2025.04.04 2025.04.04
この記事では、斜面・傾斜地での草刈りについて徹底解説します。
草刈りは、水路両側の勾配や道路脇の急斜面、土で造成された法面(のりめん)など、様々な場所で必要になるもの。しかし、斜面での作業は、平坦な土地に比べて、転落や怪我などのリスクが高まります。
そこで今回は、斜面で安全に草刈りを進めるためのコツを解説します。後半では、安全グッズや草刈りを楽にする方法についても紹介するので、作業される方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
斜面の草刈り4大リスク【法面・傾斜地での作業時は要注意!】
斜面で草刈りする場合、平坦な場所と比べて危険度が高まります。特に、草刈機を使う場合、ちょっとした不注意が大怪我に繋がることも…。どのような危険があるか、事前に確認しましょう。
- バランスを取りにくい
- 足元が滑りやすい
- 目に見えない部分に危険がある
- 飛石やキックバックの危険がある
上記のリスクについて詳しく解説します。
バランスを取りにくい
斜面は両足が同じ高さにないため、常に不安定な状態です。さらに、作業中は重量のある草刈機を使用するため、バランスを取るのが難しくなります。
斜面での事故は毎年報告されており、次のような事例があります。
自宅の裏山で刈払機を使用していた。斜面でバランスを崩し誤って刈払機が右大腿部に当たった。右大腿部に長さ30cmの切創。
引用:国民生活センター
また、草刈機を使わない場合も、斜面での滑落は起こりうるため、安全対策は必須です。
上記のようなリスクを避けるためにも、慣れていない場合は業者へ依頼しましょう。
足元が滑りやすい
斜面では足元の踏ん張りが効きにくく、滑りやすい状態です。40度を超す急な勾配では、さらに滑りやすくなり危険が高くなります。
また、雨の後の濡れた草やぬかるんだ土では簡単に足元が滑りやすくなるので、草刈りは避けたほうがよいでしょう。
目に見えない部分に危険がある
斜面に草が茂っていると、地面の凸凹や段差、もろくなっている部分といった危険が分かりにくくなります。作業中は刃の動く範囲に集中しているため、異変に気づくのが遅くなりがちです。
また、ハチやヘビ(マムシ)などの危険生物が潜んでいる場合もあるため、夏場でも長靴や長袖の作業服は必須です。事前に危険がないかも必ず確認しておきましょう。
危険な感染症を媒介するマダニも草むらにいるので、とにかく肌を出さないことが重要です。
草刈り時の装備についてはのちどほど紹介しますので、参考にしてください。
毒性・攻撃性の高いスズメバチやマムシ、危険なマダニなどの生物で重症被害が毎年発生。予測困難のため、万全の装備を!
飛石やキックバックの危険がある
平坦な場所でも斜面でも起こるリスクですが、草刈機を使うと「飛石」や「キックバック」により大けがする可能性があります。斜面の場合、平坦よりもバランスを崩しやすいので、リスクは大きくなります。
- 飛石:石が草刈機の刃に当たって高速で飛ばされること
- キックバック:草刈機の刃が障害物に当たって、逆方向に跳ね返る現象
飛石で顔や目に当たったり、キックバックで自分だけではなく周囲の人に怪我を負わせたりするリスクがあることを意識しながら作業しましょう。
また、草刈機の刃を直接触って、指や手を切る事例も発生しています。エンジンが止まっても刃はすぐに停止せず、遠心力で動いています。刃に異物が絡まっても不用意に手で触らないようにしましょう。
刃に異物が絡まっても、すぐエンジンが再始動する状態で触らない!
