2025.01.29 2025.02.28
遮熱塗装の節電効果や特徴をご紹介します。
遮熱塗装は、近年注目を集めている塗装技術の一つです。特に、夏場の厳しい暑さ対策やエネルギー消費を抑える方法として、多くの住宅や建物に採用されています。
この記事では、遮熱塗装に期待できる節電効果、また耐用年数や特徴を詳しく解説します。
目次
遮熱塗料の耐用年数の目安
遮熱塗料の耐用年数の目安をご紹介します。
遮熱塗料の耐用年数は、塗料の素材や種類によって大きく異なります。通常の塗料と違って特殊な顔料が含まれていますが、耐用年数としては通常の塗料とはあまり変わりません。
一般的に以下の耐用年数が目安となっています。
- アクリル系塗料: 約5〜7年
- ウレタン系塗料: 約7〜10年
- フッ素系塗料: 約12〜15年
遮熱塗料の耐用年数は、立地条件や施工方法に大きな影響を受けます。特に沿岸部や大気汚染が多い地域では、塗料の劣化が早まることがあるため、定期的な点検が必要です。
また遮熱効果があるとはいえ、日当たりの良い南向きの屋根や壁面はずっと日光が当たっているため、劣化が進みやすく、より耐久性の高い塗料を選ぶことが推奨されます。
さらに施工時に、防汚性を高めるコーティングを追加することで、汚れによる性能低下を抑えることも可能です。
遮熱塗料の性能
遮熱塗料の性能について詳しくご紹介します。
遮熱塗料の大きな役目の一つは、太陽光の赤外線を反射することで建物の温度上昇を抑えることです。この性能は、以下の要素によって支えられています。
- 高い日射反射率:太陽光を効率的に反射して外壁や屋根への熱吸収を防ぐ
- 蓄熱抑制効果:表面温度を下げることで建物内部の温度上昇を抑える
- 遮熱効果の持続性:適切な塗料選定とメンテナンスを行うことで長期間の効果が期待できる
遮熱塗料はこの性能を発揮することで、太陽光の熱が建物内部に伝わりにくくなり、夏場の室内温度を快適に保つことができるのです。
また紫外線による塗膜の劣化を遅らせる効果もあるので、よく日光が当たる地域や暑さが長く持続するエリアにある家の塗装に向いているでしょう。
ただこの塗料の遮熱性能は、塗料の種類によって大きく違いがあり、適切な使い方をしないと効果を発揮できません。そのため、建物の特性や使用目的に合わせて適切な選択を行うことが重要です。
遮熱塗料のメリット
遮熱塗料のメリットについてご紹介します。
遮熱塗料を住宅の外壁や屋根に塗ることには、以下のようなメリットがあります。遮熱塗料の使用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
電気代を節約できる
遮熱塗料の一番のメリットは、熱の伝導を抑えることによる、室内温度の上昇を抑える効果です。
特に夏の暑い時期に効果が実感できますが、室内の温度が上がらないことによってエアコンの使用頻度が減少し、結果的に電力消費が削減され電気代の節約が期待できます。
具体的な事例としては、遮熱塗料を施した建物では室内温度が約2℃〜5℃近く低下するケースも。冷房負荷を軽減し、省エネ効果を実感したい方におすすめです。
熱による建物の劣化を防ぐことができる
遮熱塗料の効果は、室内だけでなく外側にも及びます。
塗装によって外壁や屋根への熱負荷を軽減し、建材の膨張や収縮によるダメージを防ぎ、建物の寿命を延ばすことも可能です。これは結果的に、修繕費用の削減にも繋がるでしょう。
建物の外壁や屋根は、高温にさらされ続けると徐々に劣化が進み、ひび割れや色褪せが発生するものです。遮熱塗料を使用することで、こうしたダメージを未然に防ぐ効果が期待できます。
室温を適切に管理できる
遮熱塗料を使用することで室温の安定化を図ることができ、快適な居住環境を保つことが可能になるメリットもあります。
特に夏場の暑さ対策として効果的で、夏場はずっと冷房をつけっぱなし…というご家庭には特におすすめ。温度管理が必要な小さなお子さんや高齢の方、ペットがいらっしゃるご家庭にぴったりでしょう。
ただ遮熱塗料の効果は特に夏場の室温管理に限定されるものですが、断熱材と併用するなら冬場の保温効果の向上も期待できます。一年を通して室温を安定させたい場合は、プラスの工夫が必要です。
遮熱塗料のデメリット
遮熱塗料のデメリットについてご紹介します。
