公費解体とは?災害時の負担を軽減できる重要な取り決めを徹底解説

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公費解体とは?災害時の負担を軽減できる重要な取り決めを徹底解説

2024.10.24 2024.10.24

本記事では、公費解体について詳しく解説します。

地震などの災害が多く発生する日本では、壊れた家屋を公費で解体・処分できる公費解体制度が定められています。詳細は自治体によって異なりますが、心身ともに不安な時に頼りになる制度と言えるでしょう。

ただし、公費が利用できる一方で、対象外となるアイテムや作業も存在します。公費で賄えない不用品処分が必要な時に、頼りになるサービスもあわせてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

まず公費解体の背景を知ろう

公費解体の背景

最初に、「公費解体」に関する詳細をお伝えしましょう。「自費解体費用賠償制度」との違いも踏まえて、解説していきます。

公費解体とは

特定非常災害と指定された災害で家屋が全壊した場合、全壊した家屋を、自治体が公費で解体撤去する制度が「公費解体」です。

「特定非常災害」とは、「著しく異常かつ激甚な非常災害」という大規模な災害を指します。指定された災害にはさまざまな公的支援が実施されますが、その中のひとつが「公費解体制度」というわけです。

半壊の家屋に対しての公費解体制度は、一定の条件を満たした家屋にのみ適用されます。すべての半壊家屋に認められるわけではありませんが、廃棄物の運搬・処分・処理は公費で受け付けてもらえるケースもあります。

なお、過去に特定非常災害に指定された主な災害は、次のとおりです。

  • 令和6年能登半島地震
  • 阪神・淡路大震災
  • 東日本大震災
  • 熊本地震
  • 令和元年台風第19号 など

上記の通り、かなり大規模な災害にしか適用されないと言えるでしょう。

自費解体費用償還制度との違い

公費解体に似た制度で、「自費解体費用償還制度」があります。

大きな災害が発生し、それが特定非常災害に指定されるまで、そして、指定された後に公費解体が適用されるまでには、かなりの時間がかかります。

そのような状況下で、特定非常災害の指定前に自費で家屋の解体・撤去を実施したい場合に、費用の全額、もしくは一部を自治体が補助する制度が「自費解体費用償還制度」

公費解体と自費解体費用償還は、どちらも被災した家屋の解体費用を補助する制度ですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

制度 メリット デメリット
公費解体制度 費用負担が少ない
解体業者との連携は、主に自治体が取り仕切る
申請手続きの手間が多く、解体作業まで時間がかかる
半壊未満の建物には適用されない
自費解体費用償還制度 早期に解体作業を開始できる 一時的に費用を立て替える必要がある
費用償還まで時間がかかる
全額補助されるとは限らない

被災した際に、費用を立て替える余裕がない方も多いでしょう。時間がかかるものの、公費で費用負担してもらえる公費解体制度について、このあとの項でも詳しく解説していきます。

各自治体の公費解体は?ルールや実例を見てみよう

各自治体の公費解体ルールや実例

各特定非常災害によって、公費解体が適用される建物や支援を受けるための要件などは異なります

具体的な参考例として、2024年年始に発生した能登半島地震の詳細をお伝えしていきます。

公費解体申請には申請受付期間が定められており、能登半島地震の場合は、2025(令和7)年3月31日までです。対象となる方は、早めに自治体に確認しましょう!

人物者

対象になる人 対象外の人
発災日である令和6年1月1日時点で被災家屋などを所有している人
被災日以降に相続で所有権を得た人
被災した時点で建物を所有していない人
被災日以降に売買や贈与で所有権を移転した人
所有者と申請者が異なり、所有者から公費解体申請の同意を得ていない人

建造物

対象になる建造物 対象外の建造物、他
り災証明書で半壊以上と判定された家屋とその基礎
家屋に付属して住宅と同時に解体できる浄化槽・便槽
解体撤去する家屋と分かれている浄化槽や便槽、カーポート
解体工事後のほかの土地から集められた土
アスファルト舗装や砂利などの敷設物
ブロック塀や擁壁、庭木、庭石など
リフォーム目的の解体や、屋根や外壁などの建物の一部を解体するケース
損壊の判定を受ける前に自費で解体撤去を行い、損壊の程度が半壊以上と判断できない家屋

