2024.10.24 2024.10.24
本記事では、水没車の買取について詳しく解説します。
自然災害などで愛車が水没してしまい、途方にくれていませんか?
「上部まで水に浸かってしまったけれど売却できる?」
「少しでも高く買取してもらいたい…」
上記のように考えている方に向けて、水没車を買取してもらうコツや注意点などをご紹介します。記事後半では、買取依頼する業者の選び方にも触れていますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
そもそも水没車とは?【買取に向けた基礎知識】
最初に、水没車とはどのような状態を指すのか、基礎知識をチェックしましょう。
- 水没車の定義
- 水没車と事故車はどう違うのか
- 水没車である告知義務はない
順番に解説していきます。
水没車の定義
一般的な査定の定義では、集中豪雨や洪水などで室内フロアから上の部分まで浸水した車両や、一度浸水した痕跡から商品価値の低下が見込まれる車両が水没車とされています。
つまり、車体の下回りが少し水に浸かった程度では、水没車とは見なされません。ただし、シートのスライドレールやシガーソケット周辺などに、本来は発生しないサビや腐食の跡が残っていると、水没車と判断される可能性があります。
水没車と事故車はどう違うのか
事故車は、走行性能にかかわる深刻なダメージを過去に負っているか否かで判断します。ちょっとぶつけてへこんだ程度であれば、事故車ではありませんが、車の骨格部まで修理した車は「修復歴車」と呼び、申告義務があります。
一方、軽度の水没車は、乾燥した後は通常通り走行できるケースも多く見られます。しかし、分解しないとわからない内部にダメージを受けている恐れが高く、しばらく経ってから故障やトラブルが発覚するケースも否めません。
線引きがあいまいな水没車は、修理箇所がはっきり分かっている事故車との取り扱いが異なるのです。
水没車である告知義務はない
実は、水没車を売却する際、法的な告知義務はありません。表示・告知が義務付けられているのは修復歴の有無のみです。
ただし、法的な告知義務はないものの、水没車に関する虚偽の表示をしたり、水没車であることを意図的に隠したりした場合、不当表示に該当します。
消費者トラブルを未然に防ぐためにも、必ず告知するようにしましょう。
なぜ水没車でも買取してもらえるのか
重大なトラブルにつながりかねない水没車でも、なぜ買取してくれるのか理由を見ていきましょう。
- 軽度であれば高額売却も可能なため
- 人気車種であれば水没していても売却できるため
- 中古部品としてのニーズがあるため
- 海外需要があるため
上記4点について解説します。
軽度であれば高額売却も可能なため
水没車でも、フロアマットが少し濡れている程度や、エンジンパーツなどに支障ない状態であれば、高値買取が見込めます。
ただし、サビやすい海水が浸水した場合や引き上げに時間がかかるケースでは、査定額に影響する可能性もあります。
人気車種であれば水没していても売却できるため
高級車やコレクター需要の高い車など、中古市場で需要の高い車は買取してもらえるケースも多く見受けられます。水没の程度にもよりますが、一度査定してもらうのをおすすめします。
中古部品としてのニーズがあるため
中古車は、車本体が故障したり走行不能となっても、パーツとしての需要があります。新品使用するよりも、中古部品で賄える箇所は、新品部品を使用するより費用が抑えられるためです。
純正パーツや鉄やアルミなどの素材に焦点を当てた買取額になるでしょう。
海外需要があるため
日本車は外国製の車と比べて故障が少なく、修理も容易なため、海外の需要が高い傾向にあります。
