2025.05.05 2025.05.05
コンクリートのベランダに防水工事が必要な理由をご紹介します。
コンクリートのベランダは、一見頑丈で防水の必要性を感じませんが、実は怠ると劣化や雨漏りにつながる事態に。本記事では、コンクリートのベランダに適した防水の種類や特徴を解説します。
この記事を読めば、コンクリートのベランダに最適な防水工法を見分け、必要な費用の相場を把握できます。コンクリートベランダの防水を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
コンクリートのベランダに防水が必要な理由
コンクリートのベランダに防水が必要な理由をご紹介します。
見た目からして水に強いと思われがちなコンクリートですが、実は吸水性があり、長時間水にさらされると内部に水分が浸透するリスクもあります。そして時間が経過すると、ひび割れや鉄筋の腐食の原因に。
基本ベランダは屋外ですから、雨水や紫外線による劣化リスクが特に高く、そのまま放置すれば建物全体の耐久性に影響する恐れもあります。
また一戸建ての場合は、コンクリートにしみ込んだ水分が室内に被害を及ぼす可能性が高いため、早期に対策を講じておくべきなのです。防水処理がされていないなら、今すぐに手を打たなければなりません。
防水処理は時間とともに劣化するものですから、新築時の施工だけでなく、継続的な定期点検と改修も重要なのです。
コンクリートのベランダに施工可能な防水工法
コンクリートのベランダに施工可能な防水工法についてご紹介します。
コンクリートのベランダに適した防水工法には、幾つかの選択肢があります。ただ、施工箇所の面積や予算、耐久性の希望によって最適な工法が異なるため、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
以下に、コンクリートのベランダに採用される主な防水工法と耐用年数をまとめています。
防水工法 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
FRP防水 | 約10~12年 | 軽量で建物に負担がかからず、施工期間が短い |
シート防水 | 約10~15年 | 安定した防水機能・下地に影響されずに施工可能 |
ウレタン防水 | 約8~12年 | 比較的安価で、複雑な形状のベランダに対応できる |
FRP防水工法
FRP防水工法とは、ガラス繊維とポリエステル樹脂を塗り重ねることによって、硬度な防水層を作る防水工法です。主に住宅用ベランダで多く採用されており、耐久性が高く、メンテナンス性にも優れたもの。
また施工後は比較的すぐに硬化するため、全体の工期が短く済むのが特徴で、住みながらでも施工可能です。高性能の防水機能を期待できるので、雨の多い地域や水トラブルの多い住居に最適。
ただその反面、FRP防水の施工には専用の技術が求められ、下地の状態によっては追加工事が必要になる場合があるので要注意。
シート防水工法
シート防水工法とは、塩化ビニールシートやゴムシートをベランダ表面に貼り付ける工法で、下地の状態を問わず施工でき、均一な仕上がりが期待できる方法です。
業者によってはかなり短期間で施工が完了するうえ、材料費も抑えられることから、コスト重視のケースで選ばれる傾向があります。面積が計算しやすいベランダには特に向いています。
ただ継ぎ目の処理には慎重を要するため、業者の腕にすべてがかかっているのも事実。継ぎ目処理がうまくいかないと漏水リスクが高まるため、施工業者の技術はよく確認してください。
ウレタン防水工法
ウレタン防水工法は、ウレタン樹脂を重ねて塗ることで防水層を形成する工法です。ローラーやコテで塗布するため、複雑な形状のベランダにも対応でき、継ぎ目がない仕上がりが人気。
価格は、他の防水工法と比較してもリーズナブルな傾向があり、一般的によくマンションやアパートのベランダに採用されています。
ただし、ウレタン防水は乾燥にある程度の時間がかかるため工期はやや長め。また紫外線に弱い性質があるので、トップコートによる保護が不可欠で、定期的な塗り替えも必要になります。
定期的なメンテナンスが可能な方、もしくは防水工事の初期費用を少しでも抑えたい方に向いているでしょう。
コンクリートのベランダ防水工事の費用相場
コンクリートのベランダ防水工事の費用相場をご紹介します。
コンクリートのベランダの防水を検討する際、やはり一番気になるのは施工費用でしょう。以下では、一戸建て住宅に多い3〜5㎡のベランダを想定し、主要な防水工法ごとの単価と費用相場をまとめています。
防水工法 | 平均費用相場(1㎡あたり) | 一戸建て平均施工費用(約3~5㎡) |
---|---|---|
FRP防水 | 約5,000~7,500円 | 約15,000~37,500円 |
シート防水 | 約3,500~6,000円 | 約10,500~30,000円 |
ウレタン防水 | 約4,000~7,000円 | 約12,000~35,000円 |
FRP防水工法
高性能かつ工期が短い点で人気のFRP防水工法ですが、単価はやや高めです。耐久性と見た目の美しさを重視することが多い一戸建てのベランダには向いているかもしれません。
ある程度の費用は覚悟したとしても、長期的に防水機能を維持したい家主に特におすすめです。
シート防水工法
なるべく費用を抑えたい場合に向いているのが、シート防水工法でしょう。安価な価格の割には均一の仕上がりを期待でき、それなりの耐久性も誇る優れものです。
一戸建て住宅のベランダでも、平均的な面積以内なら5万円以下で済む場合も。手っ取り早く防水工事をしたい時に向いていて、費用が安いため、何か所も防水工事したい場合におすすめです。
