2024.06.11 2024.09.03
この記事では、「壁の中で配線して」コンセントを増設する方法や、その際の追加費用相場について詳しく解説していきます。
壁の表面を這わせる配線方法と比較して、壁の中を通す方法は作業が複雑な分、費用も高くなる傾向にあります。そんな配線工事の費用を抑えるコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、記事後半では、コンセント増設を依頼する業者選びのポイントまで丁寧に解説。ぜひ最後までご覧いただき、失敗のない電気工事依頼にお役立てください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
コンセント増設工事の費用相場は?料金を抑えるコツも【設置目的別に詳細解説】
2024.06.11 2024.09.03
目次
コンセント増設時の配線方法決め【壁の中?表面?】
コンセントを増設する前に、配線方法を決めます。配線の仕方によって、見た目や工事費用が大きく変わるため、慎重に検討しましょう。
ここでは、壁の表面を這わせる「露出配線」と、壁の中に配線を通す「隠蔽(いんぺい)配線」の2つの方法について詳しく説明します。
壁の表面を這わせる「露出配線」
「露出配線」とは、既存のコンセントから増設したい場所まで、配線を壁の表面に這わせる方法です。
配線にコードカバーを使用することで、見た目をなるべくスマートにすることは可能ですが、カバー材の色や位置によっては目立ってしまうのが難点です。
段差の部分に配線を這わせることで、目立たなくなる場合もあります。
露出配線のメリットは、工事費用が比較的安価で、作業が簡単な点。内装を壊す必要がないため、手軽にコンセントを増設できる方法です。
壁の中に配線を通す「隠蔽(いんぺい)配線」
「隠蔽(いんぺい)配線」は、既存のコンセントから増設したい場所、または分電盤から増設したい場所まで、壁の中に配線を通す方法です。
この方法では、部屋から配線が見えないため、見た目がかなりすっきりします。しかし、壁を壊して工事するため、露出配線と比べると工事費用も手間もかかります。
また、建物の構造強度に注意しながら工事を進める必要があるため、工事業者による事前調査は必須と言えるでしょう。工事期間が長くなることも想定しておきましょう。
コンセント増設時に壁の中で配線すると高い?【費用比較】
コンセント増設時は露出配線と隠蔽配線の2種類あると解説しました。隠蔽配線は通常の工事に加え、壁を壊す工程から修復もプラスされるため、その分工事費用は高くなります。
まずは通常のコンセント増設工事にかかる費用相場を見てみます。
増設工事のケース | 費用相場 |
---|---|
新しい場所にコンセントを増設するケース | 12,000〜14,000円 |
コンセントの差し込み口を増やすケース | 5,000〜7,000円 |
容量/電圧を増やすケース | 16,000〜30,000円 |
コンセントの増設、差し込み口を増やす、容量を増やすなど、工事の種類によって変わりますが、5,000〜30,000円程度が相場です。
隠蔽配線の場合は、さらに壁紙の張り替え費用などが発生。石膏ボードや壁クロスなどが必要で、住まいの環境によっても費用は異なります。
コンセント増設時に壁の中で配線する際の注意点5つ
壁の中で配線してコンセント増設工事する場合、以下5つの注意点を知っておきましょう。
- 電気配線の長さで費用が増減する
- 電圧の大きさと比例して費用も増える
- 水回りでは増設できない
- 賃貸物件の場合は管理会社・大家の許可が必要
- そもそもコンセント増設には資格が必要
一つずつ解説します。
電気配線の長さで費用が増減する
コンセント増設工事の費用は、電気配線の長さによって大きく変わります。
一般的に、配線の距離が長くなるほど工事費用も高くなります。
配線の距離が5m未満の場合の費用相場は約10,000円、5m以上になると約30,000円程度。配線距離を短くすれば、費用は抑えられます。
電圧の大きさと比例して費用も増える
増設するコンセントの電圧によっても、工事費用は異なります。
- 100Vから200Vに変更する場合 = 約3,000~6,000円程度
- 200Vのコンセントを新規に増設する場合 = 約25,000~30,000円
200Vのコンセントを新設する場合は特に高額ですので、よく検討した上で工事を依頼しましょう。
水回りでは増設できない
たとえ隠蔽配線だとしても、水がかかりやすい場所では漏電や感電のリスクが高まるため、コンセントの設置は難しいでしょう。
どうしても水回りに設置する必要がある場合は、防水コンセントやカバー付きのタイプを選び、安全対策を徹底しましょう。
賃貸物件の場合は管理会社・大家の許可が必要
賃貸住宅でコンセントの増設工事を希望している場合は、大家さんや管理会社に事前に確認を取りましょう。コンセントの差し込み口を増やす程度の工事であれば、許可されるかもしれません。
一方で、新しい場所にコンセントを設置する場合は、壁や壁紙への影響があるため、許可されないケースが多いようです。
無許可で工事すると、退去時に余計な原状回復費用が発生してしまいます。
コンセント増設には資格が必要
電気工事は、一見簡単に見える作業でも感電や漏電、火災の危険があるため、電気工事士の資格が必須です。無資格で工事するのは電気工事法に反し、罰則の対象となります。
資格をもたない人が自分で工事を試みるのは非常に危険ですので、必ず資格をもった専門業者に依頼してください。
壁の中を通すコンセント増設工事の流れ【4ステップ】
壁の中を通すコンセントの増設工事は、以下のステップで進めていきましょう。
- 増設する場所を決める
- 増設する数・種類を決める
- 工事方法を決める
- 工事開始(LANケーブルの場合)
ここでは、依頼から工事完了までの4つのステップを詳しくご紹介します。
