2025.06.06 2025.06.06
この記事では、大きくなりすぎたサツキをバッサリ剪定する方法や時期について詳しく解説していきます。
サツキを小さくするには、バッサリ切るいわゆる「強剪定」が最適ですが、「どこまで切って大丈夫?」「下手に切って枯れてしまったりしない?」などと思ってなかなか手をつけられないケースは多いものです。
記事後半では、剪定後のサツキを弱らせないお手入れ方法やなるべく小ぶりなサツキをキープするコツまでご紹介。バッサリ切って失敗したくない方、サツキを良い状態で保ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
サツキのバッサリ剪定はなるべく避けたほうがよい【3つの理由】
サツキの強剪定は、基本的にはおすすめしません。それは次のような理由があるからです。
- サツキ自体に負担をかける
- 切り口が大きいため、回復力のないサツキは枯れやすい
- 樹形が大きく崩れてもとに戻るため時間がかかる
詳しく解説します。
サツキ自体に大きな負担をかける
強剪定は太い枝を根本から切り落としたり、多くの枝や葉を剪定したりする作業です。そのため、サツキは基本的に丈夫な植物ですが、強剪定によって大きなストレスを与えます。
例えば、夏に強剪定すると、日光を遮る葉が少なくて日焼けして弱くなったり、冬に剪定すると寒さに耐えられず枯れてしまったりします。そのため、強剪定では切り過ぎないことや剪定時期が重要です。
切り口が多いため回復に時間がかかる
強剪定によって大きな切口ができ樹木に大きな負担をかけるため、回復に時間がかかります。切口から病害虫が侵入しやすくなり、枯れてしまうリスクあるでしょう。
また、花付きが悪くなるリスクもあります。剪定した年には花は咲きませんが、数年間にわたって花が咲かないこともあり得ます。
回復まで病害虫を予防したり、栄養を与えて管理したりしましょう。
樹形が大きく乱れる
強剪定で一気に切り落とすと、樹形が乱れます。例えば、一部だけ枝が極端に短くなったり、長く飛び出したりと全体のバランスが悪くなります。
また、木の内部がスカスカになるなど、見た目が悪くなり美しさが損なわれるでしょう。
上記のようにサツキの強剪定には大きなリスクを伴うため、プロへ相談するのが安心です。
サツキをバッサリ強剪定する前に定期的な手入れが大切!通常剪定と強剪定の違いも
強剪定のリスクについて上記で解説しましたが、そもそもサツキを毎年定期的に選定すれば、強剪定を行う必要はありません。ここでは、通常の定期的なお手入れを紹介しつつ、強剪定との違いも解説します。
毎年定期的に行う必要があるのは、樹形を整えるための刈り込み剪定や樹木の健康を保つための透かし剪定(混み合った枝を間引きする)や枯れた枝などを除去する剪定です。剪定時期も剪定方法も以下のように大きく異なります。
サツキの通常剪定 | サツキの強剪定 | |
---|---|---|
剪定の目的 | ・翌年に花が咲きやすくするため ・健康で美しい樹形を保つため |
・大きくなりすぎたサツキを小さくするため |
剪定時期 | 6月下旬 花が咲いたあとすぐの時期 |
3月 花が咲く前の時期 |
剪定方法 | ・木の表面を刈り込む ・不要な枝や密集した枝を間引きし風通しをよくする |
・枝を途中や根元から切り落とす ・数年間かけて段階的な剪定がおすすめ |
適切な時期や目的を理解して、正しい剪定方法を行うのが重要です。
自分で剪定する場合、次から紹介する適切な時期と正しい剪定方法を見て、参考にしてください。
サツキをバッサリ剪定するのに最適な時期【ダメージの少ない季節とは?】
サツキを剪定するのに最適な時期は開花前の3月頃です。強剪定の時期は木の体力に余裕がある開花前の3月頃が適しており、ダメージが少なく済みます。
一方、強剪定時期に向いていないのは、夏や冬の時期。暑さや寒さにダメージを受けやすいので避けましょう。
サツキをバッサリ剪定する方法!小ぶりに整う3ステップ
サツキをバッサリ剪定する方法として、枝を途中で切り落とす「切り戻し剪定」で、木の高さを調節します。
剪定バサミを用意して次のような手順で進めてください。
- 太く長い枝を根元へたどっていき、葉の付いた細い枝を見つける
- 細い枝が分岐している少し上の位置で、太い枝を剪定バサミで切り落とす
