2025.08.07 2025.08.07
この記事では、キュービクルの新設・増設時にかかる費用や、抑えておくべきポイントについて徹底解説します。
オフィスビルや商業施設、工場など大量の電気を必要とする施設では、電気代を抑えるのに高圧受電施設(キュービクル)の利用は欠かせません。ただ、キュービクルには規模や種類がさまざまあり、費用の幅も広いです。
そこで、記事後半では、価格を左右するポイントや導入コストを抑えるコツまで詳しくご紹介していきます。導入や増設を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
キュービクルの設置・増設費用の基礎知識【コストを左右する容量3段階】
キュービクルは受電容量により大きく価格が異なり、主に大型・標準・小型の3種類に分類されます。容量が大きいほど本体価格は高額になり、設置条件や必要な付帯工事も増えます。
以下は、一般的な本体価格の目安です。
種類 | 容量目安 | 本体価格の相場 |
---|---|---|
大型キュービクル | 500kVA以上 | 1,000万円〜2,000万円 |
標準キュービクル | 300〜500kVA | 500万円〜1,000万円 |
小型キュービクル | 100〜300kVA | 300万円〜500万円 |
以下では、それぞれの特徴や設置例を解説します。
大型キュービクル
大型キュービクルは500kVA以上の大容量で、大規模工場や商業施設、病院など電力需要の高い施設に設置されます。高負荷設備や24時間稼働施設にも対応可能で、安定供給が強みです。
ただし設置には広いスペースと強固な基礎工事が必要で、付帯工事費も高額になります。
標準キュービクル
300〜500kVA程度の容量を持つ標準タイプは、中規模工場やオフィスビル、ショッピングモールなど幅広く使われています。容量とコストのバランスが良く、将来的な増設にも対応しやすいのが特徴です。
設置スペースや工事期間も比較的標準的で、多くの事業所に選ばれています。
小型キュービクル
100〜300kVA程度の容量で、小規模工場や学校、公共施設などに適しています。初期投資を抑えられ、設置に必要なスペースや工事も最小限で済むのがメリットです。
電力消費の少ない施設や将来の拡張を見越して導入するケースが多く、コストを抑えたい場合に有効です。
キュービクルの設置・増設にかかる費用総額はどのくらい?内訳相場まとめ
キュービクルの設置・増設費用は、本体価格に加え、工事費用、メンテナンス費用、その他付帯費用で構成されます。総額は小型で数百万円、大型では数千万円に達することもあります。
予算計画を立てる際は、本体価格だけでなく長期的な維持費や将来の更新費も考慮しましょう。以下に主な費用内訳を解説します。
工事費用
基礎工事や配線・配管工事、搬入据付、試運転調整までを含む工事費は、規模や設置環境によって200〜800万円程度が目安です。大型や特殊条件では1,000万円を超えることもあります。
メンテナンス費用
法令により年2回以上の定期点検が義務付けられています。1回あたり5万円〜15万円程度、年間で10万円〜30万円ほどが一般的です。部品交換が発生すればその分の費用も追加されます。
その他の費用
輸送費、クレーン使用料、既設機器の撤去費、各種申請費用などが該当します。条件次第で数十万円〜100万円以上かかるケースもあり、見積もり段階で必ず確認が必要です。
キュービクル設置・増設工事費用のコスト変動要因4つ!正確な予算を見積もろう
キュービクルの設置や増設工事にかかる費用は、単に本体価格だけでなく、現場条件や仕様によっても大きく変動します。
- キュービクルの種類
- 設置場所や周辺環境
- 設置工事するのが複雑な場合
- 特殊な要件の設定
予算を正確に見積もるためには、どの要因がコストに影響を与えるのかを把握しておきましょう。
キュービクルの種類
大型・標準・小型で本体価格や必要な工事内容が変わります。容量が大きいほど付帯設備も高仕様になり、工事規模も拡大します。その結果、設置工事費用も比例して高額になります。
設置場所や周辺環境
搬入経路が狭い、屋上設置、地下室設置などの場合はクレーンや特殊搬入車が必要になり、費用が上がります。周辺道路の通行規制や交通誘導員配置も追加コスト要因です。
