2024.11.06 2024.11.06
この記事では、木蓮(モクレン)の剪定やお手入れについて徹底解説していきます。
春に鮮やかな花を付けるモクレンは、生長スピードが早く、剪定しないとどんどん大きくなってしまいます。また、正しく剪定しないと枝が広がってしまったり花付きが悪くなってしまったりするのでしっかりポイントを押さえてお手入れしましょう。
そんなモクレンの剪定時期やお手入れ方法を、詳しく解説します。記事後半では、剪定にあたって押さえておきたい8つのコツもご紹介!上手に仕上げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
木蓮(モクレン)の代表的な種類4選【剪定前の基礎知識】
剪定を始める前に、モクレンの代表的な4つの種類と特徴をご紹介します。
- 紫木蓮(シモクレン)
- 白木蓮(ハクモクレン)
- 黄木蓮(キモクレン)
- 更紗木蓮(サラサモクレン)
濃い赤紫で中が白や薄紅色の花が咲くのは、一般的なモクレンで「紫木蓮(シモクレン)」とも呼ばれます。3~5mほどの大きさが多く、秋には紅葉も楽しめます。
これに対して、白い花を付ける種類は、「白木蓮(ハクモクレン)」です。幹が太く、20mほどまで大きく生長するのが特徴です。
黄色い花を咲かせる「黄木蓮(キモクレン)は、若木の頃から花を楽しめる種類。優雅な芳香が魅力的なモクレンです。
「更紗木蓮(サラサモクレン)」は、外側が紫、内側が白をしているシモクレンとハクモクレンの交雑種です。双方の魅力を持ち合わせた、絶妙な美しさがあります。
木蓮(モクレン)の剪定に適した時期
モクレンの剪定は、休眠期になる11~2月が適しています。休眠期の剪定なら、モクレンへの負担を最小限に抑えられるためです。また、落葉樹のモクレンなら、11~2月は葉が落ち、剪定すべき枝を判断しやすくなります。
11~2月の剪定は、花芽と葉芽の違いも判断しやすい点でもオススメです。花芽を落としすぎると次の花付きが悪くなってしまうので、気をつけなければなりません。
一方、真夏は剪定を避けたほうが安心です。真夏は生長が活発な時期なので、剪定により枯れるケースもあるので注意しましょう。
木蓮(モクレン)の剪定に必要なアイテム
モクレンを剪定する際に必要なのは、下記のアイテムです。
- 剪定用手袋
- 剪定バサミ
- 剪定ノコギリ
- 癒合剤(ゆごうざい)
- 脚立
剪定用手袋は、ケガ防止のための必須アイテムです。切る時は剪定バサミを使うのが基本ですが、太めの枝の場合は剪定ノコギリを使うと良いでしょう。また、太めの枝を切ったら癒合剤を塗るのも大切です。
大きいモクレンの場合は、脚立を使って作業しなければならないケースもあります。剪定では脚が3本の三脚脚立を使うのが一般的です。デコボコした庭の地面でも使いやすいため、高所作業の場合は三脚脚立も用意しましょう。
ただし、脚立を使っての作業は転倒のリスクがあります。
木蓮(モクレン)の剪定方法
モクレンの剪定は、下記どちらかの方法で進めます。
- 透かし剪定
- 強剪定
基本的には透かし剪定ですが、必要に応じて強剪定を実施していきましょう。
透かし剪定
透かし剪定では、不要な枝をメインに切っていきます。
- 伸びすぎている枝
- 混み合っている枝
- 交差している枝
- 内側へ向かって伸びている枝
- 太い枝に絡むように伸びている枝
- 枯れている枝
- 弱っている枝
上記の枝を見つけたら剪定し、全体的に日当たりや風通しが良くなるように仕上げます。また、葉芽が付いている枝を見つけたら、その枝が分岐している根元部分を剪定します。
強剪定
樹高を低くしたり樹形を大幅に変えたりするなら、強剪定をする必要があります。
- 仕上がりの樹高や樹形を決める
- 切る枝を決める
- 枝が分岐している部分から5~10cmほどの部分を切る
- 切り口に癒合剤を塗る
- 全体的に透かし剪定をする
強剪定では、太めの枝を切っていきます。太めの枝を切るとモクレンには大きなダメージとなり、場合によっては枯れてしまうケースがあります。必要以上に切りすぎず、全体的なバランスを見ながら剪定しましょう。
木蓮(モクレン)剪定で「小さくしたい場合」のポイント
モクレンを小さくする時の強剪定では、下向きの枝を程よく残すのがポイントです。生長が早いモクレンは、上向きの枝が多ければ多いほど大きくなってしまうためです。
特に、生長が早いハクモクレンは、樹高を抑える工夫が必要です。剪定時は、枝の向きもしっかりチェックしましょう。
下向きの枝は、残しすぎてもバランスが悪くなります。全体的なバランスを見て、上向きの枝も残し、空に向かって咲く美しい花も堪能しましょう。
木蓮(モクレン)剪定時の「8つのコツ」
モクレンの剪定には、8つのコツがあります。
- 花芽と葉芽をしっかり見分ける
- 左右対称にしすぎず全体のバランスを見る
- 徒長枝は優先的に剪定する
- ヤゴは適度に残す
- 害虫を見つけたらすぐに対処する
- 太めの枝を切ったら癒合剤を塗る
- 剪定後は肥料を与える
- 6月頃に剪定予定の場所の写真を撮っておくと便利
美しいモクレンに仕上げるために、それぞれ確認していきましょう。
