2024.09.21 2024.09.22
外壁塗装の塗料の種類と選び方をご紹介します。
大切な家の外装塗装を検討するうえで欠かせないのが、塗料選び。目的に沿った塗料にするのはもちろんのこと、色や価格、どんな機能性を兼ね備えているかも大切なポイントです。
この記事では、外壁塗装の塗料の種類と選び方に加え、費用相場やそれぞれの塗料の特徴も解説します。外壁塗装の予定がある方はぜひ参考にしてください。
代表的な外装塗料の種類
代表的な外装塗料の種類についてご紹介します。
外壁塗装とひとことで言っても、外壁用の塗料には以下のようにいくつもの種類があります。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル制御型ハイブリッド塗料
- ナノテクノロジー塗料
- ピュアアクリル塗料
- フッ素塗料
- 無機系ハイブリッド塗料
それぞれに特徴があり、耐用年数や機能性、価格も異なるため目的に合わせて選びましょう。
アクリル塗料
発色がよく、綺麗な色合いの外壁によく用いられるアクリル塗料。
価格もリーズナブルなので広範囲の塗装の際には大変助かるのですが、耐久性が低い特性があるので、長期間塗装を維持したい方には向いていません。平均的な耐用年数は10年以下、5~8年程度です。
外装の塗り替えを定期的に行いたい方向きの塗料です。
〇メリット
- 発色がよい
- 価格がリーズナブル
- 弾性のものは追従性がある
〇デメリット
- 耐久性が低い
- 定期的な塗り替えが必要
- 外壁材によっては合わないこともある
ウレタン塗料
一般的に外壁によく使用される塗料として、ウレタン塗料があります。ウレタン塗料の特徴は、価格がリーズナブルなうえに様々な素材に塗ることができる万能な特性。
木材はもちろんのこと、金属まで塗ることができるため、色んな材質を使用した外壁でも難なく塗装可能です。またそれなりに耐用年数もあり、平均的には10年程度維持できます。
価格を抑えながらも、耐用年数もそれなりに保たせたい方におすすめの塗料です。
〇メリット
- 様々な材質の外壁に対応可能
- 価格がリーズナブル
- 塗料の種類が豊富である
〇デメリット
- 紫外線に弱く変色しやすい
- 塗料の扱いが難しい
シリコン塗料
昔から一般的に外壁塗装によく使用されてきた塗料である、シリコン塗料。耐用年数も10年以上を誇り、外壁塗装としての耐用年数としては十分でしょう。
価格帯も様々あり、性能は価格にほぼ比例しますが、選択肢が豊富という嬉しいポイントもあります。また汚れが目立ちにくいという特性もあるので、綺麗な外壁を長く保ちたい方におすすめです。
〇メリット
- 耐用年数も10年以上と平均的
- 汚れが付きにくく低汚染性を備えている
- 紫外線による劣化に強い
〇デメリット
- メーカーによって品質がかなり異なる
- 扱いが難しく専門的な知識が必要
- 密着性が低い
ラジカル制御型ハイブリッド塗料
ここ10年で急速に人気が出てきた、ラジカル制御型ハイブリッド塗料。色々なメーカーが続々と新商品を開発・販売しており、今最も一般的な外壁塗料と言えます。
メーカーによって呼称が様々で、「ラジカル塗料」、「ラジカルフリー」などと呼んでいる場合もあります。価格はアクリル塗料と比較すると倍程度ありますが、耐用年数も15年ほど期待でき、価格相応の機能性を持ち合わせています。
コストパフォーマンスが高い塗料を選びたい方におすすめです。
〇メリット
- 耐久性がよい
- 光沢が持続する
- チョーキングが起こりにくい
〇デメリット
- 選択可能な塗料色が少ない傾向がある
- 塗装経験がない業者が多い
ナノテクノロジー塗料
速乾性がとても優れているという特徴があるナノテクノロジー塗料。仕上がりが早いので、工期を短くできる大きなメリットがあり、外壁に塗り替えに向いている塗料です。
ナノテクノロジー塗料は、ナノテクノロジーを駆使して開発されたエコ塗料で、防汚性にも優れており、なんと付着した汚れを雨で自然に落とす作用があります。ただマットな仕上がりになり、艶ありの塗料がないのが難点。耐用年数は15年ほど期待できますので十分でしょう。
