遺品整理時のハウスクリーニングはどうする?具体的な手順と依頼のタイミングも
2025.01.06 2025.01.06
この記事では、遺品整理時のハウスクリーニングはどうするのがいいか、対応サービスや具体的な手順について徹底解説します。
遺品整理は、亡くなった方の遺品を整理するだけではなく、遺族の心の整理をつける大切な作業でもあります。しかし、遺品整理では、モノが大量であったり、汚れや破損が酷かったりするケースがあり、多くの遺族が悩みを抱えています。
記事後半では、業者への依頼費用を抑えるコツや業者選びのポイントまで丁寧にご紹介。なにかと出費の多いタイミングでなるべく安く抑えたい方も、ぜひ最後までご覧ください。
目次
遺品整理時に依頼できるハウスクリーニングの作業範囲
遺品整理では個人の持ち物をすべて仕分けして片付けた後、ハウスクリーニングによって清潔な環境に整えます。
一般的な掃除とは違い、専門の洗剤や機器、技術で行うため、原状回復できるほどにきれいに仕上がります。
具体的には次のような清掃内容です。
- お風呂場のカビ汚れや水垢などを取り除く
- トイレの汚れなどをきれいにする
- キッチンの油汚れを取り除く
- 床を磨き上げてワックスがけする
- タバコのヤニ汚れを取り除く
上記のように部屋全体からトイレといった箇所別はもちろん、ベランダや庭などの屋外まで広範囲に対応します。
特殊清掃との違い
近年、孤独死や自死などによって特有のニオイや汚れが染み付いてしまうケースが増えています。このような特殊な汚れは床や壁など奥深く浸透し、さらに時間が経つと、一般的なハウスクリーニングでは対応できません。その場合は、「特殊清掃」業者に依頼します。特殊清掃ではニオイや汚れの除去、害虫の駆除や殺菌までしてくれます。また、ゴミ屋敷の清掃も通常のハウスクリーニングでは対応できないため、特殊清掃業者に依頼するのが一般的です。
不用品回収業や遺品整理業との違い
故人が遺したものを片付ける作業では、不用品回収や遺品整理業者へ依頼します。ハウスクリーニング業者はあくまでも部屋を清掃するだけで、遺品の片付けや処分などは対応していません。
遺品整理業は故人が生前に所有していたすべての物品を片付ける作業です。主に、遺品の仕分け、分別、搬出、運搬、供養、清掃を行います。ここでの清掃は自宅にある道具を使って行う簡易的な掃除なため、ハウスクリーニングとは仕上がり具合が異なります。
一方、不用品回収は不要なものを処分するという作業で、供養・仕分け(貴重品や思い出ものもを仕分けること)・清掃などは含まれません。思い出の物や貴重品が詰まった状態での整理ならば、不用品回収業者ではなく遺品整理業者が適しています。
故人の遺品を片付ける作業は、遺品整理業者依頼後にハウスクリーニングで清潔にするといった流れになります。
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遺品整理後のハウスクリーニングの必要性
遺品整理後にハウスクリーニングを利用するのは非常に重要です。それは次のような理由が挙げられます。
ハウスクリーニングで清潔な環境に戻す
遺品整理を行った後は、故人が長年生活した痕跡が残っています。キッチンや浴室、トイレといった水回りは、簡単には落としきれない頑固な汚れも蓄積しています。
見た目だけではなく、衛生面でもハウスクリーニングを利用して、清潔な環境にすることは非常に重要です。
とくに、故人の賃貸を退去する場合や故人の物件を売却や貸し出す場合などは、生活痕をリセットする必要があります。
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遺族の心のケアとしての役割
故人の部屋をハウスクリーニングして清潔にするだけではなく、遺族の心のケアといった役割もあります。長年故人が住んでいた場所をきれいにすることで、遺族が心の整理をつけられて、新たな一歩を踏み出せます。物理的に清潔な環境になることで、悲しい感情が軽減されるでしょう。
遺品整理時のハウスクリーニングのベストなタイミング
遺品整理でのハウスクリーニングは、遺品整理と同時期に依頼するのがよいタイミングです。いつといった明確な時期はありませんが、次のような目安を参考にしましょう。
