コンセントを増設する際は、コンセントのみでなく家全体の使用可能な総電力量も考える点が大切です。コンセント口だけ増設して使用する家電を増やすと、ブレーカーが落ちる可能性があります。
2024.07.01 2024.08.03
本記事では、キッチンのコンセント増設方法やポイントなどをご紹介します。
- タコ足配線が増えてきてちょっと不安・・・
- 家電使用時に毎回抜き差しするのが面倒・・・
- ここにコンセントがあれば便利なのに・・・
上記のようなお悩みをお持ちの方に、理想のコンセント数や便利に使える場所、注意点などをわかりやすく解説します。記事後半では、業者の選び方や費用相場もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
キッチンのコンセント増設時の基礎知識【必要数の目安は?】
キッチンに必要なコンセントの必要数は、最低6つと言われています。
ご自宅の必要数の目安として、キッチンで使う家電の数と、コンセントから抜き差しする頻度を整理してみましょう。
常時コンセントに差しておくべき家電に、1口ずつ必要なのは想定しやすいですが、使用する時だけコンセント抜き差しする家電がどれくらいあるかを考えると、具体的な必要数が出るはずです。
キッチンに必須の家電 | 冷蔵庫や電子レンジ、オーブン、炊飯器、ウォーターサーバー、ワインセラーなど |
---|---|
調理時のみ必要なキッチン家電 | フードプロセッサー・ミキサー、電気ケトル、コーヒーメーカー、パンメーカーなど |
家電数を単純計算するのではなく、どの家電を一緒のタイミングで使うのか、が重要です。例えばパンメーカーでパンを焼きながら、コーヒーメーカーでコーヒーを淹れるなら、コンセントは2口同時に使える必要がありますね。
食卓でホットプレートを使うなら食卓側にもコンセントがあると便利、など、ライフスタイルにあったコンセント数を考慮しましょう。
キッチンのコンセント増設方法【3つの選択肢】
早速、キッチンにコンセントを増設する方法を解説していきます。以下3つの選択肢をチェックしていきましょう。
- 差し込み口を増やす
- 既存のコンセントから分岐させる
- 分電盤を交換して新規で増やす
簡単な作業から順に、ご紹介していきます。
差し込み口を増やす
コンセントの差し込み口数を増やすだけであれば、そこまで手間はかかりません。具体的な行程は、コンセント本体の口数を変えて、それに合わせて開口部を大きくするだけ。
簡単にコンセント数を増やせますが、利用できる消費電力量が変わらない点に要注意。ミキサーなどのそこまで消費電力が高くないキッチン家電を、断続的に接続する場合などに活用できる増設方法です。
既存のコンセントから分岐させる
もともと差し込み口のない、新しい場所にコンセントを設置したい時は、既設のコンセントから配線を分岐して増設する方法もあります。
電圧が100Vの屋内用配線なら分岐できますが、大きな電力を使う家電と同じ配線にしてしまうと、電力量がオーバーしやすくなります。配線を分岐させる際は、その場所に消費電力の大きいものが設置されていないか、その配線を使用しないか、をチェックしてください。
消費電力が多い家電の例
- 電子レンジ
- 食洗機
- エアコン など
既存のコンセントから分岐させる方法も、差し込み口の増加と同様、使用できる電力量は変わらない点に注意が必要です。
分電盤を交換して新規で増やす
既存の回路を使用する方法を2点ご紹介しましたが、新しい回路を増設すれば、コンセント数が増えるだけでなく、使える電力量も増やせます。
契約している電力を超えない限り、消費電力の大きい家電を追加しても安心して使用できるでしょう。
具体的な方法として、既存の分電盤に増設スペースをそのまま使用するか、スペースがなければ、分電盤自体を新しいものに変更するか、の2通りになります。
キッチンコンセントの増設おすすめ位置【家事動線にも影響!】
キッチンにコンセントを増設する時の、おすすめ位置をご紹介します。
- 「常設の家電」用コンセントは背面に3~5個
- 「抜き差しの多い家電」用は高めの位置に2~4個
- カウンターテーブルにもあると便利
キッチンは特に、コンセントの場所が集中してしまいがち。電源コードが絡まったり、床の近くのコードが絡まり足に引っかかってしまったりなど、使い勝手も悪くなります。家事動線に大きく影響するので、計画的に配置を決めましょう。
