2025.08.07 2025.08.07
この記事では、快適な環境で業務がはかどるオフィスの床下配線について徹底解説します。OAフロアとも呼ばれる床下配線は、床下に配線スペースを確保することによりケーブルなどがごちゃごちゃせず、スッキリとしたオフィス空間を維持できるシステムです。
「オフィスは床下配線、二重の床にした方が良い?」
「フリーアクセスフロアとOAフロア、二重床の違いは?」
「オフィス床下のメンテナンスはどうすれば良い?」
などの疑問を持っている方も必見!
記事後半では、オフィスに床下配線を導入するメリットや、種類の多いOAフロアの選び方などまで詳しくご紹介。オフィスの床下配線状況や新規導入を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
オフィス床下配線の導入費用・維持管理コストはどのくらい?2つの事例
オフィスの床下配線導入には、現状のレイアウトや環境によって費用や施工期間が大きく異なります。例えば、既に机や椅子が並び、業務を続けながら配線を整える場合と、移転直前で家具が何もない状態から施工する場合では、作業効率や必要な工程が異なります。
前者では、家具移動や作業スペース確保のための時間が追加でかかり、夜間や休日施工が必要になることもあります。後者では、工事がスムーズに進むため費用を抑えやすく、短期間での完成も可能です。
以下では、2つの事例を参考に導入費用や管理コストについて解説します。
- ごちゃごちゃしてしまっているケーブルを整理したい
- オフィス・事務所移転先のテナントが二重床になっていない
ごちゃごちゃしてしまっているケーブルを整理したい
既存オフィスでケーブルが乱雑になっている場合、業務スペースを確保しながら施工を行う必要があります。この場合、家具の移動や養生作業が必要になり、通常よりも工期と費用が増える傾向です。
夜間工事や休日施工を選択することも多く、1平方メートルあたりの施工費用は1.5〜2万円程度になることも。施工方法としては、部分的にOAフロアを導入して配線をまとめる方法や、既存床下に配線ダクトを増設する方法が適しています。
オフィス・事務所移転先のテナントが二重床になっていない
移転先が二重床(OAフロア)になっていない場合は、ゼロからOAフロアを敷設する必要があります。家具や備品がない状態のため、作業効率が高く、施工期間は50〜100㎡規模であれば1〜3日程度が目安です。
費用はタイプによって異なり、支柱タイプは平米あたり1.5〜2万円、置敷タイプは1〜1.5万円程度が相場です。
さらに詳しく知りたい方はこちら
オフィス移転のコツ完全版【費用相場〜事務所引越しスケジュール・手続きまで】
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オフィス床下配線の構造とは?OAフロア種類2選
OAフロアは、配線を床下に通すために設けられた二重構造の床で、主に「支柱調整式タイプ」と「置敷タイプ」の2種類があります。以下に費用目安と特徴をまとめます。
OAフロアの種類 | 特徴 | 費用目安 (㎡あたり) |
---|---|---|
支柱調整式タイプ | 支柱で高さを調整し、床下に広い配線スペースを確保できる。 | 1.5〜2万円 |
置敷タイプ | 支柱を使わずパネルを敷くだけで施工が容易。 | 1〜1.5万円 |
支柱調整式タイプ
床下の高さを自由に調整でき、大規模な配線や電源工事に向いています。重い什器を置いても安定しやすく、長期的な利用に適しています。
置敷タイプ
置敷タイプは、支柱を使わずにパネルを既存の床に直接敷き詰めるOAフロアで、施工が簡単で短期間で導入できるのが特徴です。さらに、置敷タイプにはいくつかのバリエーションがあり、素材や構造によって性能や用途が異なります。
種類 | 特徴 | 適しているケース |
---|---|---|
樹脂製パネルタイプ | 軽量で施工・移動が容易 | 小規模オフィス |
スチール製パネルタイプ | 高耐荷重で重い什器にも対応可能 | 大型コピー機や金庫など重量物を設置するオフィス |
木質系パネルタイプ | 遮音性や断熱性が高い | 快適性を重視するオフィスや会議室 |
耐荷重や施工のしやすさ、快適性など、自社の利用状況に合ったタイプを選びましょう。
オフィスに床下配線を導入するメリット
床下配線の導入は、オフィスの見た目を整えるだけでなく、安全性や業務効率、将来のレイアウト変更の自由度を高めるなど、多くの利点があります。
- 配線が整理され管理しやすくなる
- 床上にケーブルが出ず見た目がすっきりする
- レイアウト変更や増設が柔軟に行える
- つまずき防止など安全性が向上する
- 清掃がしやすく衛生的な環境を保てる
導入後の利便性や安全性は長期的なコスト削減にもつながります。
オフィスに床下配線を導入する際の注意点4つ
床下配線は便利ですが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。
- 施工条件を確認する
- ドアのタイプ・開閉スペースを確認する
- すでにOAフロアでないかどうか確認する
- 配線工事には電気工事士の資格が必要
施工条件や構造的制約を把握しないまま進めると、工期の延長や追加費用の発生につながることがあります。事前に確認を徹底し、安全かつ効率的に施工できる計画を立てましょう。
施工条件を確認する
ビルやテナントには施工可能な曜日・時間、騒音や粉じんに関する制限が設けられている場合があります。管理会社への事前確認は必須で、条件によっては夜間や休日工事となり、費用が上がることもあります。
ドアのタイプ・開閉スペースを確認する
OAフロアは床が数センチ高くなるため、ドアの開閉に干渉することがあります。特に内開きドアや引き戸は注意が必要で、場合によってはドアの加工や交換が必要になることもあります。
すでにOAフロアでないかどうか確認する
既存のオフィスがすでにOAフロア仕様であるにもかかわらず、床上配線をしているケースがあります。この場合は、新規施工ではなく既存フロアの配線工事だけで済むため、費用と工期を大幅に削減できます。
配線工事には電気工事士の資格が必要
LANや電話線の敷設は誰でも可能ですが、電源工事は電気工事士の資格が必要です。無資格施工は法令違反であり、安全面でも危険が伴うため、必ず有資格者に依頼しましょう。
無資格の工事は法律違反!
