2024.08.05 2024.09.03
エアコンがガス漏れしていると、空調の効きが悪くなります。しかし、ご自身でガス漏れをチェックする方法を知っている人は少ないでしょう。
そこで、この記事ではエアコンのガス漏れチェックの方法について解説します。ガス漏れが疑われるようであれば、すぐに修理依頼しましょう。
記事後半では、修理依頼時の費用相場についても解説します。「エアコンの効きが悪い」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
エアコンのガス漏れが起こる原因
エアコンのガス漏れが起こる原因は、主に以下の4つです。
- 取り付け工事の段階から業者によるミスがあった
- 室外機を動かした
- 室外機の開閉バルブに不具合がある
- 内部配管や部品が腐食している
それぞれの具体的な理由について、以下で解説します。
取り付け工事の段階から業者によるミスがあった
エアコンの取り付け工事時の不備が、ガス漏れの主要因の一つです。正しく設置されていないと、冷媒管の折れや熱交換器の損傷、接続不良などが発生し、冷媒ガスが漏れる可能性があります。
この問題は、新規設置時だけでなく、引越しや分解洗浄時にも起こり得ます。症状は工事後数日から数年後に現れることがあるため、エアコンの不調は取り付けから時間が経ってから発生するケースもあります。
室外機を動かした
室外機を無理に動かすことは、エアコンのガス漏れの原因となります。特に長年使用したエアコンは、冷媒配管の銅管が経年変化で固くなるため、動かすとガスが漏れやすくなります。
また、地震などで室外機が倒れた場合も、接続部の損傷によりガス漏れが発生する可能性があります。室外機の移動や異常が生じた場合は、自分で対処せず、専門業者やメーカーに相談しましょう。
室外機の開閉バルブに不具合がある
エアコンの室外機には、冷媒ガスを制御するためのバルブが付いています。通常、取り付け時にこのバルブを開いて配管内に冷媒ガスを送り込みます。
しかし、長期使用によってバルブのパッキンが劣化・変形すると、そこからガスが漏れる可能性も。このような不具合は、エアコンの性能低下や故障の原因となります。
内部配管や部品が腐食している
エアコンの内部配管や部品の腐食は、ガス漏れの重要な原因の一つです。「熱交換器、コンプレッサー周辺の配管、バルブ」などが経年劣化で腐食し、穴が開いてガスが漏れます。
特に注意が必要なのは、ドレンホースを直接下水道につなぐこと。下水のアンモニアが室内機に侵入し、腐食を促進する可能性があります。
エアコンのガス漏れが疑われる状況とは?【典型的な2つの症状】
エアコンのガス漏れは、以下の2つの症状がないかを確認してみましょう。
- 出ている風が冷たくない・暖かくない
- 熱交換器や室外機に霜がついている
それぞれの確認方法について、以下で具体的に解説します。
出ている風が冷たくない・暖かくない
エアコンの風が冷たくない、または暖かくない場合、ガス漏れの可能性があります。冷媒ガスは風を冷やしたり暖めたりする役割を果たすため、「風は出るがエアコンが効かない状況」はガス漏れの可能性が高いといえます。
ただし、フィルターの汚れなど他の原因も考えられるため、まずはフィルター清掃を試してみましょう。
熱交換器や室外機に霜がついている
エアコンのガス漏れを確認する方法として、冷房運転後10〜15分経過した時点で、室外機の細い配管を観察します。白い霜が付いている場合、冷房ガスの漏れが疑われます。
配管が全く冷たくない場合は、ガス欠の可能性が高いです。また、エアコン本体の熱交換器や室外機の細いパイプに霜が付く場合もガス漏れの兆候です。
エアコンのガス漏れを自分でチェックする方法4選!
エアコンのガス漏れを自分でチェックする方法として、以下の4つがあります。
- 室外機の風の温度を確認する
- 室外機の配管を確認する
- ガス漏れ探知機を利用する
- 検知液を配管に吹きかける
それぞれの具体的な方法について、以下で解説します。
室外機の風の温度を確認する
エアコンが正常に機能している場合、冷房運転時に室外機からは生暖かい風が出ます。これは冷媒ガスによる熱交換が適切に行われている証拠です。
しかし、室外機から常温の風が出ている場合、熱交換が正常に行われていない可能性があり、ガス漏れが疑われます。室内機と室外機の両方から長時間常温の風が出続ける場合は、ガス漏れの可能性が高いため、専門業者による点検を依頼しましょう。
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室外機の配管を確認する
エアコンのガス漏れを自己チェックする際、室外機の配管状態が重要な指標となります。冷房運転10〜15分後、室外機から伸びる細い配管を確認します。
白い霜が付いている場合、冷房ガスの漏れが疑われます。一方、配管が全く冷たくない場合は、ガス欠の可能性があります。正常な状態では配管に露が付く程度ですが、真っ白い霜が付く場合はガス漏れの可能性が高いです。
ガス漏れ探知機を利用する
ガス漏れ探知機を使用してエアコンのガス漏れを確認することができます。約2,500円程度で購入可能ですが、使用頻度が低いため、所有していない場合は購入を慎重に検討しましょう。
また、ガス漏れ以外の原因でエアコンの不具合が生じる可能性もあるため、探知機での確認が困難な場合や、結果に不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
検知液を配管に吹きかける
エアコンのガス漏れを自己チェックする方法として、検知液の使用が効果的です。冷媒ガスの漏れを確認するための専用液体で、配管に吹きかけると、ガス漏れ箇所で泡が発生します。
特に、フレア部分や溶接部分など、ガス漏れが起きやすい箇所に噴きつけることで、微小な漏れも視覚的に確認できます。高粘度の検知液を使用することで、より正確な検出が可能です。
検知液はホームセンターや通販サイトで入手可能です。
エアコンのガス漏れは人体に影響する?
