2024.12.04 2024.12.05
この記事では、犬がキシリトールを摂取するのは危険であることについて紹介します。
犬がキシリトール含有食品などを誤飲してしまうと、インスリンが過剰にでてしまい、重度の低血糖や肝臓へのダメージから急性肝不全などを引き起こしてしまう可能性があります。
ここではさらに、食べてしまったときの症状や対処法などを載せているので、愛犬のための知識として、ぜひお役立てください。
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目次
犬がキシリトールを摂取するのは危険
最初は、犬がキシリトールを摂取するのは危険な理由について紹介します。
犬がキシリトールを摂取すると、体内で以下のような変化が起き、さまざまな症状が現れる可能性があります。
- 低血糖になる可能性がある
- 急性肝不全を引き起こす可能性がある
これらについて詳しくみていきましょう。
低血糖になる可能性がある
犬がキシリトールを摂取するのが危険な理由に、低血糖を引き起こしてしまうことが挙げられます。
人が摂取するキシリトールの場合、体内に吸収されるスピードが緩やかで血糖値が上がりにくく、膵臓を刺激しないため、インスリンの放出が起こりにくいのです。
しかし、犬の場合は人とは逆で、キシリトールが血流に早く吸収されてしまい、膵臓から分泌されるインスリンが過剰に放出される状態に陥ります。
犬のインスリンの過剰放出は、キシリトール摂取から10分〜1時間以内に起こる可能性があり、急速な低血糖を引き起こしてしまうのです。
低血糖は、多臓器不全や脳への障害、昏睡を引き起こし最悪の場合、死に至る恐れがあります。
急性肝不全を引き起こす可能性がある
犬がキシリトールを摂取してはいけないもう一つの理由が、急性肝不全を引き起こす可能性があることです。
キシリトールを摂取したのちに、低血糖と併発することや単独で起こることもあります。
犬の急性肝不全は、摂取したキシリトールの代謝中にATPと呼ばれる物質の消費、肝細胞に障害をもたらすことで急激に引き起こされます。
肝臓が急速に壊死してしまうので、生きる上で必要な働きができなくなることで死に至るのです。
また、肝機能が働かないことで、血中のアンモニアなどの毒性物質を解毒できないことから、「肝性脳症」などが続発することも考えられます。
犬にとって危険なキシリトールの量
誤飲のケースが非常に多い、市販のキシリトールガムを基準に紹介します。
犬が危険なキシリトールの摂取量は、1kgに対して0.1〜0.5gであるとされています。
商品やメーカーごとに含有量は異なりますが、キシリトールガムは1gあたり0.2gのキシリトールが含まれていることが多いです。
一粒当たりの重さは1,5g程度なので、0.2〜0.3gのキシリトールが入っていることになり、2kgの犬だった場合、一粒以上のキシリトールガムを誤飲してしまうと、キシリトール中毒になる可能性があります。
とはいえ、極少量でも中毒になる犬もいれば、2〜3粒食べても中毒症状が現れない犬もいます。
いずれにしても、キシリトールガムを一粒でも飲み込んでしまったら、動物病院へ向かいましょう。
犬がキシリトールを摂取すると起きる中毒症状
つづいて、犬がキシリトールを摂取すると起きる中毒症状について紹介します。
軽度と重度と分けられていますが、キシリトール摂取後に以下に挙げる症状が見られたら、動物病院へ連絡する、連れていくなど迅速に対応しましょう。
比較的軽度の中毒症状
- 食欲がない
- 元気がない
- 震えている
- 動きが弱弱しい
- 吐く
命に関わる中毒症状
- 高頻度で吐く
- 歩けない
- 立てない
- 意識の低下
- 昏睡
- けいれん
- 白目・肌が黄色い
- 尿が黄色く濃い
犬がキシリトールを誤飲したときの対処法
犬がキシリトールを誤飲した時の対処法は、以下のようになります。
- 動物病院へ連絡し指示を仰ぐ
- 動物病院に連れていく
犬が中毒を起こしているときに獣医療の知識がない素人では、自宅でできる応急処置や手当はほぼないといっても過言ではありません。
また、普段見慣れぬ犬の行動や症状にパニックに陥りやすいので、頭は常に動物病院へ連絡することを意識しておきましょう。
動物病院へ連絡し指示を仰ぐ
動物病院へ連れていくことは最優先ですが、闇雲に連れて行ってもかかりつけ医院が休診だったり混んでいて待つことになったりする可能性があります。
