2025.06.05 2025.06.05
ベランダの防水シートの貼り方をご紹介します。
ベランダ防水、特に防水シートの施工はDIYでも取り組みやすく、正しい手順と適切な材料を使用すれば高い効果を期待できます。本記事では、防水シートの貼り方の手順を順を追って解説。
この記事を読めば、ベランダのシート防水の貼り方手順を正しく理解でき、揃えておくとよいアイテムも知ることができるので、すぐに施工に取り組めます。ぜひ参考にしてください。
目次
ベランダに防水シートを貼る手順
ベランダに防水シートを貼る手順についてご紹介します。
一般的に、専門の業者が請け負うことが多いシート防水ですが、規模が小さいならセルフでも施工可能です。ただ正しい手順やコツを押さえておかなければ、やり直しや不良の原因になることも。
以下から、防水シートを貼る手順を詳しく解説します。
1.下地を適切に処理する
防水シートを適切に貼り、なおかつ長持ちさせるためには下地の準備が欠かせません。
まずベランダの床面に付着している汚れやゴミを綺麗に取り除き、頑固な汚れであれば必要に応じて高圧洗浄機で清掃してください。汚れがあるままではシートが密着せず、浮きや剥がれの原因となるからです。
高圧洗浄機などを使用して綺麗に汚れを取った後は、必ず完全に乾燥させます。水分や油分が残っていると施工に問題が生じるためです。
また、ベランダ面にひび割れや穴などがある場合は、補修材で埋めて平滑にし、完全に乾燥させましょう。
2.防水シートを準備する
ベランダ面の下準備が終わったら、次にシートの準備をします。施工するベランダの寸法を正確に測定し、必要な長さと幅のシートを用意してください。
防水シートは種類によって厚みや柔軟性が異なりますが、基本的にはベランダの隅々までしっかりカバーできるよう余裕を持たせたサイズを確保することが重要。
ベランダの角や隅、排水口周辺など形状が複雑な部分には、予めシートを型取りしてカットしておくと施工がスムーズに進みます。密着性を高めるためにこの細かな作業が欠かせません。
カットした後は巻き癖を取るために、一定時間広げておくと作業がスムーズに進むでしょう。
3.防水シートを貼り付ける
いよいよシートを貼りつけていきますが、下地に専用の接着剤または強力な両面テープを均一に塗布してから、端から少しずつゆっくりと貼り進めていきます。
金属ベラや圧着プレートを使って空気を抜きながら密着させるとよいでしょう。浮きやシワが発生しないように力を入れて全体に圧をかけるのがポイント。
特に端や継ぎ目部分は剥がれやすいため、重ね貼りや補強を意識しながら丁寧に圧着してください。
4.コーキング剤の塗布する
防水シートの継ぎ目や端には、必ずコーキング処理を施してください。特に重なっている部分や角、手すりの基部などは水が浸入しやすいため、コーキング剤を多めに塗布してヘラで均等にならして密閉します。
コーキング材にも様々な種類がありますが、防水機能の高いものとして知られているシリコン系や変成シリコン系など、耐候性や柔軟性に優れた素材のものを選ぶことで、より長く防水性能を保てるはずです。
5.仕上げの防水塗料を塗る
最後の工程として、防水シート全体の表面にトップコートを塗布します。これにより、毎日当たる紫外線や風雨による劣化を防ぎ、防水層の耐久性が向上します。
トップコートはローラーや刷毛を用いて均一に塗り、完全に乾燥させた後に2度目の塗布を行うとより効果的。1回でも問題ありませんが、重ねた方がより強度は増します。
トップコートの乾燥時間はメーカーや製品の種類によって異なるため、必ず取扱説明書を確認して施工を行いましょう。
ベランダに防水シートを貼る際の注意点
ベランダに防水シートを貼る際の注意点についてご紹介します。
素人でも手順を守れば施工可能な防水シートですが、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。貼り直しやトラブルの元にならないように、以下の注意点を理解しておきましょう。
シートの継ぎ目はしっかりコーキング処理する
