2024.12.02 2024.12.05
屋根の再塗装の時期について、判断の目安となる劣化状況や季節など様々な要素をご紹介します。
一般的に屋根塗装の塗り替え年数は約8~12年と言われていますが、使用した塗料の種類や環境条件によって微妙に異なります。
そのため屋根の再塗装を考慮する際には、経過年数よりも劣化状況を見極めるのがおすすめ。屋根塗装の時期について最適な見極め方を解説していきます。
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目次
屋根塗装の時期は年数よりも劣化サイン!
屋根塗装の時期は、経過年数で考えるよりも劣化サインで判断する方がおすすめです。
一般的に屋根塗装の再施工は外壁と同じで10年前後と言われていますが、外壁よりも雨風や紫外線の影響をもろに受ける屋根の塗装は、もっと再塗装サイクルが早くなる可能性があります。
ただ塗装の種類や環境で違いがあり一概には何年と言い切れないため、屋根の塗装時期は年数より劣化サインで見極めるのがよいでしょう。
とはいえ、目視ですぐに分かる劣化の兆候もあれば、重症化したサインが見えるようになるまで劣化に気づかないこともあるので、定期的な点検や補修が必要です。
屋根塗装の再施工を考えるべきサイン
屋根塗装の再施工を考えるべきサインについてご紹介します。
屋根の塗装は普段なかなか目にできない部分ですから、どれだけ劣化しているか、どんな状態になっているか把握しにくいという難点があります。
ただ以下のような幾つかのサインが見られた場合には、再塗装を考えるべきでしょう。
- コケやカビの発生
- 瓦のひび割れ
- 瓦の反り
- 瓦の破損
- 漆喰の劣化
- 棟板金の浮きや釘抜け
- 屋根材のサビ
- 屋根材の色褪せ
それぞれの劣化サインを詳しく解説していきます。
コケやカビの発生
もし屋根にコケやカビが発生しているなら、屋根の再塗装を考えるべき時期と言えるでしょう。
前回の塗装から時間が経ち屋根材の塗膜が劣化してくると、防水性が落ちてコケが発生してきます。上に乗った雨水を十分に弾くことができず、湿気がこもってコケやカビとなるのです。
これをそのまま放置すると屋根材の腐食の原因となり、やがては雨漏りが酷くなりますので、早い段階での再塗装やメンテナンスが必要です。
瓦のひび割れ
塗装が劣化して防水機能が低下した屋根は、乾燥や外的な衝撃でひび割れを起こすことがあります。
ひび割れた部分を放置していると、やがては裂け目が大きくなり、その部分から雨漏りが酷くなる可能性も。また何かの拍子に破片が下に落ちたり、大きく割れるかもしれません。
はじめはちょっとしたひび割れでもどんどん悪化することもありますので、被害が大きくなる前に補修や屋根の再塗装を考慮してみるべきでしょう。
瓦の反り
特にスレート瓦の屋根の場合、防水性が劣化していくと、瓦の反りが顕著に見られるようになります。
これは天候にも大きく左右されるのですが、瓦が強い日差しにより乾燥したり、寒い季節に水が染み込んだまま凍ったりする状態を繰り返すと、瓦が端から反り上がってきます。
こうやって隙間ができると、そこから水が浸入して雨漏りやカビなどの原因になりますので、瓦の反りの症状が見られたら補修や再塗装を検討してください。
瓦の破損
瓦の破損も屋根塗装の再施工を考える時期と言えます。
たとえ小さな欠けのような破損でも、雨風で知らないうちに症状が悪化し、大きく割れて落下してしまうことも少なくありません。特に台風が多い地域は注意が必要でしょう。
少しでも瓦の破損を認識しているのであれば、早めの対策をおすすめします。
漆喰の劣化
漆喰の劣化が見られる場合も、屋根の再塗装を考えるべきタイミングです。
特に日本瓦やセメント瓦においては、瓦をくっつけるため、もしくは固定するために漆喰を使用しています。一般的に瓦自体は50年以上維持できるとされていますが、ただ弱点はこの漆喰部分。
この漆喰も年数によって消耗するもので、強い紫外線や強風、外部からの衝撃、雨などの影響で劣化していきます。
乾燥によって漆喰がひび割れていたり、欠けたり剥がれたりしているのを見つけた時にはすぐにメンテナンスが必要です。放置しておくと、瓦の落下や雨水の侵入が酷くなりますので要注意。
棟板金の浮きや釘抜け
特にスレート屋根材の場合は、屋根の内部に雨水が入らないようにかぶさっている棟板金の状態に注意が必要です。
この棟板金を固定している釘が様々な影響で抜けてしまうと、その釘の穴から徐々に雨水が侵入し、内部の腐食が進みます。経年の劣化もありますが、気候や周りの環境も大きく起因しています。
これは外からパッと見てわかる症状ではありませんので、業者に依頼して定期的なメンテナンスや点検を行う必要があるでしょう。
屋根材のサビ
