家の中の木くずはシロアリ被害?原因となる害虫を徹底解説
2024.02.01 2024.09.03
本記事では、シロアリ対策の一環として、家の中に木くずが落ちていた場合の対処法を解説します。
家の中で木くずを見つけたら、まず不安になるのがシロアリ被害。
ただし、木くずを出す害虫はシロアリだけではありません。また、木くず被害がシロアリのものであれば、早めに駆除する必要があります。
今回の記事では木くずを出す害虫の対策や、シロアリが発生していた場合のリスクや兆候について詳しくご紹介します。
目次
家に落ちている木くずはシロアリが原因?
家の中に不自然に落ちている木くずを発見して、ぎょっとする方も多いでしょう。
木くずや木くずらしきものは、シロアリ被害の可能性がありますが、木くずを散らかす害虫はシロアリだけではありません。
例えば、「クロアリ」「キクイムシ」「ナガシンクイムシ」という、聞き慣れない虫も実は家屋に生息しているのです。
そして木くずのように見える虫のふんである場合もあります。木くずの状態や色、ふんによって、どの害虫が原因なのかを見分けられます。
【シロアリ以外】木くずを発生させる害虫
まずは、シロアリ以外に生息している可能性のある虫の特徴を見ていきましょう。
- クロアリ
- キクイムシ
- ナガシンクイムシ
それぞれ、順に解説します。
クロアリはシロアリとは全くの別物
シロアリと名前が似ている「クロアリ」は、シロアリとは全く異なる生態の、いわゆる普通のアリを指します。
クロアリは、基本的に建物の木材をエサにすることはありません。そのため、木くずのように見えるものは、壁の亀裂や隙間などに巣をつくるクロアリが、巣から捨てている土や食べカスがほとんどです。
建物に直接大きな被害を出すことはないとはいえ、人の食べ物や調味料に集まってくる、人やペットに噛みついたりするケースもあるので要注意。
また、雑食であるクロアリが生息しているところには、シロアリをはじめ他の虫が既に住みついている可能性もあります。
キクイムシは家屋内の家具も食べる
「キクイムシ」は、その名の通り、建物だけでなくタンスや本棚などの木材まで食材とする害虫です。
木材の中で約10ヶ月幼虫として過ごし、成虫となって外に出る時、出口として木材に1〜mmほどの穴を開けます。
木くずが落ちている周辺の家具や木材に、穴がポコポコ空いていたらキクイムシかもしれませんが、構造部分によく使用される針葉樹は食べないので、住宅の強度に影響を与えることはないと言えます。
ナガシンクイムシは木の内部を食べる
「ナガシンクイムシ」は穀物や木材の中に卵を産みつけ、成長します。木製の調度品や日用品、「こまい竹」が使われている土壁などを好んで食べ、その際に木くずのような食べかすを出します。
木材に開ける穴の大きさは約2.5mm以上、大きいものだと5mmにもおよびます。
木の内部を食べ進めボロボロにしてしまう点では、シロアリと共通する怖さがあります。
シロアリなどの害虫が出す木くずの見分け方
ここでは、それぞれの虫が出す木くずの見分け方を見ていきます。
- シロアリの木くずはふんの可能性も
- クロアリの木くずには食べカスが混じる
- キクイムシの木くずはかなり細かい粉末状
- ナガシンクイムシの木くずは大きいふんが混じる
順番に解説しましょう。
シロアリの木くずはふんの可能性も
柱や床下の周辺に、粒状の木くず、もしくは木くずらしきものが落ちている場合は、シロアリの可能性が高いです。
日本で多く生息するシロアリは、基本的に水分を含んだ木材を好みます。そのため床下のカビや水気があるところに発生し、お風呂や玄関にも木くずを落とします。
一方で、外来種のアメリカカンザイシロアリは、通常のシロアリと違い、ふんを人目のつく場所へ落とします。ふんは大きさが1mm程度しかないため、木くずと見間違えることも多いですが、実はシロアリの存在を証拠づける重要なもの。
アメリカカンザイシロアリは、被害の進捗が気付きにくく、駆除が難しい品種として知られているので、放置するのは危険でしょう。
クロアリの木くずには食べカスが混じる
点々と土や黒ずんだ木くずが見つかる場合、クロアリの可能性が高いです。
クロアリが出す木くずには、巣から放出される土や食べカスが多く混じっています。雑食であるクロアリの食べカスとは、昆虫の死骸や破片などです。
クロアリだけでなく在来種のシロアリも土を排出しますが、シロアリの場合は純粋に固められた土のみなので、木くずや虫の死骸などは見当たりません。木くずを観察すれば、その違いが確認できるでしょう。
また、クロアリの食べた虫の種類を分析することで、近くに生息している虫の詳細がわかります。駆除業者に確認してもらうと安心でしょう。
キクイムシの木くずはかなり細かい粉末状
キクイムシが出す木くずは、粉っぽくきな粉のような粉状です。シロアリの出す木くずやふんよりも細かいのが特徴。
キクイムシは、木の中で卵から幼虫に孵化し、成虫になった時点で、木を削りながら外に飛び立ちます。
キクイムシの被害が悪化するにつれて、室内の家具などに大量の小さな穴ができますが、穴や木くずに気付いた頃には、キクイムシは既に外に飛び去っている事態がほとんどです。
ナガシンクイムシの木くずは大きいふんが混じる
ナガシンクイムシの木くずには、シロアリやキクイムシよりも大きいふんが含まれているのが特徴です。
木材の中に卵を産み付け、幼虫・成虫ともに木の中に住み着きます。木材に開ける穴の大きさは約2.5mm以上、大きいものだと5mmにもおよびます。
粉状の木くずに大きめのふんが混ざっている場合は、ナガシンクイムシの可能性があると言えるでしょう。
