2025.06.13 2025.06.20
本記事では、アンペア変更に伴う電気工事について解説します。
「電子レンジやエアコンを使うたびにブレーカーが落ちる…」などのお悩みを解決するのが、アンペア変更。
- 適正な容量ってどのくらい?
- アンペア変更はお金がかかる?
- どこに依頼すれば良いの?
上記のような疑問に向けて、アンペア変更に必要な電気工事の内容や費用相場などをまとめました。家庭にもオフィスにも役立つ情報満載なので、ぜひ参考にしてください。
目次
電気工事によるアンペア変更とは
最初に、電気工事を伴うアンペア変更について、基礎知識をチェックしていきましょう。
- アンペアとはなにか
- アンペア数の確認方法
- 自宅・オフィスの適切な容量
上記3点を、それぞれ確認していきます。
そもそもアンペア(電気容量)とは?
アンペア(A)は、電気の流れる量を示す単位。家庭やオフィスで契約する「電力容量」の基準として、数値と共に表されます。わかりやすく言うと、一度に使える電気の「太さ」のようなもので、アンペアの数値が大きければ大きいほど、多くの電化製品を使用できます。
電力会社との契約によって容量は決められていて、その範囲内で電力が使えます。反対に、電気の使い過ぎで契約アンペア数を超えると、ブレーカーの安全装置が働いて電気が止まる、というわけです。
たとえば、「30A」なら30アンペア分の電気しか流れませんが、40アンペアであればより多くの電力を通せます。つまり、もっと電気を使えるので、電気の使い過ぎでブレーカーが落ちるケースが軽減するでしょう。
30アンペアから40アンペアへ変更したい方は、以下記事を参考にしてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
30アンペアから40アンペアに変更したい!工事費用の相場・注意点を徹底解説
2025.06.20 2025.06.20
アンペア数の確認方法
自宅やオフィスで契約しているアンペア数は、電気のメーター、そして分電盤のブレーカーに表示されています。アナログメーターなら電気消費量の近くに「30A」や「40A」などの表記があるはず。一方、分電盤には、アンペアブレーカーと呼ばれるメインブレーカーのスイッチ上に、アンペア数が書かれています。
もしわからない場合は、契約書や電力会社の検針票、あるいは電力会社のWebサービスでも確認できますよ。
自宅・オフィスの適切な容量
では、自宅やオフィスでの適切なアンペア数は、どのように判断すれば良いのでしょうか。
快適な日常生活や仕事環境をかなえるために必要なアンペア数は、家族人数や家電の使用状況、オフィスの規模によって変わります。
一般的に、一人暮らしや小規模オフィスなら30アンペアで十分ですが、家族が多い家庭やパソコンやエアコンを多く使うオフィスでは40アンペア以上が望ましいと言えるでしょう。
アンペア数は、使う家電やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切。使用する電力に対して容量が小さいと、ブレーカーが頻繁に落ちやすくなります。反対に、容量が大きすぎると基本料金が無駄に高くなるので、使用状況に応じた容量選びが快適な電気使用のポイントになるのです。
アンペア変更の電気工事の依頼先
アンペア変更したい時、電気工事の依頼先は状況によって異なります。主に、以下の2ヵ所に依頼する流れになるでしょう。
- アンペア変更のみなら電力会社へ
- 分電盤交換や配線改修が必要なら電気工事業者へ
それぞれ、解説していきます。
アンペア変更のみなら電力会社へ
アンペア数の変更だけで、分電盤の交換や配線工事が不要な場合は、まず契約している電力会社に連絡してください。
電力会社は、メーターの切り替えや契約内容の変更を担当しています。多くの場合、短時間で完了するケースが多く、スマートメーターの場合は、訪問もなく遠隔操作で手続きが終了します。
基本的に、契約変更の手数料も不要なので、想像以上にスムーズに変更できるでしょう。ただし、古い設備では容量増加に対応できないケースもあります。その場合の依頼先は、次を参考にしてください。
分電盤交換や配線改修が必要なら電気工事業者へ
アンペア数を増やすために、分電盤の交換や屋内配線の改修が必要な場合は、電気工事業者に依頼します。
電力会社は、あくまでも電力量の供給が担当。分電盤や配線をいじる電気工事は、電気工事士資格を有する電気工事サービスに依頼するすみ分けとなります。
自分自身では、設置されている設備の工事が必要か否かの判断は難しいでしょう。迷う場合は、電気工事業者に現地確認してもらってください。
アンペア変更の電気工事の費用相場