- 49日法要後
- 賃貸契約や退去のタイミングに合わせて
- 相続手続きの前(10ヶ月以内)
上記のタイミングについて詳しく解説します。
49日法要後
一般的に、故人の命日から49日目が1つの目安となります。仏教では、この世で彷徨っていた魂が49日目の審判を過ぎると、極楽浄土へ向かうと言われています。49日法要を過ぎると、忌明けして「形見分け」が行われるため、遺品整理にベストなタイミングです。
また、遺族も故人を亡くした悲しみから徐々に落ち着つき始めた時期でもあるため、この時期に実行するのもよいでしょう。
賃貸契約や退去のタイミングに合わせて
故人が賃貸であった場合、契約内容によって片付けやハウスクリーニングのタイミングを合わせる必要があります。孤独死などの特殊清掃を必要とする場合は、早急に対応が必要ですが、それ以外であれば、退去の事前連絡が必要な時期にあわせてハウスクリーニングを依頼しましょう。
退去の予告連絡は契約書で決められており、1ヶ月〜3ヶ月に設定しているケースがほとんど。一度、契約書を確認しましょう。
なお、賃貸契約に関しては、故人に代わって連帯保証人が解約します。
相続手続きが発生する前(10ヶ月以内)
相続税の納税義務者になっている場合、故人が死亡したことを知った翌日から10ヶ月以内に相続税を申告する必要があります。その前に遺品整理を済ませて、現金や貴金属など課税対象になるものをすべて把握しなくてはいけません。
※相続税には3,600万円×法定相続人の控除があり、それを超える場合が課税対象となります。
注意する点として、相続放棄する場合は、故人が死亡したことを知った翌日から3ヶ月以内に手続きが必要で、故人のものを処分したり売ったりできません。
遺品整理やハウスクリーニングに関することは、相続に関連するため、遺族同士で話し合って時期や誰が行うのかを決めておきましょう。
遺品整理時にハウスクリーニングを依頼するメリット
ハウスクリーニングをプロへ任せることで、遺族にとって大きなメリットがあります。
遺族の心身の負担を軽減できる
遺族にとって、故人との思い出や生活痕が残る部屋を掃除するのは、非常につらいものです。感情的になり、なかなか作業も進みません。また、蓄積された汚れを取ることにも労力がかかります。ものや思い出の品が多い分、片付けや清掃に時間がかかるケース多く、それだけの労力を費やすのも難しいのが現状です。
プロであれば、適切な清掃方法で迅速に対応してくれるため、かなり負担が軽減されるでしょう。
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保険で対応できる可能性も
ハウスクリーニング費用や修繕費用は高額になるケースが多く、遺族にとって負担に感じることも少なくありません。しかし、故人が加入していた火災保険の特約や賃貸物件の保険でカバーできる可能性があります。
火災保険の特約で、家の原状回復や賃貸の退去費用、特殊清掃に必要な費用に対して保険金が支払われるケースがあります。
一度、故人が加入していた火災保険や賃貸契約書などを確認しましょう。
もし、火災保険や賃貸契約の保険が適用されなくても、ハウスクリーニングの必要性はあり、依頼するメリットも上記のような理由で大きいと言えます。
遺品整理時にかかるハウスクリーニング費用の目安【サービスの料金相場は?】
遺品整理後に行うハウスクリーニングは特別なものではなく、通常のハウスクリーニングと内容も費用も変わりません。
ハウスクリーニングを依頼する基準としては、次のような特殊な事例は対応できません。
- 害虫が発生している
- 腐敗などの特有のニオイや汚れがある
- 大量のゴミによる汚れやニオイ
- ペットなどの大量の糞尿のニオイや汚れ
- 汚れによる破損などがある
それ以外の頑固なカビや油汚れ、蓄積された汚れなどは対応できる可能性があります。対応可能な範囲は、部屋全体からベランダや玄関などの屋外清掃、キッチンだけといったスポット対応も可能です。
(間取り) | マンションの場合 | 戸建ての場合 |
---|---|---|
1K/1DK | 15,000〜35,000円 | ー |
2DK/3DK | 40,000〜60,000円 | 55,000〜100,000円 |