メリットが多い魅力的な遮熱塗料ですが、現実的に考えるといくつかのデメリットも存在します。デメリットの内容をよく把握してから、使用するかどうかを検討してください。
塗装費用が高い傾向がある
遮熱塗料の大きなデメリットは、一般的な塗料に比べてコストが高めであることです。
場合によっては初期費用が高額になるケースも少なくないため、使用を検討する前に費用対効果を考える必要があるでしょう。
もちろん長期的に考えると電気代削減に効果的なのですが、一度に必要となる金額が大きいので、予算との兼ね合いもあります。投資価値がある選択を望む方にはおすすめです。
汚れに弱く効果の持続が難しい
遮熱塗料は汚れに弱い性質があるため、たとえ遮熱対策用の塗料を使用していても汚れが付着すると日射反射率が低下する可能性があります。その結果、遮熱効果が損なわれることも。
特に工場が多いエリアの大気汚染や砂埃が多い地域、排気ガスが多い幹線道路の近くでは注意が必要です。その際には、汚れ防止効果のある塗料やコーティング剤を併用して問題を軽減できるでしょう。
また雨水によるセルフクリーニング効果を持つ塗料もありますので、併用を検討してみてください。
断熱効果は見込めない
遮熱塗料は太陽光を反射することで建物の表面温度を下げますが、熱伝導を抑える断熱効果は期待できません。そのため断熱材との併用が推奨されます。
遮熱塗料と断熱材を組み合わせることで、夏場の遮熱効果と冬場の断熱効果を同時に得ることが可能です。これにより、一年を通じて快適な居住空間を実現できるでしょう。
おすすめの遮熱塗料の種類と特徴
おすすめの遮熱塗料の種類と特徴についてご紹介します。
遮熱塗料と言っても、その種類は幅広く、特徴もそれぞれ異なっています。予定しているメンテナンスサイクルや予算、外壁や屋根の材質などを加味して決定する必要があるでしょう。
以下は代表的な遮熱塗料の種類と特徴です。
塗料の種類 | 特徴 | 耐用年数 | 費用の相場 |
---|---|---|---|
アクリル系遮熱塗料 | 安価で施工しやすいが耐久性は低め | 約5~7年 | 1㎡あたり3,500~5,500円 |
ウレタン系遮熱塗料 | 耐久性がありコストパフォーマンスがよい | 約7~10年 | 1㎡あたり4,500~6,500円 |
フッ素系遮熱塗料 | 耐久性と遮熱効果が高いが費用が高め | 約12~15年 | 1㎡あたり5,500~8,000円 |
それぞれの遮熱塗料を詳しく解説していきます。
アクリル系遮熱塗料
アクリル系遮熱塗料は、アクリル樹脂を主成分とした塗料で、安価でコストパフォーマンスがよく、カラーバリエーションが豊富な特徴があります。しかも透明度が高いものが多く、鮮やかで綺麗な発色が見込めます。
また施工しやすい特徴もあり、ほとんどの業者が対応可能という扱いやすい塗料でもあるのです。ただ、遮熱塗料の中では一番耐用年数が短いので、長期間の効果の維持は見込めません。
〇アクリル系がおすすめのケース
- 短期間で何回も塗り直しをしたい方
- 費用をリーズナブルに抑えたい方
- 近々建て替えやリフォームの予定がある方
- 比較的鮮やかなカラーを選びたい方
ウレタン系遮熱塗料
ウレタン系遮熱塗料は、ウレタン樹脂をした成分とした塗料で、高い耐久性とコストパフォーマンスの良さのバランスが取れています。総合的にパーフェクトな遮熱塗料と言えるでしょう。
施工技術によっては10年程度の耐用年数を誇りますし、柔軟性もあるため施工しやすく、屋根や外壁どちらにも塗装可能です。防水機能もあるので雨が多い地域におすすめ。
ただ変色しやすい性質があり、紫外線が当たり続ける場所での長期間の効果持続は見込めません。
〇ウレタン系がおすすめのケース
- コストパフォーマンスを重視する方
- 中規模の住宅や建物・施設に遮熱塗装したい方
- 夏の冷房電力軽減に期待したい方
フッ素系遮熱塗料
フッ素系遮熱塗料は、蛍石を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料で、耐用年数は20年クラスを誇ります。耐久性と耐候性に優れ、汚れにくい性質もあるのでまさにパーフェクト。
ただ効果が高いぶん、掛かる費用が高額であること、塗膜が硬くひび割れが起きやすいなどのデメリットがあります。ですがデメリットよりもメリットの方がはるかに上回るため、人気の塗料です。