斜面の草刈りに適した服装と必須アイテム【おすすめ商品も】
斜面で草刈りする前に、必ず安全対策を行いましょう。次は、斜面で草刈りする際の服装です。
必要な理由 | おすすめ商品 | |
---|---|---|
スパイクのついた靴 スパイク付きの安全靴 |
・スパイクが地面に食い込んでバランスが安定しやすくなる ・靴のつま先を先芯によって保護。草刈機の刃が当たっても大怪我しないように |
・スパイク:土手楽 ・スパイク付きの安全靴:荘快堂「甲ガード安全スパイクシューズ」 |
耳栓/ヘッドホン | ・騒音防止、耳鳴り防止に | ・高儀斬丸「作業用耳せん」 ・3M 防音 イヤーマフ |
防護メガネ/フェイスシールド | ・飛石、枝や硬い異物から防護するため | ・ワンダーセーフティ「草払機用メッシュプロテクター ・SEIKOH「保護メガネ」 |
帽子/ヘルメット | ・日よけ対策(つばが広い帽子など) ・飛来物や転倒による怪我防止のため |
・バトラー樹脂工業「完全ガードヘルメット」 (ヘルメット、フェイスシールド、イヤーマフ付き) |
防振手袋 | ・手を飛来物から保護するため ・振動による手や腕の負担を軽減するため |
・富士グローブ「ダンシング防振手袋」 |
長袖・腕カバー・長ズボン | ・害虫からの防御 ・飛来物から身を守るため |
・つなぎの作業服 ・たくみ「草刈りエプロン」 |
前掛け/すね当て | ・飛来物から身を守るため | ・HiKOKI「レガース スネ当て」 |
斜面での草刈りでは、必ず上記のような服装で臨みましょう。
斜面の草刈り必須の安全対策【法面・傾斜地作業の前準備5つ】
草刈りする場合、事前に次のようなチェックをします。
- 斜面に危険なものがないか確認、危険物を取り除いたり、三角コーンで目印したりする
- 必要な場合は、足元が安定するように杭を打って足場を作ったり、小段を設けたりする
- 草刈機の点検や使い方の確認
- 2人以上で行う場合、作業分担と配置(15m以上の間隔で上下になって作業しない)を確認
- 天候(雨や土地がぬかるんでいないかなど)の確認
また、作業当日は適度に休憩をとりながら進め、2人以上で行う場合は声を掛け合うなど不用意に近づかないようにしましょう。
斜面の草刈り手順3ステップ【法面・急傾斜地対応】
斜面で草刈りする際は、次のような手順で行いましょう。
- 事前準備、服装や安全点検など
- 草刈り作業
- 刈り取った草は天日干し
斜面での草刈りが広範囲なれば、草刈機を使うほうが効率的に作業ができます。ただし、急斜面の危ない箇所や狭い範囲などは、鎌を使って手刈りする方が安全です。
また、草刈機に抵抗がある場合、柄の長い大鎌を使うと、広範囲の作業もはかどりやすくなります。
1.事前準備、服装や安全点検など
事前に草刈りする場所の安全確認を行い、空き缶や石などの危険になり得る物を撤去しておきます。凹凸がある場所は目印をつけて、危険を知らせる工夫をしましょう。
また、複数人で行う場合は作業分担、間隔、連絡方法など確認してください。
2.草刈り作業
草刈機を使用する際は、ベルトをしっかりつけて身体に固定させましょう。ベルトで固定させると、転んだ時やキックバックした際に、刃が自分や誰かに当たるリスクを減らしてくれます。
何もない場所で草刈機を固定させた状態で、エンジンをかけ、腰に沿わせながら動かします。半歩ずつ移動しながら狭い範囲を刈っていくのがベスト。大きく振りすぎると、腰や腕への負担が大きく、怪我するリスクも高まります。
刈っている途中で、石や木などがある場合は、刃が当たらないようにしながら、周りを慎重に切りましょう。刃が当たると切れ味が悪くなるだけではなく、刃こぼれした破片が高速で身体に当たって怪我する可能性があります。
また、転んだ際は草刈機を手から離さないようにしてください。刃が当たって怪我するリスクを減らせます。
3.刈った草は天日干し
草刈りが終わった後は、そのまま天日干しにするか、ホーキで一箇所に集めて、ビニールシートの上などで天日干しするとよいでしょう。枯れて、処分しやすくなります。
燃えるゴミ袋など自治体に沿った処分法で廃棄してください。
斜面の草刈りで押さえたい4つのコツ【安全かつ効率よく!】
斜面で草を刈る際は次のようなポイントで行いましょう。
下から刈り始める
斜面での草刈りは下から上へ順に刈っていきます。上から作業すると、刈り終えた草が下の草を刈るときに邪魔になったり、うまく刈りにくかったりするからです。
また、刃の角度は、地面と平行にするために左に傾けると、切りやすくなります。
右から左へと移動する
草刈りする際は一直線に右から出発し左へと移動します。
草刈機の刃は、左回転(時計回りの逆)して草を刈るため、左から動かしても効率よく草刈りできません。また、刃が回転している方向にいると、刃が小石などにぶつかった時に、自分の身体に跳ね返ってくる可能性が高くなります。
