2025.07.03 2025.07.03
この記事では、窯業系サイディングの特徴や種類、塗装メンテナンスの注意点まで詳しく解説します。
外壁選びで失敗しないために押さえるべきポイントがわかり、長く美しい外観を保つ判断力が身につきます。住宅の外壁材として人気の理由も含めて、採用前にぜひご確認ください。
目次
外壁に採用される窯業系サイディングとは
近年、住宅の外壁材として注目を集めている窯業系サイディングは、セメントと繊維質を混合し、高温・高圧で成形した外壁素材です。
軽量で施工性が良く、耐火性・断熱性にも優れているのが特徴。
工場で生産されるため品質が安定しており、現在は日本国内で最も多く採用されている外壁材です。特に新築住宅の約70%以上が窯業系サイディングを使用しているとも言われており、その人気ぶりが伺えます。
では、窯業系サイディングについて詳しく見ていきましょう。
窯業系サイディングが主流の理由
近年、窯業系サイディングが主流となった理由の一つは、施工の容易性です。
工場で生産された規格品を現場で貼り付けるスタイルの工法を採用しているため、短期間で均一な仕上がりが実現可能です。
また、他の外壁材と比較しても種類もカラーも豊富で、タイル調やレンガ調などデザイン性が高いものも多いので、理想に近い外観を実現しやすい点も人気の理由だと考えられます。
さらに、窯業系サイディングは耐火性能が非常に高く、防火地域での使用にも適しています。
軽量であるため、地震などの災害時にも建物への負荷が少なく、住宅の耐震性を高めることも可能。
地震が多いといった日本の土地条件に適していることや工場生産による品質の安定性が評価され、多くの大手住宅メーカーでも標準仕様として採用されています。
窯業系サイディングの種類
窯業系サイディングでは、以下の3種類が主流です。
- 木繊維補強セメント板系
- 繊維補強セメント板系
- けい酸カルシウム板系
それぞれの特徴を見ていきましょう。
〇木繊維補強セメント板系
木繊維補強セメント板系サイディングは、木の繊維を混ぜているのが大きな特徴で、比較的軽くて施工性が良いという利点があります。
また、断熱性や防音性も期待できる高機能な外壁材です。
加工性の向上を実現しているため、住宅用途に最適とされています。
〇繊維補強セメント板系
繊維補強セメント板系サイディングは、セメント質原料に、木繊維やパルプ、合成繊維などの繊維質原料を混ぜて成形し、硬化させた板状の外壁材です。
耐火性・耐久性に優れており、同時にデザイン性や機能性も高いため、住宅への採用はもちろんのこと商業施設などにも多く使用されています。
〇けい酸カルシウム板系
けい酸カルシウム板系サイディングは、けい酸質と石灰質を主成分とした無機系建材です。
軽量でありながら高い耐火性や断熱性を備えているため、住宅や商業施設の外壁はもちろん、内装にもよく採用される建材です。
また耐水性が非常に高く強度もあるため、厳しい環境下でも長持ちします。
サイディング材の中では多少高価な印象ですが、性能を重視する方に向いています。
他の外壁材との違い
窯業系サイディングは、外壁材として使用されることが多い金属系サイディングやモルタル外壁と比べてデザインの自由度が高く、施工も比較的簡単なのが特徴です。
また耐火性にも優れているので、住宅の外壁素材としてはとても心強い性質があります。
ただ、金属系サイディングほどの耐水性やモルタル外壁ほどの堅牢性はないため、定期的なメンテナンスが必須です。
またタイルは耐久性や高級感がある外壁材ですが、価格も高額になりやすく、施工も難しいという特徴があるため、窯業系サイディング材ほどの採用例はありません。
窯業系サイディングの塗装とメンテナンス
窯業系サイディングの塗装とメンテナンスについて詳しくご紹介します。
素材だけでも高機能な窯業系サイディングですが、塗装することでもっと多くの相乗効果を狙うことが可能です。
ただ定期的なメンテナンスが欠かせませんので、必要な周期や注意点を理解しておきましょう。
窯業系サイディングと塗装の関連性
高機能性を誇る窯業系サイディングですが、最大の弱点は耐水性の低さです。サイディング表面の塗膜が劣化し剥がれると、水分が浸透しやすくなり、サイディング材そのものが急速に劣化してしまうのです。
窯業系サイディングは防水性を塗装に頼っていると言っても過言ではありません。そのため、窯業系サイディングの塗膜状態を常に最適に保つことは必須条件。
窯業系サイディングは、塗装によって外壁の保護膜を形成し、紫外線や雨水などの外的要因からのダメージを防ぎ、外壁及び建物自体の寿命を延ばす役割を担っているのです。
窯業系サイディングの塗装周期の目安
窯業系サイディングの一般的な塗装周期は約10~15年と言われています。ただ地域の気候条件や日当たりなどの住宅環境によっても異なるため、5年を過ぎたあたりから定期的に点検するのがおすすめ。
雨や台風が多い、積雪量が多いなどの環境が厳しい地域では、10年とは言わず5年程度で再塗装が必要になる場合もあります。
また、サイディング間のシーリングは特に傷みやすいので、塗装よりも短いサイクルで再施工が必要になるかもしれません。
窯業系サイディングの塗装の注意点
