猫にトイレをしつけるならトイレ環境がカギ!失敗の原因・解決策
2024.09.19 2024.09.19
この記事では、猫のトイレのしつけに悩む飼い主さんに向けて、うまくいかない原因や効果的なしつけ方法、よくある問題への対処法を紹介します。
飼い猫がトイレ以外の場所で排泄をしてしまうときや、トイレを嫌がるといった問題に直面したときに、どのように対応すればよいのか一緒に解決策を探っていきましょう。
初めて猫を飼う方にもわかりやすく、具体的な方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
猫のトイレのしつけのコツはトイレ環境にあり!
猫のトイレのしつけを成功させるには、トイレ環境を整えてあげることが大きなカギとなります。
ポイントさえ押さえていれば猫のトイレのしつけは決して難しいことではありません。
猫のトイレのしつけでおさえておくべきポイントと、トイレのしつけのコツをいくつか紹介します。
トイレの数は飼っている頭数+1
猫のトイレは、飼っている猫の数+1つ多めに用意するのが理想的です。猫は縄張り意識や所有意識が強い動物です。
トイレも縄張りの一部と考えるため、1匹1匹に「自分のトイレ」が必要になります。複数のトイレがあることで、他の猫に邪魔されずに落ち着いて排泄できるのです。
またトイレが少ないと、他の猫が使用中で排泄できず我慢してしまうことがあります。我慢が続くと膀胱炎などの病気のリスクが高まります。
他の猫の排泄物の臭いが残るトイレを使うことを嫌がる猫もいるので、十分な数のトイレを用意することでストレスを与えないようにしてあげることが大切なのです。
トイレの大きさは体長の1.5倍サイズ
猫のトイレの適切なサイズは、猫の体長の約1.5倍が目安です。このサイズがあれば、猫が快適に好みの姿勢でトイレができます。
小さすぎるトイレは猫にストレスを与え、トイレの外で排泄してしまう原因に。大きすぎるトイレも猫によっては落ち着かない場合があります。
適切なサイズのトイレを用意することで、猫がリラックスしてトイレを使用でき、しつけの成功率が高まります。
トイレの形はオープン・ノーマルタイプがおすすめ
猫用トイレにはさまざまなタイプの商品がありますが、しつけのためにはオープンタイプやノーマルタイプがおすすめです。これらのタイプは、猫が自由に出入りでき、周囲の様子を確認しやすいため、安心感があるためです。
またオープンタイプのトイレには猫の体格や年齢に関わらず使いやすく、掃除も簡単といった利点もあります。
トイレの深さは猫砂がたっぷり入るもの
猫のトイレの深さは、猫砂がたっぷり入る程度が理想的です。一般的に5cm以上の深さがあれば、十分な量の猫砂を入れることができます。
猫は砂をかいて排泄物を隠す習性があります。猫砂が足りないと猫の本能的な埋める行動を満足させてあげられないため、粗相をするようになってしまうこともあるのです。
猫の好みもありますが、しつけの段階ではたっぷりの猫砂を入れてあげられるトイレ環境を整えてあげるのがよいでしょう。
猫砂は細かめが◎
猫砂は細かめのものが多くの猫に好まれます。細かい砂は猫の肉球に優しく、自然な感触で猫にとっても快適です。
また、細かめの砂は猫の本能的な埋める行動を満足させやすく、排泄物をしっかりと覆うことができます。
猫砂には主に以下のような種類があります。
- 鉱物系(ベントナイト系、シリカゲル系)
- 木系(木材チップ、おがくず)
- 紙系
- おから系
- 植物系
それぞれサイズが異なります。また自然由来のものは猫が口にしてしまっても安全という利点もあります。
固まるタイプや固まらないタイプ、消臭効果の高物などさまざまですので、最適な猫砂を選ぶことが大切です。
トイレは静かな場所に配置
トイレは、猫が安心して使える場所に置きましょう。賑やかな場所や人がよく通る場所は避けて、猫がリラックスできる場所を選んであげてください。
また、食事の場所やベッドとは離れた場所に置くことが重要です。
猫は、排泄の際にプライバシーを求める傾向があるため、隠れられる場所や、壁に囲まれた場所を好みます。
