2024.10.31 2024.10.31
愛犬の肌を清潔に保つために必要なシャンプー。たまたま手元に犬用のシャンプーがない時、人間用シャンプーを使用を悩む飼い主さんも少なくないはずです。
しかし結論としては、犬のシャンプーで人間用を薄めて使うのはNG。多くのペットサロンや動物病院は人間用シャンプーの使用を推奨していません。
この記事では、人間用シャンプーがダメな理由とリスク、代替案も詳しく解説していきます。
目次
犬に人間用シャンプーを薄めて使うのがダメな理由
犬に人間用のシャンプーを薄めて使うのがダメな理由についてご紹介します。
犬用シャンプーが手元にない時に使用したくなる人間用シャンプーですが、実は使用するべきではない理由が幾つもあるのです。ぜひ確認しておいてください。
- 犬と人間の皮膚の構造は異なる
- 犬と人間の毛質が異なる
- 人間用と犬用のシャンプーは基本的に作りが違う
犬と人間の皮膚の構造は異なる
同じ哺乳類でも、犬と人間の皮膚の構造は基本的に異なります。
人間の皮膚は弱酸性(pH5.5〜6.5)ですが、犬の皮膚は中性~弱アルカリ性(pH6.0〜8.0)。ですから、人間用のシャンプーは犬にとって刺激が強すぎるのです。
また犬は人間よりも皮膚も薄く、皮脂の分泌量も違うので、人間用のシャンプーを使用すると必要な皮脂まで取れてしまいます。そのため潤いがなくなり、乾燥やかゆみなどのトラブルが起こるのです。
犬と人間の毛質が異なる
犬の毛と人間の毛は見た目はよく似ていますが、構造は少し異なります。
表から、毛表皮→毛皮質→毛髄質と3層構造になっていますが、これは双方同じです。ただ犬は薄い構造の毛表皮が、シャンプーやブラッシングなどの外部刺激で剥がれやすい傾向があります。
また、人の毛髪と比較すると犬の毛の直径は約1/2なので、犬の毛はとても細くデリケートな構造です。しかも濡れた状態では強度が低下しますので、正しくシャンプーしなければダメージが大きいと言えるでしょう。
人間用と犬用のシャンプーは基本的に作りが違う
人間用のシャンプーと犬用のシャンプーは基本的に作りが違います。人間用シャンプーの中には、犬には強すぎる洗浄成分や香料が含まれていることも。
たとえば、人間用のシャンプーには洗浄力を上げるために界面活性剤が使用されていますが、これが犬にとっては強い刺激になります。また人間用に含まれる香料なども、犬の肌には刺激が強すぎます。
犬用のシャンプーは、皮膚の油分を奪い過ぎないように成分が調整されていますので、人間用のシャンプーとは大きく違うのです。
犬用シャンプーがない場合にできること
犬用シャンプーがない場合にできることをご紹介します。
犬用シャンプーが手元にない時には、無理に人間用シャンプーを使用するのではなく、他の方法を試してみましょう。幾つかのアイデアを解説していきます。
- お湯だけで洗う
- 蒸しタオルで拭く
- 市販のシャンプータオルで拭く
- トリミングサロンに連れていく
お湯だけで洗う
ちょうどよい温度のお湯で、皮膚表面の汚れを洗い流すようにして洗います。理想のお湯の温度は37度くらいで、これは犬が心地よいと感じる温度です。
実際に犬の体臭の原因は、皮膚表面の皮脂についた汚れや被毛と言われており、これを定期的に洗い流すだけで清潔さを保てるのです。
ゴシゴシとシャンプーを泡立てて洗わなくても、お湯で優しく汚れを洗い流すだけでも十分綺麗になるでしょう。
蒸しタオルで拭く
シャンプーもお湯をかけるのも難しい…という場合は、蒸しタオルで拭いてあげる方法もあります。寒い時期よりも暑い時期の方がおすすめです。
お湯や電子レンジで温めたタオルを、ゆっくりマッサージするように体に当てて、汚れを拭き取ります。ジワッと温かくなるので、血流もよくなり毛穴の汚れも綺麗に拭きとることが可能。
蒸しタオルの作り方は、以下の手順を参考にしてください。
- タオルを水に浸して軽く絞る
- 畳んでラップに包み電子レンジに入れる
- 30秒から1分程度温める
- 熱すぎないかチェックしてから使用する
体力がない高齢犬や子犬、体調が悪い、怪我をしている犬には特におすすめの方法です。
市販のシャンプータオルで拭く
洗浄成分を配合している、市販のシャンプータオルを使用する方法もあります。
これは汚れや臭いをしっかり落としたい時に向いている方法で、適度に毛が濡れてサッパリします。シャンプータオルの使用手順は以下の通りです。
- 事前にブラッシングして毛のもつれを取っておく
- シャンプータオルで嫌がらない部分から拭き始める
- 毛並みに沿って拭き、足や脇腹などの細かい部分に移行する
- 最後にシャンプータオルを広げてスライドし抜け毛を拭き取る
- 軽くブラッシングして終了
トリミングサロンに連れていく
シャンプー以外の方法は自分ではちょっと…ということであれば、トリミングサロンに連れて行く方法もありでしょう。プロにお任せしてしまえば安心です!