アンペア変更するにあたって必要な電気工事の費用相場を見ていきましょう。容量変更自体の工事料金や、追加費用が必要なケースをご紹介します。
電気の容量変更工事は基本的に無料
アンペア数の変更として、電力会社が実施する契約変更の工事は基本的に無料です。特に、スマートメーターの場合は遠隔操作で対応できるため、訪問すら不要です。
費用が発生するのは、容量増加に対応できない古い設備の場合。電力会社では対応しないので、電気工事業者へ追加工事を依頼する流れになります。
追加工事が必要なケースの費用相場
追加工事が必要なケースと費用相場を、以下の表にまとめました。
工事メニュー | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
分電盤交換 | 古い分電盤で40A以上非対応の場合の交換 | 約8万円~ |
ブレーカー交換 | 新しいブレーカーへの交換 | 約3千~2万円 |
単相2線式→単相3線式切替工事 | 古い住宅などに見られる古いタイプの切替 | 約15万円~ |
引き込み線改修 | 古い門柱・線が細い場合の改修 | 約2~10万円 |
配線工事 | 太い配線への変更や新設 | 約2万~8万円 |
専用回路の増設 | OA機器・エアコン増設に伴い回路の追加 | 約1万円〜/回路 |
コンセント・スイッチの増設 | コンセントやスイッチの追加 | 約6千円~/個 |
幹線改修 | 配線を大幅に変更する場合 | 数万円~(見積もり必須) |
分電盤を交換したり必要な配線工事を実施したりすると、必要な予算は15万~20万円程度。費用は発生しますが、どちらにせよ分電盤の寿命は15年前後です。自宅の分電盤が古いのであれば、容量変更のタイミングで買い替えを検討するのをおすすめします。
また、オフィスの規模を大幅に拡大する場合は、おおがかりな配線工事が必要になります。増やしたいOA機器やエアコンなどの消費電力に適したアンペア数を導き出して、ある程度まとまった予算を組んでおく必要があるでしょう。
費用は地域や業者によって異なるため、事前に複数業者から相見積もりをもらってくださいね。
アンペア変更の電気工事後の電気料金はどう変化する?
のびのびと使用できるのなら、アンペア数が大きければ大きい方がいいと考える方もいらっしゃるでしょう。では、電気容量を増やすと、電気料金はどう変化するのでしょうか。
- 契約アンペアが上がると基本料金も上がる
- 従量料金は変わらない
- 無意識に使用量が増える可能性も
適切なアンペア数を決めるうえで、上記3点の変化を詳しく解説していきます。
契約アンペアが上がると基本料金も上がる
電気代の基本料金は、契約しているアンペア数に応じて決まり、容量が大きくなるほど料金も高くなります。つまり、契約アンペアを上げると、月々の基本料金が上がります。
たとえば、30アンペアから40アンペアに変更する時の基本料金の差額は、以下の通りです。
<30アンペア(約 935円/月)→40アンペア( 1,247円/月)>
差額:約312円/月・3,741円/年間(※東京電力「従量電灯B」の場合)
基本料金は、使った電力量に関係なく毎月固定でかかるため、契約容量アップによるコスト増は意識する必要がありますね。
従量料金は変わらない
契約アンペアを上げても、実際に使った電力量に対する従量料金は変わりません。従量料金は、使用したキロワット(kW)に応じて課金されるため、使用する電力量が同じなら使用量に伴う電気代は変動しない仕組みです。
つまり、アンペア数を増やしても電気の使い方が同じなら、基本料金は上がるものの電気代全体は大きく変わらないと言えるでしょう。
無意識に使用量が増える可能性も
従量料金は変わりませんが、アンペア数が増えると、知らず知らずのうちに電気使用量が増える傾向にあるのも事実。
今までは同時に使用するとブレーカーが落ちていた電化製品同士も、容量がUPすれば同時に使用できます。複数の消費電力の高い機器を同時に使いやすくなるので、結果的に電気代が上がる可能性は高いでしょう。
アンペア数をあげれば電化製品をストレスフリーで使用できるようになりますが、一方で余計な電気料金がかかりかねない点もお忘れなく!双方のバランスが取れた契約内容にしてください。
アンペア変更後の電気料金を節約する秘訣【電気工事時にチェック】
アンペア変更後の電気料金を節約する秘訣をご紹介しましょう。
- 100Vから200Vに電圧変更する
- 「単相3線式」なら長い目で見て節約に
上記2つのポイントを詳しくお伝えしていきます。
100Vから200Vに電圧変更する
アンペア変更とともに、必要箇所を100Vから200Vに電圧変更すると、一部の家電が効率よく動き、省エネにつながります。
