2025.07.03 2025.07.03
外壁塗装の詐欺やしつこい営業への対処法、安心して任せられる業者の選び方を解説します。
訪問営業や点検商法など、高齢者を狙った外壁塗装トラブルが全国で急増中です。実際に寄せられた相談事例も紹介しながら、巻き込まれないための判断軸と対応策を具体的にお伝えします。
この記事を読めば、契約前後で注意すべきポイントが整理でき、詐欺を未然に防ぐ力が身につきます。
目次
外壁塗装トラブル相談件数は増加傾向にある
外壁塗装詐欺に関するトラブルは年々増加しており、それに伴って詐欺に関する相談件数も年々増加しています。
特に国民生活センターなどに持ち込まれる相談の多くは、高齢者を標的にした訪問販売や点検商法で、悪質性の高い詐欺手口として拡大を見せているのです。
実際ここ数年で、特定商取引法に基づき行政から業務停止命令、もしくは注意喚起を受けた業者は幾つもあります。消費者の利益を守るためには、正しい情報と対処法の把握が欠かせないでしょう。
トラブルの発生状況を正しく把握するため、以下に相談件数の推移を表でまとめました。
年度 | 訪問販売によるリフォーム工事相談件数 | 点検商法による相談件数 |
---|---|---|
2018 | 7,223 | 5,684 |
2019 | ※データなし | ※データなし |
2020 | 8,757 | 7,009 |
2021 | 9,756 | 7,435 |
2022 | 10,076 | 8,133 |
2023 | 11,861 | 12,510 |
※2025年6月の独自調査より。国民生活センターへの相談件数に基づく。
特に注目すべきは、詐欺被害が高齢者に集中していること。実際に外壁塗装の詐欺の被害者の年齢平均は、70歳以上が約7割を占めており、特に一人暮らしの高齢者が狙われやすい傾向にあります。
誰にも相談せず即決することも被害の要因のひとつですので、家族ぐるみでの注意が必要です。
外壁塗装詐欺のよくあるケース
外壁塗装詐欺の典型例を紹介します。
外壁塗装の詐欺には、典型的な詐欺手口が多く見られます。よく使われる手口を把握しておけば、いざという時に被害を回避できる可能性もありますので、ぜひ確認しておきましょう。
無料点検を装った突然の訪問営業
外壁塗装の詐欺手口で一番多いと言われるのが、無料点検を装った「点検商法」です。急に訪問してきて無料での外壁チェックや点検を勧め、しつこく勧誘し続けて契約までこぎつけるケース。
断り切れない、もしくは口車に乗せられて契約というパターンが多く、注意が必要です。実際にあった「訪問営業による点検商法」の事例をご紹介します。
【相談事例】
2022年6月29日。消費者が契約しない意思を明確に示したにもかかわらず、執拗に再勧誘。夜間の午後9時頃に自宅を訪問し、勧誘を続ける。
消費者が契約しない意思を繰り返し表明したにもかかわらず、一方的に勧誘を継続する迷惑勧誘が行われた。
参考:消費者庁(https://www.caa.go.jp/notice/entry/029329/)
劣化や雨漏りを強調して不安を煽る説明をする
次に多いのが、劣化や雨漏りなどのトラブルを強調して、かなりの不安を煽った上で契約させる手口です。
特に緊急性のない工事内容なのに、家の倒壊や大きなトラブルを引き合いに出し、今すぐに施工しないと大変なことになると大げさに説明します。専門知識のない消費者は、すぐに騙されてしまうのです。
実際にあった「不安を煽る」事例をご紹介します。
【相談事例】
2022年12月。父親の家に「近所で屋根の修理工事を行っている」、「屋根瓦がずれている。雨漏りはないか」と業者が来訪。
再訪を受け、スマートフォンで撮った写真で瓦のずれと野地板の腐食を指摘し、工事費用約250万円の契約を締結。
相談者が写真に疑問を感じて他社に依頼して確認・比較し、費用が高額と判明、キャンセルを希望。
参考:国民生活センター(https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231011_1.pdf)
不当に高額な見積もりや架空工事の請求
外壁塗装の詐欺のよくあるケースとしては、不当に高額な見積もり金額を提示したり、架空工事の請求がなされる事例も見られます。
これは、素人には分からないからと「費用の相場」や「工事内容をごまかす」類の詐欺で、実際には大きな金額や大規模な内容ではなくても、よく見られるケースの手口と言われているので、要注意。
実際にあった「高額見積もりや架空工事」の事例をご紹介します。
【相談事例】
2024年3月。「早く塗装しないと大変なことになる。セラミック塗装なら30年持つ」と言われ、約200万円で外壁塗装と屋根塗装を依頼。
工事は2日間で終了し、実際には目地部分のシーリング増し替えなし、塗料が薄い、塗り残し、異物混入などのずさんな手抜き工事が行われた。
参考:プロタイムズ(https://renodection.com/blog1/14278/)
契約後に業者と連絡が取れなくなる