防水シートの施工で気を付けるべきポイントは、水漏れを防ぐためのコーキング処理の徹底です。きちんとコーキング処理をしていないと、継ぎ目から水が浸入して防水機能を果たせません。
継ぎ目部分は防水施工の中でも特に弱点になりやすい箇所です。コーキング処理を怠ると、結果的に内部の劣化や雨漏りの原因になります。見た目よりも機能を重視し、厚めに塗布するようにしましょう。
排水口周辺は特に入念に接着の必要あり
継ぎ目以外にも気を付ける箇所はあり、そのひとつが排水口周辺です。雨水などを排水する場所なので塞ぐことはできませんが、水の出入りがあって形状も複雑なので弱い箇所です。
接着剤や両面テープなどを重ねて使用し、隙間がないようにくっつけて特に念入りな施工を心がけてください。水の逆流や詰まりを防ぐため、勾配にも注意して貼ってください。
シートは空気が入らないようにゆっくり貼る
シートに空気が入らないように丁寧に施工することも大切です。
防水シートの施工中に空気が入り込んでしまうと、シートの浮きや膨れにつながり、防水機能が著しく低下します。貼る際は、ゆっくりと均等に圧をかけながら作業を進めてください。
特に大きいサイズや長いタイプのシートの場合、均等に空気を抜いていく作業が難しいため、複数人で横に並んで均等に、ゆっくりと圧を加えつつ押さえていきましょう。
施工中は途中で止めたりせずに、一気に一定のリズムで貼る方が綺麗に仕上がるのでおすすめです。
ベランダに防水シートを貼る際のおすすめアイテム
ベランダに防水シートを貼る際のおすすめアイテムについてご紹介します。
防水シート施工時には、専用に用意されているアイテムを揃えると効率よく作業が進みます。もちろん、職人使用の本格的なアイテムを揃える必要はありませんが、中にはホームセンターで揃う便利アイテムも。
効率よく仕上がりの良い防水シート施工をするためにも、参考にしてみてください。
金属ヘラ
金属ヘラは、防水シートの角や細部の密着に最適な工具で、コーキングのならし作業にも使える万能アイテムです。細かい部分のシート密着に便利なので、一つあると大助かり。
インターネット通販でもリーズナブルなものが販売されていますが、建築用と防水用があるため、防水用を選ぶようにしてください。
圧着プレート
圧着プレートは、防水シートのジョイント部分を均一に転圧するために作られた圧着板で、いくつも付いているローラーが均一に圧をかけて密着させることが可能。
たとえ広範囲であったとしてもしっかり圧力をかけることができ、広い面を一気に押さえる時には効果的です。人間の手で均一に圧力をかけるには限界がありますので、このアイテムがあると便利でしょう。
平板転圧ローラー
平板転圧ローラーは、防水シート施工用の転圧ローラーで、下地がどんな状態でもシートを均一な力で圧着してくれるアイテムです。
平面部はもちろん、立ち上がり部やコーナーなど様々な施工に向いており、持ち運びも便利なものが多いので重宝します。一人で空気抜きをしなければならない時の強い味方です。
タッカー
タッカーは大型のホッチキスのような工具のことで、防水シートを固定するために使用します。この工具でがっちりと固定しながら作業できるため、作業効率がかなり上がります。
ステッチャー
ステッチャーは、防水シートの隅や重ねている部分、継ぎ目の圧着に特化しているアイテムです。特に排水口や隅部の圧着に効果的で、細かい部分を確実に押さえて水と空気の侵入を防ぎます。
またシートの端を叩いて密着させることで隙間を塞ぎますので、防水性を高める補助道具として重宝するでしょう。
ベランダに採用できるシート防水の種類
ベランダに採用できるシート防水の種類についてご紹介します。
一般的にベランダに使用できる防水シートの種類は、「ゴム防水シート」と「塩化ビニール防水シート」の2種類です。見た目は似ていますが、2種類のシートの特徴は異なります。
それぞれの特徴を把握して、適切な防水シート選びをしましょう。
ゴム防水シート
一般的に良く採用されることが多いのが、ゴム防水シートです。ゴム防水シートは弾性に優れており、伸縮性も手伝って下地の動きに柔軟に追従するため、ひび割れや振動の多い場所に適しています。