200Vが適した家電には、エアコンやIHクッキングヒーターなどの大型家電が挙げられます。特に、エアコンは昨今の酷暑や厳冬で台数を増やす家庭やオフィスも少なくないでしょう。アンペア数を増やして増設を検討しているなら、より無駄な電力消費を抑えられます。
200V対応の設備や配線工事が必要なため、工事費用も考慮する必要はありますが、長い目で見ると節約になるはずです。
100Vから200Vへの工事費用相場は、以下記事で詳しく解説しています。
さらに詳しく知りたい方はこちら
200Vのコンセント交換完全ガイド!100V→200V工事の費用相場も徹底解説
2024.06.10 2025.02.14
「単相3線式」なら長い目で見て節約に
最近の電力契約で主流となる「単相3線式」は、100Vの2系統の電線と1本の中性線で構成されていて、100Vだけでなく200Vの電気も使えます。単相3線式で200V機器を使うと、電流が半分で済み、配線の負担も軽減されるのです。
長期的に見れば、電気代節約につながるため、古い設備を使用しているなら見直す価値があるでしょう。ただし、素人には判別がむずかしいポイントなので、電気工事業者に相談してみてください。
200V変更工事の依頼先は、以下記事をチェックしてみましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちら
200V工事はどこに頼むべき?良心的な業者の選び方や安く抑えるコツを徹底解説
2024.12.05 2025.08.12
アンペア変更に伴う各種工事はまず電気工事業者に相談しよう
アンペア変更に伴う電気工事は、電気工事業者に相談するところから始めましょう。一連の流れを安心して依頼できるメリットをご紹介します。
- 電力会社への申請を代行してくれる
- 必要な工事をまとめて依頼できる
それぞれ見ていきましょう。
電力会社への申請を代行してくれる
電気工事業者に依頼すると、アンペア変更に伴う電力会社への申請手続きを代行してくれます。
電力会社は、電気容量に対応してくれますが、いざ変更しようとして工事が必要だと判明した場合は、その後の対応を引き継げません。
その点、電気工事業者であれば、現地調査後、スムーズに工事から申請代行まで対応してくれます。
必要な工事をまとめて依頼できる
アンペア変更に際し、分電盤交換や配線工事など複数の工事が必要な場合、電気工事業者であれば、すべてまとめて依頼できます。アンペア変更に伴う工事だけでなく、200Vの専用回路増設や単相3式への変更なども、あわせて提案・実施してくれるでしょう。
適正な電力容量もアドバイスしてくれるので、より快適な生活やオフィスワークになるはずです。
電気工事業者の選び方に迷ったら、以下記事を参考にしてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
電気修理はどこに頼むべき?依頼先の選択肢や優良業者の見極め方を徹底解説
2025.06.09 2025.06.09
アンペア変更の電気工事は電気工事業者に相談しよう
アンペア変更に伴う電気工事について解説しました。
アンペア変更のみであれば、電力会社が無料で対応してくれます。ただし、変更するにあたって、必要な追加工事が発生するケースも多く見られるので、まずは電気工事サービスに相談してみましょう。
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- 適正な電力容量ってどのくらい?
- アンペア変更はお金がかかる?
- どこに依頼すれば良いの?
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アンペア変更の電気工事についてよくある質問
-
Q. アンペア変更の電気工事はどこに依頼すれば良いですか?
A.アンペア変更のみなら、電力会社に連絡しましょう。
一方、電力容量を変更するための分電盤交換や配線工事が必要な場合は、電気工事業者に依頼する必要があります。
-
Q. アンペア変更すると電気料金は変わりますか?
A.アンペア変更で契約容量が上がると、数百円程度基本料金が上がりますが、実際に使った電力量に対する従量料金は変わりません。
使用量が同じなら、電気代全体はそこまで大きく変わらないケースが多いでしょう。
-
Q. 適正な電気容量を知りたいです。
A.適正な電気容量は、家族の人数や使う家電の種類・数、在宅ワークの有無など、ライフスタイルやオフィス環境に合わせて決めるのがポイントです。
専門の電気工事業者に相談すると、適切な容量をアドバイスしてもらえますよ。