家屋に付属する浄化槽・便槽でも、敷地などの状況により解体・撤去ができないケースがあります

費用

対象となる費用 対象外の費用
家屋の解体費用とその廃材等の運搬費用
家屋の基礎の解体費用とその廃材等の運搬費用
家屋や建造物解体撤去後の整地費用
エアコンの取り外し作業
蔵の廃棄物処分
全壊・半壊指定でない倉庫や納屋の不用品処分
灯油タンク内の灯油、ブロック塀、庭木

※運搬費用は、運搬する距離によって補助額が変動します。
対象外となるそれらのものを撤去するための費用は自己負担になります。

準備すべきもの

上記の対象に当てはまる場合は、以下の書類や実印をそろえる必要があります。

  • 被災家屋等の解体・撤去の申請書
  • 罹災証明書、もしくは被災証明書
  • 申請する人の身分証明書
  • 申請する人の印鑑登録証明書
  • 被災家屋等の配置図
  • 被災家屋等の状況写真
  • 固定資産評価証明書
  • 解体および撤去する被災家屋等の一覧
  • 実印

上記書類などをすべてそろえて申請手続きすると、自治体による審査が開始されます。

公費解体制度を使用する際の注意点

公費解体制度を使用する際の注意点

公費解体制度を使用するための注意点に焦点を当てて、解説していきます。

  • 所有者全員の合意が必要
  • 災害発生日以降に所有者が変更された場合は対象外
  • 家屋が全壊していても公費対象にならないものがある
  • 対象の公費には上限が定められている場合がある
  • 対象外の残置物は事前に撤去する必要がある

主な5つの注意事項を、順に見ていきましょう。

所有者全員の合意が必要

1つの建物に対して所有者が複数名存在する場合、公費解体制度を利用するには所有者全員の同意が必要になります。つまり、所有者全員の実印・捺印、印鑑証明書、同意書をそろえなくてはなりません。
未成年者や青年被後見人が共有者にいる場合は、その人の親権者や後見人の同意が必須なので、申請までに書類を集める手間がかかる点を考慮しましょう。

災害発生日以降に所有者が変更された場合は対象外

被災日以降に解体する建物の所有者が変わると、公費解体の対象でなくなります

相続で所有権が変わった場合は、相続人全員の同意によって公費解体制度を利用できますが、売買や贈与を検討するなら、タイミングに注意してください。

家屋が全壊していても公費対象にならないものがある

公費解体には対象範囲が細かく決められています。全壊した家屋の敷地内でも対象にならないものがあります

その他にも、以下の作業やアイテムは対象外です。

  • エアコンの取り外し作業
  • 灯油・灯油タンク
  • 蔵の中の不用品
  • ブロック塀や庭木 など

自己負担になる不用品処分のための費用は考慮しておかなければなりません。

対象の公費には上限が定められている場合がある

解体に公費が使えるとはいえ、使用できる公費には上限が定められているケースが多く見受けられます。上限に達してしまえば、残りは自己負担となり還元もされません。

自腹を切る範囲を事前に確認し、資金面の計画を立てる必要があるでしょう。

対象外の残置物は事前に撤去する必要がある

所有者が片付けなくてはならない不用品があるとお伝えしましたが、それらの公費対象外残置物は、公費解体当日までに自力で撤去する必要があります

被災した家屋の瓦礫なのか処分すべき残置物なのかを見分けるだけでも大変なので、買取業者などと連携して対処するのをおすすめします。

公費解体で賄えない不用品は買取対応がお得

公費解体時に便利な不用品買取

公費解体の申請が下りたとしても、自費で整理すべきものがあるのが現実。公費解体で賄えない不用品は、買取サービスを利用するのがおすすめです。

  • 公費上限に達した作業も手伝ってくれる
  • 所有者が実施しなければならない作業も手伝ってくれる
  • 被災者を対象に買取査定のUPサービスも

買取サービスの頼りになるメリットをお伝えします。

公費上限に達した作業も手伝ってくれる

公費での解体には予算の上限があり、すべての不用品処理がカバーされるわけではないとお伝えしました。その点、買取対応サービスを利用すれば、公費で賄えなかった不用品が売却できると同時に、整理もかなう可能性が高まります。作業や費用の自己負担が軽減されて、一石二鳥と言えるでしょう。

所有者が実施しなければならない作業も手伝ってくれる

公費解体では、一部の作業が所有者の責任となるケースがありますが、そのような時に、買取サービスで家具や家電の搬出・運搬などを任せられるのは、とても効率がよく活用したいポイント。

