2024.10.31 2024.12.05
塩ビシート防水工事の特徴をご紹介します。
近年人気が高まっている防水工事「塩ビシート防水」。現在多くの建物で採用されている防水工事で、シェア率を逆転させそうな勢いです。
この記事では、塩ビシート防水工事の特徴に加え、メリットやデメリットも解説!塩ビシート防水工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
塩ビシート防水工事の特徴
塩ビシート防水工事の特徴をご紹介します。
特に屋上の防水工事で採用される塩ビシート防水は、塩化ビニール樹脂のシートを貼り付けて防水層を作る方法が特徴です。
塩化ビニール樹脂はプラスチックの一種ですが、配管のパイプなどによく使用され、加工性や物理的強度にも優れています。そのため防水工事にとても向いた素材なのです。
ゴムシート防水も似ていますが、塩ビシート防水の方が丈夫で耐用年数が長いこともあり、シート防水と言えば「塩ビシート」の方が人気です。
塩ビシート防水工事の耐用年数と単価
塩ビシート防水工事の耐用年数と単価をご紹介します。
塩ビシート防水工事は、約10~15年の耐用年数を誇ると言われています。もちろん、工法の違いや下地の状態などによっても変動しますが、かなりの年数持ちこたえることができ、コスパは最高です。
工法 | 耐用年数 | 単価 |
---|---|---|
密着工法 | 10~15年程度 | 5,500円~7,000円/1㎡ |
機械固定工法 | 14~17年程度 | 6,500円~8,000円/1㎡ |
塩ビシート防水の工法
塩ビシート防水の工法についてご紹介します。
塩ビシート防水の工法では、一般的に以下の2種類が主流となっています。
- 密着工法
- 機械固定工法
それぞれの工法を詳しく解説していきます。
密接工法
密着工法は、樹脂シートを接着剤で下地に貼り付けていく方法です。
シートを下地に全面密着できるので、風などでめくれることもなく、強度に優れています。もう一つの機械固定工法と比べ、機会を使用しないぶん、工期も短く費用も浮きます。
ただ下地の状態で仕上がりが大きく左右されるため、すでに水漏れしている建物には施工できず、これが大きな難点です。
〇メリット
- 低コストが叶う
- 工期が短期間で済む
- 必要な機材や材料が少なくて済む
- 強風などに強いため屋上防水に向いている
〇デメリット
- 水分を含んでいる下地には施工できない
- 下地の状態で仕上がりと耐用年数に差が出る
機械固定工法
機械固定工法は、樹脂シートを固定ディスクと呼ばれる専用の機材で貼り付けていく方法です。
接着剤でべったりと貼り付けるわけではないので、下地の影響を受けることが少なく、比較的場所を選ばずに施工可能です。
機械固定工法には2種類あり、UD工法(先打ち)とUS工法(後打ち)を使い分けることができます。UD工法は見栄えを重視する方向き、US工法は耐風圧性を求める方向きです。
〇メリット
- 見た目が綺麗
- 既存の防水層の上から施工可能
- 施工が短期間で済む
- 膨れなどの不具合が起きにくい
〇デメリット
- 施工の際に騒音が発生する
- 破損を避けるため人が歩く場所には施工できない
- 施工できない場所もある
塩ビシート防水工事のメリット
塩ビシート防水工事のメリットを紹介していきます。
比較的メリットが多いと言われる人気の塩ビシート防水工事ですが、それぞれを詳しく解説していきます。
- 軽量で建物への負担が少ない
- 時短の防水施工が可能である
- ヒビなどのトラブルに強い
- 耐熱性に優れている
- 長い耐用年数を保てる
- メンテナンスが容易である
- 改修の際はかぶせ工法ができる
軽量で建物への負担が少ない
塩ビシート防水で使用する塩化ビニール樹脂のシートは、非常に軽量なのが特徴です。
そのため、数多くのシートを貼り付けても建物への重量の負担は掛からず、負荷が少ない工法と言えるでしょう。他の防水工事と比べても、軽量の度合いは飛び出て優秀です。
時短の防水施工が可能である
塩ビシート防水は、時短の施工が可能な点も大きなメリットです。
特に機械固定工法の場合は、下地の状態にあまり左右されず、既存の防水層の上から「かぶせ施工」が可能なため、かなりの時短が叶います。
密着工法も特殊な工具は必要ありませんし、比較的早く施工できるため、工期を長い期間取りたくない住居や会社に向いています。
ヒビなどのトラブルに強い
塩ビシート防水の大きな特徴は、シートの柔軟性や伸縮性です。これによって外的要因による温度や揺れなどにも柔軟に対応でき、膨張や収縮を防ぎます。
この特徴があると雨漏りやヒビなどのトラブルに強いため、耐用年数も伸び、メンテナンスも簡単なのです。
防水工事においてヒビの発生率が高いのは命取り。様々な要因で防水層にヒビが入ると、そこから雨漏りして大きなトラブルに発展する可能性があるからです。
その点、塩ビシート防水の伸縮性はリスクを下げる役割があるので安心でしょう。
耐熱性に優れている
塩ビシート防水の大きなメリットは、耐熱性にたいへん優れている点。