窯業系サイディングの塗装時には、幾つかの注意事項がありますので、事前に把握しておいてください。
- 入念な下地処理が重要である
- 耐久性の高い塗料の選定が必要
- 塗装回数や乾燥時間をきちんと守る
- 気温と湿度に仕上がりが左右される
- シーリング材の点検と交換を定期的に実施する
窯業系サイディングの塗装において一番重要なのは、入念な下地処理です。
劣化部分を放置して塗装を行うと、すぐに塗膜が剥がれやすくなり耐久性が落ちます。適切な処理後に塗装しましょう。
また耐久性が高い塗料を選び、塗料メーカーが指定する塗装回数や乾燥時間を守ることで、塗膜の耐久性を向上させます。塗る時の気温と湿度は仕上がりを左右するため、施工日の天候は大切です。
さらにサイディングの接合部分のシーリング材は脆い部分でもありますので、塗装時以外にも定期的に点検・交換してください。
窯業系サイディングのメリットとデメリット
窯業系サイディングのメリットとデメリットをご紹介します。
窯業系サイディングは機能性が高いため、住宅メーカーでも採用率が高いのも特徴です。多くのメーカーで標準仕様になっていますが、メリットと同時にデメリットも理解しておく必要があります。
ポイントを確認した上で、自宅に採用するかどうか判断しましょう。
窯業系サイディングのメリット
窯業系サイディングのメリットには、以下のようなものがあります。
- デザインバリエーションが豊富
- 施工が短期間で済む
- 建物への負担が少ない
- 採用率が高いので扱える職人が多い
窯業系サイディングの大きなメリットは、デザインのバリエーションが豊富なことです。レンガ調や石目調、木目調など豊富なデザインが選べるため、理想の外観や住宅の個性を演出できるのが魅力。
また施工性が容易なため、短時間で施工でき、そのぶんコストも抑えられます。さらに多くの住宅で採用されているため需要が高く、扱える職人が多いこともメリットの一つです。
たくさんの実績や経験があるということは、そのぶん技術的にも期待できるため、大きな安心材料になるはずです。
窯業系サイディングのデメリット
窯業系サイディングのデメリットには、以下のようなものがあります。
- 耐水性に劣る
- 寒冷地には向いていない
- 短い周期でのメンテナンスが必要
窯業系サイディングの大きなデメリットは、耐水性に劣るため水分の浸入に弱く、塗膜が剥がれた状態で放置すると早期に劣化することです。
そのため、凍結・融解を繰り返す寒冷地にはあまり向いていない外壁材であり、もし採用するとしても念入りなメンテナンスが必要です。また寒冷地でなくとも、定期的な塗装や点検は必須。
外壁に採用した後も定期的に手間と費用がかかる点は、事前に理解しておくべきです
窯業系サイディングは長期的視点で選ぼう!
豊富なデザイン性や手軽な施工性から人気が高い窯業系サイディングですが、一方で定期的なメンテナンスが不可欠な素材です。その特性を理解し、長期的な維持管理の視点から選択することが大切。
ただ適切なメンテナンスを行うことで、長期間美しい外観を保つことができますので、窯業系サイディングのメリットとデメリットをよく比較し、自宅に最適な素材を選びましょう。
窯業系サイディングを自宅の外壁に採用したい場合は、まずサイディングの扱いに慣れた業者に依頼するのがおすすめ。注意点やメンテナンス方法に関しても知識があり、実用的なアドバイスをしてもらえます。
窯業系サイディングの扱いに慣れている業者を探す際には、業者のマッチングサイト「セーフリー」をご活用ください。施工エリアや実績、評判などを同時に比較でき、効率よく業者探しが可能です。
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サイディング外壁に関するよくある質問
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Q. サイディングにはどんな種類がありますか?
A.外壁に採用するサイディング材には、施工性やデザイン性に富む窯業系サイディング、耐久性のある金属サイディング、軽量の樹脂系サイディング、温かみのある雰囲気の木質系サイディングなどがあります。
ただそれぞれにメリットもあればデメリットもありますので、双方をよく確認してから希望に合うものを採用してください。
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Q. サイディングのメンテナンスには何がありますか?
A.サイディング外壁のメンテナンスには、定期的な塗装に加えて、シーリングの打ち替え、劣化が激しい場合にはサイディングの張替えなどがあります。
その他にも、日常的に洗浄を行うことで汚れを蓄積しなければ、大きなトラブルや劣化に繋がりにくいでしょう。
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Q. サイディングには傷がつくものですか?
A.もちろん衝撃に強いとはいえ、物がぶつかったり、大きな障害物が当たったりすると傷やへこみが付きます。特にドア付近や窓の周りは傷が付きやすい環境ですので、当てを設置するなどの対策を取ってください。