4DK以上 | 70,000円〜 | 75,000円〜 |
(※いずれも空室のケース)
箇所別の料金は次のとおりです。
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清掃箇所 | 料金 |
---|---|
浴室 | 11,000〜20,000円 |
トイレ | 6,000〜10,000円 |
キッチン | 10,000〜20,000円 |
エアコン(お掃除機能なし) | 8,000円〜 |
レンジフード | 10,000円〜 |
汚れ具合によっては追加料金が発生します。実際に見積もりを複数社取って比較しましょう。
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遺品整理時のハウスクリーニング依頼先の決め方【業者選びの3つのポイント】
遺品整理とハウスクリーニングは別の作業ですが、業者によっては1社で依頼できるところもあります。そういったサービスを選ぶとスピーディに行えるでしょう。次のような業者であれば、安心して依頼できる可能性が高いと言えます。
料金が明確でわかりやすい
料金の内訳が明確でわかりやすいのは、安心してサービスを利用するために重要なポイントです。安く見えても「追加料金が発生した」といったトラブルが多発しています。清掃料金以外には、「駐車料金」「出張料」などがかかるケースもあります。
とくに、故人を失って沈んだ気分のときは、料金や詳細が曖昧になりがちですが、高額にならないよう確認しましょう。
自分が求めるサービスを提供している
あれもこれも依頼してしまうと、料金が高額になってしまいます。「水回りだけ掃除してほしい」「エアコンもきれいにしたい」と、何を依頼したいかを考えてから、依頼できる業者を選びましょう。
また、業者によっては、依頼したい箇所の清掃を受けていないことや、別料金の可能性もあります。例えば、レンジフードや排水溝、エアコンクリーニングなどは別料金であったり、なかには対応できなかったりする場合もあります。
自分の依頼したい内容をしっかりとヒヤリングしてくれる業者であることも重要です。
口コミや実績を確認する
故人との思い出や生活痕が残る自宅をハウスクリーニングするうえで、信頼できる業者かどうかは非常に重要です。業者のホームページや業者の検索サイトの口コミで、「事業者の印象や丁寧さ」「掃除・サービスの仕上がりや質」などが把握できます。
女性がいるほうが安心といった方は、女性スタッフの対応が可能かどうかも、確認しましょう。
遺品整理ではハウスクリーニングが必要!安心して頼める業者選びを
遺品整理ではハウスクリーニングを依頼することで、清潔な生活環境に整えたり、遺族の気持ちを軽減させたりできるため、必要な作業です。プロに依頼することで、効率的に作業を進められ、仕上がりにも満足できるでしょう。さらに、保険を活用することで、費用の負担を減らせる可能性もあります。
安心して依頼できるためには業者選びは重要です。費用だけではなく、サービス内容や口コミを閲覧できる検索サイトを活用しましょう。セーフリーでは多数の業者を掲載し、地元の業者を一括で検索できます。ぜひ、ご活用ください。
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遺品整理時に行うハウスクリーニングについてのよくある質問
-
Q. 遺品整理時にハウスクリーニングは必要ですか?
A.ハウスクリーニングは必要です。ハウスクリーニングで徹底的に洗浄して、清潔な環境を整えてくれます。また、物理的にきれいになることで、遺族の心が癒やされるといった効果もあります。
-
Q. ハウスクリーニングを依頼すると、どこまできれいにしてくれる?
A.家全体や庭やベランダなどの屋外まで広範囲に対応しています。トイレだけやエアコンクリーニングだけといったスポット依頼も可能です。
-
Q. ハウスクリーニング費用はどのくらいかかるの?
A.依頼する場所や広さによって異なります。単身用の1Kや1DKなら15,000円〜、戸建ての4DKなら75,000円〜かかります。スポット依頼ではトイレは6,000円〜です。汚れ具合によって料金が高くなるので、事前に見積もりしましょう。