2025.04.26 2025.04.26
本記事では、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの違いについて解説します。
「漏電ブレーカーと安全ブレーカーって何が違うの?」「どのブレーカーが落ちたかわからない…」などの疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
そこで、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの違いを明確にしつつ、それぞれの役割や仕組み、トラブル時の対処法まで詳しくまとめました。家庭やオフィスでの電気トラブルを未然に防げる知識を身につけましょう!
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目次
漏電ブレーカー・安全ブレーカーの違いとは【まずは概要をチェック】
最初に、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの違いをおおまかに見てみましょう。それぞれの概要を、以下の表にまとめました。
項目 | 漏電ブレーカー(漏電遮断器) | 安全ブレーカー(配線用遮断器) |
---|---|---|
目的 | 漏電による感電・火災の防止 | 各回路の過電流(使いすぎ)や短絡の防止 |
検知する異常 | 電流漏れ(漏電) | 電流の流れすぎ・ショート |
動作のタイミング | 漏電を検知すると即遮断(数十ミリ秒以内) | 設定電流値を超えると遮断(数秒以内) |
外観の特徴 | テストボタン付き・「ELB」「漏電遮断器」などの表示あり | 「エアコン」「キッチン」など、エリアごとに小さなブレーカーが複数並んでいる |
法律上の設置義務 | 特定の条件下では設置義務あり(例:EV・水回り) | 義務ではないが、分電盤内で一般的に使用 |
漏電ブレーカーは漏電を察知、安全ブレーカーは各回路の過電流などを察知、という役割分担で、それぞれ建物の安全を守っているのです。
漏電ブレーカーとは【安全ブレーカーとの違い】
まず、漏電ブレーカーについて、役割や仕組み、安全ブレーカーとの関連性を見ていきましょう。それぞれ解説していきます。
漏電ブレーカーの役割
漏電ブレーカーは、電気機器や配線から漏れ出た電流、つまり漏電をすばやく感知し、電気を遮断する安全確保の役割を持っています。漏電ブレーカーが作動するために、漏電による感電や火災を未然に防げるのです。
水まわりや屋外など、水気が多く電流を通しやすい場所は漏電のリスクが高いため、漏電ブレーカーの設置は特に重要。安全な電気使用環境を保つうえで欠かせないブレーカーと言えるでしょう。
漏電ブレーカーの仕組み
漏電ブレーカーは、電気回路の「電流の入り口(L)」と「出口(N)」の電流量の差を常時監視し、差が一定以上(例えば30mA)の異常電流が検出されると、電流を遮断します。
内部には感度を高めるトリップコイルがあり、人体や建物への漏電を検知する仕組みになっています。
漏電ブレーカーの仕組みは、以下記事を参考にしてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
漏電ブレーカー(漏電遮断機)の仕組み・原理とは?【なぜ感電を防げるのか】
2024.08.05 2025.02.17
安全ブレーカーとの関連性
漏電ブレーカーと安全ブレーカーは同じ分電盤内に設置されますが、役割が異なります。
漏電ブレーカーは、建物全体の漏電を検知して電流を遮断するのに対して、安全ブレーカーは、家電やエリアごとに割り振られた回路内で、各自の過電流やショートを検知して遮断します。
両方のブレーカーの連携によって漏電・過電流を阻止できて、電気事故のリスクを大幅に減らせるというわけです。
安全ブレーカーとは【漏電ブレーカーとの違い】
次に、安全ブレーカーについて、役割や仕組み、漏電ブレーカーとの関連性を解説していきます。それぞれ見ていきましょう。
安全ブレーカーの役割
安全ブレーカーは、電気回路に流れる電流が一定量を超えた時に、自動的に電気の供給を遮断する装置。メインブレーカーや漏電ブレーカーと異なり、複数の回路に分岐されているので、エリアごとに過電流やショートのリスクを回避できます。
例えば、キッチンで複数の家電を一気に使って規定電力量がオーバーした場合は、キッチンエリアの安全ブレーカーのみが落ちるため、停電箇所もキッチンのみで済むのです。
安全ブレーカーの仕組み