ウレタン防水工法
液状タイプの防水施工なので、柔軟性に富んでいてさまざまな形状に対応可能なウレタン防水。比較的安価で施工できる点や、現場の状況に応じて塗膜の厚みを調整できることも大きなメリットです。
ただ液状タイプを塗り重ねるには職人の技術が必要なので、業者や職人によって仕上がりに差が出る点には注意が必要です。
コンクリートのベランダに防水工事が必要なサイン
コンクリートのベランダに防水工事が必要なサインをご紹介します。
頑丈なイメージのコンクリートのベランダとはいえ、経年劣化が進むと目に見えるサインが現れ始めます。放置すると構造部分への影響も懸念されるため、以下の兆候が見られたら、早めに対応してください。
以下から、防水工事が必要なサインについて具体的に解説していきます。
色褪せ
年数が経つと顕著に目に見えるようになってくるのが、ベランダの色褪せの傾向です。
一般的にベランダの防水層の劣化が始まると、表面の色が薄くなってきて、まだらに見えるようになることも。特に日当たりのよいベランダでは顕著で、紫外線による影響が大きいでしょう。
表面の色が全体的に薄くなってきたら、防水層が紫外線や風雨によって劣化している兆候ですので、すぐに専門家や業者の診断を受けてください。
ひび割れ
ベランダにひび割れの兆候が見え始めたら要注意です。
コンクリートのベランダに見られるひび割れの兆候は、ヘアクラックと呼ばれる細かなひびから、大きな割れまで実にさまざま。これを放置すると水の浸入を許す入口となるため、早期発見と補修が重要です。
ひび割れの原因は、地震などによる建物の揺れや紫外線の影響、乾燥、強い衝撃による摩擦など多岐に渡ります。時間の経過とともにこのような症状が出るのは仕方のないことです。
カビ
コンクリートのベランダによく見られる劣化症状のひとつは、カビです。特にベランダの隅や日陰部分にカビが発生している場合は、防水層が機能していない証拠でしょう。
これはすでにベランダの表面が防水機能を果たしていないため、少しずつ内部に水分や湿気がこもり、それで菌が繁殖してカビが発生しているのです。見た目だけでなく、衛生面でも問題となるため放置は禁物。
変色
もしコンクリートのベランダに、通常と異なるシミや黒ずみが見られるようなら、内部に水分が浸透している疑いがあります。塗装の色と異なっていたり、大きく変色している場合には要注意。
ベランダの美観を大きく損なうのはもちろん、防水機能の低下がかなり進んでいるかもしれません。すぐにトップコートの塗り替えや防水機能の点検を行うべきです。
内部の状態がわからない時、もしくは修繕をしたい時には、専門家や業者を呼んで状況判断をしてもらってください。
シミ
もしコンクリートのベランダの表面部分や下の階にシミが発生した場合は、すでに雨水が建物内部へ浸入している状態かもしれません。こうなるともう表面の施工だけでは済まないでしょう。
ただそのまま放置すると、修繕費用も大幅に膨らむ恐れがありますので、気付いた時点ですぐに改修工事、もしくは新たに防水工事を行う必要があります。
既存の防水が機能していない時には、すべて撤去してからまた新しい防水処理をしなければならないため、費用も期間もかかることを覚えておいてください。
コンクリートのベランダ防水工事は専門業者に依頼しよう!
コンクリートのベランダの防水工法について詳しくご紹介しました。
コンクリートのベランダには、一般的によく採用されるウレタン防水・FRP防水・シート防水などの防水工事を行うことが可能です。
ただ面積や防水の素材、下地の状態によって大きく費用が変動するので、まずはそれぞれの防水工法の特徴を把握し、よく比較・検討してから工法を決定してください。
とはいえ、防水工事は施工方法の選定から実作業、アフターケアまで一貫して専門知識が求められる作業ですので、難しく感じた時は信頼できる専門業者への依頼が賢明です。
もし信頼できる業者選びに悩んだ時には、業者検索サイト「セーフリー」にお任せください。セーフリーでは、防水工事における評判のよい業者を検索し、条件やエリアで絞ったうえで業者の情報を比較できます。
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防水工事に関するよくある質問
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Q. 部分補修に向いている防水工法は何ですか?
A.比較的どの工法も部分補修が可能ですが、特に向いているのはシート防水とアスファルト防水です。既に雨漏りしている場合は難しいかもしれませんが、小さな補修ならカバーしやすい工法です。
ただ補修できるかどうかは、防水工法の選択よりもまず劣化部分の具合が大きく関係しますので、まずは専門家の診断が必要でしょう。
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Q. クラックとは何のことですか?
A.クラックとは、経年劣化によるひび割れのことで、外壁やベランダなどにも生じる可能性があります。
クラックの度合いは場合によって異なりますが、放置していても直るものではありませんので、早急に修繕する必要があります。水漏れを起こさないためにもすぐに対処してください。
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Q. 防水工事の施工期間はどのくらいですか?
A.施工期間は防水工事の種類、面積、環境によって大きく異なります。さらに既存の防水層がある場合は、撤去も含まれるためさらに期間が伸びます。
面積が狭いベランダで最短1~2日、ビルの屋上などになれば2週間はかかります。詳しくは見積もり時に確認してください。