2025.09.03 2025.09.03
この記事では、コンクリートの塩害対策としての塗装の効き目や費用について徹底解説していきます。
「そもそもコンクリートまわりの塩害対策に塗装は効く?」
「鉄筋がサビ始めているコンクリートはもうどうしようもない?」
といった疑問をお持ちの方も必見です。コンクリートの塩害対策で、塗装も対策の1つですが、効果的な塗料の種類、対策を選ぶことがなにより大切です。
記事後半では、DIYでなんとかする場合の塗料選びや方法についても徹底解説。海沿いの建物のサビ対策がしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
コンクリートの塩害対策に塗装は有効?劣化やサビへの効き目とは?
コンクリートも塩害を受けるため、できるだけリスクを抑える対策をしておく必要があります。まずは、コンクリートの塩害について、詳しく見てみましょう。
コンクリートで塩害が起こる仕組みと塗装の効き目
コンクリート内部には、鉄筋が入っているのが一般的。コンクリートの塩害は、内部にある鉄筋がサビてしまうのが原因です。特に外階段や車庫、柱、外壁は塩の影響を受けやすくなっています。
そもそもコンクリートには塩分が含まれますが、一定量を超えなければ鉄筋がサビることはありません。潮風や海水、融雪剤などによってコンクリートの塩分含有量が多くなると、内部の鉄筋にサビが発生します。
鉄筋は強いアルカリ性で保護されているのが一般的ですが、コンクリートに含まれる塩分量が多くなると、保護が効力を失いサビが発生します。鉄筋がサビると膨張するため、コンクリートもひび割れしたり剥がれたりする仕組みです。
コンクリートの表面を塗装すると、塩がコンクリートに染み込みにくくなります。表面が保護されると、内部の鉄筋も塩の影響を受けにくくなるのです。
コンクリート塩害の症状例
コンクリートの塩害では、主に以下のような症状が確認できます。
- ひび割れ
- 剥離(コンクリートが浮いて、はがれ落ちかねない状態)
- 剥落(はがれ落ちる)
コンクリートそのものはサビたりするわけではありませんが、内部の鉄筋がサビる影響により、上記の症状が発生します。
コンクリート塩害が発生しやすい住宅・建物
コンクリートの塩害が発生しやすいのは、以下の住宅や建物です。
- 海沿いの住宅や建物
- 海が見える地域の高層階住宅
- 降雪地域の住宅や建物
海沿いでは海水の影響を受け、塩害が進みやすいのが特徴。海岸からの距離によって、塩害が発生する「塩害地域」が定められています。以下のように、地域により塩害地域は異なります。
- 瀬戸内海沿岸:1km以内
- 北海道や東北の日本海側:7km以内
その他の地域では、2km以内を塩害地域としているケースが多いです。
塩害地域に入らなくても、オーシャンビューの高層階住宅などは、塩害が発生しやすいです。風に乗って塩が運ばれてくるため、対策は必須。中でも、塩害を受けやすい外階段や柱、外壁は重点的な対策が必要です。
また、雪が多く降る地域では、融雪剤や凍結防止剤に含まれる塩分により被害を受けやすくなっています。
コンクリートの塩害対策塗装費用【劣化・サビ止めの料金相場】
コンクリートの塩害対策をするなら、劣化やサビ止め効果のある塗装をするのが効果的。費用は状況や地域により異なりますが、1m²あたり4,000~6,000円ほどが目安です。
ただし、すでに塩害が発生している場合には、塗装前に塩化物除去などの作業が必要になる場合があり、費用が高くなります。また、使用する塗料によっても費用は変わるので、現状を踏まえての料金は見積もりを取って確認しましょう。
コンクリートの塩害対策3選!塗装と組合せたい建物保護手法
コンクリートの塩害対策では、塗装以外に以下の方法も有効です。
- ひび割れの補修
- 脱塩工法
- 電気防食工法
それぞれの手法の特徴を知り、適切な方法を選びましょう。
ひび割れの補修
すでに塩害を受けているのなら、ひび割れが発生している部分を補修しなければなりません。ひび割れを放置すると、鉄筋が塩の影響を受けやすくなり、症状が悪化しやすくなるためです。
ひび割れの度合いにより費用は変動しますが、小さなひび割れなら2,000~10,000円ほど、大きめのひび割れの場合は10,000~20,000円ほどかかるのが一般的。
