2024.10.06 2024.10.06
この記事では、柿(かき)の木の剪定について徹底解説していきます。
50~100年ほどと寿命が長く、その上どんどん成長する柿の木は、毎年適切に剪定していかなければなりません。大きくなりすぎると剪定どころか実を収穫する作業も難しくなってしまうので注意しましょう。
ここでは、下記の木の剪定時期や具体的なやり方について詳しく解説します。記事後半では剪定を成功させるコツもご紹介していますので、失敗なく育てるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
柿の木の剪定時期はいつ頃?【適切なお手入れのタイミングとは】
柿の木は、実の収穫が終わった12~2月に剪定します。12~2月は休眠期なので、樹液の流れが少なく、剪定によるダメージを受けにくいためです。
また、不用な枝を剪定するなら6~7月も良いでしょう。6~7月は軽い剪定のみですが、手入れすることで日当たりや風通しが良くなり、害虫や病気が発生しにくくなります。
柿の木の剪定に必要なアイテム【お手入れ道具4選】
柿の木の剪定をするなら、事前にそろえておきたい必須のお手入れ道具が4つあります。
- 園芸用手袋
- 剪定バサミ
- 剪定ノコギリ
- 癒合材(ゆごうざい)
剪定中、手を保護するためには園芸用手袋が欠かせません。剪定で重宝する剪定バサミは、切れ味が良く手にフィットするものを選びましょう。
太めの枝や幹を切る時は、剪定ノコギリがあると便利です。また、太めの枝や幹を切ったら、切り口に癒合材を塗って保護します。
柿の木の剪定方法【成長段階に応じたお手入れを】
柿の木は、成長段階に応じて適切にお手入れしなければなりません。
- 若木:植えてから日が浅い木
- 成木:実を付けるようになった木
- 老木:何十年も経って樹形が崩れてきている木
なお、柿の木は剪定だけでなくつぼみや実の手入れも必要です。
- つぼみを摘み取る「摘蕾(てきらい)」:4~6月
- 実を選別して摘み取る「摘果(てきか)」:7~8月
つぼみ(蕾)や実もしっかり手入れすることで、栄養分が木全体に行き渡ります。これをふまえ、柿の木の成長段階に合わせたお手入れ方法を見ていきましょう。
若木の段階での剪定
幼木の時期は、成長を優先するため剪定は必要最低限に留めます。幹に日光がしっかり当たるように、不要な枝だけを切ることが重要。ただし、一度にたくさん切りすぎると枯れてしまう危険があるので注意しましょう。
理想の高さほどまで大きくなったら、まずは主幹から枝分かれした「主枝」を整理します。2~3本残すのが基本で、剪定の際のポイントは下記2つです。
- 主枝のうち、主幹から40度の角度で生えているものだけを残す
- 30~50cm間隔に主枝が残るようにする
主枝から枝分かれする「亜主枝」は、6~9本残すイメージにするとキレイに仕上がります。最後に、理想の高さで主幹を切り、癒合材を塗っておきましょう。樹高5mになるまで、植えてから6~12年ほどかかるのが一般的です。
成木の段階での剪定
実が収穫できるようになった成木は、毎年不要な枝を剪定しましょう。
- 古い枝
- 真上に伸びている枝
- 混み合っている枝
- 下向きに伸びている枝
- 長い枝
こうした不要な枝を剪定しますが、新しい枝咲きに実が付くので、前年の枝は切り詰めないようにします。また、柿の実は長い枝には付かないので、30cmを超える長い枝は2~3芽残して切るのもポイントです。
不要な枝が多くなってきたら、夏頃に軽く剪定して日当たりや風通しを良くしておきましょう。
老木の段階での剪定
樹形が乱れてくる老木の場合、実が付かないであろう枝をしっかり剪定しなければなりません。成木と同じように不要な枝を剪定しますが、必要な枝だけを残すように見極めてしっかり剪定するのがポイントです。
柿の木を小さくしたい場合の剪定方法
柿の木の樹高を低くしたい場合の剪定方法です。
- 理想の高さで主幹を切る
- 長い枝は分岐の付け根で剪定する
主幹は、幹と枝の間にある「ひだ」のような場所より少し上を斜めに切ります。主枝が主幹の3分の1以上の太さで3本以上残る場所を選び、剪定しましょう。ただし、主幹は一度に3分の1以上切れないので、大幅に小さくしたい場合は毎年小さくしていく必要があります。
柿の木の剪定時はどこを切るべき?【3つのポイント】
柿の木の剪定で覚えておきたいポイントは、下記の3つです。
- 枝はまっすぐ切る
- 枝は横向きに剪定する
- 枝が芽吹いているすぐ上で剪定する
長く柿の木を楽しむために、各ポイントをしっかり理解しておきましょう。