特に、公費解体と連携して買取する実績のある業者は、自治体との連携などの特殊で手間がかかる作業も、迅速な対処が期待できるでしょう。

被災者を対象に買取査定のUPサービスも

被災地周辺で被災者向けに買取する業者の中には、査定UPサービスを実施する業者も存在します。

災害後は、片付けや処分費用の負担が重くのしかかる中、不用品を少しでもお得に換金できるのは、経済面でも精神面でも心強いですね。

公費解体時の実際の流れ

実際に公費解体申請をした際の完了までの具体的な流れは、以下の手順となります。

  1. 申請・審査
  2. 現地調査
  3. 決定通知
  4. どこまでを公費で賄うかの打ち合わせ
  5. 公費対象の解体を実施
  6. 公費対象外の不用品買取を実施
  7. 完了確認
  8. 滅失登記

解体工事の着工日前には、公費以外の不用品を処分するだけでなく、電気・電話・水道・ガスなどの解約・停止の手続きをしておく点が重要ポイント。

近隣の人に、解体工事が実施される日時を周知するのも、必要なケアと言えます。

公費解体申請とあわせて依頼する買取業者の選び方

最後に、公費解体申請とあわせて依頼する買取業者選びのポイントをお伝えします。

  • 公費解体時の買取実績がある
  • 災害時に迅速に対応できる地域で営業している

上記2点を、それぞれチェックしてください。

公費解体時の買取実績がある

公費解体とあわせて買取サービスを依頼する際は、公費解体と連携した買取実績がある業者を選ぶのが得策です。

特に、建材や家財、設備の買取を得意とする業者を選ぶと、公費で賄えない実費分をカバーできる可能性があるでしょう。自治体とも連携を取ってスムーズに買取してくれる業者であれば、被災時の落ち着かない時期でも頼りにできますよ。

災害時に迅速に対応できる地域で営業している

災害後は、公費解体当日までに所有者が処分しなくてはならないものも意外に多く存在します。

迅速な対応が求められるため、災害地域付近をベースに活動している買取業者を選ぶべきでしょう。現地の土地勘がある地域密着型の業者が、すぐに駆けつけてくれると安心できますね。

また、地域の特性や規制をよく理解しているため、諸手続きや対応がスムーズな面も。災害時の混乱を最小限に抑えるためにも、近隣で信頼できる業者を選ぶようにしてください。

エアコンの取り外し、家財の買取を行います!

解体しない倉庫や納屋、蔵の中の片付け、捨てない大切なものを移動する手伝いを行います!

農機具や車の買取や廃車代行を行います!

仮設住宅へのお引越しのお手伝いを行います!

引用元: 石川・富山・福井の不用品回収/ハウスクリーニング「バックステージプロ」

災害時は、家屋だけでなく車も被害に遭うケースも少なくないでしょう。水没車の買取について、以下記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

>>今すぐ公費解体や買取も対応できる業者を探してみる

公費解体時の買取サービスはセーフリーで比較検討しよう

公費解体の詳細や、対象・対象外の事例について解説しました。

災害に見舞われた時に頼もしい公費解体ですが、対象外のケースや決定までに時間がかかる傾向も。まずどちらから手を付ければいいか途方にくれるときは、買取サービスも利用して乗り切りましょう!

セーフリーでは、公費解体時の買取サービスを提供している業者を掲載しています。すぐに駆けつけてくれる業者を、絞込検索でスムーズに探せますので、ぜひ活用してください。

>>公費解体とあわせて利用できる買取業者を探してみる

公費解体とは?災害時の負担を軽減できる重要な取り決めを徹底解説のよくある質問

  • Q. 家屋は全壊しましたが、庭木も一緒に公費で賄えますか?

    A.

    家屋が全壊した場合には、公費解体費用を申請できますが、庭木や蔵の処分は対象外としている自治体が多いのが現状です。対象外の不用品は、買取業者と連携して整理するのをおすすめします。

  • Q. 災害時以外は公費解体は利用できませんか?

    A.

    自治体によって異なりますが、災害時などの未曽有の自体に、公費解体制度が適用される場合がほとんどです。申請できる条件が細かく設定されているので、各自治体のルールを確認してください。

  • Q. 公費解体の決定が下りるまでにすべきことはありますか?

    A.

    公費解体の決定が確定するまでには時間を要します。また、無事に申請が通っても、全ての不用品が対象となるわけではない点に注意が必要。解体当日までに、自力で片付けるべき不用品は撤去しましょう。

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