深いひび割れには、エポキシ樹脂注入工法が必要で1ヶ所あたり20,000~50,000円ほどかかる場合もあります。
塗装などで塩害対策を考えている場合も、まずはひび割れなどの症状がないかをチェックし、必要に応じて補修しましょう。
脱塩工法
すでにコンクリート内に染み込んでしまった塩分を除去するのが、脱塩工法。電気泳動の力により染み込んだ塩分を外部へ排出し、腐食を食い止める方法です。
脱塩工法は、1m²あたり数千~数万円ほどが目安。ただし、塩害の進み具合や施工面積、などにより費用は変動します。
電気防食工法
電気防食工法では、コンクリート内にある鉄筋に「防食電流」を流して腐食を抑制します。電流によって塩分を除去する工法でですが、継続的に電流を流し続ける必要があります。
電気防食工法には「流電陽極方式」と「外部電源方式」の2種類があり、流電陽極方式のほうが初期費用は安いです。ただし、外部電源方式のほうが長時間の防食効果が期待できます。
コンクリートの塩害対策に使える塗料種類!DIYで試したい製品も
塩害対策には、以下2種類の塗料が効果的です。
- 無機塗料
- フッ素塗料
上記は耐久性が高く、無機塗料は15~25年、フッ素塗料は15~20年の耐用年数を誇ります。細かい樹脂で塗膜を形成する無機塗料とフッ素塗料は、塩害だけでなく紫外線による影響を受けにくいのが特徴です。
無機塗料では、主に以下の製品が挙げられます。
- アレスダイナミックMUKI
- エスケープレミアム無機
フッ素塗料では、以下の製品が代表的です。
- ファイン4Fセラミック
- クリーンマイルドフッソ
ちなみに、塩害対策専用で販売されている「耐塩害塗料」は、海沿いの工場などで焼付塗装にて使用するのが基本です。一般的な住宅用の商品ではないため、購入を検討するなら専門スタッフに相談してみるのがオススメです。
コンクリート塩害対策で自力塗装するなら!おすすめ「表面処理」の簡単3ステップ
コンクリートの塩害対策を自分で進めたいなら、効果的な塗料を選ぶ以外に適切な「表面処理」をするのが重要です。表面処理ができていないと、無機塗料やフッ素塗料を使用しても剥がれやすくなるので注意しなければなりません。
表面処理は、塗装前の重要なステップです。
- 洗浄
- 酸エッチング
- プライマー
塩害を防ぐなら、専門業者に依頼して塗装するのがオススメ。
1.洗浄
塗装前には、表面の汚れをできる限り完全に除去するのが重要です。汚れが残っていると塗装が浮き、剥がれやすくなるためです。
そこで、高圧洗浄機やデッキブラシを使って、隅々まで丁寧に洗浄しましょう。落ちにくい油汚れなどは、専用の洗剤を使うと落としやすいです。
2.酸エッチング
未塗装のコンクリートは強アルカリ性なので、塗装前に中性化する必要があります。中性化する作業を「酸エッチング」と呼び、専用の薬剤を使います。
酸エッチングにより、塗装による塩害予防効果を高められるのが特徴です。
3.プライマー
プライマーを塗ると、塗料とコンクリート面が密着するため剥がれにくくなります。
塩害防止のためには塗装によって表面を保護するのが重要なので、塗料を表面にしっかり密着させるのが重要。プライマーを塗る一手間をかければ、塗装による塩害効果を高められます。
コンクリートの塩害対策には塗装も有効!専門業者に相談しよう!
コンクリートとは言え、塩による被害は免れません。そこで、定期的に塗装するなどしてしっかり対策をしておくのが重要です。
塗装の効果をしっかり得るためには、専門業者に任せるのがベスト。まずは現状をチェックしてもらい、見積もりを出してもらいましょう。
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コンクリート塩害対策としての塗装に関するよくある質問
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Q. コンクリート塩害対策に塗装は有効?
A.コンクリート塩害対策に、塗装は有効です。表面を保護し、塩分が染み込みにくくなります。
-
Q. コンクリートでの塩害にはどんなものがある?
A.コンクリートでの塩害では、ひび割れや剥離(はくり)、剥落(はくらく)が発生します。
-
Q. 塩害に強い塗料の種類は?
A.塩害に強い塗料は、無機塗料やフッ素塗料です。耐久性が高い種類がオススメです。