日本では事故車や走行距離が10万km以上の過走行車は、中古車としての価値が一気に下がりますが、海外ではまだまだ現役。海外販路を確立している業者は、走行可能な水没車であれば買取してくれるでしょう。
水没のレベルで買取先を選択しよう
実際の査定に向けて、水没レベルによって異なる買取先をお伝えします。
- フロアまでの浸水ならディーラーや中古車販売店
- エンジン上部~ダッシュパネルまでの水没なら廃車買取業者
順に見ていきましょう。
フロアまでの浸水ならディーラーや中古車販売店
浸水がフロアよりも下までで収まっている場合、修理できる場合もあります。ただし、フロア下部にエンジンが搭載されている車種は、フロアまでの浸水でもエンジンに影響が及んでいる恐れもあるので、おおがかりな修理になるケースも少なくありません。
修理して乗り続けることが難しいときは、ディーラーや中古車販売店へ査定を依頼してみましょう。少しでも高く売りたい場合は、買取がメイン事業の中古車販売店への売却がおすすめ。
ただし、ミニバンや軽自動車など、エンジンがフロアより下に搭載されている場合は、ディーラーや中古車販売店では売却できません。上部は綺麗でも、エンジンに支障が出ている恐れがあるので、廃車買取業者へ相談してみましょう。
エンジン上部~ダッシュパネルまでの水没なら廃車買取業者
エンジンの上部やシート、ダッシュパネルまでの水没は、廃車買取業者へ査定依頼してください。
また、フロアまでの浸水でも、エンジンが下部に設置されている車種は、廃車買取業車へ持ち込みましょう。エンジンの水没は、ダメージとしてはかなり大きく、乗り続けることは極めて危険。中古車として乗り続けるのは不可能で、廃車にせざるを得ません。
廃車買取業者は、使用できる中古パーツなどをリサイクルできるので、買取に応じてくれるでしょう。
水没車の買取相場【減額幅はどのくらい?】
では、水没車の実際の買取相場を解説します。
- フロアまで浸水した水没車は50%の減額
- シートの上部まで浸水した水没車は70%の減額
具体的な浸水状態ごとに、確認していきましょう。
フロアまで浸水した水没車は50%の減額
フロアまで浸水被害を受けた車両は、基準価格の50%程度が減額される傾向にあります。
水没被害を受けた車両は、時間の経過とともに状態が悪化するケースが否めないため、軽度な浸水でも減額になるのです。
また、水に浸かった部分にはさびやカビが発生して急速に劣化が進むので、売却を考えている場合は、できるだけ早く査定してもらうのが得策です。
シートの上部まで浸水した水没車は70%の減額
クッションシートの上部まで浸水した車両の場合、基準価格から70%程度の大幅な減額となるのが一般的な査定基準。通常の査定で100万円の査定が見込める車両でも、買取価格は約30万円まで下がるわけです。
そして、実際はさらに厳しく査定される場合が多いのが現状です。車両のコンディションによっては、価格が付かないケースもあるので、何社か査定額を見比べると良いでしょう。
水没車を買取してもらう時の注意点
水没車を買取してもらう時の注意点を挙げていきます。
- エンジンは始動させない
- 状態は正直に申告する
- レッカー代や見積もり料金などを確認する
査定前にチェックしましょう。
エンジンは始動させない
水没が発覚した後は、エンジンは始動させないでください。水没後にエンジンを始動すると、以下のようなリスクが伴います。
- 自然発火
- 異物による機能ダウン
- 残った水による通電
- エンジン内への水の侵入
エンジン本体だけでなく、異物や吸排気系に残っている水などがトラブルの引き金になり、火災などの大きな事故が発生する恐れもあるのです。水没時は、必ず業者に依頼してレッカー移動するか、買取業者に引取ってもらいましょう。
放置しておくと劣化が進んでしまいます。早めに移動して早めに査定に出しましょう!