安全ブレーカーは内部に「熱動作式」や「電磁式」の遮断機構を備えているので、回路に流れる電流が一定量を超えると、その遮断機構によって電流が遮断されます。
熱動作式は、熱の膨張で反応し、電磁式は急激な電流増加に即反応する仕組み。複数の回路にそれぞれ取り付けられているため、回路単位で異常を検知・遮断できます。
漏電ブレーカーとの関連性
漏電ブレーカーと安全ブレーカーは異なるリスクに対応しています。安全ブレーカーは「電流の量」に対して作動し、漏電ブレーカーは「電流の流れ方の異常」に反応するので、電気火災や感電事故の防止には両方の機能が必要不可欠です。
特に、漏電が起こっていなくても過電流だけで事故につながるケースがあるため、住宅ではこの2つを併用するのが一般的と言えるでしょう。
漏電ブレーカーと安全ブレーカーのトラブル対処法【違いと共通点】
では、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの、それぞれのトラブル対処法を見ていきましょう。落ちる時のよくある現象と原因、それぞれの対策を、各ブレーカー別に解説していきます。
漏電ブレーカーが落ちる原因と対策
漏電ブレーカーが落ちる現象ごとに、原因を探っていきましょう。
【現象①】特定の家電を使った直後にブレーカーが落ちる
原因として、使用中の家電・電化製品が漏電していると考えられます。漏電修理は業者に依頼すべきですが、漏電している家電を特定できれば、とり急ぎ安全が確保できるはず。以下手順で、漏電箇所をチェックしてみてください。
- 家中の家電製品のプラグをすべて抜いてからブレーカーを上げる
- 一つずつ電源を入れて、どの機器が原因かを確認する
- 漏電の可能性がある機器は使用を中止し、専門業者に点検依頼する
漏電している箇所が見つかったからと安心せず、必ず専門業者に点検を依頼してくださいね。
【現象②】浴室・洗面所・屋外など、水まわり近くの配線が劣化している
経年劣化や湿気により、見えない部分で漏電している恐れがあります。目に見えない漏電は被害状況が測れないので、早急に専門業者に連絡しましょう。
【現象③】電源タップ・延長コードが破損している
電源タップなどが破損していると、水まわりの水滴やほこりが侵入して漏電を招くので、漏電ブレーカーが落ちる原因と言えるでしょう。まずは、ひび割れなどが起きている電源タップや延長コードをはずし、専門業者に連絡してください。
そもそも、電源タップや延長コードを多用していると、トラッキング現象が起きやすくなるので、コンセントが足りないなら増設を相談してみるのをおすすめします。
トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの間に溜まったほこりや汚れが湿気を帯び、電気の通り道が形成されて、放電や発火につながる現象。家電製品の電源がオフの状態でも起こりえるので要注意!
コンセントの増設に関しては、以下記事を参考にしてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
コンセント増設工事の費用相場は?料金を抑えるコツも【設置目的別に詳細解説】
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安全ブレーカーが落ちる原因と対策
安全ブレーカーが落ちる現象から原因、対策までチェックしていきます。
【現象①】複数の電化製品を同時に使用している
ドライヤーや電子レンジ、電気ポットなど、高出力機器の同時使用は、安全ブレーカーの落ちる一番の原因です。同じ回路内の規定電力量がオーバーしている証拠なので、使うタイミングを工夫する必要があるでしょう。
【現象②】コンセントや延長コードがタコ足配線になっている
タコ足配線が多い場合も、一ヵ所のエリアに電力の負荷がかかっていると言えます。家電を分散させたり、差しっぱなしの家電を減らしたりする対策を取りましょう。
もし、家電の配置や増減が難しいなら、各回路のアンペア数を見直す必要があります。ライフスタイルにあわせて、不便のない家電配分を、電気工事業者に相談してみてください。
ブレーカー落ちる=安全性に問題がある状態です。もし頻繁に落ちるようなら、速やかに電気工事士などの有資格者に点検を依頼しましょう。
漏電ブレーカーや安全ブレーカーが上がらない時の対処法は、以下記事を参考にしてください。
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漏電ブレーカー・安全ブレーカーの交換すべき時に違いはある?
