セメント/モニエル瓦は屋根塗装が必要!タイミング・注意点・費用相場

セメント/モニエル瓦は屋根塗装が必要!タイミング・注意点・費用相場

2024.09.27 2024.09.27

屋根塗装が必要なセメント/モニエル瓦についてご紹介します。

また屋根塗装の必要がない瓦の紹介や、瓦屋根の塗装のタイミング・注意点・費用相場についても詳しく解説します。瓦屋根の塗装を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

屋根塗装が必要な瓦の種類

屋根塗装が必要な瓦の種類

屋根塗装が必要な瓦の種類についてご紹介します。

日本家屋で使用される瓦の種類は様々ですが、屋根塗装のメンテナンスが必要な瓦の種類は幾つかに絞られます。

  • セメント瓦
  • モニエル瓦

それぞれの瓦の特徴について詳しく解説していきましょう。

セメント瓦

セメント瓦は、その名の通りセメントが主成分の製品で、年数を重ねるにつれて表層塗膜が薄くなっていく特徴があります。そのままにしておくと雨が染み込みやすくなり、雨漏りなどのトラブルにつながることも。

ですから定期的な塗装メンテナンスや約10年前後のサイクルで再塗装が必要です。

セメント瓦には、以下のような特徴があります。

  • 豊富なデザイン・色が揃う
  • コストパフォーマンスが高い
  • 耐火性が高い
  • 工事が比較的容易である
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 衝撃に弱い傾向がある
  • ひび割れしやすい

モニエル瓦

モニエル瓦は、ヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種です。セメントと川砂を混ぜて作られた乾式コンクリート瓦とも呼ばれており、メンテナンスを間違えればすぐに劣化してしまう傾向があります。

この瓦はスラリー層と呼ばれる表面塗膜で防水機能を維持しているため、間違った塗装方法でメンテナンスしたり、長年放置したりして劣化すると塗装膜が剥がれ、水が染み込みやすくなる特徴が見られます。

またこのスラリー層は塗装がのりにくい特性があるため、職人の技術が必要になるのです。

モニエル瓦には以下のような特徴があります。

  • デザイン性が高い
  • 断熱・防水性が高い
  • 災害に強い
  • 他の瓦よりも重量がある
  • 塗装には知識や技術が必要
  • メンテナンスを怠るとカビやコケが生えやすい

「粘土瓦」の屋根塗装は不要

「粘土瓦」の屋根塗装は不要

同じ瓦でも、粘土で造られた瓦「粘土瓦」は屋根塗装の必要がありません。

「粘土瓦」には以下の種類があります。

  • 陶器瓦
  • いぶし瓦
  • 素焼瓦

粘土で造られた瓦は、どの種類も含水率が低く、雨水が染みることがない特性を持っているため、屋根塗装による塗膜の必要はありません。しかも粘土瓦の耐用年数は、50~60年もしくはそれ以上とも言われており、非常に丈夫で長期的に見てもコストパフォーマンスの優れた建材なのです。

「粘土瓦」に分類される3種類の瓦を具体的にご紹介します。

陶器瓦

粘土瓦に分類される代表的なものが、陶器瓦です。この陶器瓦は、成型した後に釉薬というガラス質の薬剤を塗り、高温で焼き上げる瓦を指します。美しい艶が特徴的で、塗っている釉薬の色によって仕上がりの色も異なります。

この釉薬によって水分にも強く、耐水性が高い性質があり、長く艶がある屋根を維持することが可能。
またデザイン性にも優れており、緩やかなカーブが特徴のJ形、平らなF形、軽量のM形、スペイン瓦の改良版S型など種類も豊富です。

いぶし瓦

粘土瓦に分類されるいぶし瓦は、先ほどの陶器瓦とは違い、釉薬をかけずに高温で焼き上げた後に空気を遮断し、蒸し焼きにしています。この工程によって瓦表面に炭素膜を形成し、特有の銀鼠色に仕上げるのです。

