2024.12.16 2025.01.09
この記事では、漏電時の火災保険適用について徹底解説します。
「どんなケースで火災保険が使える?」
「漏電被害をすぐに報告しなくても請求できる?」
「経年劣化で漏電した場合も保険金請求できる?」
このような、よくある疑問もしっかり解消。適用されるケースや適用されないケースを具体的に見ていきます。記事後半では、請求時の注意点や申請の流れもご紹介しますので、漏電被害でお困りの方は最後まで参考にしてみてください。
目次
「漏電が原因の火事や故障」は火災保険の補償対象
漏電被害は、火災保険の補償対象になります。
なぜ、漏電による火事や故障が火災保険の補償対象になるかというと、火災保険が、火災やそれに付随する被害を補償するための保険だから。
ただし、適用にはいくつかの条件があります。例えば、偶然の事故や予期せぬ漏電による火災であること。また、火事には至らなくても、漏電によって電化製品が故障した場合も対象になります。具体的な適用条件は保険契約によって異なるため、契約内容を確認してみましょう。
火災保険で補償される適用事例は、次の項で解説していきます。
火災保険で補償される漏電被害のケース【適用事例】
火災保険で補償される漏電被害のケースを見ていきましょう。主な適用事例は、以下の2点です。
- 漏電によって火災が発生した場合
- 漏電によって電化製品が故障した場合
それぞれ、解説していきます。
漏電によって火災が発生した場合
不測かつ突発的な漏電により火災が発生した場合は、火災保険の補償対象です。
漏電による火災で住宅が全損した場合は、契約している保険金額を上限に保険金が受け取れます。
補償される金額や範囲は契約プランによって異なりますが、建物の損害は建物の契約、家財の損害を補償するには、家財の契約が必要になります。
火災保険の補償額は、「損害額 - 自己負担額 = 損害保険金」。自己負担額とは免責金額であり、契約時に設定した金額です。保険証書を改めてチェックしてみましょう。
漏電によって電化製品が故障した場合
漏電により電化製品が故障した場合は、電気的・機械的事故担保特約での補償が適用されます。
この特約は火災保険に最初から付加されている場合も多いですが、実際に付加されているかチェックしておくのをおすすめします。
電気的・機械的事故担保特約とは、建物に固定されている設備の損害を補償する特約。以下のような、簡単には取り外しができない設備がおもな補償対象になります。
・エアコンや床暖房
・給湯器やボイラー設備
・太陽光発電機
・アンテナ
テレビやパソコン、掃除機といったコンセントにつなげるだけで簡単に使用できる電化製品は、電気的・機械的事故担保特約の補償対象外ですが、漏電による火災によって損傷が生じたのであれば、特約の対象外の電化製品も補償されます。
漏電の確認方法は、以下記事でも詳しく解説しています。
さらに詳しく知りたい方はこちら
漏電原因がわからない場合のチェック方法【キケン!業者依頼すべき判断基準も解説】
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火災保険で補償されない漏電被害のケース
漏電被害でも、火災保険で補償されないケースが存在します。
- 漏電原因が経年劣化の場合
- 補償の範囲や金額に制限がある場合
- 漏電が直接原因ではない損害の場合
上記3つのケースを見ていきましょう。
漏電原因が経年劣化の場合
経年劣化が原因でおこった漏電被害は補償されません。
一般的な火災保険は、経年劣化が原因のような「発生が予測できる事象」については補償対象外。普段からブレーカーが落ちやすいなどの事態が頻発するなら、火災が起こってしまう前に修理しておいた方が得策です。
また、電化製品自体が正常に動いていたとしても、実は漏電している場合もありえます。耐用年数が過ぎた電化製品を使用しているなら、日頃から注意しておくべきでしょう。
補償の範囲や金額に制限がある場合
補償範囲や補償金額に制限をかけていて、損害が補償されないケースもあります。
「建物のみ」「家財のみ」など、補償範囲に制限をかけていると、漏電によって建物や家財に損害が発生しても、補償範囲として契約していない部分の損害は補償されません。
また、補償金額に制限をかけている場合も、被害額全部は補償されません。
火災保険の保険金には免責金額が設定されています。免責金額とは、損害が発生した際に自己負担費用となる金額。支払われる保険金の額は、補償金額から免責金額を引いた額なので、免責金額が損害金額よりも高い場合は保険金を受け取れないわけです。
一般的に、免責金額が高いほど保険料が安くなるため、自身の収入や貯蓄状況ともあわせて免責金額を設定すると良いですね。
漏電が直接原因ではない損害の場合
漏電が直接の損害理由でない場合も、火災保険の補償対象外です。例として、以下のようなケースが挙げられます。
- 冷蔵庫の故障で腐敗した冷蔵庫内の食品
- 空調設備の故障で発症した熱中症の医療費
- 給湯設備が故障して利用した銭湯の費用
ただし、上記のようなケースまで補償が網羅される火災保険や、漏電による火災によって仮住まいの費用や当面の生活費が保証される「災害緊急費用特約」などの契約もあります。起こりえる特約を付加しておくのも一つの安全策と言えますね。
漏電被害による火災保険請求時の注意点
