2025.01.06 2025.01.06
この記事では、バラ(薔薇)の剪定について徹底解説していきます。
バラは、正しくお手入れすると美しく魅力的な花を長く楽しめます。気品ある香りと存在感抜群の花を楽しむために、バラの種類に合った適切なお手入れ方法を知っておきましょう。
ここでは、バラの種類から適切な剪定時期まで詳しくご紹介。記事後半では、剪定を成功させるコツもご紹介するので、美しく整えたい方はぜひ最後までご覧ください。
目次
剪定前に!バラ(薔薇)の種類をチェック!
バラには主に「木立性(こだちせい)」「つる性」の2種類があり、お手入れ方法もそれぞれで少し異なります。まずは、それぞれの種類について確認していきます。
木立性(こだちせい)
支えを必要とせず、自立するタイプのバラを、「木立性(こだちせい)」と呼びます。枝は上に向かって伸びていく種類で、さまざまな品種があります。
- ハイブリッドティー・ローズ
- フロリバンダ・ローズ
上記に代表されるのが木立性のバラで、花の大きさもさまざまです。
つる性
クライミング・ローズとも呼ばれる「つる性」のバラは、その名の通り、つるのような枝が特徴的です。木立性のように自立はしないため、フェンスやアーチなどに巻き付けるなどして、さまざまな形で楽しめます。
- スパニッシュビューティー
- CL.アイスバーグ
上記をはじめ、さまざまな種類があります。
バラ(薔薇)の剪定時期【年2回のお手入れを】
バラは、年に2回お手入れをするのが基本です。夏は9月上旬、冬は1月上旬~2月下旬に剪定しましょう。ただし、つる性のバラの冬剪定は、12~1月半ばがベストです。
夏は樹形を整える程度の軽い剪定をしますが、冬はしっかり剪定するのがポイント。
この2回の剪定により、美しい樹形を保ちつつ美しい花も楽しめます。
バラ(薔薇)剪定のキホン【季節別のお手入れ方法】
ここからは、季節ごとのバラの剪定方法をご紹介します。
- 夏の剪定
- 冬の剪定
それぞれで剪定の目的が異なるため、適切な方法で実施しましょう。
夏の剪定
夏の剪定では、樹形を整え樹高を調整します。基本的には、半分より上部分の枝を中心に剪定しましょう。
- 咲き終えた花を摘み取る
- 混み合っている枝を切る
- 元気のない枝・細い枝を切る
半分より上部分は、できる限りカットするのが基本です。
高さを調整する際は、2分の1~3分の1ほどの高さで切り詰めていきます。同時に、新枝は30~50cmほどのところで剪定しましょう。また、虫が発生している場合は、早めに駆除しておくのもポイントです。
冬の剪定
冬の剪定では、全体的にしっかり枝をカットしていきます。ただし、剪定する前に、バラを休眠させる必要があります。そこで、剪定の1~2週間前に下記のお手入れをしておきましょう。
- すべての葉を手でむしり取っておく
- 咲かなかったつぼみ・咲き終わった花がらをカットする
このお手入れをしておくと、バラが休眠しやすくなります。ただし、バラにはトゲがあるので、葉をむしり取る際は十分に注意する必要があります。
その後、下記の枝を中心に剪定していきましょう。枝は、根本からバッサリ切るのがポイントです。
- 細く弱っている枝
- 重なり合っている枝
- 傷んでいる枝
- 枯れている枝
- 2年以上経っている枝
「細い」の基準としては、鉛筆や割り箸が例に挙げられるケースが多いです。鉛筆や割り箸よりも細い枝は全体的にカットし、全体的に2分の1~3分の1の大きさになるまで剪定しましょう。
バラ(薔薇)の剪定方法【咲がら切り・シュート処理・誘引】
夏と冬の基本的な剪定のほか、下記のお手入れもしていきましょう。
- 咲がら切り
- シュート処理
- 誘引
それぞれのやり方を、ここでチェックしていきます。
咲がら切り
咲き終わり頃の花の枝を切るお手入れを、「咲がら切り」と呼びます。咲がら切りをすると、花芽が生長して続けて美しい花を付けるようになります。
一番花の場合は、3月から伸びてきた枝の、半分くらいの部分で剪定しましょう。目安としては、5枚の葉が付いているところです。二番花と三番花は、前回切った場所から伸びた部分の、半分の位置で剪定します。
木立性のバラはもちろん、つる性のバラでも咲がら切りは必要です。
シュート処理
「シュート」とは、5~10月に伸びてくる元気な枝のこと。根本から伸びると「ベーサルシュート」、枝の途中から生長すると「サイドシュート」と呼ばれます。