漏電ブレーカーと安全ブレーカーは、いずれも電気の異常を検知して住宅を守る装置ですが、交換すべきタイミングがまったく同時期とは言い切れません。
漏電ブレーカーは、漏電による被害を防ぐ役割を担っているので、ブレーカーが落ちるのに漏電が見当たらないなどの誤作動が頻発するなら、その時点で修理や交換が必要です。一方、安全ブレーカーは電流の使い過ぎを防ぐ装置なので、電力容量の見直しが先決と言えます。
どちらも設置から10年以上経過している場合は劣化のリスクがあります。寿命を考慮して、交換を検討してください。
ブレーカーや分電盤交換を安心して依頼できる業者の探し方は、以下記事で詳しく解説しています。
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漏電ブレーカー・安全ブレーカーの寿命を延ばす方法【違いに沿った故障予防】
最後に、漏電ブレーカー・安全ブレーカーともに、故障を予防する方法をご紹介します。
漏電ブレーカーの故障予防法
漏電ブレーカーは、電気配線や機器からの漏電を感知して遮断する装置なので、漏電を防げるとその分無駄な作動もなくなります。漏電ブレーカーの寿命は約10~15年とされていますが、寿命まで故障せずに長持ちさせられるでしょう。
- 月1回のテストボタンによる作動確認
- 浴室やキッチンなど湿気の多い場所の配線を定期的に点検
- ほこりや結露による誤作動を防ぐため、分電盤まわりの清掃を心がける
漏電は、天災などが原因のケースもありますが、ほぼ、配線や機器の異常で起こります。定期的な点検が一番重要と言えるでしょう。
安全ブレーカーの故障予防法
安全ブレーカーも寿命は約10~15年程度。もちろん、寿命を迎えたら壊れる前に交換するのがベストではありますが、電流の使いすぎを減らせば、早い段階での故障を減らせるでしょう。
- 一つの回路に過剰な家電を接続しない
- タコ足配線は避ける
- ライフスタイルにあった回路容量の見直しを検討する
過負荷が起きやすい回路は、キッチンまわりやリビングなど、家電の多い箇所と言えます。不便のない程度に家電の使用量や生活習慣を見直すのが、ブレーカーの故障予防にも快適さにもつながるはずです。
漏電ブレーカー・安全ブレーカーの違いは電気工事業者に聞いてみよう!
漏電ブレーカーと安全ブレーカーの違いについて、詳しく解説しました。
日常の電力をつかさどるブレーカーの役割を把握しておくと、いざという時に安心。もし自宅のブレーカーの種類が分かりにくい場合は、電気工事業者に聞いてみるのもおすすめです。
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安全ブレーカーも重要パーツ!
不安点は電気工事業者へ
漏電ブレーカー・安全ブレーカーの違いに関するよくある質問
-
Q. 漏電ブレーカーと安全ブレーカーの見分け方を教えてください。
A.各ブレーカーは、表示とボタンの有無が見分けるポイントです。
漏電ブレーカーは「漏電遮断器」や「ELB」と表示され、テストボタン(Tボタン)が付いているのが特徴。一方、安全ブレーカーは「配線用遮断器」や「MCB」と表示され、回路ごとに複数設置されています。
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Q. 漏電ブレーカーが見当たらないのですが。
A.古い住宅や分電盤では、漏電ブレーカーが設置されていない場合があります。分電盤内に「テストボタン付きのブレーカー」がなければ、漏電遮断機能が未搭載の可能性が高いでしょう。
漏電を察知できないリスクがあるので、電気工事業者に相談するのをおすすめします。
-
Q. ブレーカーの点検はどちらに依頼すべきですか?
A.ブレーカーの点検は、電気工事士の資格を持つ電気工事業者に依頼しましょう。
業者に依頼すれば、安全性の確認だけでなく、老朽化や不具合が見つかった場合も、そのまま修理・交換対応してもらえます。