設置工事するのが複雑な場合
既存建物との接続工事や地下埋設配線、長距離ケーブル敷設など、工事工程が増えると人件費や材料費が増加します。特殊工法や夜間工事もコストを押し上げる要因です。
特殊な要件の設定
防音、防塵、防災対応、耐震補強など特別仕様を求める場合は、設計や材料コストが加算されます。これらは安全性や快適性を高めますが、予算を圧迫する要因にもなります。
条件が増えるほど実際の見積り額が業者によって大きく異なってくるので、まずは複数の業者から見積もりをとってみましょう。
キュービクルの設置・増設工事費用を抑えるコツ4選
キュービクルの設置・増設は高額な投資ですが、計画段階の工夫でコストを抑えることができます。適正な容量選定、不要機能の見直し、関連工事との同時施工、複数社見積もりの活用が代表的な方法です。以下で詳しく解説します。
適切な容量を選ぶ
将来的な電力需要増加も考慮しつつ、過剰な容量設定は避けます。容量を大きくしすぎると本体価格や工事費が無駄に高くなります。現状と将来予測をもとに最適化しましょう。
付加機能の必要性を考える
防音、防塵、防錆などの付加機能は必要に応じて選択します。不要なオプションを外すことで、数十万円単位でコスト削減が可能になります。
関連工事と同時に行うか検討する
建物の増改築や他の電気設備工事と同時に施工することで、仮設工事費や人件費を共有でき、全体のコストを下げられます。スケジュール調整がポイントです。
複数社から見積もりを取る
業者によって工事費や本体価格の設定が異なります。複数社見積もりを比較し、価格だけでなく工事内容や保証条件も確認して選定しましょう。
キュービクル増設費用は特に抑えられる!コストを下げられる変圧器交換について
増設を検討する際、新設よりも安価に対応できる方法が変圧器の交換や追加設置です。既存のキュービクルを活かしつつ容量アップや効率改善が可能で、工期も短縮できます。
以下は一般的な費用相場です。
工事内容 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
変圧器交換(同容量) | 100〜200万円 | 老朽化対応や効率改善が目的で、比較的短期間で施工可能 |
容量アップ型への交換 | 150〜300万円 | 電力需要増に対応し、既存設備の活用範囲を拡大できる |
変圧器の追加設置 | 200〜400万円 | 既存キュービクルをそのまま使用し、必要な分だけ容量を増加 |
変圧器交換は施設の稼働を止めずに行えるケースも多く、運用への影響を最小限に抑えられるのが利点です。予算や必要容量を踏まえて、業者と最適な方法を検討しましょう。
キュービクルの設置・増設費用を抑えるなら!まずはプロに見積もりを
キュービクルの設置・増設の際は、まずは複数の専門業者に見積もりを出してもらいましょう。さまざまな条件で工事費用が変動するので、適正価格を見極めるためにも、複数社から見積もりをもらって比較することが重要です。
セーフリーでは、複数の工事業者を掲載しています。口コミ評価も豊富で比較検討に便利なので、安心できる業者をお探しの人は、ぜひご利用ください。
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キュービクルの設置・増設は
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キュービクルの設置・増設工事費用に関するよくある質問
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Q. キュービクルの新設・増設費用の目安を教えてください
A.工事費用については、規模や設置環境によって200〜800万円程度が目安です。
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Q. キュービクルの設置費用は、新設でも増設でも同じですか?
A.設置場所の状況やキュービクルの容量、仕様によって費用は大きく変動します。
-
Q. キュービクルの設置費用や増設費用を抑える方法はありますか?
A.以下4つの方法があります。
- 適切な容量を選ぶ
- 付加機能の必要性を考える
- 関連工事と同時に行うか検討する
- 複数社から見積もりを取る