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オフィスへの床下配線導入時のOAフロアの選び方【5つのコツ】
OAフロアの選択は、導入後の使い勝手や耐久性、将来の拡張性に直結します。素材・構造・価格・耐荷重性能など、複数の要素をバランス良く検討することが重要です。
用途やオフィス環境によって適切なタイプは異なり、短期利用か長期利用か、設置する什器の重量や配線量などによっても選び方が変わります。以下の5つのポイントを押さえておくことで、導入後の後悔を防ぎ、長期的に安定して利用できるOAフロアを選べるでしょう。
料金から検討する
まずは予算を明確にし、それに応じたOAフロアを選びます。支柱タイプは高耐久で長期利用向きですが、平米単価は1.5〜2万円と高めです。一方、置敷タイプは1〜1.5万円程度とコストを抑えやすく、短工期で導入可能です。
初期投資だけでなく、将来の配線変更や増設にかかるコストも含めて総合的に判断することが大切です。
施工期間で選択肢を絞る
移転や改装などのスケジュールに合わせて、施工期間も重要な判断基準となります。支柱タイプは高さ調整や固定作業に時間がかかるため、工期は数日〜1週間程度必要です。置敷タイプはパネルを並べるだけで施工でき、1〜2日で完了することもあります。
業務を止められないオフィスでは、短工期で済む方法を選びましょう。
配線量を確認して選ぶ
配線量は床下の高さやパネル構造の選定に大きく影響します。LANケーブルや電源、映像配線などの本数と太さを事前に把握することで、必要なスペースを確保できます。
将来的に機器が増える可能性がある場合は、余裕を持った高さのOAフロアを選び、増設やルート変更が容易に行えるようにしておくことが理想です。
オフィス内の什器を確認して耐荷重で検討する
重量のある什器や機器を設置する場合は、耐荷重性能の確認が欠かせません。一般的なOAフロアの耐荷重は3000N(約300kgf)前後ですが、コピー機や金庫などの重量物を置く場合は、それ以上の耐荷重性能を持つ仕様が必要です。
耐荷重を考慮せずに設置すると、パネルや床下構造の破損リスクが高まります。
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材質のメリット・デメリットを比較する
OAフロアの材質は主に金属製、樹脂製、木質系があります。
金属製は耐久性と耐荷重性に優れ、長期利用に向いています。樹脂製は軽量で施工が容易なため、短期間利用や小規模オフィスに最適です。木質系は遮音性や断熱性に優れ、快適性を重視する空間に向いています。
それぞれの特徴を比較し、オフィスの用途や環境に最適な材質を選びましょう。
床下配線のオフィス導入におすすめのOAフロアメーカー3選
OAフロアメーカーによって、得意とする施工方式や製品性能が異なります。メーカー選びは、導入後のメンテナンス性や耐久性に直結するため、信頼性と実績を重視することが重要です。
ここでは、品質と施工実績に定評のある3社を紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社の条件に合ったメーカーを選びましょう。
共同カイテック
支柱調整式タイプをはじめ、耐荷重性能の高い製品ラインナップが充実しており、大規模オフィスや長期利用を前提とした環境に最適です。施工精度の高さにも定評があり、レイアウト変更や増設にも柔軟に対応できます。
フクビ化学工業
軽量な樹脂製OAフロアを得意とし、施工のしやすさとコストパフォーマンスの高さが特徴です。小規模オフィスや短工期の案件に向いており、部分導入や移転時の施工にも適しています。
センクシア
高耐荷重仕様や特殊形状への対応など、カスタマイズ性に優れた製品を展開しています。耐久性と機能性を兼ね備え、工場や特殊用途のオフィスなど、幅広い環境に対応可能です。
オフィスに床下配線を導入するなら配線工事は業者依頼必須!まずは相談を
オフィスに床下配線を安全かつ迅速に導入したいのであれば、専門の業者に依頼しましょう。特に配線工事は、電気工事士の資格がない人の自力での施工はできません。
配線工事対応の電気工事業者をお探しの際は、セーフリーの活用が便利です。オフィスのあるエリアで複数の業者を比較検討でき、口コミも豊富なので優良業者を見つけられます。
厳正な審査基準で信頼できる業者のみを掲載しているので、電気工事業者探しにお役立てください。
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オフィスの床下で配線するためのよくある質問
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Q. 床下配線はどんなオフィスでできますか?
A.オフィスであればどのような場所でも可能です。
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Q. 床下配線のオフィス導入におすすめのOAフロアメーカーはありますか?
A.- 共同カイテック
- フクビ化学工業
- センクシア
などが有名です。
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Q. 床下配線を導入する際の注意点はありますか?
A.以下の4つに注意してください。
- 施工条件を確認する
- ドアのタイプ・開閉スペースを確認する
- すでにOAフロアでないかどうか確認する
- 配線工事には電気工事士の資格が必要