他の方法と比べて費用は掛かりますが、トリミングサロンでシャンプーしてもらうことにはたくさんのメリットがあります。
サロンでは、資格を持ったトリマーが愛犬の皮膚に負担をかけないようにシャンプーしてくれます。また自宅のシャンプーでの洗い残しや肌トラブルなどにも対応してくれるのです。
毎月利用しなくても通常は家でシャンプーして、半年に1回だけトリミングサロンを利用しているという飼い主の方も大勢いらっしゃいます。ぜひ検討してみてください!
犬のシャンプーの代わりに推奨されないもの
犬のシャンプーの代わりに推奨されないものをご紹介します。
人間用のシャンプーを薄めて使うのはNGでも、その他のものならOKかもと考える飼い主さんもいらっしゃいます。ですが大抵のものは推奨されていません。
どんなものがあるのか解説していきます。
赤ちゃん用シャンプー
犬用シャンプーの情報の中には、人間の赤ちゃん用のシャンプーであれば犬に使用できるという話もあります。ですがこれは推奨できるものではありません。
もちろん、赤ちゃん用のシャンプーは大人用と比較すれば低刺激かもしれませんが、犬にとっては刺激が強すぎる場合があります。この点は変わらないのです。
そもそも人間用と犬用では、洗浄に必要成分が異なるため、赤ちゃん用であってもおすすめはできません。犬は人間の赤ちゃんよりもデリケートな肌ですので、香料や保存料が配合されているものは、使用しないのが無難でしょう。
人間用の石鹸
人間用の石鹸も使用を避けたほうがよいものの一つです。
人間用の石鹸は多くがアルカリ性ですので、肌が弱い犬には刺激が強すぎる場合があるのです。皮膚に必要な油分まで取ってしまうので、肌トラブルを引き起こす原因になり得ます。
どうしても石鹸を使いたいのであれば無添加で低刺激の石鹸ですが、できるだけ使用は避けて、お湯で洗うなど他の方法を試してください。
犬に薄めた人間用シャンプーを使用するリスク
犬に薄めた人間用シャンプーを使用するリスクについてご紹介します。
万が一、愛犬に薄めた人間用シャンプーを使った場合、考えられるリスクは以下の通りです。
- 乾燥やかゆみ
- 皮膚炎や脱毛
- 多量のフケ
- くしゃみなどのアレルギー症状
それぞれの症状を詳しく解説します。
乾燥やかゆみ
人間用のシャンプーを犬に使用した場合、乾燥やかゆみなどのトラブルを引き起こすことがあります。
人間用のシャンプーは、かなり強い洗浄力があります。そのため、人間よりも皮膚の弱い犬に使用すると、皮膚を守る機能を損なってしまい、トラブルが起こるのです。
犬の皮膚に強烈な刺激を引き起こし、いつも体がかゆいという状態に。特にアレルギー体質の犬にはつらいリスクとなるでしょう。
皮膚炎や脱毛
犬に人間用のシャンプーを使用すると、皮膚炎や脱毛など重度の皮膚トラブルに見舞われることがあります。
元々アレルギー体質の犬に起きやすい傾向ですが、シャンプーの成分が合わないことや洗い残しなどから、かゆみや皮膚の炎症を引き起こします。それが酷くなると脱毛まで進むことも。
元々肌が弱い犬やアレルギー体質の犬には、犬用の薬用シャンプーがありますので、人間用のシャンプーを使用して悪化させないようにしてください。
多量のフケ
皮膚トラブルにおける乾燥は、多量のフケを生じさせる可能性もあります。
フケの原因は、脱脂力の強い刺激のあるシャンプーを使うことによる、バリア機能の低下です。またシャンプーの回数が多すぎる時にもフケが増えます。
シャンプーが犬の皮膚に合わないと、必要な皮脂まで取れてしまい、乾燥して掻くので、フケが出るというわけです。
くしゃみなどのアレルギー症状
人間用のシャンプーを犬に使用することで、犬がシャンプーの洗い残しを舐めてしまい、くしゃみなどのアレルギー症状を引き起こすこともあります。
もし毛に残ってしまったシャンプーの成分が、犬の目のかゆみやくしゃみなどを誘発し、犬がアレルギー症状に苦しめば元も子もない状態に。
犬の体質にもよりますが、このような症状が出る確率があるものは、できるだけ使用しないのが無難です。
犬シャンプーはトリミングサロンにお任せするのが安心!
人間用のシャンプーを薄めて犬に使用するのがダメな理由についてご紹介しました。
いくら薄めていても、人間用のシャンプーは犬にとって刺激が強すぎますので、使用は推奨できません。ただ人間用のシャンプーの代替案もいくつか解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ですが、もし自力でのシャンプーに不安がある時には、トリミングサロンにお任せしてみましょう。
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