〇メリット
- 速乾性に優れている
- 色褪せしにくい特性を持つ
- 付着した汚れを雨で自然に落とせる
〇デメリット
- 艶ありの塗料がない
- カラーバリエーションが少ない
- 製造メーカーが少数しかない
ピュアアクリル塗料
ピュアアクリル、もしくは100%アクリスと呼ばれることが多い、ピュアアクリル塗料。
アクリル塗料から不純物を完全に除いたもので、大きな特徴はフッ素と同等の耐用年数と防汚性を備えていることです。また弾性にも優れており、追従性が高いので、ひび割れが入りやすい外壁向きです。
耐用年数は15年以上が期待でき、価格は高めですが金額相応の機能性があると言えるでしょう。また遮熱性にも優れているため、節電効果も見込めるとあって人気が高まりつつあります。
〇メリット
- クラックへの追従性が高い
- 防水性が高い
- 遮熱性にも優れている
- 紫外線に強く耐候性がある
〇デメリット
- 費用が高めの傾向がある
- 施工経験がある業者が少ない
フッ素塗料
外壁塗料の中では高価な部類の塗料ですが、耐候性と寿命の長さが大きな特徴のフッ素塗料。
約15年以上の耐久性があるということで、頻繁に塗り替えができない公共の建物や大型のビル、マンションなどに使用されています。有名な実績として「スカイツリー」の塗装にも使用され、その品質は証明済み。
価格が高い傾向があるため、1回あたりの工事費用は高額になりますが、長い目で見れば塗り替えの手間も少なく済み、トータルのコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
〇メリット
- 汚れが滑り落ちやすい性質がある
- 紫外線に強い
- 耐久性があるため耐用年数が長い
〇デメリット
- 価格が高い
- 取り扱いができる業者が少なめ
- 再塗装が難しい性質がある
無機系ハイブリッド塗料
数多くの外壁塗料の中でも一番長い耐用年数を誇る、無機系ハイブリッド塗料。
無機系ハイブリッド塗料は、20年以上の耐久性を誇るもので、無機と有機のシリコン結合の良いところを組み合わせた画期的な塗料です。長期のコストパフォーマンスを誇ることから、公共の建物や外壁が傷みやすい海の近くのプラントなどでも使用されています。
ただ最新型の外壁塗料ですので、無機系ハイブリッド塗料を扱ったことがある業者がまだ少ないのが現状。性能の良い塗料でも、それを扱う職人の腕がなければよい仕上がりは期待できませんので、実績経験のある業者を探すことが先決になります。
〇メリット
- とにかく耐用年数が長い
- 紫外線に強く劣化しにくい
- 光沢が持続する
〇デメリット
- 費用が飛び抜けて高い
- 扱える業者に限りがある
- メーカーによって機能性に違いがある
外壁塗料の種類別の費用相場
外壁塗装の種類別の費用相場についてご紹介します。
外壁塗装に使用できる塗料は種類も多いですが、どの塗料を使用するかによって費用の相場が大きく異なります。それぞれをよく比較・検討して、予算や目的に合うものを選んでください。
塗料の種類 | 費用相場(㎡単価) | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,000~1,500円程度 | 約5~8年 |
ウレタン塗料 | 1,800~2,500円程度 | 約7~10年 |
シリコン塗料 | 2,500~3,500円程度 | 約10~13年 |
ラジカル制御型ハイブリッド塗料 | 3,000~4,000円程度 | 約12~15年 |
ナノテクノロジー塗料 | 2,500~5,500円程度 | 約12~15年 |
ピュアアクリル塗料 | 3,800~4,500円程度 | 約13~15年以上 |
フッ素塗料 | 3,500~5,000円程度 | 約15年以上 |
無機系ハイブリッド塗料 | 4,000~5,500円程度 | 約15~20年以上 |
油性塗料と水性塗料の特徴
油性塗料と水性塗料それぞれの特徴についてご紹介します。
