2025.05.05 2025.05.05
ベランダに最適なFRP防水の費用についてご紹介します。
ベランダの防水対策は建物の寿命維持のために重要です。中でもFRP防水はベランダで多く採用されている工法。本記事では、FRP防水の費用や工程、特徴、メンテナンス方法を解説します。
この記事では他の工法との比較も交えて紹介していますので、自宅にピッタリの防水工法を見極めることが可能です。ベランダの防水選びで迷っている方はぜひ参考にしてください。
目次
ベランダのFRP防水の費用・耐用年数
ベランダのFRP防水の費用・耐用年数をご紹介します。
一般的によくベランダに採用されているFRP防水は、ガラス繊維強化プラスチックを用いた防水工法のひとつです。非常に耐久性があり、軽量でありながら高い防水性を誇る特徴があります。
費用は施工面積や状態、業者によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
工事項目 | 単価目安(1㎡あたり) | 耐用年数/備考 |
---|---|---|
FRP防水工法(新設の場合) | 約5,000~7,500円 | 約10~12年 |
既存防水層の撤去作業 | 約2,000~3,000円 | オプション工事の扱いになる |
下地調整・補修作業 | 約1,000~2,000円 | クラック有無で価格が変動する |
トップコート再塗装のみ | 約2,000~3,500円 | 約5~7年ごとが目安 |
また新規ではないにしても、既存の防水層があるなら定期的なトップコートの再塗装を行うことで、15年程度まで寿命が延びます。しかも再塗装のみなら、1㎡あたり2,000円前後で済むことも。
ただ、既存の防水層の状態や下地の劣化具合によっては、別途の下地補修費用が発生する場合がありますのでご注意ください。
ベランダのFRP防水工事の工程
ベランダのFRP防水工事の工程をご紹介します。
比較的短期間の工程で済むといわれているFRP防水工事ですが、工事には必要な複数の工程があり、各工程を丁寧に行うことによって長期的な防水性能を期待できます。
以下から、FRP防水工事の一般的な施工手順を順を追って解説していきましょう。
高圧洗浄と下地調整をする
FRP防水の施工前には、まずベランダ全体のゴミや汚れを高圧洗浄で除去します。こびりついた汚れも高圧洗浄なら綺麗に落とすことが可能です。
天気の良い日に洗浄して、よく乾かしたのちに下地調整も行います。ひび割れや段差などを補修し、下地を均一にすることで、防水材の密着性を高める準備を施します。
プライマーを塗る
下地を綺麗に均したら、プライマーを塗布してFRP樹脂の密着性を向上させましょう。
プライマーをしっかり塗ることで、下地とFRP防水の密着度が上がります。この工程に手を抜くと、後々防水機能の低下や塗り直しが必要となるケースもありますので、要注意です。
シーリング作業をする
次に、目地や隙間などにシーリング材を充填する作業に移ります。特に雨水などが侵入しやすい入隅部分には、入念にシーリング材を詰めてください。
このシーリング工事を丁寧に行っていれば、外部からの雨水の侵入を防ぎ、防水層の寿命を延ばすことが可能になります。
下塗り作業を行う
次にFRP防水シートとの接着を良くする目的のため、下塗り作業を行います。FRP防水用のポリエステル樹脂などの材料を使用し、綺麗に均一に塗ることで下地とFRP層の密着性をさらに高めることが可能。
この接着機能が十分に機能しないと、水が内部に流れてしまうので、防水の役目を果たせません。十分に乾燥するのを待ってから次の工程に移りましょう。
ガラスシート(FRP防水シート)を設置する
ポリエステル樹脂の上にFRP防水シートを敷き詰めて、硬化した後にまた再度ポリエステル樹脂を塗り、FRP防水シートを重ねます。この作業を2~3回繰り返すことによって、強い防水層が完成するのです。
回数は業者の判断、もしくは施工主の希望によりますが、なるべく多く回数を重ねたほうが防水層もしっかりと形成されるでしょう。
脱泡作業を行う
この後には脱泡作業を丁寧にしてください。脱泡作業とは、樹脂とガラスマットの間に空気が入らないように、ローラーで内部に残った気泡を押し出す作業です。
中に気泡が残ると防水性が損なわれるため、念入りにローラーで処理して空気を抜いていきましょう。
中塗りとケレン作業を行う
脱泡が終わったら中塗りを実施し、表面の平滑化と防水層の厚みを確保してください。こちらは先ほどの下塗り材とは異なり、保護機能の高い樹脂を使用します。
中塗り材が十分に乾いて硬化したら、ケレン作業を行って表面を削り、整えていきます。引っかかりやデコボコがないようにしっかり平らにして、安全性や美観を調整してください。
トップコートを塗る
最後に、紫外線や摩耗に強いトップコートを塗布して全体を保護します。この工程を丁寧に行えば、仕上がりの美しさはもちろん、かなり大きく耐久性も向上しますので、重要な作業です。
トップコートの種類に関しては、一般的なものに加えて滑りにくい素材のものや、カラーを選択できることも。希望がある場合は業者に相談してみてください。
ベランダに向いているFRP防水の特徴
ベランダに向いているFRP防水の特徴についてご紹介します。
FRP防水はその特性から、特にベランダへの施工に適しているとされています。以下から、FRP防水の主な特徴を紹介していきましょう。
- 防水性に特化している
- 耐久性が高く長持ちする
- 短い施工期間で済む
- 軽量なので建物に負担が掛からない