屋根材にサビが見られた場合も、再塗装の必要があります。このサビの症状は瓦の屋根には見られませんが、トタンやガルバリウム鋼板などの金属素材の屋根に多く見られる症状です。
屋根塗装の防水機能が低下していくと、初めは少しだけだったサビがどんどん進行して、最終的には腐食が進み屋根材に穴を開けてしまいます。
そうなるとすぐに雨漏りの被害が出ますので、早急な対策が必要でしょう。補修して屋根の再塗装をするか、屋根材の取り換えとなります。
屋根材の色褪せ
屋根材の色褪せの症状も再塗装のサインと言えます。
日頃から紫外線を直で受ける屋根は、外壁に比べて色褪せの症状が比較的早く出ます。色褪せは塗膜の劣化が進んでいるサインのひとつですが、今すぐどうにかなるというものではありません。
ただ劣化が進んでいることに変わりはありませんから、そのうち様々な要因が重なると、もっと重大な劣化サインに変化する可能性もあります。
特に紫外線がよく当たる日当たりの良い家や暑い地域は注意が必要です。定期的に点検をして、色褪せが進んでいないか、その他の症状が出ていないかチェックしてください。
屋根の再塗装をする最適な時期
屋根の再塗装をする最適な時期についてご紹介します。
屋根塗装は基本的に一年中いつでも可能ですが、特に適した時期を選定した方がスケジュールがスムーズに進む場合も。これは気温や地域などにも関係する要素です。
いつが最適なのか、どんな注意点があるのか詳しく解説します。
春(3月~5月)
一般的に屋根塗装に一番向いている時期は、3月から5月にかけての春と言われています。
屋根塗装では気温が大切な要素となりますが、春の時期は高温でも低温でもなく、湿度もちょうどよいので塗装向きです。塗料の乾燥が早すぎることもなく、硬化が遅すぎることもありません。
また春は人間にとっても心地よい気温が続く時期ですので、暑くも寒くもなく職人にとっても作業しやすく、塗装施工の効率が良いと言えるでしょう。
しかももし屋根に何らかのトラブルがあるなら、雨漏りなどを事前に防ぐためにも雨が多くなる梅雨前に補修する必要があります。春の時期に済ませてしまえば、一年を快適に過ごすことができるというわけです。
秋(9月~11月)
春と同様、秋の時期も屋根塗装に向いているシーズンです。塗料が乾くのにも適度な気温ですし、晴れる日が多いため塗装のスケジュールも組みやすいでしょう。
また雨が少ない時期ですので、湿度も低めで落ち着いており屋根塗装には特に向いています。寒冷地などの特異エリアでない限りは、9月後半から11月終わり、もしくは12月初めごろまで行えます。
ただ注意する必要があるのは、台風の到来です。こればかりは正確に予測できませんが、日本は例年夏の終わりから秋にかけての時期に台風が多く、大きな影響を受けがちです。
特によく台風が上陸する地域は決まっていますので、そのエリアに住んでいる場合は秋に屋根塗装をするのは控えたほうがよいでしょう。
地方の気候の特徴にも考慮が必要
地方の気候の特徴に考慮した時期の選定も大切です。
通常の屋根塗装は春か秋の時期が最適と言われますが、寒冷地の場合は暦では春といってもまだ少し気温が低すぎます。
他の地域は暖かくなっていたとしても、東北地方などの寒い地域は少し遅めに気温が上がり始め、多少の温度の違いがあるからです。
そのような地域性がある場合は、春よりも夏の方が気温がちょうどよいこともありますので、柔軟に調整するべきです。
梅雨の時期は避ける
雨が多くなる梅雨の時期は、屋根塗装に適した時期ではありません。
特に梅雨の時期は雨がいつどのくらい降るか分からず、しかも湿度も高いため、塗装には適していません。施工スケジュールも立てづらいですし、何より塗装の仕上がりの質が下がります。
塗装業者に中には、塗装の閑散期となる梅雨の時期にリーズナブルな価格で屋根塗装を請け負うところもあります。仕事の依頼が少なくなるので、職人の給与のためにも安い契約で受けてくれるのです。
ただ施工スケジュールが天候の影響でダラダラと延びたり、湿度の高さのゆえ塗装が乾かないなどのトラブルも少なくありません。
どうしても安く済ませたいなら人気のない時期を選ぶ必要があるかもしれませんが、おすすめはできません。
屋根塗装のメンテナンスは最適な時期を選ぶのが重要
屋根の再塗装の時期について目安となる劣化サインや向いている季節など、様々な要素をご紹介しました。
一般的な屋根塗装の塗り替え年数は約8~12年と言われていますが、家の環境によって状態は異なるため、再塗装の目安は年数よりも劣化サインを見て判断してください。
とはいえ、屋根は簡単に点検できる箇所ではありませんので、なかなか素人には判断しにくいものです。ですから、日頃から信頼できる業者に点検やメンテナンスを依頼してください。
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