外壁塗装を契約後に業者と連絡が取れなくなり、そのまま放置されるというケースも見受けられます。
特にこれは所在地などがはっきりしている地元業者ではなく、突然訪問してきた業者に多く、契約して入金が確認されると連絡が取れなくなる事例。
工事着手はおろか、施工途中の状態で放棄されることもあり、金銭だけ取られて終わりという典型的な詐欺です。実際にあった「連絡が取れなくなる」事例をご紹介します。
【相談事例】
2022年12月。「近所で工事をしている」と称して訪問し、屋根の劣化を指摘して、高額な屋根工事を契約させた。
契約後に業者と連絡が取れなくなり、工事が実施されない、または途中で放棄された。
出典:鈴吉ペイント(https://suzuyoshi-paint.jp/was-fooled)
そのほか火災保険の申請ができると言われ、詐欺にあった事例もあります。
外壁塗装の火災保険詐欺についてより詳しく知りたい方はこちらもご確認ください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
外壁塗装に火災保険を使う前に!詐欺被害とデメリットを正しく理解しよう
2025.07.03 2025.07.03
しつこい外壁塗装営業の断り方と相談先
しつこい外壁塗装営業の断り方と相談先についてご紹介します。
突然訪れる外壁塗装の訪問営業には、どのように対応したらよいのでしょうか?「怪しい…」と感じた時には、適切な方法ですぐに断りましょう。
しつこい外壁塗装営業の断り方と相談先は、以下を参考にしてください。
インターホンや電話対応は毅然とした態度を示す
訪問営業がインターホンや電話の場合、曖昧な態度ではなく、はっきりと「NO」の意思表示をしてください。迷っているような素振りがあると、業者はいつまでも引き下がりません。
おすすめなのは、会話を続ける意思がないと分からせるほどの毅然とした態度を取ること。「塗装は考えていません」、「「贔屓にしている職人がいるので必要ない」などの断り文句も覚えておきましょう。
また、玄関に「訪問販売お断り」のステッカーや「チラシ不要」などの表記をしておくだけでも、かなり効果的に営業訪問を防止できるようです。
こちらから連絡すると伝える
もし実際に外壁塗装を検討中だったとしても、こちらから連絡するので、必要ないと伝えましょう。「考えておきます」などと曖昧な返事をすると、繰り返し連絡する隙を与えてしまいます。
悪徳業者の中には、嫌がらせかと思えるほど頻繁に連絡を取り続けて、相手が根負けするのを待つように営業するケースもあります。ですから、連絡を取る際はこちらからする旨を伝えておくのがおすすめ。
業者の連絡先を聞き、必要ならこちらから連絡するとはっきり伝えれば、業者への抑制には十分です。
名刺などの証拠になるものは取っておく
しつこい営業のトラブルを回避するためにも、必ず証拠となるものは保管してください。業者が置いていった名刺やパンフレット、メモなどは捨てずに取っておきましょう。
また電話やインターフォン越しの勧誘であれば、録音して「しつこく勧誘された」と主張できる証拠を残しておく必要があります。
消費者センターや自治体への相談も検討する
あまりにしつこい外壁塗装の営業を受けたなら、出るべきところに出て相談するのも良い方法です。特に、国民生活センターや消費者庁、自治体窓口への相談は無料ですので、積極的に検討してください。
このような機関では、消費者のトラブルに関する情報提供や相談窓口の設置があるため、すぐに問題を解決できるでしょう。相談はもちろん、業者との交渉支援や行政処分のサポートも可能。
外壁塗装で詐欺に遭ったときの対処法
外壁塗装で詐欺に遭った時の対処法についてご紹介します。
外壁塗装に関する詐欺は日々手口が巧妙化しているため、どんなに警戒していても被害に遭う可能性があります。ただそんな時でも、適切な対応をすれば被害を最小限に食い止めることが可能。
以下のような具体的な対処法を把握しておきましょう。
契約内容や証拠を整理する
詐欺に遭ってしまったことが分かったら、まずはすぐに契約内容や証拠となる書類を早めに整理しておくことが大切です。
契約書や請求書はもちろん、担当者の名刺、メールやメッセージ、LINE内容、通話の録音データなどを証拠として保持し、提出できるようにしておきましょう。できるだけ情報が多い方が解決にも役立ちます。
クーリングオフの適用可否を確認する
一般的に、訪問営業における販売契約は「クーリングオフ制度」を利用できます。
原則としては、8日以内の書面通知で無条件解除可能。もし書面に不備があったり、契約書が未交付、妨害・恐喝行為がある場合は、期間延長や適用対象が広がることもあります。
ただクーリングオフの適用には幾つかの条件がありますので、まずは当てはめるかどうか確認してください。
- 契約書面を受け取って8日以内(マルチ商法は20日以内)
- 費用の総額が3,000円以上
- 特定商取引法の適用外サービスではないこと
- 店舗・通信販売ではないこと
消費生活センターなどに相談する
消費生活センターなどの第三者機関に相談する方法もおすすめです。