「常設の家電」用コンセントは背面に3~5個
常設の家電と言えば冷蔵庫。冷蔵庫用として、天井に近い壁面に設置されているケースがほとんどでしょう。
それとは別に、使用頻度の高い家電を常設するためにコンセントを増やすなら、背面側の壁にコンセントを設置するとコードが隠れるのでおすすめ。
常設家電例
- 冷蔵庫
- 炊飯器
- 電子レンジ
- オーブントースター など
見た目もすっきりするうえ、コードも抜けにくくなります。
「抜き差しの多い家電」用は高めの位置に2~4個
一時的に使用する家電は、背面や床面に配置すると抜き差しが面倒なので、胸から腰あたりの配置で増設すると良いでしょう。例えば、吊戸棚の下あたりにコンセントがあると抜き差ししやすく、コードも絡みにくいはず。
抜き差しの多い家電例
- 電気ケトル
- ミキサー
- ブレンダー
- コーヒーメーカー など
ハンドブレンダーのように手に持って使うのか、コーヒーメーカーのように移動させずに動かすのかなどの使い方も、便利な高さや位置の判断基準となります。使用中にコードが絡まない動線を考慮するのがポイントです。
水まわりやコンロまわりは、漏電の恐れがあるため避けたほうが無難です。IHコンロ用のコンセントを増設したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
IHに切り替えるにはコンセントが必要?工事の流れや費用目安を解説
2024.07.08 2024.09.03
カウンターテーブルにもあると便利
対面キッチンやサイドにカウンターテーブルが広がるレイアウトなら、ホットプレートやコーヒーメーカーを、カウンターやテーブルでそのまま接続できたら便利ですよね。
スマートフォンを充電しながら朝食、コーヒーを飲みながらリモートワーク、といったことを実現したい人にもおすすめです。
キッチンコンセント増設時の注意点
キッチンコンセントを増設する際の注意点も、事前にチェックしておきましょう。
- 水まわりならアース付きコンセントが必須
- 差し込み口だけ増やしても電力量は変わらない
- 賃貸の場合は要相談
- 増設作業は資格が必要
重要な点なので、それぞれ解説していきます。
水まわりならアース付きコンセントが必須
水まわりのコンセントに水滴がつくと、漏電やショートを起こす恐れがあります。アース付きコンセントなら、漏電時に漏れ出した電流を、外に逃がすための役割を担っているので、水まわりやガスコンロ付近には欠かせないコンセントの一つです。
以下で、アース付きコンセントが必要な箇所を上げました。
- 冷蔵庫
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ付近
- 食器洗い乾燥機 など
コンセントを増設したり、新築を建設予定の方はチェックしてみましょう。
差し込み口だけ増やしても電力量は変わらない
差し込み口だけ増やしたり、既存のコンセントを分岐させたりする場合は、増やす家電の電力量や使用するタイミングを考慮しましょう。
コンセントの口数が増えるだけで、電力量は変わりません。つまり、同じ配線内で多くの電力量を使用すると、ブレーカーが落ちる頻度も増えるわけです。電子レンジと同じタイミングで電気ケトルを使用しない、などの工夫が必要です。
賃貸やマンションの場合は要相談
賃貸物件やマンションでは、勝手にコンセントを増設してはいけないケースが多いはず。勝手に増設してしまうと、トラブルに発展する恐れがあるので、まずは管理会社や大家に連絡して、増設の許可をもらいましょう。
また、賃貸物件から退去する際は、原状回復が大前提です。増設したコンセントも原状回復の対象として戻さないといけないか、あらかじめ管理会社や大家さんに確認を取っておくことをおすすめします。
さらに詳しく知りたい方はこちら
マンションのコンセント増設は可能?許可の取り方や具体的な流れを解説
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増設作業は資格が必要
コンセントの増設は「電気工事士」の資格を持っていないとできない工事です。無資格でのDIY工事は違反行為にあたり、罰金の恐れがあります。
感電や火災を引き起こす危険性もあるため、資格を持っていない方や実践経験がない方は、必ず業者に依頼してください。
キッチンのコンセント増設を依頼する業者の選び方【3つのポイント】