枝はまっすぐ切る
枝は、まっすぐに切って切り口ができるだけ小さくなるようにします。斜めに切るとそれだけ断面が大きくなるので、雑菌が侵入しやすくなるので注意しましょう。
枝は横向きに剪定する
枝が横向きになるように剪定することで、柿は実の付き方が良くなり、剪定もしやすくなります。剪定時は、横向きに剪定するだけでなく、横向きの枝を残すようにすることもポイントです。
新しい枝の場合は、比較的上向きの枝でも実を付けると下がってくるので残しておいて構いません。
枝が芽吹いているすぐ上で剪定する
枝が芽吹いているすぐ上で切ると、必要な部分を残し、不要な部分をしっかり剪定できます。効率的に無駄なく剪定するなら、「枝が芽吹いているすぐ上」を意識しましょう。
柿の木剪定を成功させる5つのコツ
柿の木の剪定を成功させるためのコツは、5つあります。
- 毎年剪定する
- 生理落下の後に摘果する
- 【若木】成木になるまでは剪定しすぎない
- 【成木】前年に伸びた枝は短くしすぎない
- 枝の切り口は癒合剤で保護する
失敗せずに育てるために、ぜひそれぞれのコツをチェックしておきましょう。
毎年剪定する
放置してもそこそこ実を付ける柿の木ですが、毎年剪定しないとどんどんと枝が重くなってお手入れが大変になるだけでなく、全体的に栄養が行き渡らなくなってしまいます。寿命が短くなってしまうこともあるので注意しましょう。
毎年剪定することで、日当たりや風通しも良くなり、病気や害虫の発生も予防しやすくなります。
「生理落下」の後に摘果する
柿は、梅雨の時期になると自然にいらない実が落ちる「生理落下」が起こります。生理落下が起こった後の7~8月に摘果すると効率的に作業でき、適切な実を残せます。
【若木】成木になるまでは剪定しすぎない
成木となり実を付けるまでは、5年ほどかかる柿の木。それまでの剪定は、必要最低限に留めましょう。幹に日光が届き、風通しが良くなるよう、不要な枝だけを切るのが基本です。
【成木】前年に伸びた枝は短くしすぎない
前年に伸びた枝には、花が咲いて実が付きます。そのため、前年に伸びた枝は残すか、切る場合は短くしすぎないようにしましょう。
枝の切り口は癒合剤で保護する
主幹や太めの枝を切ったら、必ず癒合材を塗って切り口を保護します。切り口から病原菌が侵入して木が病気になってしまったり、害虫が発生してしまったりするためです。
癒合材を塗らずにいると木が枯れることもあるため、注意しましょう。
柿の木の剪定依頼の費用相場は?【業者依頼の料金は高い?】
柿の木の剪定は、専門の業者へ依頼するのもおすすめです。特に大きくなった柿の木の剪定は脚立や高枝切りバサミを使いますが、転倒やケガのリスクが高くなるため、無理せず業者へ依頼するのが良いでしょう。
業者へ依頼した場合の費用は、4,000~30,000円が相場です。木の状態や作業の難易度などによって費用が異なるので、まずは見積もりを取ってみましょう。
柿の木の剪定は毎年!しっかり実らせるなら業者依頼がおすすめ!
美味しい実をつける柿の木ですが、定期的に剪定しないとどんどん大きくなり、7mほどにまで成長することがあります。庭木として手入れしやすい大きさを保つためには、毎年しっかり剪定しましょう。
大きくなった柿の木の剪定時は、転倒などのリスクに十分注意しなければなりません。無理せず業者へ依頼することも検討しましょう。
セーフリーには、柿の木の剪定を請け負う業者を多数掲載しています。業者検索しやすい環境が整っているので、自宅近くで依頼しやすい業者を見つけやくなっています。
セーフリーを活用して依頼先を見つけ、柿の木や果実の収穫を長く楽しんでいきましょう。
柿(かき)の木の剪定方法と適切なお手入れ時期【失敗知らずの5つのコツも解説!】のよくある質問
-
Q. 柿の木の剪定にベストな時期は?
A.柿の木はの剪定は、12~2月が適しています。ほか、軽い剪定なら6~7月も良いでしょう。
-
Q. 柿の木の剪定方法は?
A.実を付けている成木の場合、不要な枝を剪定するのが基本です。
・古い枝
・真上に伸びている枝
・混み合っている枝
・下向きに伸びている枝
・長い枝上記を中心に、必要な枝のみを残すようにしましょう。
-
Q. 柿の木の剪定を成功させるコツは?
A.柿の木の剪定を成功させるコツは、下記の5つです。
・毎年剪定する
・生理落下の後に摘果する
・【若木】成木になるまでは剪定しすぎない
・【成木】前年に伸びた枝は短くしすぎない
・枝の切り口は癒合剤で保護する
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