1.増設する場所を決める
まずは、新たにコンセントを設置したい場所を考えます。家電の配置や日常の使い勝手を想定しながら、見た目も重視して検討しましょう。
コンセントの高さも重要です。例えば、掃除機の使いやすい位置、家具の裏に隠れるようにするなど、使い勝手と美観の両方を考慮します。
2.増設する数・種類を決める
次に、設置するコンセントの種類と口数を決めます。高消費電力の家電は専用のコンセントが必要で、水回りはアース付きのコンセントが適しています。
多くの電化製品を使うエリアでは、口数が多いコンセントを選ぶと便利でしょう。
テレビやPC周辺には6~8口のコンセントがあると、将来的な増設に対応しやすくなります。
3.工事方法を決める
設置場所とコンセントの種類・口数が決まったら、電気工事業者に分電盤の空き状況を確認してもらいます。
通常、1つの回路から複数のコンセントを供給できますが、場合によっては分電盤の空き回路から新たに配線する必要があります。
空き回路が不足している場合は、電力会社との契約アンペア数を増やし、分電盤自体を交換することになるでしょう。
4.工事開始(LANケーブルの場合)
準備が整ったら、工事業者による作業スタートです。LANケーブルを壁の中に通す工事をする場合の、一般的な流れを確認してみましょう。
①穴を開ける
まず、増設するコンセントの位置に、配線を通すための穴を開けます。壁の構造や材質によって、穴を開ける際の難易度が異なります。
例えば、洋室の壁であれば比較的容易に穴を開けられますが、外壁や和室の壁の場合、断熱材や鴨居(かもい)が障害となるケースもあるでしょう。
②穴を開けた部分から針金を中に通す
次に、開けた穴から通線ワイヤー(針金)を壁の中に挿入します。この通線ワイヤーは、後で電線を通すためのアイテムとして使用されます。
壁の中を通る経路を確認し、必要な長さだけ通線ワイヤーを進めていく作業です。
③専用器具を使い配線する
通線ワイヤーが所定の位置まで通ったら、専用の引き込み器具を使い電線を引き込みます。壁内の障害物や曲がり角に注意しながら進めなければいけません。
電線が確実に通るよう、必要に応じて引き込み器具を調整し、電線を丁寧に引き抜きます。
④コンセントボックスやプレートの取り付け
配線が完了したら、コンセントボックスやプレートを取り付け、見た目を整えます。これにより、壁内に隠れた配線が外部に露出せず、安全性を向上させながら美観を保てます。
壁の中を通してコンセントを増設したい!業者選びのポイントは?
壁の中を通すコンセント増設工事は、露出配線に比べ高度な技術と豊富な経験が必要です。工事を成功させるためには、適切な業者選びが不可欠でしょう。
- 詳細な見積もりを提示してくれるか
- 現地調査してくれるか
- 電気工事の資格を取得しているか
- 口コミ・評価は高いか
- 電気工事の実績が多いか
ここでは、信頼できる業者を選ぶときのポイントについて説明します。
詳細な見積もりを提示してくれるか
業者選びの重要なポイントは、詳細な見積もりを提示してくれるかどうかです。見積もりには、工事の内容や使用する材料、作業時間、費用などが明確に記載されている必要があります。
一方で、見積もりが大雑把で内訳が細かく記載されていない場合は、業者に詳細を問い合わせるか依頼しないのが賢明です。
詳細な見積もりを提供してくれる業者は、工事の透明性と信頼性が高いと言えます。
現地調査してくれるか
必ず現地調査してくれる業者を選びましょう。現地調査を通じ、壁の構造や配線の経路を確認し、最適な工事プランを提案してもらえます。
反対に現地調査しない業者は、工事の準備不足やトラブルのリスクが高まるため、避けた方が良いでしょう。
電気工事の資格を取得しているか
電気工事するには資格が必要です。自分でDIYするのはもちろん、無資格の業者に依頼すると、法律に触れてしまいます。
業者が資格を保有しているかどうかは、依頼前に必ずチェックしましょう。
口コミ・評価は高いか
実際の利用者の口コミや評価も、業者選びの重要なポイント。口コミサイトや評判を確認し、多くの顧客から高評価を得ている業者を選びましょう。
口コミを参考にすることで、業者の信頼性やサービスの質を判断する手助けになります。
電気工事の実績が多いか
できるだけ電気工事の実績が豊富な業者に依頼しましょう。実績の多い業者は、さまざまな状況に対応できる経験とノウハウをもちます。
過去の施工例や事例を確認し、多くの工事を手掛けた実績があるか確認しましょう。
コンセント増設時に壁の中を通すか迷ったら!まずは電気工事のプロに相談を
今回は、壁の中からコンセントを増設する方法、費用相場について解説しました。工事の手順や注意点、業者選びのポイントもお分かりいただけたかと思います。
壁の中からコンセントを通すのは、複雑な作業である上に正確性も求められるため、実績のある電気工事業者に相談してみましょう。
業者探しの際は、セーフリーの検索システムを活用してみてください。コンセント増設の実績が豊富な業者も多数掲載されており、自分に合った業者が見つかります。気になる業者が見つかったら、まずはお問い合わせを。
壁の中を通してコンセントを増設する方法【配線工事の費用相場や安く抑えるコツも】のよくある質問
-
Q. 壁の中で配線して自力で(DIYで)コンセントボックスを設置することは可能?
A.壁の中はさまざまな配線が通っています。法律にもかかわるため、業者に依頼しましょう。
-
Q. 壁の中を通して配線工事してもらうと、どのくらい追加費用がかかる?
A.自宅の壁や構造によって大きく異なります。現地見積もりで確認しましょう。
-
Q. 壁の中にコンセントを通すのは時間がかかる?
A.作業内容や増設数にもよりますが、2時間程度を想定しておくと良いでしょう。
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