漏電時に、火災保険を請求する時の注意点もご紹介します。
- 漏電が原因である点を示す必要がある
- 時効で権利が消滅してしまう前に請求する
上記2点をチェックしてください。
漏電が原因である点を示す必要がある
火災保険を請求する際、漏電が原因である点を明確に示す必要があります。
保険会社が、経年劣化などの別の原因で被害が発生したと判断すると、保険金が支払われないケースがあります。漏電による被害であると具体的に示す方法としては、専門業者による調査報告書や写真、見積書などが挙げられます。
あくまでも経年劣化ではなく突発性の事故である点を踏まえ、専門業者に漏電修理にかかる見積もりを出してもらいましょう。つまり、業者が特定した原因が「(予期せぬ)漏電」と明示されていることが重要。漏電修理を請け負っている業者であれば、火災保険請求時の流れも熟知しているはずです。
時効で権利が消滅してしまう前に請求する
火災保険の請求には時効がある点にも注意してください。
通常、保険金の支払事由となる漏電被害が発生した日の翌日を起点として、保険法で定められた3年の時効があります。時効を過ぎると保険金の請求権が消滅するため、気付いた時点で早めに保険会社へ連絡しましょう。
漏電による被害は、発生直後に気付けないケースもありますが、発覚した時点ですぐに保険会社に一報すれば、その時点からの時効換算としてくれる場合も多く見受けられます。
漏電は日常をおびやかすリスキーな被害。火災保険の補償目的だけでなく、一刻も早く修理する必要があります。時効を意識しつつ、迅速に対応してください。
漏電被害にあった際の火災保険請求【申請手続きの流れ】
最後に、漏電被害にあった時の火災保険申請手続きの流れを解説します。
- 保険会社に連絡する
- 漏電の原因を確認し、業者に見積りを依頼する
- 保険会社に必要書類と見積り金額を提出する
- 保険会社による調査・審査を受ける
- 保険適用額が振り込まれる
流れに沿って、具体的にチェックしていきましょう。
STEP1.保険会社に連絡する
漏電被害が発生したら、まず加入している保険会社に連絡します。契約内容を確認し、火災保険が適用されるか確認しましょう。
保険会社が手続きに必要な書類や対応方法を提示してくれるので、被害状況や発生日時、被害箇所などを詳しく伝えてください。
STEP2.漏電の原因を確認し、業者に見積りを依頼する
漏電の原因を特定するため、電気工事業者に調査を依頼します。
漏電原因が判明したら、修理にかかる費用の見積書を作成してもらいましょう。見積書は保険請求に必要です。予期せぬ漏電が原因である点、漏電修理の詳細をしっかり明記してもらうと、保険請求もスムーズに進むでしょう。
漏電時に連絡すべき先は、以下記事で詳しく解説しています。
さらに詳しく知りたい方はこちら
漏電したらどこに連絡?賃貸・戸建て住まい形態ごとの相談先・対処法を解説
2024.09.05 2025.02.18
STEP3.保険会社に必要書類と見積り金額を提出する
保険会社の指示に従い、漏電原因の報告書、業者の見積書、被害状況を示す写真などを提出します。申請書類に不備がないよう確認しつつ、早めに提出してください。
STEP4.保険会社による調査・審査を受ける
提出書類をもとに、保険会社が被害状況や保険適用の可否、支払金額を審査します。調査中に追加資料や説明を求められたら、速やかに対応しましょう。
STEP5.保険適用額が振り込まれる
審査が通れば保険金が指定口座に振り込まれます。振り込まれてから修理をスタートしてもらうのも可能なので、急な事故でも自己負担が減りますね。
漏電被害にあって火災保険請求したいなら
漏電による被害を火災保険で補償するケースについて、ご紹介しました。
補償されるか否かは、漏電の原因や火災保険の契約プランによっても異なります。保険会社に一報するだけでなく、プロに漏電原因を調査して、早急に修理してもらいましょう。
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漏電被害時の火災保険請求についてよくある質問
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Q. どんな原因の漏電でも保険請求できますか?
A.火災保険で漏電被害を請求できるかは、漏電の原因によります。
保険適用されるのは、突発的な漏電事故で電化製品の故障や火災が起きた時。一方、経年劣化が原因の場合は、保険対象外となるのが一般的です。
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Q. 漏電後、時間が経ったあとでも保険請求できますか?
A.漏電による被害が発覚した場合、火災保険は3年以内に請求しましょう。この「3年」は時効とされ、それを過ぎると請求権が消滅します。
漏電被害がすぐに気付けなかった時は、被害が判明した時点で速やかに保険会社へ相談してください。
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Q. 漏電しているかどうか確認したいです。
A.まず、分電盤の漏電ブレーカーが作動しているかどうかをチェックしてみましょう。
詳しい確認方法は、漏電原因がわからない場合のチェック方法【キケン!業者依頼すべき判断基準も解説】を参考にしてみてください。