連れていくまでの間の対応や予約などを含め、まずは動物病院へ連絡し指示を仰ぐのも大事です。
また、キシリトールを誤飲したのが発覚して、体調の異変に気付いたのが夜間の可能性もあります。
そういったときは、夜間往診が可能な救急センター、夜間診療可能な動物病院などに連絡するのが賢明です。
ただし、夜間往診は設備や道具的に、簡易的な処置になる可能性が高いので、犬の体調を見て翌朝には必ず動物病院へ連れていきましょう。
動物病院に連れていく
犬がキシリトールを誤飲した後に、高頻度で吐く、ふらついて歩けない、立てずに転ぶなど、明らかに異常事態の時はすぐに動物病院へ連れていきましょう。
すぐに動物病院へ連れていければ、それだけ処置が早く済み、症状の緩和や回復の見込みが高まります。
緊急性が高ければ、混んでいたとしても先に診てもらえる可能性があります。
とにかく、キシリトールを誤飲した時は動物病院へ連絡する、または連れていくことが最大の対処法です。
犬が摂取する可能性があるキシリトール配合・含有食品
最後は、犬が摂取する可能性があるキシリトール配合・含有食品を紹介します。
もともとキシリトールは、シラカバなどの樹木、トウモロコシなどの一部の野菜や果物に含まれる成分で天然自然の甘味料です。
デンタルケアに利用されることが多いですが、以下のようなさまざまな食品や製品にも含まれています。
キシリトール配合食品
キシリトールは、虫歯になる酸の産生が起こりにくいことから、虫歯予防やデンタルケアのガムに使われていることが主流です。
また、砂糖と同様の糖度かつ、カロリーも低く代用糖として用いられることも多いです。
キシリトールが入っている食品は以下のようなものがあります。
- キシリトールガム
- お菓子
- ジャム類・シロップ
- 健康補助食品
- スポーツドリンク・乳酸菌飲料
自宅に置いてあることが多い食品ばかりなので、犬の誤飲には細心の注意を払って保管しましょう。
キシリトール含有食品
人間用のデンタルケア商品やお菓子などの加工品以外に、もともとキシリトールが含まれている以下のような食べ物があります。
- カリフラワー
- ほうれん草
- 玉ねぎ
- 人参
- トウモロコシ
- レタス
- イチゴ
- バナナ
- チコリー
- プラム
- ラズベリー など
犬が食べても問題ないことも多いですが、人の体の大きさと犬の大きさには開きがあるので、キシリトールが微量で同じ量を食べたとしても、犬に与える影響は人の比ではありません。
また、キシリトール中毒以外にもアレルギーなど、成分によっては犬の身体に何が起こるかわかりません。
人が普段口にする食べ物や調理素材は、意図的にあげないようにしましょう。
その他キシリトール配合製品
食べ物以外に、以下のような製品にもキシリトールが含まれている場合があります。
- デンタルケア商品
- 犬用デンタルケアおやつ
- 化粧品
- 衣類
キシリトールが含まれる犬用のおやつは、特にデンタルケアを目的としたおやつに含まれていることが多いです。
支障がない程度の微量なキシリトールとはいえ、犬の身体に与えるダメージはわかりません。
犬のデンタルケアのために与える予定であれば、獣医師に相談してから食べさせましょう。
また、最近ではキシリトールが入った衣類や犬用のウエアなども売られています。
肌に触れてもキシリトールは吸収されないとされ、キシリトールがもつ吸熱効果から夏場の外出用のウエアとして作られています。
ただし、ウエアを舐めたり喰いついたりすることもあるため、お持ちの場合は注意が必要です。
犬がキシリトールを食べてしまったら迷わず「動物病院」へ!
犬がキシリトールを摂取した時の理由や症状、対処法などを紹介しました。
特にガムや歯磨き粉などは、しっかりと蓋を閉じる、戸棚にしまう、犬が届かない高所に置くなど、対策しておくのがベスト。
もし、キシリトール含有製品を誤飲してしまった場合は、速やかに動物病院へ連絡し連れていくようにしてください。
しかし、キシリトール中毒を引き起こしたのが夜間だったり、かかりつけの動物病院が休診日だったりとタイミング次第では起こりえます。
万が一に備え、診察日が異なる・夜間往診・診療可能な動物病院をいくつかピックアップしておくと安心です。
犬にとってキシリトールは毒以外の何物でもないので、犬を飼っている人は絶対に誤飲させないように注意しましょう。