2025.08.03 2025.08.03
ハウスメーカーの防水工事はなぜ高いのか、費用や品質を専門業者と比較します。
住宅を長持ちさせるうえで欠かせない防水工事ですが、いざハウスメーカーに依頼しようとすると予想以上に高額になるケースも。その理由を解説していきます。
この記事を読めば、高品質な防水施工を適正価格で依頼するための判断基準がわかり、余計な出費を防ぐことが可能です。防水工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ハウスメーカーの防水工事が高くなる主な理由
ハウスメーカーの防水工事が高くなる主な理由についてご紹介します。
ハウスメーカーによる防水工事はコストが高くなる傾向がありますが、その背景にはいくつかの要因が複合的に絡み合っています。
ここでは、積水ハウスの防水工事やへーベルハウスの施工といった有名メーカーに関連する例も交えながら、費用が高騰する理由を掘り下げていきましょう。
中間マージン構造によるコスト増
基本的にハウスメーカーが行う防水工事は、実際には自社で施工するのではなく、下請けや孫請け業者に外注するケースがほとんどです。そのため、「中間マージン」が発生して費用が膨らむのです。
たとえば積水ハウス防水の工事では、施工業者と管理業者が分かれており、監督料や管理費用が追加されることも少なくありません。
依頼者が直接施工業者と契約できないので、価格の透明性が低くなる点もデメリットと言えるでしょう。
ブランド維持のための仕様指定や過剰提案
多くの場合、大手のハウスメーカーは自社ブランドの価値を保つために、一定の基準や工法を厳しく定めています。これは高品質な施工に繋がっているのですが、そのぶん費用には負担となります。
このブランド性重視のスタイルは、結果的に「過剰品質」や「高級材料」の選定につながり、必要以上の出費を依頼者に強いることに繋がる可能性も。
たとえば、大手ハウスメーカー「へーベルハウス」の防水工事では、独自の仕様に準拠した防水材料や工法が採用されており、一般的な施工より高額な金額に設定されています。
建物全体の統一感や耐久性を重視している点では評価できますが、コスト面では悩ましいポイントです。
長期保証・点検サービスなどの上乗せ費用
大手ハウスメーカーの強みのひとつが、10~20年といった長期保証や定期点検サービスの提供です。しかし、その分のコストが価格に上乗せされていることも総合的に高い費用の要因です。
新築の住宅であれば、長期的なメンテナンス計画を魅力的に感じて金額に納得できる部分もありますが、築年数によっては短期的な工事だけを希望するため、割高に感じるでしょう。
このように将来を見据えたサービスが費用を押し上げていることも理解しておく必要があります。
ハウスメーカーと専門業者の比較|費用・品質・保証の違い
防水工事に関してハウスメーカーと専門業者の比較をご紹介します。
ここでは、それぞれの価格相場・使用する工法・保証内容などの観点から、双方の条件を具体的に比較していきましょう。どちらに依頼するか決めかねている場合は、ぜひ参考にしてください。
価格相場の違い
ハウスメーカーと専門業者の防水工事の価格相場には、明らかに差があります。以下の表は、工法別に相場を比較できるように記載されていますので、それぞれを比べてみましょう。
工法の種類 | ハウスメーカー相場 (㎡単価) |
専門業者相場 (㎡単価) |
備考 |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 6,000〜9,000円 | 4,000〜6,000円 | 最も一般的で施工実績が多い |
FRP防水 | 7,000〜10,000円 | 5,000〜7,000円 | 高耐久だが費用は高め |
シート防水(塩ビ) | 7,000〜9,000円 | 5,000〜7,000円 | 屋上や陸屋根で多用される |
シーリング工事 | 1,000〜1,800円 (m単価) |
600〜1,200円 (m単価) |
外壁やサイディングと同時施工が多い |
※上記は一般的な費用相場で、実際の価格は建物の構造や地域、下地状況によって変動します。正確な金額を知りたい場合は、実際の見積もりを比較するのが確実です。
使用する工法・材料の違い
使用する工法や材料も、双方を比較するとかなりの違いがあります。
ハウスメーカーの場合、工法・材料ともに自社基準に沿った選定がなされるのが基本です。メーカー仕様でなければ認可されないケースもあり、工法の選択肢が狭まります。
そのためハウスメーカーの防水工事は、結果的に質は良くても柔軟性が低く、施工コストが上がる傾向が。
一方、専門業者は選ぶ業者によって多少の差は出ますが、現場に応じて適切な工法や材料を提案してくれるため、無駄を省いた施工が可能となります。
工法や材料に柔軟性を求める方は、専門業者の対応のほうが合っているかもしれません。
保証内容・アフター対応の違い
大手のハウスメーカーは保証年数が長い一方で、対象条件が細かく設定されています。「構造体に影響を及ぼす施工ミスのみ保証」といった内容も多く、実際に保証を受けるには条件のハードルが高いケースも。
一方、専門業者はハウスメーカーに比べると保証年数は比較的短い傾向にあります。ですが、中には柔軟なアフター対応を行ってくれる業者も存在しますので、一概にアフターケアが悪いとは言えません。
長期間安心して過ごしたいと希望する家主には、ハウスメーカーの工事の方が無難です。
ハウスメーカーと専門業者のどちらに依頼すべきか
防水工事は、ハウスメーカーと専門業者のどちらに依頼すべきなのでしょうか?
