犬がチョコレートを食べたら危険?症状や摂取量、緊急対処法を解説

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犬がチョコレートを食べたら危険?症状や摂取量、緊急対処法を解説

2024.11.20 2024.11.20

本記事では、犬がチョコレートを誤って食べてしまった際の危険性と具体的な対処法について、詳しく解説します。

チョコレートに含まれるテオブロミンは、犬にとって命に関わる深刻な中毒を引き起こす可能性があります。

緊急時の適切な対処法や予防策を理解し、愛犬を守るための知識を得て、愛犬と健やかな生活をしていきましょう。

チョコレートが犬に与える危険性

チョコレートが犬に与える危険性

チョコレートには犬にとって有毒な成分が含まれており、誤って食べてしまうと命に関わる事態になる可能性があります。

なぜチョコレートが危険なのか、詳しく解説します。

テオブロミンによる中毒のメカニズム

チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、犬の体に強い毒として作用します。

この成分が体にたまると、脳や心臓に悪影響を及ぼし、体調を大きく崩す原因となります。

特に気をつけなければならないのは、ブラックチョコレートなどの苦みの強いチョコレートです。

カカオ含有の多いチョコレートは普通のミルクチョコレートの4倍も多くの有害成分を含んでいるため、少量を食べただけでも重い症状が出る可能性があります。

体の小さな犬は特に危険で、命に関わることもあるのです。

人間と犬の代謝には違いがある

人間と犬では、チョコレートの有害な成分を処理する仕組みが大きく違います。

人間の体は、食べてから24時間以内に、その成分の8割をおしっこと一緒に体の外に出すことが可能です。

ですが犬の体は、この成分を分解する力が弱いので、体の外に出すまでに3日以上もかかることがあります。

人間と違って吐き出す力も弱いので、体に悪いものを自然に出すことも難しいのです。

このように、体の仕組みが違うため、人間が安心して食べられるチョコレートでも、犬にとっては危険な毒となってしまいます。

犬にとって危険なチョコレートの摂取量の目安

犬にとって危険なチョコレートの摂取量の目安

気になるのはチョコレートの摂取量です。

ここでは犬の体格や体重別の危険な摂取量について、具体的に解説します。

犬の体重別の危険量

チョコレートの危険度は、犬の体重とチョコレートの種類によって変わります。

以下の表は、ミルクチョコレートを基準とした危険な摂取量の目安です。

犬の体重 軽度中毒の目安 重度中毒の目安
2kg(チワワなど) 板チョコ1/2枚 板チョコ1枚
5kg(トイプードルなど) 板チョコ1枚 板チョコ2枚
10kg(シバ犬など) 板チョコ2枚 板チョコ4枚
20kg(レトリバーなど) 板チョコ4枚 板チョコ8枚

※板チョコ1枚を50gとして計算
※ミルクチョコレート1枚あたりのテオブロミン含有量/約180mgとして計算

なお、ビターチョコレートの場合は、この1/4量で同様の症状が出る可能性があります。

少しでも食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

チョコレートの種類による違い

チョコレートの危険度は、カカオの含有量によって大きく変わります。

犬に有害なテオブロミンは、カカオの量が多いほど危険です。

チョコレートの種類 危険度 テオブロミン量(100gあたり)
ビターチョコレート 極めて危険 約500mg
ダークチョコレート 非常に危険 約300mg
ミルクチョコレート 危険 約150mg
ホワイトチョコレート やや安全 ほぼ含まれない