シュートには栄養が優先的にまわるため、適切に処理をして全体的に栄養を分配していかなければなりません。ただし、ベーサルシュートは優先的に伸ばしていくと良いでしょう。
シュートの処理方法は、下記のいずれかで実施します。
- 発生した際に剪定する
- 伸びてきたら、少し低い位置で剪定する
少なくても良いので立派な花を付けたい場合は、発生した際や早めにシュート処理をすると効果的です。小さくても良いのでたくさん花を付けたいなら、シュートが伸びてきてからの処理が良いでしょう。
ちなみに、秋バラを大きく開花させるなら、シュートは発生した際に剪定するのがオススメです。
木立性のバラは、シュート処理が必須です。一方で、つる性のバラの場合はシュートは処理せず伸ばすのが基本。伸びれば伸びるほど花芽が多く付くためです。シュートが折れないよう、支柱で支えたりしながら、冬には誘引してあげましょう。
誘引
つる性のバラは、つるを適切な位置に結びつけ、固定するお手入れです。誘引することで、つる性のバラは美しい姿で花を楽しめるようになります。また、誘引によって株元にも花が付くのがメリットです。
- 不要な枝を剪定しておく
- 上向きに伸びている枝を水平になるようにやさしく曲げて紐などで固定する
- 支柱やアーチなどに沿わせる
誘引の際は、全体的に日が当たるようにするのがポイントです。また、前年から伸びている太い枝や元気があるシュートを誘引すると、より効果的です。
バラ(薔薇)の剪定で失敗しない3つのコツ
バラの剪定で失敗しないためには、ここでご紹介する3つのコツを押さえておきましょう。
- 枯れた枝は根本から切る
- 花芽は残す
- 迷ったら太い枝を残す
それぞれの内容も、チェックしていきます。
枯れた枝は根本から切る
枯れてしまっている枝は、根本からバッサリ切ってしまいましょう。残っていると害虫や病気が発生しやすくなるため、できるだけ根本から切るのがポイントです。
花芽は残す
バラの美しい花を楽しむためには、剪定時に花芽を残さなければなりません。
特に、根本から伸びてくるベーサルシュートには、剪定予定の場所に花芽が付いてしまうことが多いです。どうしても剪定が必要な場合は、全体的なバランスを考えて花芽をできるだけ残しつつ剪定するようにしましょう。
迷ったら太い枝を残す
不要な枝を剪定する際、どの枝を残すかで迷うケースは多いです。迷ったら、太い枝を残すのが基本。細い枝や弱い枝は、折れてしまったり病気や害虫が発生してしまったりするリスクがあるためです。
太い枝には養分がしっかり蓄積されているため、バラの健康のために残していきましょう。
バラ(薔薇)の剪定時の2つの注意点
バラ剪定時には、下記2つに注意が必要です。
- トゲ
- 虫
バラのトゲは、草食の生物から身を守り、枝が転倒しないようにする役割を担っています。剪定時は刺さらないよう、十分手元に注意して作業する必要があります。また、剪定用手袋を着用し、なるべく肌を露出しないのも大切です。
バラには、下記の害虫も発生しやすいです。
- バラゾウムシ
- カミキリムシ
- コガネムシ
- ハダニ
害虫予防には、薬剤の散布が効果的です。剪定時に虫を見つけたら、殺虫剤を使うなどして早めに駆除しておきましょう。
正しく剪定してバラ(薔薇)の美しい花を楽しもう!
バラは、木立性・つる性それぞれに適した方法でお手入れしていく必要があります。基本的なお手入れはもちろん、咲がら切りやシュート処理も取り入れていけば、より長く美しい花を楽しめるでしょう。
お手入れに手間をかけたくないなら、プロの業者に任せてしまう方法もあります。プロの手にかかれば、バラの魅力を最大限に引き出し長く楽しめるよう剪定してもらえます。
バラだけでなく、ほかの庭木のお手入れも依頼できるので、まとめてお願いするのも良いでしょう。
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バラ(薔薇)の剪定に関するよくある質問
-
Q. バラの剪定にベストな時期は?
A.バラの剪定にベストな時期は、9月上旬と1月上旬~2月下旬です。
-
Q. バラの季節ごとのお手入れは?
A.バラの季節ごとのお手入れは、下記のとおりです。
・夏の剪定:樹形を整え樹高を調整
・冬の剪定:全体的に不要な枝をしっかり枝をカット -
Q. バラを剪定する際のコツは?
A.バラの剪定する際のコツは、下記3つです。
・枯れた枝は根本から切る
・花芽は残す
・迷ったら太い枝を残す