一般的に「いぶし銀」とも呼ばれるこの色は、瓦ごとに色合いが絶妙に異なり、これもいぶし瓦の魅力の一つ。この表面の炭素膜は年月とともに剥がれていきますが、防水や耐久性に影響はありません。

素焼瓦

素焼瓦とは、釉薬を塗らずにそのまま素焼きにする手法の瓦のことです。

業者によってはテラコッタ瓦・スパニッシュ瓦と呼ぶこともあり、オレンジ寄りの赤色が特徴です。いぶし瓦と同じように釉薬を塗らずに焼いていますが、炭素膜をつくる工程はないので、粘土の朱色が大きく反映されています。

海外では一般的に使用されていますが、日本ではよく沖縄で使われており、昨今では洋風建築の屋根によく使われています。ツヤツヤしている陶器瓦とは違ってナチュラルな雰囲気があるので、和風の家屋よりも洋風の家屋との相性が抜群です。

瓦に屋根塗装する最適なタイミング

瓦に屋根塗装する最適なタイミング

瓦に屋根塗装する最適なタイミングについてご紹介します。

瓦屋根に塗装するタイミングは屋根材の状態にもよりますが、適切な時期を逃してしまうと建物全体への悪影響にもつながりかねません。最適なタイミングを見逃さないように、ぜひチェックしてください。

10年以上手入れしていない

一般的にセメント系屋根の塗装は、10~15年おきにすると良いと推奨されています。

この時期には、紫外線などの外的影響によって塗料が劣化し、美観が損なわれてくることが多いですし、瓦下の防水シートの寿命もそのぐらいなので、一緒にメンテナンスできるというメリットもあります。

塗装の剥がれが目立つ

塗料の剥がれが目立ってきた時も、屋根塗装のタイミングです。

塗装の剥がれによって、屋根はコンクリートが露出し、これが悪化していくと水が侵入して雨漏りに移行してしまいます。もちろん塗装の剥がれは美観を損なうという理由もありますが、機能的にも脆くなってきますので、早めの再塗装が必要です。

コケが生えている

セメント瓦やモニエル瓦などのセメント主成分の屋根材は、年数が経ってくると防水効果が薄くなり、雨が降った時などに水分を吸収してコケが生えるようになります。

これは瓦の防水性の低下サインで、そのままにしておくと瓦に水がどんどん染み込んでいき、雨漏りの原因になります。コケが生えてしまったら、まずは高圧洗浄でコケをすべて取り除き、良く乾かしてから塗装することになるでしょう。

屋根塗装を瓦にする場合の費用相場

屋根塗装を瓦にする場合の費用相場

屋根塗装を瓦にする場合の費用相場をご紹介します。

屋根塗装が必要なセメント瓦・モニエル瓦の塗装費用の相場は、約40~70万円になります。費用相場の内訳は以下の通りです。

内訳 費用相場
足場代 10~15万円程度
高圧洗浄費用 5~8万円程度
下地処理費用 4~6万円程度
塗料費用 15~20万円程度
施工費用 10~20万円程度

この費用は、塗装する屋根の面積や塗料の種類、足場の規模、屋根材の状態などで大きく変動します。また屋根塗装をする時期によっても変わりますし、業者の技術面でのレベルも日世に大きく反映されます。

正式に依頼する前にきちんと見積もりを申し込み、各業者を比較検討してから決めてください。

瓦屋根を塗装する場合の注意点

瓦屋根を塗装する場合の注意点

瓦屋根を塗装する場合の注意点についてご紹介します。

瓦屋根を塗装する時には、幾つかの注意ポイントがあり、それをチェックしていないと後々後悔する可能性も否めません。手間も費用も掛かるメンテナンスだからこそ、注意点はきちんと確認しておいてください。

瓦の種類を的確に把握できる業者を選ぶ

セメント瓦とモニエル瓦は同じ原材料から作られていることもあり、非常に似ています。そのため業者の中には、瓦の種類を見分けるのが難しく、間違った塗装方法で施工してしまう場合も。

適していない方法で塗装された瓦屋根は、比較的早く寿命が来たり、塗膜が剥がれて再塗装が必要になるなどのトラブルに見舞われます。ですから業者を選ぶ際には、瓦屋根の塗装実績が豊富で、セメント瓦とモニエル瓦の見分けがきちんとできる業者を選ぶようにしてください。

セメント瓦とモニエル瓦は塗装方法が異なる

セメント瓦とモニエル瓦はどちらも塗装ができる瓦ですが、扱い方には大きな違いがあることをお忘れなく!