そもそも塗料は、合成樹脂・添加材・顔料の3つの成分で作られていますが、そのままでは外壁塗料として使用できないので、水か溶剤のどちらかを混ぜ、希釈して使います。この時に水を使用すれば「水性」、シンナーなどの溶剤を使用すれば「油性」となるのです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
油性塗料の特徴
長期的に綺麗な状態を維持できるとして人気がある、「油性塗料」。ただ昔は油性塗料ほぼ一択だった外壁塗装も、昨今では水性塗料の開発により、どちらかを選択できるほどに差がなくなりました。
シンナーなどの溶剤で希釈する油性塗料は、特に臭いが強いのが難点ですが、紫外線に強く耐久性が高いのが大きなメリット。そのため、紫外線が常に当たっている屋根への塗装に向いているとされています。
もちろん外壁にも使用できますが、臭いなどのデメリットもありますので、箇所によって水性と油性を使い分けるのもおすすめです。
〇メリット
- 耐久性がある
- 密着性に優れている
- 光沢が長期的に維持できる
〇デメリット
- 臭いが強い
- 溶剤を使用するので扱いに注意が必要
水性塗料の特徴
多くの外壁塗装で使用されているのは「水性塗料」です。昔は油性塗料に比べると耐久性に欠けていた水性塗料ですが、近年開発が進み、耐久性も油性塗料と変わらないほどです。
また水性塗料の大きな強みは、水で塗料を希釈しているので臭いが少ない点。塗料独特の嫌な臭いが少ないため、小さな子どもさんやペットがいるご家庭でも選択しやすく、人と近い箇所に位置する外壁への使用がおすすめです。
〇メリット
- 臭いが少ない
- 人体に影響が少ない
- 揮発性有機化合物の排出が少ない
〇デメリット
- 乾燥に時間が掛かる
- 天候や温度に大きく左右される
- 金属部分には密着しにくい
適切な外壁塗料を選ぶ基準
適切な外装塗料を選ぶ基準についてご紹介します。
外壁塗装を予定している方の中には、塗料の特徴を理解したうえで、色々な具体的イメージを膨らませていらっしゃることでしょう。ただ外壁の状態や素材によって最適な塗料に違いがあります。
ここからは最適な外壁塗料を選ぶ基準を詳しく解説していきます。
外壁材の種類
最適な外壁塗料を選ぶ基準は、外壁材の種類によって異なります。
一般的にはモルタルやサイディング、ALCなどが多い傾向がありますが、それぞれの建材には塗料との相性があるものです。例えばモルタルですが、特徴はヒビが入りやすいことですので「弾性」のあるアクリル塗料が向いています。
また防水性が弱点のALC外壁には、高い防水性を誇るピュアアクリル塗料やシリコン塗料がおすすめ。外壁材の種類や特徴に合わせて、塗料を選ぶなら弱点をカバーできます。
外壁塗装の回数
外壁塗装のメンテナンスが何回目かによっても、適切な塗料は異なってきます。
外壁の状態によっては1回目の塗料と異なるものにしたほうがよい場合もありますし、前回の塗料の種類によって2回目以降の外壁の塗装に使用できない塗料もあります。施工業者とよく相談して決めてください。
外壁材以外の部位への影響
最適な外壁塗料を選ぶ時には、外壁材以外の部位への影響も考えなければなりません。
家の外壁には、主な外壁の素材以外にも部位によっては木材が使用されていたり、鉄の部位があったりします。塗料の中には、外壁素材のモルタルには適していても、木材には適していないなどの条件がありますので、これは事前にチェックしておく案件です。
どんな外壁材以外の素材が使用されているのか、種類の把握とその全てに適する塗料を選ぶ必要があるでしょう。
外装塗装業者なら塗料の種類相談もOK
外壁塗装の塗料の種類と選び方に加え、費用相場やそれぞれの塗料の特徴をご紹介しました。
家の外観をいつまでも綺麗に保つためには、定期的な外壁塗装が必要です。ただ専門的な知識が必要な分野ですので、どの外壁塗料を選んだらよい分からない時は業者への相談をおすすめします。
とはいえ「どの業者が信頼できるか分からない…」という場合は、当サイト「セーフリー」をご利用ください!
セーフリーには信頼できる優良業者のみが紹介されているので安心です。
外壁塗装の予定がある方はぜひ参考にしてください。
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