ビターチョコレートは、ミルクチョコレートの3倍以上の有害成分を含むため、特に注意が必要です。

チョコレートケーキやチョコクッキーなどのお菓子も、使用されているチョコレートの種類や量によって危険度が変わってきます。

安全を考え、全ての種類のチョコレートを犬の手の届かない場所に保管しましょう。

チョコレート中毒によって起こる症状

チョコレート中毒によって起こる症状

チョコレート中毒の症状は、摂取量や犬の体格によって異なりますが、早期発見が治療の鍵となります。

どのような症状が現れるのか、段階的に解説していきます。

初期症状

チョコレート中毒の初期症状は、通常摂取後2~4時間程度で現れ始めます。

最も一般的な症状は、嘔吐や下痢などの消化器系の不調です。

落ち着きがなくなる、異常な興奮状態になる、頻繁に水を飲むなどの行動の変化も見られます。

ほかにも、頻尿や震えといった症状も初期段階で確認されることがあります。

これらの症状が一つでも確認された場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。

重篤な症状

初期症状を放置したり、大量のチョコレートを摂取したりした場合、症状は急速に悪化する可能性があります。

重篤な症状として、不整脈や頻脈などの心臓の異常、全身の痙攣や発作が現れます。

また、体温の急激な上昇や呼吸困難、意識障害などが見られることも。

この段階では生命の危険も伴うため、直ちに救急動物病院での治療が必要です。

特に小型犬の場合、症状の進行が早く、深刻な状態に陥りやすいので注意して対応しましょう。

症状が出るまでの時間

チョコレート中毒の症状は、摂取後すぐには現れず、一般的に4~12時間かけて徐々に進行します。

初期症状が現れてから重症化までの進行は個体差が大きく、以下のような時間経過をたどります。

経過時間 症状の進行
2~4時間 嘔吐・下痢などの初期症状
4~6時間 興奮・多尿・落ち着きのなさ
6~12時間 重症症状(痙攣・不整脈など)

特に注意すべきは、症状が出ていなくても24時間は警戒が必要という点です。

これは犬の体内でテオブロミンの分解に時間がかかることなどが、理由としてあげられます。

犬がチョコレートを食べてしまったときの緊急時の対処法

チョコレートを食べてしまったときの緊急時の対処法

愛犬がチョコレートを食べてしまった場合、飼い主の冷静で適切な判断が命を救います。

まずは落ち着いて、以下の手順に従って対応しましょう。

食べてしまったらすぐにすべきこと

まず、食べたチョコレートの種類と量、食べた時間を確認します。

すぐに動物病院に電話して状況を説明し、指示を仰ぎましょう。

症状が出ていなくても、チョコレートの量が多い場合は即座に病院での治療が必要です。動物病院に向かう際は、食べ残しや包装を持参しておくと、獣医師が状態を把握しやすくなります。

また、異常な行動がみられる場合は、動画で撮影しておくと、より正確な状況判断につながります。

してはいけない応急処置

応急処置として、自己判断で無理に吐かせることは危険なので避けてください。

塩水を飲ませて吐かせようとする方法も命に関わります。水を大量に飲ませることも控えましょう。

吐き気がある状態での強制的な水分補給は、誤って気管に入る危険があります。

さらに、様子見で放置するのも危険です。症状が出ていなくても、体内では中毒が進行している可能性があるためです。

犬がチョコレートを食べてしまった場合に行われる治療や処置

チョコレートを食べてしまった場合に行われる治療や処置

チョコレート中毒の治療は、摂取からの経過時間によって対応が異なります。

以下に主な治療法をまとめました。

経過時間 主な治療法
2~3時間以内 催吐処置による排出
3~6時間以内 胃洗浄、活性炭投与
6時間以上 点滴による対症療法

テオブロミンには特効薬となる解毒剤がないため、早期発見・早期治療が重要です。

摂取から2~3時間以内であれば、専門的な薬剤による催吐処置が最も効果的です。

それ以降は胃洗浄や活性炭投与による吸着処置が行われます。

すでにテオブロミンが体内に吸収されている場合は、点滴による水分補給や制酸剤の投与など、症状に応じた対症療法を行います。

重症例では入院治療が必要になることもあり、治療費も高額になりやすいです。

犬がチョコレートを食べてしまわないための予防対策

犬がチョコレートを食べてしまわないための予防対策

チョコレートの誤食による中毒から愛犬を守るには、さまざまな手段でチョコレートを口にしてしまわないよう予防を行うことが大切です。

ご家庭での管理方法

チョコレート中毒を防ぐため、家庭では以下の予防策を心がけましょう。

 保管場所の工夫

  • 冷蔵庫の上段や戸棚の高い場所に置く
  • 引き出しやケースに入れて完全に密閉する
  • 犬の届かない場所に必ず収納する

 日常的な注意点

  • テーブルの上に放置しない
  • バッグやコートのポケットに入れたまま置かない
  • 子供のおやつは決められた場所で食べる
  • 食べかけを放置しない

特に、バレンタインやクリスマスなどチョコレートを扱う機会が増える時期は要注意です。

来客時にも、チョコレートの持ち込みについて注意を促すことが大切です。

しつけのポイント

基本的なしつけを日頃から行うことで、チョコレートなどの誤食を防ぐことができます。

重要なのは、「待て」「ダメ」などの基本的な命令に確実に従えるようにすることです。

また、飼い主の声かけに反応してアイコンタクトができるよう訓練することも効果的です。

散歩中は特に注意が必要で、リードを短めに持ち、飼い主の横について歩けるようにしつけましょう。

おやつは必ず飼い主の手から与え、床に落ちているものを決して食べないよう教えることが大切です。

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