キッチンのコンセント増設を依頼する業者の選び方をご紹介します。
- 電気工事士資格を持っている
- コンセント増設関連の実績が多い
- 事前見積もりの内容がわかりやすい
順番にチェックしていきましょう。
電気工事士資格を持っている
キッチンのコンセント増設作業を業者に依頼する際の大きなメリットは、電気工事士資格を持ったプロが作業する点。
「電気工事士」とは、電気設備の工事や取扱いに必要な国家資格で、一般住宅のコンセント増設工事は、「第二種電気工事士」の資格が必要です。
電気工事に関する専門知識と技術を持ち、火災や感電のリスクを抑える重要な資格なので、電気工事を扱っている業者なら、本来資格保持が当然ですが、中には悪徳業者の存在も無視できません。必ず、ホームページの会社概要をチェックしましょう。
コンセント増設関連の実績が多い
コンセント増設の豊富な実績があるか否かも重要な選定ポイント。
キッチンは、特に多くの家電が集まるため、コンセントの位置ひとつで家事動線が大きく変動します。キッチンのコンセント増設作業の場数を踏んでいる業者なら、キッチンの使用状況や家電配置に最適なコンセントの設置場所や数も把握しています。
キッチンならではの水まわりやコンロまわりのトラブルを未然に防ぐ提案もしてくれるはずなので、安心して依頼できますね。
事前見積もりの内容がわかりやすい
事前見積もりの内容もしっかり確認しましょう。優良業者なら、作業内容や費用の内訳を明確に記載し、追加料金が発生するケースも詳しく説明してくれるはず。
工事後に、法外の追加料金を請求する業者も少なくないので、見積もり内容に不明点や不安点がある時は、かならず事前にしっかり確認してください。
キッチンのコンセント増設にかかる費用相場
最後に、キッチンのコンセント増設にかかる費用相場をお伝えします。
増設工事方法メニュー | 費用目安 |
コンセントの口数を増設 | 約5,000~7,000円 |
既設コンセントから分岐して増設 | 約12,000~14,000円 |
分電盤に新規回路を増設 | 約16,000~30,000円 |
コンセントの口数を増設する工事は、約1時間以内で完了します。しかしコンセントを分岐させたり、分電盤に回路を増設したりする作業は1時間以上かかる場合がほとんど、工事費用もUPします。
コンセントを増設する際は、配線の距離によっても金額が異なります。距離が長く配線がしづらい環境であれば、別途壁に穴を開けるなどの手間が掛かるため、手間に比例して費用が高くなります。
キッチンのコンセント増設を検討中なら
キッチンのコンセントを増設する方法やポイント、注意点などについてご紹介しました。
家電の使用頻度が多いキッチンでは、ストレスのないコンセント数が欲しいですよね。資格が必要なうえに、適切な場所や数も経験にもとづいてしっかり検討すべきなので、増設作業は、実績数やクチコミ高評価の多いプロの業者に依頼してください。
業者探しの際は、条件で絞り込んで納得の業者が見つかるセーフリー
をご利用ください。多くの電気工事業者の概要や口コミが掲載されているので、ニーズにあった業者探しがとてもスムーズに進みますよ。気になる業者が見つかったら、まずは気軽に見積もり依頼してみてください!
キッチンのコンセントを増設したい!おすすめの設置場所や費用相場を解説のよくある質問
-
Q. キッチンの最適なコンセント数はいくつですか?
A.一般的な家庭のキッチンのコンセントは、6〜8個が最適と言われています。「あると便利」という観点から考慮すると、10個以上のコンセントを設置するのが望ましいケースもあります。
-
Q. ひとつのコンセントの最大電力量はいくつですか?
A.ひとつのコンセントの最大電力量は通常15Aか20Aです。日本の一般家庭用コンセントは100Vの電圧を使用するため、15Aの最大電力量は1500W、20Aなら2000Wとなります。この範囲を超えて使用すると負荷が大きくなり、ブレーカーが落ちるのです。
-
Q. コンセントの増設は資格なしでもできますか?
A.コンセントの増設は、無資格者の施工は法律で禁止されています。安全確保と法令遵守のため、電気工事士の資格を持つ専門業者に任せましょう。
「セーフリー」では、スムーズに電気工事士の資格を持つ業者を探せますよ。
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