FRP防水の大きな特徴は、ガラス繊維と樹脂を組み合わせた構造によって完全な防水層を形成できること。雨や湿気からベランダをしっかり守り、耐水性や耐摩耗性を長期間持続してくれます。
また、1日から2日程度の短期間で施工作業が完了するのもFRP防水の魅力。住みながら工事が可能なので、工事中の仮住まいなどの必要は皆無です。
さらにFRP防水は非常に軽量であり、建物の構造に余計な負荷をかけません。ですから日本の住居に多い木造住宅でも、安心して導入できる点が高く評価されています。
その他のベランダ防水工法との比較
FRP防水とその他の工法との比較ポイントをご紹介します。
ベランダ防水にはFRP以外に幾つかの工法がありますので、防水工事を検討する時にはそれぞれの特徴を比較し、どの方法が自宅に適しているかを見極めることが大切。
以下に、代表的な防水工法の比較表を記載していますので、見比べてみましょう。
防水工法 | 費用(㎡単価) | 耐用年数 |
---|---|---|
FRP防水工法 | 約5,000~7,500円 | 約10~12年 |
ウレタン防水工法 | 約4,000~7,000円 | 約8~10年 |
シート防水工法 | 約3,500~6,000円 | 約10~15年 |
アスファルト防水工法 | 約6,000~10,000円 | 約15~20年 |
それぞれの防水工法は一長一短ですが、特にFRP防水は価格・耐用年数の観点で見ても、平均的にコストパフォーマンスに優れています。
とはいえ、建物の特徴や予算にも関係しますので、それぞれの特徴をよく比べてから決定してください。
ベランダのFRP防水のメンテナンス方法
ベランダのFRP防水のメンテナンス方法をご紹介します。
FRP防水は耐久性に優れている防水工法とはいえ、時間経過と共に劣化するのは仕方のないことです。特に屋外なので、紫外線や風雨によるトップコートの摩耗は避けられません。
ですが、定期的なメンテナンスを行うことで防水性能を長期間維持することは可能です。ここからは、具体的なメンテナンス方法について解説します。
トップコートのみ補修する
防水層がまだまだ傷んでおらず、ある程度の機能を果たせているのであれば、表面のトップコートだけを塗り替えることで耐久性を維持できます。
塗膜の劣化が見られるのは、一般的に約5~7年ごとが目安です。この期間を過ぎてくると、劣化が明らかに目に見えるようになり、劣化サインを認識しやすいでしょう。
トップコートの再塗装の際には、汚れやコケなどを綺麗に洗浄して乾かし、表面を軽く研磨してから新たなトップコートを均一に塗布してください。
防水層を補修する
もし劣化具合がトップコートの再塗装だけでカバーしきれない場合、FRP樹脂を再施工することになります。
もし劣化や痛みが小さな範囲であれば、部分補修が可能です。劣化部位を削り取ってから、新たにガラスシートと樹脂を塗り重ねて再構築することになります。
この際には、プライマーの塗布や脱泡処理などの施工時と同様の工程が必要。ただ、劣化状況によっては全体の防水層を上から増し張りする「カバー工法」も選択肢に含まれるでしょう。
床の素材から補修し直す
防水層の損傷が大きく、下地まで劣化が進んでいる場合には、床材の撤去と新規施工が必要となります。これはいわゆる全面改修ですので、素人判断ではなく専門業者に判断してもらってください。
この場合は、既存のFRP層を完全に撤去し、また新たに下地調整からやり直すため、新規の防水工事より時間も予算も必要です。ただ、安全面や将来的なトラブル防止の観点からはとても重要な作業。
専門家に全面改修が必要だと診断されたら、後回しにすることなく、すぐに対応してください。
ベランダのFRP防水は専門業者にお任せを!
ベランダに最適なFRP防水の費用についてご紹介してきました。
ベランダによく採用されるFRP防水工事は、高い耐久性とコストパフォーマンスを誇るため、実におすすめできる防水工法です。
ただ防水工事の品質と長期維持を可能にするには、選ぶ施工業者の実績や腕が大きく関係しています。そのため、信頼できる専門業者への依頼が不可欠。
そんな時は、業者比較サイト「セーフリー」がおすすめです。「セーフリー」なら、実績のある多くの掲載業者の中からエリアや条件を絞りつつ、希望に合った業者をすぐに見つけることが可能!
業者選びに迷った時には、ぜひご活用ください。
- 雨漏り予防をしておきたい
- 防水工法について知りたい
- リーズナブルに施工したい
初めての防水工事は専門家への依頼がおすすめ
まずは実績のある業者を探そう!
防水工事に関するよくある質問
-
Q. FRP防水のセルフは可能ですか?
A.FRP防水工事は、非常に技術が必要な工法のひとつです。DIYに慣れている方なら可能かもしれませんが、適切な材料の入手に加え、数多い工法の手順など注意点が数多くあります。
もし手順を間違えたり、施工が不十分だったりすると耐久性はもちろん、水漏れなどのトラブルも起こり得ます。よくリスクを承知したうえで取り組んでください。
-
Q. FRP防水の厚みの相場はどのくらいですか?
A.FRP防水の厚みは、素材や種類によって多少違いがあります。通常は、2~3ミリと言われていますが、他の方法では5ミリ程度の重層になることもあります。
これは業者の判断や施工主の希望も関係しますので、見積もりの際にはっきりさせておきましょう。
-
Q. 防水工事に足場の設置は必須ですか?
A.回答としては、必須ではありません。高所の場合は必要ですが、施工場所や環境によっては必要ないパターンもあります。
階段などがない屋上や安全ではないと思われる場所の場合は、足場の設置が必要になりますので、その分の費用も計算に入れておきましょう。