長期間効果を維持したい方や大型の施設などの塗装によく使用されています。
〇フッ素系がおすすめのケース
- 長期的に使用する予定がある建物の塗装をしたい方
- 紫外線の影響を受けやすい屋根を重点的に遮熱したい方
- 汚れが付きやすい地域に住んでいる方
- 頻繁に塗り替えができない大型の住宅・建物の塗装をしたい方
遮熱塗料を決定する時の注意ポイント
遮熱塗料を決定する時の注意ポイントについてご紹介します。
遮熱塗料にはいくつもの種類がありますので、適切なものを選ぶ際には以下のポイントを考慮するとよいでしょう。それぞれのポイントを具体的に解説していきます。
効果が持続しやすいカラーを選ぶ
遮熱塗料を選ぶ時には、効果を最大限に引き出すためにも、太陽光を反射しやすい明るい色を選んでください。遮熱効果を最大化するには、白や淡い色などの日射反射率の高い色がおすすめ。
好みのカラーもあるとは思いますが、濃い色は遮熱効果が劣る場合があるため、慎重に検討する必要があります。建物の雰囲気との調和や予算なども加味して決めることができます。
遮熱塗料の取り扱いが多い業者に依頼する
遮熱塗料の施工実績が豊富な業者を選ぶことで、施工品質が向上します。事前に実績や口コミを確認するのがおすすめ。
遮熱塗料の施工には専門的な知識と経験が必要です。実績のある業者、もしくは具体的な塗料の提案やアフターサービスができる業者を見極めてください。
下地の状態をよく確認する
遮熱塗装に限ったことではありませんが、通常塗装を行う時は下地の状態が重要です。もし下地が劣化していると塗料の性能を十分に発揮できません。
下地に劣化の症状や傾向が見られるなら、まずは塗装よりも補修が先です。適切な下地処理を行うことで遮熱効果の持続性が向上しますので、見逃さないようにしましょう。
遮熱塗装は実績を積んだ塗装業者への依頼がおすすめ!
遮熱塗装の節電効果や特徴をご紹介しました。
遮熱塗装は近年注目を集めている塗装スタイルですが、夏場の厳しい暑さ対策やエネルギー消費を抑える方法として人気があります。
ただ、遮熱塗装において重要な塗料選びや施工してくれる業者を探すことは容易ではありません。とはいえ、遮熱塗料の性能を最大限に引き出すためには、信頼できる施工業者への依頼が不可欠です。
もし遮熱塗料についてのアドバイスや専門的な知識が必要な場合は、適切な専門家や塗装業者を探せる「セーフリー」をご活用ください。
「セーフリー」には多数の外壁・屋根の塗装業者が掲載されており、その中から遮熱塗装の実績がある業者を比較検討して探すことが可能です。優良で頼りになる塗装業者が見つかります!
- どの遮熱塗料がいいのか分からない
- 遮熱塗料のカラー選びが不安
- 費用の相談ができる業者を知りたい
遮熱塗装は実績がある業者に頼もう!まずは見積もり・相談から!
遮熱塗装に関するよくある質問
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Q. シックなカラーにしたいけど効果がないって本当ですか?
A.通常、遮熱塗装のカラーは明るい色の方がいいと言われています。実際に色によって効果に差があると報告されており、黒に近い色よりも城に近い色の方が日射反射率が高いです。もちろん家のカラーですので好みの色を選べますが、遮熱効果を重視するならシックな色よりも明るいカラーがおすすめです。
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Q. 遮熱塗装の期間はどのくらいですか?
A.塗装の範囲や住宅のサイズなどにもよりますが、一般的な戸建て住宅の場合は3~5日程度で施工できます。下地に補修などが必要なら、もう少し期間が延びるでしょう。
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Q. 遮熱塗料のツヤあり・ツヤなしで効果に違いはありますか?
A.基本的には、ツヤがあるかないかで遮熱効果に差は出ません。塗料メーカーの種類によって、似たようなものでも日射反射率が変わる場合がありますが、大きく違いがあるわけではありません。遮熱塗料のツヤに関しては、ツヤあり・3分ツヤ・ツヤ消しタイプなどがあり、バリエーションに富んでいます。