この2つの瓦の違いは、表面に施された塗装です。モニエル瓦の表面にはスラリー層と呼ばれる着色層があり、これはあまり強い性質ではないため、劣化すると剥がれやすくなり、上から塗装した塗料と共に取れてしまいます。

ですからモニエル瓦を塗装する場合には、スラリー層を除去するか、強化する工程を余分に行う必要があるのです。これら2つの瓦はデザインが似ているものも多いので、塗装前にはどちらの瓦なのか確実に見分ける必要があります。

もし見誤って塗装してしまうと、耐用年数が短くなったり、すぐに塗膜が剥がれますので注意してください。

状態によって塗装より葺き替えが最適な場合もある

セメント瓦は30年以上によく普及していた屋根材ですので、築年数が20~30年経った今、メンテナンスを考えていらっしゃる場合は「葺き替え」の方が適している場合もあります。

そもそもセメント瓦もモニエル瓦も長期間維持できる耐久性がありますが、もし耐用年数を超えていれば「塗装」か「葺き替え」かは屋根材の状態次第になるでしょう。これは素人では判断できませんので、専門業者に状態を見てもらい、適切なメンテナンス方法をアドバイスしてもらってください。

瓦の種類別にご紹介!屋根塗装方法

瓦の種類別にご紹介!屋根塗装方法

瓦の種類別に屋根塗装の方法をご紹介します。

塗装したい瓦の種類によって方法には幾らか違いがあり、手順も異なるもの。大抵は業者にお任せする作業ですが、セルフでしたいという方もいらっしゃいますので、実際の手順・方法を解説します。

セメント瓦の塗装方法

セメント瓦の塗装手順は以下の通りです。

  1. 高圧洗浄で汚れを取る(汚れが酷い場合は何回か繰り返す)
  2. 乾燥のための時間を取ってしっかり乾かす
  3. 下地の状態に合わせて下塗りする
  4. 中塗りと上塗りをする

セメント瓦の塗装は、基本的にはスレート屋根塗装や外装塗装と同じ工程ですが、特に屋根材のダメージが進んでいる場合は、十分に乾燥の時間を取って水分が残らない状態にしてください。

また下地の状態によって下塗り材も変えますが、なかなか下地のざらつきが滑らかにならないなら、さらに下塗りを重ね密着率を上げましょう。

モニエル瓦の塗装方法

モニエル瓦の塗装手順は以下の通りです。

  1. 高圧洗浄でスラリー層の除去をする
  2. スラリー強化プライマーで下塗りして乾燥させる
  3. スラリー層の強化テスト(粘着テスト)
  4. 強化テストをパスしたら中塗りをする
  5. 上塗りして仕上げる

モニエル瓦の塗装で一番難しいのは、スラリー層の扱い方です。

スラリー層には強度が無いので、劣化によって剥がれ落ち、塗料の付着を邪魔してしまう傾向があります。ですから、塗装する前に以前のスラリー層を綺麗に取り除くか、スラリー層を強化して剥がれ落ちないようにする必要があるのです。

高圧洗浄で除去したり、スラリー強力プライマーを使用して、スラリー層の強化をしっかり行ってください。

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セメント/モニエル瓦に屋根塗装が必要な理由についてご紹介しました。

瓦屋根と言っても、種類によって塗装が不要の場合もあり、塗装する時には種類をきちんと見分けることが重要です。

とはいえ塗装の知識がない素人には、なかなか瓦の種類の見分けや適切な塗装方法のチョイスは難しいものです。そんな時には、信頼できる業者を探せる「セーフリー」をご活用ください!

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