花芽と葉芽をしっかり見分ける
モクレンの花を楽しむためには、花芽を落とさないのが重要です。花芽と葉芽はパッと見ただけでは判断しにくい場合があるので、しっかり見て確認しましょう。
- 花芽:大きく丸みがある膨らみの蕾
- 葉芽:小さく細長い蕾
また、モクレンの花は、長い枝ではなく短めの枝に咲くのが特徴です。花付きを落とさないためには、短めの枝を切りすぎないようにしましょう。
左右対称にしすぎず全体のバランスを見る
自然樹形が美しいモクレンは、樹形を整えすぎないのもポイントです。左右対称にしすぎると人工的な印象が強くなり、モクレン本来の美しさがなくなってしまうこともあります。
とは言え、樹形を整えるのは大切なので、剪定中でも少し離れた場所から全体的なバランスを確認しつつ、左右対称にこだわりすぎないようにしましょう。
徒長枝は優先的に剪定する
幹や太い枝からまっすぐ上に向かって伸びる徒長枝(とちょうし)は、優先的に剪定しましょう。徒長枝がどんどん伸びると樹形が乱れてしまうためです。
また、徒長枝は花芽が付きにくい枝なので、徒長枝を剪定するとその分栄養が花芽に行き渡り美しい花が咲くメリットもあります。
ヤゴは適度に残す
株元から生える枝であるヤゴは、基本的に透かし剪定の対象になります。ヤゴがそのまま生長すると樹形が乱れるだけでなく樹木そのものの生長を妨げることもあるためです。
ただし、すべてのヤゴを剪定するのではなく、適度に残しておくのがポイントです。
害虫を見つけたらすぐに対処する
モクレンには、カミキリムシやカイガラムシなどが付きやすいです。害虫を放置すると枝が枯れたり樹木そのものが枯れたりするため、早めの対処が必須です。
害虫を見つけたら、市販の殺虫剤や殺菌剤を使って駆除しましょう。
太めの枝を切ったら癒合剤を塗る
太めの枝を切った後は、切り口から菌が侵入しないよう、癒合剤を塗ります。水分や栄養分が切り口から出ていくのを防いでくれる効果もあるため、剪定によるダメージを抑えやすくなります。
剪定後は肥料を与える
剪定後のモクレンはダメージを負い、弱った状態です。ダメージを軽減して生長を促進するためには、肥料を与える必要があります。
ポイントは、適量の肥料を与えること。
多すぎても少なすぎても効果が出ないため、使う肥料の用法用量を守って与えましょう。
6月頃に剪定予定の場所の写真を撮っておくと便利
葉がある6月頃には、どの枝を剪定するかを考えて写真を撮っておきましょう。冬になると葉が落ちて枝が見えやすくなりますが、葉がない分仕上がりのイメージがしにくくなるためです。
また、あらかじめ写真を撮っておけば、花芽を落としてしまうリスクも軽減できます。
木蓮(モクレン)の剪定を業者に依頼した場合の費用相場
生長が早いモクレンは、大きくなればなるほど剪定時に転倒などのリスクが大きくなります。そこで、業者へ依頼して剪定してもらう方法もオススメです。プロに依頼すれば、花芽を落とす心配もなく、美しい樹形に仕上げてもらえます。
業者依頼した場合にかかる費用は、下記が相場です。
- 日当制の場合:職人1人あたり15,000~30,000円ほど
- 時給制の場合:1時間あたり2,000~3,000円ほど
- 単価制の場合:3~5mの樹高で6,000~7,000円ほど
業者により、費用は「日当制」「時給制」「単価制」と異なります。また、樹高によって料金も変わるため、まずは見積もりを依頼してみると良いでしょう。
木蓮(モクレン)剪定は適切な時期に!大きくなりすぎたら業者にお任せ!
モクレンは、適切な時期に正しい方法で剪定するのが大切です。花芽と葉芽をしっかり見分け、自然樹形を活かしてバランス良く仕上げましょう。また、6月頃には剪定したい枝を決めて写真を撮るなど、計画的な剪定も必要です。
「モクレンの剪定に不安がある」「大きくなりすぎて作業が大変」「剪定に手間をかけたくない」という場合は、無理せず業者を利用しましょう。プロの技術で、効率的に美しい樹形に仕上げてもらえます。
木蓮の剪定業者を見つける際は、セーフリーをご利用ください。多くの掲載業者からサービスを絞り込んで、納得の業者が見つかります。まずは、近くの業者を探してみましょう。
木蓮(モクレン)の剪定時期やお手入れ方法【作業のコツや業者費用も解説】のよくある質問
-
Q. モクレンの剪定時期はいつがベスト?
A.モクレンの剪定時期は、休眠期になる11~2月がベストです。
-
Q. モクレンの木を小さくしたい場合の剪定方法は?
A.モクレンの木を小さくしたいなら、強剪定をする必要があります。
1.仕上がりの樹高を決める
2.切る枝を決める
3.枝が分岐している部分から5~10cmほどの部分を切る
4.切り口に癒合剤を塗る
5.全体的に透かし剪定をするこの時、下向きの枝を程よく残すのが、小さくするポイントです。
-
Q. モクレン剪定での注意点は?
A.モクレン剪定での注意点は、下記のとおりです。
・花芽と葉芽をしっかり見分ける
・左右対称にしすぎず全体のバランスを見る
・徒長枝は優先的に剪定する
・ヤゴは適度に残す
・害虫を見つけたらすぐに対処する
・太めの枝を切ったら癒合剤を塗る
・剪定後は肥料を与える