猫の性格や好みを考慮しながら、最適な場所を選んでください。トイレの位置は、しつけの成功に大きく影響します。
猫にトイレをしつけるポイント
猫のトイレのしつけは、基本的なステップを踏むことで、スムーズに進めることができます。初心者さんでも無理なくできる猫トイレのしつけ方法をご紹介します。
においでトイレを覚えさせるのがコツ
猫にトイレを覚えさせる最も効果的な方法は、においを利用することです。猫は本能的に自分の匂いのする場所で排泄する習性があります。
排泄物をすぐ片づけてしまうとにおいが消えてしまうため、猫1匹の飼育であれば最初は排泄物を残しておく方法も効果的です。
トイレの外で粗相をしてしまった場合には、拭き取った際のティッシュをトイレに入れておくのもよいでしょう。
排泄のサインがあったらトイレに誘導する
猫をトイレに誘導するには、排泄のサインを見逃さないことが大切です。猫が落ち着きなく動き回ったり、鳴いたりする様子が見られたときは、トイレに誘導してみましょう。
そっと抱き上げ、トイレに入れてあげます。トイレの中に猫がいる際に、砂を軽く掻いてお手本をみせてあげるのも効果的です。
うまくできたら褒めて習慣づける
猫がトイレで排泄できたときは、わかりやすくしっかりと褒めることが重要。猫が好きなおやつやおもちゃでご褒美を与えるのも効果的です。
褒めることで良い行動だと理解し、トイレの使用を習慣づけることができます。
ただし、叱ったり無理強いしたりすることは避けてください。猫は自分のペースで学習するので、飼い主は根気強く見守ることが大切です。
褒めることを忘れずに、猫のトイレ使用を習慣づけていきましょう。
トイレの最中は邪魔をしない
猫がトイレを使用している最中は、絶対に邪魔をしないことが大切です。猫は排泄時に非常に警戒心が強くなり、安全な環境を求めます。
トイレ中の猫に声をかけたり、近づいたりすると、猫にストレスを与え、トイレの使用を嫌がる原因になります。
排泄中の猫をじっくりと観察しすぎるのも避けましょう。猫は見られていると感じると、落ち着いて排泄できなくなることがあります。
トイレの周りは静かで落ち着ける環境を維持し、猫が安心してトイレを使えるようにすることが、スムーズなトイレしつけにつながります。
トイレを失敗してしまったときは叱らない
しつけの途中で、トイレ以外の場所で排泄してしまうこともあるでしょう。もしも猫がトイレを失敗してしまったときは、怒ったり叱ったりせず、冷静に対処することが大切です。
ただしにおいが残るとそこをトイレだと勘違いしてしまう場合があります。排泄物はすぐに片付け、スプレーなどを使ってにおいを中和して消しておきます。
毎日のケアやフォローが大切
日々、トイレを清潔に保ち、砂を定期的に交換しましょう。また、猫の健康状態にも気を配り、ストレスのない環境を維持してあげることが大切です。
以上の基本ステップを踏まえながら、猫のトイレのしつけを進めてください。個々の猫によって、しつけの進み具合は異なります。
飼い主は根気強く、猫に寄り添いながらトレーニングを続けることが重要です。
猫のトイレしつけの失敗はトイレ環境が原因
猫のトイレしつけの失敗はトイレ環境が原因であることがほとんど。ここでは、よくある失敗例とその解決法をご紹介します。
用意したトイレを使ってくれない
せっかく猫用のトイレを用意しても、猫が使ってくれないことがあります。このようなケースは、トイレの環境が猫の好みに合っていないことが原因であることが多いです。
トイレの大きさや形状、砂の種類が猫に合っているか確認しましょう。
また、トイレの位置も見直してみてください。人通りの多い場所や、食事の場所の近くに置かれていると、猫は使いたがらない可能性があります。
これらの点を改善し、根気強くトイレに誘導することが大切です。
トイレの外で粗相してしまう
トイレのしつけ中に、トイレ以外の場所で粗相してしまうことは珍しくありません。
トイレは、においが付着するため猫にとって「縄張り」です。複数匹のネコを飼っている場合、トイレを巡って威嚇やケンカしてしまうことも。