エアコンの冷媒ガスは基本的に無毒ですが、大量に漏れた場合、密閉空間では軽い健康被害を引き起こす可能性があります。
しかし、一般的なガス漏れでは人体への直接的な影響はほとんどありません。
エアコンのガス漏れが疑われる場合の対処法
エアコンのガス漏れが疑われる場合は、自身では対応せずに、業者やメーカーに依頼しましょう。自身で修理をしない方が良い理由については後述します。
以下では、業者・メーカーに依頼する際のポイントについて解説します。
業者に修理・補充を依頼
エアコンのガス漏れが疑われる場合、適切な業者に修理・補充を依頼してください。
依頼先は主に3種類あります。
- 保証期間内なら設置業者
- 迅速な対応が必要なら即日対応の修理業者
- 買い換えが適切な場合は交換工事可能な業者
プロに依頼することで、不調の原因をより詳細に調査でき、冷媒ガスの量も正確に計測できます。適切な修理のためには、実績豊富な業者がおすすめ。家にあげることになるので、プライバシーにもしっかり配慮してくれる業者がいいでしょう。
メーカーに相談する
エアコンのガス漏れ対処には、製造メーカーへの相談も有効な選択肢です。特に保証期間内の場合、無料での修理や交換が可能な場合があります。
保証期間は通常、本体が1年間、冷媒回路が5年間程度ですが、メーカーによって異なります。保証期間内であれば、早めにメーカーに問い合わせしましょう。
ただし、点検を依頼する際は、故障がなくても検査費用が発生する可能性があるため、事前に料金体系を確認しておいてください。
エアコンガス漏れ時のDIYはおすすめできない【注意】
エアコンガス漏れ時の修理は、DIYでは行わないでください。以下のリスクがあるからです。
- 原因不明のガス漏れだった場合、直らない可能性がある
- ガスの取り扱いは誤ると事故が起こる可能性
これらのリスクを理解して、適切な業者へ依頼してください。
エアコンのガス漏れで買い替えた方がいいケース
エアコンの一般的な耐用年数は約10年です。この期間を超えると、熱交換器の冷媒配管の劣化や腐食が進行しやすくなります。
また、10年以上使用しているエアコンや、製造から9年以上経過したエアコンの場合、修理用部品の確保が難しくなり、修理費用が新品購入よりも高くなる恐れがあります。このような状況では、新しいエアコンへ買い替えた方がお得になるかもしれません。
エアコンのガス漏れを修理依頼する際の費用相場
エアコンのガス漏れ修理は、漏れ箇所の修理と冷媒ガスの補充が基本的な流れです。修理費用は状況によって大きく異なりますが、一般的に漏れ箇所の特定と修理に数万円、冷媒ガスの補充や再充填にも数万円程度が必要です。
具体的な例として、ガス漏れ修理が1.6万円〜1.9万円程度(参考:くらしのマーケット)となっています。ただし、内部部品や室外機の交換が必要な場合は、さらに費用が上がる可能性があります。
さらに詳しく知りたい方はこちら
エアコンの冷媒ガス補充料金はいくらくらい?【クーラーのガス入れ費用を安く抑えるコツも】
2024.08.05 2024.09.03
エアコンのガス漏れを予防する方法
エアコンのガス漏れは、2つの方法で予防できます。
- 耐塩害仕様のエアコンを選ぶ
- 強引なエアコン掃除をしない
それぞれで予防できる理由について、以下で解説します。
耐塩害仕様のエアコンを選ぶ
エアコンのガス漏れの主な原因の一つは内部配管等の腐食です。特に海岸近くなど塩分濃度の高い環境では、この問題がより重度になります。
そこで対策として、耐塩害仕様のエアコンを選ぶことが効果的です。耐塩害仕様エアコンは、部品、内外装、ネジ、ボルトなどにサビや腐食に強い加工や素材が使用されています。
これにより、塩分による腐食を防ぎ、ガス漏れの可能性を大幅に低減できます。
強引なエアコン掃除をしない
エアコンの内部を強引に掃除することは、ガス漏れの原因となる可能性があります。特に、冷媒管付近を無理に洗浄したり、洗剤や水を使用すると、配管に傷がつき、ガス漏れのリスクが高まります。
自己メンテナンスは、フィルターと外から見える部分に限定すべきです。内部の清掃が必要な場合は、プロによるクリーニングサービスを利用しましょう。
エアコンのガス漏れをチェックしたら修理依頼しよう
エアコンがガス漏れしているとわかったら業者へ依頼しましょう。チェックはご自身でできても、修理は業者でなければできません。
ガス漏れ修理依頼の際は、ぜひ
セーフリーをご活用ください。セーフリーであれば掲載されている多くの業者から、希望の条件で絞り込んで納得の業者が見つけやすいです。適当な業者に依頼してしまって後悔するケースが後をたたないので、しっかり業者を比較検討できるよう、まずは見積もりを請求してみましょう。
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エアコンの効きが悪いのはガス漏れが原因?症状チェック方法と修理費用も解説のよくある質問
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Q. エアコンのガス漏れはどうやって見つけますか?
A.「室外機の配管や熱交換器に霜が付いているか」「室外機から出る風」「エアコンの風の温度」などの方法で確認できます。
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Q. クーラーのガスの残量はどうやって確認しますか?
A.マニホールドゲージという専用の機器を使って確認できます。
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Q. エアコンのガス漏れ修理にかかる費用はどの位ですか?
A.業者によって異なりますが、ガス漏れ修理が1.6万円〜1.9万円程度が参考費用です。
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