シロアリを含む木くずを落とす害虫の対処法
それでは、虫ごとの対処法を解説していきます。
- シロアリの対処法
- クロアリの対処法
- キクイムシの対処法
- ナガシンクイムシの対処法
順番にお伝えしていきましょう。
シロアリの対処法
シロアリを見付けた時点で、すでに被害が進行している可能性が高いです。早めに駆除対策を取りましょう。
応急処置だからと言って、殺虫剤を吹きかけるのは絶対にやめてください。殺虫剤を使ったところで、シロアリは別の木材に移り住み、被害を広げてしまいます。
そもそも、人目につくシロアリは、全体のごく一部。殺虫剤で根絶するのはほぼ不可能です。そのため、シロアリを見つけた場合は業者に相談しましょう。
クロアリの対処法
クロアリは、建物への直接的な被害はあまりないのですが、人間の食べ物に群がるリスクがあります。
大量にいるのであれば、毒餌を設置する駆除方法がおすすめです。市販品にもいくつかの種類がありますが、クロアリによって好みが違うので、業者に相談したほうがスムーズと言えます。
キクイムシの対処法
キクイムシは、被害を受けた穴から防虫剤をスプレーすることで駆除できます。
しかし、既に穴が空いている場所には成虫がいない可能性も高く、木材の中の幼虫には気付きにくい、という難点も。
家自体に大きな被害を及ぼすわけではないものの、被害が繰り返されるケースもあるので、被害部材の交換がおすすめです。
ナガシンクイムシの対処法
木材の内部を食べ進め、ボロボロにしてしまうナガシンクイムシは、家具や竹材を使用した日用品などに影響を及ぼします。
穴ごとにナガシンクイムシ用の殺虫剤を注入すると、被害拡大を防げるでしょう。壁の中にある竹材から発生している場合は自力での対処は難しく、業者に依頼が必要となるでしょう。
木くずの原因がシロアリなら?【リスクをチェック】
家屋に住み着きやすい害虫についてご紹介しましたが、この中で一番危険なのがシロアリです。
木くずがシロアリのものだった場合のリスクは、以下の通りです。
- 対処が遅れると、建物の部材ごと交換する羽目になる
- 建物に直接被害を及ぼすことで強度を弱め、耐震性を低下させる
- 木くずではなくアメリカカンザイシロアリのふんだった場合は、特に駆除が大変
木くずや木くずのようなふんが落ちている時は、シロアリの居場所を特定できるチャンスだと思い、早めに業者に相談すべきです。
木くずだけでない!シロアリがもたらす被害は?
シロアリがもたらす被害は、木くずだけではありません。建物自体に以下の兆候が出ていませんか?
- 柱やドアなどの劣化
- 床の一部が沈む箇所がある
- 漏水や浸水が発生している
- 空洞音がする
該当していないか、順に確認していきましょう。
柱やドアなどが劣化してきた
最近ドアが閉まりにくくなった、などの現象が起きてきたら、柱がゆがんでいる可能性があります。
木くずが柱のまわりに落ちている、玄関や浴室に湿気がたまりやすい、などが該当する場合は、シロアリ被害による柱やドアの劣化が考えられます。
床の一部が沈む箇所がある
暗く湿気のたまりやすい床下も、シロアリにとって最適の住処。床板を支えている根太(ねだ)や大引(おおびき)などの、基幹となる木材にも被害を及ぼします。
床下に被害が及ぶと、その上を歩くだけで床がきしんだり下がったりしはじめます。もしも室内を歩いて床が上下するような感触があったら、その場所の床下がシロアリの被害に遭っている可能性が高いです。
漏水や浸水が発生する
水まわりで水漏れが起きたり、大雨などの影響で床下に水が侵入したりすると、床下に湿気がたまります。つまり、シロアリにとって住みやすい環境になってしまいます。
腐敗防止の湿気対策だけでなく、シロアリへの予防対策を検討してください。
空洞音がする
シロアリの被害に遭った壁や柱は、叩いてみると軽い空洞音がします。つまり、中身が空洞になるほどシロアリの被害が進んでいるという証拠。
このように被害が深刻化すると、家の耐震性が低くなり、小さな地震でも倒壊の恐れが出てきます。
木くずの原因がシロアリだったら早急に相談を!
家の中に木くずが落ちていた場合の原因や、シロアリ対策をまとめました。
木くずの原因として、一番に注意すべきなのはシロアリの存在です。他の害虫と比べても、建物の強度に影響を及ぼすリスクが高いため、少しでも不安があれば早めに専門業者に相談しましょう。
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家の中の木くずはシロアリ被害?原因となる害虫を徹底解説のよくある質問
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Q. シロアリ被害は木くず以外にもありますか?
シロアリが家屋に及ぼす被害は、木くず以外にも、床下や柱の劣化、浸水など重大な影響を与える症状が多いです。
シロアリ被害の兆候がある場合は、早めに対策を実施してください。 -
Q. シロアリ被害を未然に防ぐためには?
シロアリは湿度の高い場所を好む傾向があるため、床下などの暗く湿度がたまりやすい箇所を中心に、換気を心掛けましょう。
また、定期的な予防薬剤の散布も効果的です。自力での対策はシロアリの被害に気付きにくいので、業者に依頼する方が得策です。 -
Q. シロアリ駆除費用を抑える方法はありますか?
一般的にシロアリ駆除の繁忙期を迎える6月~9月は、相場よりも割高になりがちです。シロアリは1年中活動しているので、繁忙期をさけて見積もりを依頼すると良いでしょう。
なにより、被害が拡大してしまう前に対策を行うことが、一番の節約と言えます。