これはどちらが優れているというよりも、自身のニーズと予算に応じた選択が求められる問題です。ハウスメーカーと専門業者、それぞれの特徴を把握したうえで自分に合った依頼先を見極めてください。
ハウスメーカーが向いている人の特徴
ハウスメーカーの防水工事が向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 新築時に依頼したハウスメーカーを継続して利用したい
- 保証や点検など長期的な安心を重視する
- ブランドイメージや品質に信頼を置いている
専門業者が向いている人の特徴
専門業者の防水工事が向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 費用をできるだけ抑えたい
- 工事の内容を柔軟に相談したい
- 複数の工法から最適な方法を選びたい
判断する際のチェックポイント
防水工事の依頼先を選ぶ際は、以下の点を必ず確認しましょう。
- 提案内容や費用内訳が明確に提示されているか
- 保証の対象範囲や期間が納得できる内容か
- アフター対応の有無と内容はどうか
また上記のような情報を得て比較するためには、実際に業者から見積もりを取り寄せることが最も確実です。近年、ウェブ上で複数社の見積もりを一括依頼できるサービスもあるため、ぜひ活用してみましょう。
防水工事のプロから見積もりを無料で取り寄せて、最適な選択を進めましょう。
防水工事を依頼する前にチェックしておきたい3つの注意点
防水工事を依頼する前にチェックしておきたい3つの注意点をご紹介します。
防水工事の失敗やトラブルを防ぐには、事前のチェックや確認が欠かせません。以下の3つのポイントを中心に抑えておきましょう。
見積もり内容を細かく確認する
防水工事で失敗しないためには、見積もり内容を細かく確認することが大切です。
特に、工法や費用の欄のチェックは入念にしてください。よく見られるケースですが、見積もり書に「一式」と記載されている場合は、どこまでが施工範囲なのか、どの費用のことを指しているのか分からないことも。
不明瞭な部分が一つでもあると、後々大きなトラブルに発展する可能性もありますので、材料費・施工費・管理費などの内訳を詳細に明示してもらい、疑問点は必ず確認しましょう。
保証条件・対象範囲を事前に確認しておく
正式な依頼の前には、保証の有無だけで判断せず、具体的な保証の条件や対象範囲をよく把握しておくことも大切です。条件や範囲に関しては、双方の認識にずれがあるケースが少なくありません。
特に防水工事に関して多いケースは、「自然災害は対象外」などの但し書きです。自然災害と言っても、台風などの頻度が高いものから、地震などの頻度の少なめのものまで幅広くあります。
曖昧な表現で記載されている場合、いざという時にごまかされる可能性もありますので、依頼前に細かくケース別の保証条件や範囲を確定させておきましょう。
複数業者から相見積もりをとる
防水工事を依頼する前には、必ず複数の業者から見積もりを取って、費用や条件を比較してください。
最初から一社に絞ることは非常に危険ですし、費用面でも大きく損をする可能性も否めません。一般的には、最低でも3社程度から見積もりを取ることが推奨されています。
金額や条件の比較だけでなく、見積もりを依頼した際の担当者の対応や見積もりの明瞭さ、提案内容の丁寧さも判断ポイントとなるでしょう。
費用と安心のバランスを見極めて最適な選択を!
ハウスメーカーの防水工事が高い理由と専門業者との比較についてご紹介しました。
大手ハウスメーカーの防水工事は品質や安心感を提供してくれる一方で、どうしても費用が高くなる傾向があります。安心料と思って割り切れる方もいらっしゃいますが、予算が限られているなら厳しい可能性も。
一方、防水工事の専門業者をよく選んで依頼することで、ハウスメーカー並みの防水品質をより安価に実現できる可能性もあります。
大切なのは価格だけで選ばずに、信頼できる業者かどうか丁寧に見極めることです。複数の見積もりを比較することで、自身の状況にとって最適な選択が分かるでしょう。
もし複数の防水業者の見積もりを取得したいのであれば、業者検索サイト「セーフリー」にお任せください。セーフリーでは、防水工事における評判のよい業者を検索し、条件やエリアで絞ったうえで比較可能!
検索から依頼までのステップを効率よく進めたい方は、ぜひセーフリーをご活用ください。
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初めての防水工事は不安がいっぱい…
まずは良心的な価格の業者を探そう
防水工事に関するよくある質問
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Q. 防水工事の期間はどのくらいですか?
A.防水工事の期間は、施工範囲や住宅の状況、または工法によって大きく異なります。一般的にベランダ防水なら4日程度、基礎防水は長くて1週間程度、外壁防水は長くて1カ月程度など差が出ます。
見積もり提示の際に、スケジュールに関しても担当者に確認してみることをおすすめします。
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Q. 防水工事の保証期間は平均どのくらいですか?
A.工法や施工した業者にもよりますが、一般的に5~10年が平均年数です。新築の場合は10年程度、修理や補修のケースでは5年とされることがほとんどでしょう。
これも見積もりや契約の際に分かることですので、正式な依頼前に確認しておきましょう。
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Q. ハウスメーカーの防水工事の保証条件には何がありますか?
A.一般的にハウスメーカーの防水工事の保証条件には、防水工事をメーカー規定の方法や材料で行うこと・規定内の自然災害のみ適用・必要なメンテナンスを受けていることなどの条件があります。
これもハウスメーカーによってルールに差がありますので、確認しておくことをおすすめします。