厚みは塩化ビニールシートより薄い傾向がありますが、そのぶん価格はリーズナブルで選ばれやすいでしょう。一般的に黒色やグレーが多く、表面は滑りにくい加工がされています。
また経年劣化が少ないため、メンテナンスも簡単なのが魅力でもあります。
塩化ビニール防水シート
ゴム防水シートよりも少し高価なのが、塩化ビニール防水シートです。塩化ビニール防水シートは、耐候性に優れており、紫外線や雨風にも強い素材が特徴。
特に、色あせや劣化が起こりにくく、長期間にわたって機能を維持できるのが大きなメリットです。工場であらかじめ成形されたシートなので、加熱による溶着が可能で高い防水性を誇ります。
ゴム防水シートよりも色のバリエーションが豊富で、見た目の美しさにも配慮可能。住宅の外観に合わせたカラー選択ができる点も人気の理由のひとつです。
ベランダの防水シート施工の費用目安
ベランダの防水シート施工の費用目安をご紹介します。
以下の表は、一般的な防水シートの費用目安および耐用年数です。ベランダによく採用されるゴム防水シートと塩化ビニール防水シートの2種類を比較しています。
種類 | 費用(1㎡あたり) | 耐用年数 |
---|---|---|
ゴム防水シート | 約4,000〜6,000円 | 約10~15年 |
塩化ビニール防水シート | 約5,000〜7,500円 | 約10~20年 |
もしセルフで防水シートを施工するのであれば、この費用の目安を参考にできますので、かなり安価に施工可能です。ですが技術や仕上がりに不安がある場合は、プロへの依頼を検討した方がよいでしょう。
長持ちするベランダの防水シート施工ならプロに依頼を
ベランダの防水シートの貼り方をご紹介しました。
ベランダの防水シート施工は、正しい手順と適した材料を使用すれば、標準的な防水効果を十分期待できます。揃えておくとよいアイテムなども駆使して、効率よく施工を進めてください。
ただセルフの防水シート施工は、コスト面でのメリットがある一方で、施工不良によるトラブルのリスクも否めません。長期間の防水性確保や耐久性を重視するなら、防水工事専門業者に依頼しましょう。
防水の専門業者であれば、仕上げまで一貫して丁寧に対応してくれますし、保証制度が付いている業者も多く、アフターケアまで見込める点も安心材料です。
防水工事に慣れている業者を探す際には、是非「セーフリー」をご活用ください。セーフリーなら、エリアや条件を絞ったうえで経験豊富な防水工事業者を検索でき、効率的に業者選びが可能です。
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防水工事に関するよくある質問
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Q. ベランダの防水工事はどの工法が向いていますか?
A.一般的に多く採用されるのは、ウレタン防水、シート防水。FRP防水です。修繕の有無、面積、予算などによって向いている工法は変動します。
中でも、ウレタン防水とシート防水は施工も比較的容易で、価格もリーズナブルなので選ばれやすい傾向があります。
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Q. FRP防水はセルフで施工可能ですか?
A.FRP防水はもちろんセルフで施工可能です。ただウレタン防水などと比べて施工難易度は高めなので、ベランダなどの範囲が狭い所での施工がおすすめ。
ちょっとでも失敗すると、全ての範囲の再施工が必要ですので、慎重に判断してください。
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Q. ウレタン防水工法の保証期間はどのくらいですか?
A.業者によって保証期間には幅がありますが、一般的な期間は5年~10年です。とはいえ、トップコートの再塗装が約5年程度で必要になりますので、5年に一度は点検するということになります。
定期的にメンテナンスしていれば、保証期間内にトラブルが起こることは少ないでしょう。