特に、雨風や紫外線、温度変化などに強く、最後にトップコートを塗装すればもっと効果が強化されます。屋上などの紫外線や天候の影響を大きく受ける場所では、耐熱性は重要です。
特に、暑い気候が長続きする地域や日当たりがよい屋上には向いている防水工事でしょう。
長い耐用年数を保てる
防水工事の耐用年数は業者の腕にも関係しますが、きちんと施工してもらえれば15年程度の耐用年数が期待できます。
初期費用は掛かったとしても、10年以上耐用年数が持てばコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。長期的に考えてもメンテナンスの回数を減らせるので、リーズナブルな防水工事です。
メンテナンスが容易である
比較的メンテナンスが容易な防水工法であることも、メリットの一つです。
シートが部分的に破損している場合には、全てやり直さず部分的な補修が可能です。全体的に汚れも付きにくいですし、目地が少ないので、必然的にその部分からのトラブルも多くありません。
基本的には、5~10年に一度はトップコートを塗り替えるなどしてメンテナンスすれば、耐用年数をより延ばすことができるでしょう。
改修の際にはかぶせ工法ができる
他の工法とは異なり、塩ビシート防水は既存の防水層の上から塩ビシートを施工する工法が可能です。これを「かぶせ工法」と言いますが、塩ビシート防水工事独自のメリットです。
既存の防水層を壊したり撤去する手間が掛からないので、工期も短縮できますし、費用も浮かすことが可能でしょう。
塩ビシート防水工事のデメリット
塩ビシート防水工事のデメリットを紹介していきます。
メリットが多く人気の塩ビシート防水ですが、デメリットも幾つか存在します。
- 継ぎ目が最大の弱点である
- 下地の形状により対応できない場合もある
- 下地処理のレベルで出来上がりが左右される
- メンテナンスを定期的にする必要がある
事前にチェックして、メリットで相殺できるものかどうか確認しておいてください。
継ぎ目が最大の弱点である
塩ビシート防水工事はシートを貼り付けていく工法なので、どうしても端部分の継ぎ目が弱点になります。
塩ビシート防水は、下地に固定していったシートを継ぎ目で貼り合わせなければなりませんので、その部分の劣化でトラブルが生じることがあります。
継ぎ目はどうしても弱いので、その部分の接着剤が取れたり、めくれたりして内部に水が入ることも。接合部を上手に施工する業者に依頼するのはもちろん、定期的なチェックも必要です。
下地の形状により対応できない場合もある
塩ビシート防水は、下地の形状によっては施工できない場合もあります。
なぜなら、塩ビシート防水はシートを下地に密着させたり、ビスなどで固定して初めて効果を発揮するものだからです。下地がデコボコ、またはカーブが多いなどの状況では施工が難しいでしょう。
どんなに腕がよい職人でも、難しい場所への防水工事となれば、雨漏りなどのリスクが上がります。
また塩ビシートは形状が特殊な場所に施工した場合、継ぎ目などがうまくいかず、シートが破れたり歪む可能性もあります。このようなケースでは他の防水工法を選びましょう。
下地処理のレベルで出来上がりが左右される
塩ビシート防水は、下地処理レベルで出来上がりの質が大きく左右される特徴もあります。
この防水工事は、下地の状態が良くないとシート防水の性能を大いに発揮できません。機械固定工法は比較的マシですが、密着工法は下地処理が特に重要です。
下地に少しでも水分が含まれていれば、デコボコと膨れが出て防水の効果が薄れますし、仕上がりも綺麗ではありません。施工前の下地処理や補修には、入念な作業が必要になるでしょう。
メンテナンスを定期的にする必要がある
通常屋外に施工する塩ビシート防水は、紫外線や雨風の影響を直接受けます。そのため、気候や環境によっては思ったより早く劣化することも。
ですから定期的な点検とメンテナンスが必要になります。最低でも5年に一度程度は、状態の確認が必要でしょう。早めに見つけることができれば安価でメンテナンス可能です。
以下のような不具合を見つけたらメンテナンスに踏み切ってください。
- シートの浮き
- シートのヒビ割れや剥がれ
- シートの破れやめくれ
- シートがゆがんで水が溜まっている
塩ビシート防水工事が得意な業者を探してみよう!
塩ビシート防水工事の特徴に加え、メリットとデメリットもご紹介しました。
近年、着々とシェア率を高めている塩ビシート防水工事は、工期の短さや低価格な費用などメリットがたくさんあります。もちろんデメリットもありますが、よく比較・検討すれば質の良い防水工事を行えます。
ただ塩ビシート防水工事の仕上がりは、業者によって大きく差があります。特に建物が特殊な場合は、職人の腕に大きく依存すると言っても過言ではないでしょう。
そのため塩ビシート防水工事をするなら、信頼できる業者選びが重要です。そんな時は、「セーフリー」がおすすめ!
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