斜面の上部から下へ振り落とすようなイメージで刈っていきましょう。
一気に刈ろうとせず数段階に分けてやる
草が長い場合は1回で根元から刈ろうとせずに、数回に分けて刈り込みするのが有効です。
丈が50cm以上ある草やツルは刃に絡まって、回転が止まってしまいます。絡まったからといって、直接手で触れるのは危険。このような危険を減らすためにも、2回以上に分けて刈り込みましょう。
初心者や女性は安全性の高い草刈機を使う
草刈機は一気に作業できるメリットがありますが、扱い方に注意しないと大怪我に繋がるリスクがあります。草刈機を使うのは初めての方や慣れない方は、次のような草刈機をおすすめします。
- ナイロンカッター:金属と比べると刈る力は弱いものの安全性が高い
- ループタイプのハンドル:斜面や障害物が多い場所に適している、身体への負担も少ない
ループハンドルとは、半円状の持ち手がついたタイプで、刃の角度を安定させやすいのが特徴です。
軽さを重視した「ゼノア BCZ235-DC」は女性でも扱いやすいでしょう。
斜面での草刈りを楽にする2つの方法【法面・傾斜地は大変!】
斜面での草刈りは平坦よりも体に負荷がかかりやすく、危険も高くなります。次のような方法を利用すると、楽に行えるでしょう。
- 自走式草刈機を使う
- 草刈り除草業者へ依頼する
詳しく解説します。
自走式草刈機を使う
草がおおい茂った斜面で活躍するのが、自走式草刈機。車輪と動力を備えた草刈機のことで、スイッチひとつで作業が進みます。また、刈った草を粉砕するタイプもあり、後処理が必要ありません。
ただし、対応する斜面の勾配は製品によって異なるため、事前に調べておきましょう。傾斜でも対応する自走式の草刈機は次のとおりです。
製品 | 使い方 | 製品の相場 |
---|---|---|
長いレバーのついた4輪車草刈機 | レバーで操作しながら歩くだけ | 20万円〜 エンジンの大きさによって価格が変動 |
ラジコン草刈機 | コントローラーを使って遠隔操作 | 40万円〜 |
便利な自走式草刈機ですが、新品で買うと20万円以上と決して安い買い物ではありません。また、定期的なメンテナンスもかかり、刃の交換など手間や費用がかかる点は考慮しておきましょう。
草刈り除草業者へ依頼する
自分で行う自信がない場合は無理をせずにプロへ依頼することも検討しましょう。
草刈りにかかる費用は、場所・範囲によって大きく異なります。料金の目安は、面積100㎡(約30坪)とした場合、おおよそ2万円〜3万円ほど。別途かかる費用は、駐車場代や交通費、機械を利用した場合は使用料など、刈草の処分費(45ℓゴミ袋1袋で300円〜)です。
複数の業者の料金システム、実績や口コミなどを確認して、相見積もりを取ってみましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちら
草刈りを業者に依頼すると料金相場はどれくらい?業者選定方法と節約術も紹介
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斜面の草刈りは重労働で高リスク!慣れた業者への依頼が安心
斜面での草刈機を使った作業方法や安全対策などを解説しましたが、とくに草刈機を使い慣れていない方や女性や高齢者は、自分で斜面を刈るとなるとかなりのリスクがあります。自分が怪我するリスクだけではなく、一緒に作業する人を傷つけてしまう事故も発生しています。
斜面は平坦な場所よりも危険性がはるかに高まります。無理をせずに、プロへ依頼しましょう。
草刈り業者選定の際は、良い業者に巡り会えるセーフリーをご活用ください。すぐ簡単にサービス料金や口コミがチェックできるので、まずは近くの業者を探してみましょう!
- 広範囲の草刈りはツラい
- 何度草刈りしてもすぐに生えてくる
- 草刈機使うのはちょっと…
斜面や広範囲の草刈りは大変!
無理せずにキレイにするなら
プロへおまかせ!
草刈りを斜面で行う際のよくある質問
-
Q. 斜面での草刈りで滑りにくい靴はある?
A.スパイク付きの靴が、土に食い込んで安定しやすいため、適しています。下記でおすすめの商品を紹介していますので、参考にしてください。
斜面の草刈りに適した服装と必須アイテム【おすすめ商品も】 -
Q. 斜面で草刈りする際にどんなことに気をつけたらいい?
A.次の4つのリスクに注意しましょう。「バランスを取りにくい」「足元が滑りやすい」「目に見えない部分に危険がある」「飛石やキックバックの危険がある」
斜面の草刈り4大リスク【法面・傾斜地での作業時は要注意!】 -
Q. 斜面での草刈りをもっと楽にできる方法はある?
A.自走式草刈機を使えば楽に草刈りが行えます。また、無理をせずに草刈り・除草業者へ依頼しましょう。
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