状態は正直に申告する
水没車の告知義務はないとお伝えしました。しかし、車へのダメージは計り知れないため、マイナスの評価を受けないように水没の事実を隠したり、被害状況を偽って申告したりするのはやめるべきです。
水没を隠した事実が発覚すると、反対に査定時に大きく減額されたり、買取を拒否されたりします。虚偽の申告は、瑕疵担保責任に問われたり損害賠償を請求されたりするケースも起こりえるので、必ず状態は正直に申告しましょう。
レッカー代や見積もり料金などを確認する
車が水没したタイミングで、場所の移動や引き取り時に費用がかかるケースもあるでしょう。水没車なら、無料レッカーの範囲外でも比較的安い価格で移動してもらえるはずなので、レッカー代がかかるからといって、無理やりエンジンをかけて走行しないようにしてください。
また、買取査定後のキャンセル料金も事前に確認しましょう。複数の業者から見積もりをとる際や買取を中止する場合など、キャンセル時に想定外の出費を防げますよ。
水没車を買取してもらう4つのコツ
ハードルの高い水没車でも良い条件で買取してもらえるコツをご紹介しましょう。
- パーツが劣化する前に買取査定を申し込む
- 車の正確な情報を提供する
- 複数の業者から見積もりをとる
上記3点をそれぞれ解説します。
パーツが劣化する前に買取査定を申し込む
水没してから査定に出すまでは、できるだけ期間を空けないようにしてください。水没後は劣化が進みやすくなるため、リサイクルできるはずだったパーツ単体も使えなくなり、買取額が下がる一方です。
車の正確な情報を提供する
査定時にマイナス評価になる水没車をできるだけ高額で売却したいからといって、事実と違う情報を伝えるのは避けるべきです。売却後に虚偽申告が発覚すれば、損害賠償請求される恐れもありますよ。
複数の業者から見積もりをとる
できるだけ高く買取してもらうために、複数の業者から見積もりをとりましょう。同じ水没車でも買取業者ごとの査定額は異なります。場合によっては数千円から万単位で査定額に差が出るケースもあるので、比較検討するのをおすすめします。
引取時に費用が発生するか否かなども、事前に確認すると良いですね。
安心して買取査定を依頼できる業者の選び方は、次の項で詳しく解説していきます。
水没者の買取を依頼する業者の選び方
最後に、水没車の買取を依頼する業者の選び方をお伝えします。
- 水没車の買取実績があるか
- 無料引取サービスがあるか
- 海外に販路を持っているか
それぞれ、参考にしてください。
水没車の買取実績があるか
水没車をできるだけスムーズに買取してもらうには、水没車の買取実績がある業者に依頼するのが鉄則。
査定が難しい水没車は、水没車への評価のつけ方や水没車の知識が必須です。実績が豊富な業者ほど、適正価格を提示してくれるでしょう。
無料引取サービスがあるか
水没車は、無料引取サービスを提供している業者を選ぶのも選択肢の1つです。
水没後に、エンジンをかけて自走するのは危険が伴うため、査定場所までの移動手段にかかる費用が発生します。レッカー車の手配には1〜3万円程度の高額な費用がかかるケースもあるので、無料で引取してくれる業者が安心ですね。
海外に販路を持っているか
海外では日本車には一定の人気があり、水没した中古車でも需要があります。海外に多くの販路を持つ業者なら、良い条件で買取してくれる可能性が高まるでしょう。
海外販路に強い業者は公式サイトなどに明記しているはずなので、チェックしてみてください。
水没車の買取を検討するならセーフリーが便利!
水没車の買取について、買取相場や売却のコツなどをご紹介しました。
水没車は、エンジンの不調や電気系統のショートなどの恐れもあります。自分では極力作動せず、早めに買取業者に相談しましょう。
セーフリーは、全国の中古車・廃車買取業者の比較検討が可能です。絞り込み検索でニーズにあった業者を選定できるうえ、見積もり依頼もスムーズ。まずは、近所の買取店を検索してみましょう!
水没車でも買取してもらえる!?売却の注意点とコツ・業者選びのポイントまで解説のよくある質問
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Q. 水没車を見分ける方法を教えてください。
A.水没車の特徴は、主に以下を参考にしてください。
・通常の使用では発生しない箇所にサビや腐食がある
・エアコン作動時に泥やカビなどの異臭がする
買取時にも、サビや異臭の有無がチェックされるでしょう。 -
Q. 水没した車を別場所に移動したいのですが。
A.水没車はエンジン系統まで浸水している恐れもあるので、自分でエンジンをかけて走行するのはやめましょう。
必ず専門業者に依頼して、買取査定ができる場所までレッカー移動してください。 -
Q. 水没してエンジンが動きません。買取してもらえますか?
A.走行不能な水没車でも、使用できるパーツを再利用するために買取を実施している業者もあります。まずは査定してもらうのをおすすめします。