結果的に縄張り争いに負けた猫はトイレにいけなくなってしまい、トイレ以外の場所で排泄してしまいます。
また、トイレが汚れている、猫砂が気に入らないなどを訴えるために、わざと粗相することもあります。
このような場合、怒ったり叱ったりせず、冷静に対応することが大切です。
粗相の解決策は、以下のようにするのが効果的です。
- こまめにトイレ掃除をする
- 猫砂を補充する
- トイレの数を増やす
粗相させないためには、トイレが清潔で使いやすい状態であることが重要です。
また多頭飼いで猫が粗相するなら、トイレの数を増やすなど、環境やトイレの状態を見直すなどの対策をしてみましょう。
トイレ使用時に問題行動がみられる
猫がトイレを使用する際に、過剰に掻き散らしたり、トイレの外で排泄の姿勢をとったりするなどの問題行動がみられることがあります。
このような行動は、トイレの環境に不満があったり、ストレスを感じていたりすることが原因として考えられます。
トイレの清潔さや砂の種類・量、トイレの配置などを見直し、猫が快適に使えるようにしてあげましょう。また、猫のストレスのもとを探り、できるだけ取り除いてあげることも大切です。
問題行動が長引く場合は、獣医師や動物行動診療科などの専門家に相談することをおすすめします。
猫のトイレしつけができても見守りは重要
猫のトイレしつけは犬にくらべて簡単です。しかしトイレの様子を観察することは病気の発見のためにも重要です。
もしも以下のような症状がみられるときは、病気の可能性もあるため、すぐにでも病院に相談するようにしましょう。
トイレの頻度が少ない・または多すぎる
猫のトイレの頻度は排尿は1日1〜3回、排便が1日0〜2回が目安です。しかし、あまりにも頻度が少ない、または多すぎる場合は、何らかの病気や不調が潜んでいる可能性があります。
頻度が少ない場合は便秘や尿路結石などが、多すぎる場合は腎臓病や糖尿病などが疑われます。
猫のトイレの回数や量、尿や便の状態に変化がないか、日頃から観察しましょう。気になる点があれば、すぐにでも獣医師に相談し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
トイレのときに大きな声で鳴く
猫がトイレのときに大きな声で鳴く行動は、注意が必要なサインです。膀胱炎や尿路結石などの泌尿器系の疾患、便秘や下痢などの消化器系の問題が隠れている可能性があります。
また、ストレスや不安からくる心理的な要因も考えられ、単に飼い主の注目を引きたいだけの場合も。
いずれにせよ、この行動が続く場合は獣医師に相談することが大切です。早期発見・早期治療が猫の健康を守る鍵となります。
トイレの様子を定期的に観察し、異変に気づくことが重要です。
軟便・下痢が続く
猫の軟便や下痢が続く場合は、健康上になんらかの問題が起きている可能性も考えられます。たとえば水分の取りすぎや食事の変更、ストレス、寄生虫や細菌感染、食物アレルギーなどが考えられます。
また軟便や下痢は、深刻な病や内臓疾患の症状として現れることも。
軽度の一時的な下痢であれば、様子を見ても構いません。ただし、症状が3日以上続く場合や、血便、嘔吐、食欲不振、元気がないなどの症状を伴う場合は要注意です。
速やかに獣医師の診察を受けることが大切です。適切な治療と管理で、猫の健康を守りましょう。
猫のトイレでの様子がおかしいときは動物病院に相談
猫のトイレ問題などに関するアドバイスやサポートは、かかりつけの獣医師や動物行動専門家(動物行動診療科など)に相談するのがベストです。
トイレの様子がおかしいと感じたときは、迷わず動物病院に相談するようにしましょう。
もし受診して問題がないと判断された場合、その後のトイレのしつけで困った時は、しつけのプロに相談するのもおすすめです。
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いろいろ試してみてもトイレのしつけ問題が改善しない場合は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。