミの有無を確認することが挙げられます。ベッドや家具の隙間、壁の裂け目、床の隅々まで徹底的にチェックし、トコジラミの痕跡がないかチェックしましょう。
生きているトコジラミ、卵、皮膚の殻、黒い糞点などが確認されたら、正しい方法で駆除してください。
清掃・熱処理を徹底する
清掃と熱処理は、ホテルの害虫問題において効果的な対策と言えます。トコジラミの駆除においても例外ではありません。
日常業務の清掃に加えて、宿泊施設の隅々まで徹底的に掃除し、ベッド、家具、カーペット、壁の裂け目、電気スイッチの周辺など、トコジラミが隠れやすい場所は特に細かく見るようにしましょう。
定期的な追加の掃除によって、トコジラミや卵を除去し、同時に潜在的な隠れ場所を減少させることができます。
また、熱処理もトコジラミに対し有効な対策とされています。トコジラミは高温に弱いため、シーツやタオルなどを熱処理することで、成虫だけでなく幼虫や卵も効率的に駆除することが可能です。
部屋のものは移動・入れ替えない
ホテルにおけるトコジラミ対策として、部屋のものを無闇に移動させたり、他の部屋と入れ替えたりしないことが非常に重要です。トコジラミが他の部屋やエリアへと拡散するリスクを、最小限に抑えるためです。
トコジラミは非常に小さく隠れるのが上手なため、知らず知らずのうちに他の場所に持ち込むことがあります。特に、感染が疑われる部屋のものは、他のエリアへの移動は厳禁です。
早急に駆除依頼する
ホテル業界においてトコジラミの発生は重大な問題であるため、理想としては発見次第、早急に駆除業者へ依頼すると良いです。トコジラミは繁殖力が高く、短期間で拡散するリスクがあるため、早期発見・早期依頼が被害を最小限に抑える鍵となります。
ホテル側はトコジラミの兆候を常に警戒し、スタッフを教育して早期発見に努めるとともに、発見された場合は即座にプロの駆除業者に依頼すべきでしょう
ホテルがトコジラミ対策を怠るとどうなる?【クレームや口コミ悪化も】
ホテルがトコジラミ対策を怠ると、次のような深刻な状況を招くかもしれません。
- クレームや口コミの悪化
- 治療費を請求される
最悪のケースに発展しないよう、トコジラミ対策を怠ったときのことを理解しておきましょう。
クレームや口コミの悪化
まず第一に、トコジラミによる被害はクレームや口コミの悪化という形で、顕著に現れます。実際にトコジラミに遭遇した宿泊客は、不快な経験をネット上の口コミサイトやSNSなどで必ずといっていいほど共有します。
これらの否定的な口コミは瞬く間に拡散し、ホテルの評判に深刻なダメージを与えます。一度悪化した評判を回復させるには、多大な時間と労力、そして費用が必要となり、最悪のケースではホテルの存続を脅かす事態にもなりかねません。
治療費を請求される
また、宿泊客がトコジラミによる被害を受けた場合、ホテル側は治療費を請求される可能性があります。トコジラミに噛まれるとかゆみやアレルギー反応を引き起こすことがあり、深刻な場合には医療的な介入が必要になることもあります。
このような状況では、被害を受けた宿泊客は治療費や慰謝料の支払いをホテル側に求めることがあり、法的な問題に発展することも。
加えて、ホテルの法的責任も関わるため、保険料の増加や訴訟費用など、ホテルの経済的負担を増大させる可能性も考えられます。
ホテルのトコジラミ対策費用
ホテルでトコジラミの駆除を業者に依頼する場合、一般的に20平米程度の部屋で1回あたり約50,000円が相場とされています。複数の部屋でトコジラミが発見された場合、費用はその分だけ増えていきます。
さらに、家具や荷物の量によっても追加費用が発生することがあり、駆除作業の難易度や時間が費用を左右することも押さえておきましょう。
ホテルのトコジラミ対策は必須【大流行中】
いかがでしたでしょうか?ホテル経営者にとってトコジラミは大敵であり、早急に対策しなければいけなません。また、トコジラミ対策を怠った場合のリスクについても、お分かりいただけたかと思います。
本記事で紹介した、必須のトコジラミ対策でまずは清潔な環境を維持することが大切です。そして、確実にトコジラミを駆除するなら、専門の業者に依頼しましょう。
ホテル側のトコジラミ対策!クレームや営業停止も?【大量発生を防ぐ手順も解説】のよくある質問
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Q. 綺麗な部屋のホテルでもトコジラミは発生する?
トコジラミは綺麗なホテル、高級ホテルでも発生します。
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Q. トコジラミの形跡かもしれないと思ったら?
早急に責任者に報告し、駆除業者に依頼すべきでしょう。
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Q. トコジラミの繁殖力は高い?
トコジラミは1日に5〜6個卵を産むため、繁殖力が高い害虫です。