消費生活センター(国民生活センター)は消費者トラブル全体の相談窓口で、業者とのやり取りのサポートや適切なアドバイスをしてくれる行政機関です。
ケースによっては、クーリング・オフ期限超過でもサポートや行政指導を得られる場合も。相談は無料ですので、ぜひ気軽に活用してみましょう。
支払いを停止・工事を一時中断させる
違法だと分かった業者から不当な支払いを要求されても、一切応じないでください。カード会社などに連絡して支払いを一時停止、途中であっても工事を中断させましょう。
この支払いと工事の中断決定は、業者の承諾や許可は必要ありません。契約内容に納得できた場合のみ、支払いを再開しましょう。
正規の業者に再評価してもらった上で対応を検討することが推奨されます。
法的措置を検討する
クーリングオフ制度の適用や費用の返還を促しても業者が応じない場合は、弁護士や司法書士に相談して法的措置を検討することもできます。
具体的には契約取消や損害賠償請求措置となりますが、これは専門家のサポートがないと進められないので、すぐにプロに相談してください。
外壁塗装の詐欺を避ける優良業者を選ぶポイント
外壁塗装の詐欺を避ける優良業者を選ぶポイントを紹介します。
外壁塗装で詐欺被害に遭わないための最適な方法は、やはり優良業者を選ぶことです。とはいえ、素人には業者選びの知識も経験も無いため、判断が難しい作業です。
以下から、外壁塗装における優良業者を見極めるポイントを解説していきましょう。
相見積もりを比較検討する
失敗しない業者選びの基本は、まず全ての情報を比較して検討することです。
ですから幾つかの業者に絞ったうえで、費用・施工内容・保証などを比較して、相場や評判を把握してください。最低でも3社の相見積もりは必要です。
相見積もりをしたからといって契約しなければならないわけではありませんので、気軽に見積もりを依頼して情報を見比べましょう。
すべて書面で残しているかチェックする
周りからの評判がよく、契約を着実に遂行する優良業者は、全ての契約内容を書面で残します。これは双方に相違がないことの証拠になり、工事後のトラブル回避の保証でもあります。
ですから、業者が見積書や契約書、スケジュール管理、保証書などを必ず書面で交付してくれるかどうかを確認してください。書面を残したがらない業者は要注意です。
地元実績や第三者機関の認定状況を調査する
業者の評判を調査するという面で、過去の施工事例や利用者の評価、運営年数を確認してください。運営年数は5年以上が目安ですが、それ以下なら経験も少ないので注意したほうがよいでしょう。
また、自治体登録や建築士会登録、工業会認定などの有無を確認して優良業者かどうかをチェックできます。
外壁塗装詐欺を防ぐには冷静な判断と正しい情報がカギ!
外壁塗装の詐欺・しつこい営業に対する対処法と業者選びの秘訣をご紹介しました。
年々増加している外壁塗装の詐欺被害ですが、トラブルを回避するには悪質業者の手口を知り、冷静に対応することが何よりの防御策です。
性急に判断しない・第三者機関に相談する・相見積もりをとる、これが外壁塗装トラブル回避の基本です。契約前後の対応や優良業者の選び方をしっかり身につけて、大切な資産と暮らしを守りましょう。
信頼できる優良業者を見極めたい時には、業者のマッチングサイト「セーフリー」の活用がおすすめです。エリアや希望条件に合った業者を一括で検索・比較できるため、効率よくピッタリの業者を探せます!
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外壁塗装トラブルに関するよくある質問
-
Q. 塗装中に隣の家からクレームがきたのですが、どうしたらいいですか?
A.まずは家主が迷惑をかけたことへの謝罪をして、相手の言い分をよく聞きましょう。内容によっては家主が解決できることもありますが、業者にもよく情報共有して、責任者が挨拶に伺うように手配してください。
迅速な対応は相手方の怒りを抑えることができますので、家主と業者が協力して対応します。
-
Q. 請求書に見積りにはなかった金額が記載されている場合、どうしたらいいですか?
A.まずは分からない事や不明な点は、すぐに担当者に聞いてください。しっかりと質問して、納得できる説明があるか見極める必要があります。
「何の費用なのか」、「なぜ事前に説明がなかったのか」、「本当に必要なものなのか」など、具体的に聞いてみましょう。
-
Q. 外壁塗装のトラブルに巻き込まれたら、どこに相談できますか?
A.いくつか選択肢がありますが、まずは無料で相談できる「国民生活センター」がおすすめです。消費者庁が管轄する機関で、多くの消費トラブルを扱っているので、サポートも万全です。
その他には、「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「最寄りの警察」、「住宅関連に強い弁護士」など。
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