- 全体が理想の大きさになるまで、太く長い枝をすべて切り落とす
枝ごとバッサリ切ってしまわないよう、注意しましょう。
切った後の処理方法
太い枝を切った後は癒合剤(ゆごうざい)で処理するのが重要です。癒合剤はキズの塞がりが早くなり、病害虫の侵入も防げます。剪定後すぐに癒合剤を塗布します。
- ヘラや刷毛、タオルなどを準備する
- 樹液がしみ出ている場合はタオルなどで事前に拭き取る
- ヘラや刷毛を使って切り口の端まで全体的に塗り広げる
- 塗布後はそのまま、数日間放置する
- 1ヶ月ほど経過したら剥がす
癒合剤はペースト状や液状など種類が複数あるので、塗り心地や乾燥時間など、自分の好みに合わせて選びましょう。
癒合剤はつけっぱなしにするとサツキに悪影響が出るため、必ず剥がしましょう。
癒合剤は万能でないため、切った後の管理方法も参考にして枯れないように気をつけましょう。
サツキのバッサリ剪定は負担大!プロと相談して進めよう【費用相場について】
サツキを強剪定すると、何年も花が咲かなくなったり、枯れてしまったりというリスクがあります。本来、強剪定は樹木の知識や技術が必要な作業のため、プロへ任せるほうが安心です。プロへ依頼するには、強剪定のリスクを回避できるだけではなく、次のようなメリットが多くあります。
- 作業が早い
- 仕上がりがきれい
- 病気の樹木も適切に対応してくれる
- 不安定な場所の木や高くなりすぎた木でも適切に剪定してくれる
- 切った枝葉の処分もしてくれる
- その後の管理や手入れなどのアドバイスがもらえる
剪定業者を利用することで、自分ではできない難しい作業に対応してもらい、時間と労力を大幅に節約できるでしょう。
強剪定の料金相場
樹木の剪定は木の高さによって料金が異なります。
- 樹高が3m未満のサツキ:1本あたり3,000〜6,000円
- 生垣(高さ2m未満):2,000円×生垣の長さ
- 植え込み(高さ1m未満):800円×植え込みの面積
樹高が3mを超えるものや枝葉が密集している場合などは、10,000円〜24,000円ほど高くなることもあります。強剪定は軽剪定よりも作業量が多くなるため、料金が高めに設定されてる場合が多いでしょう。
その他の費用は次のとおりです。
- 枝葉の処分費:1袋あたり950円〜1200円
- 軽トラック1台あたり:6,500円
剪定した枝葉は可燃ごみとは処分方法が違う自治体もあるので、事前に確認してください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
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【サツキのバッサリ剪定は腕前重要】優良業者の選び方3選
強剪定を依頼する際にどんな業者を選んだらよいか、以下のようなポイントで比較検討しましょう。
剪定の実績が豊富・優良な資格保持者がいる
強剪定のような難しい剪定では、専門知識や豊富な経験を持つ業者を選ぶことが重要です。これまでの実績は業者のHPで、施工の事例が写真付きで掲載されているので確認しましょう。施工事例が多ければ、自分のイメージに近い造園作業を行ってくれるのか見極めもできます。
また、剪定に必ずしも特定の資格や免許が必要ではありませんが、以下のような国家資格保持者がいれば、知識や技術の証明になるでしょう。
- 造園技能士:造園に関する技術や知識が求められる
- 造園施工管理技師:造園の現場管理者としての資格で、特に難易度が高い
資格についてはHPや実際に電話などで問い合わせて確認できます。
相談のしやすさやアフターフォローがある
要望に添った剪定を実現するには、業者とのイメージ共有がとても大事です。そのため、打ち合わせに十分な時間を費やしてくれる業者を選びましょう。
また、剪定後は樹木の管理が不可欠であり、そのためのアドバイスやアフターフォローがあると安心です。困ったときにいつでも相談できるかどうか、口コミなどかから確認してみましょう。
料金体系や見積りの明確さ
業者で実際に見積りを依頼した際は、内訳が細かく出されている業者は信頼できると考えてよいでしょう。どんな作業にいくらの費用が発生しているのか、しっかりと確認しておくことは重要です。
反対に「〜一式」などの曖昧な表記でまとめられている場合は十分注意しましょう。
サツキをバッサリ剪定後の適切なお手入れ
サツキの強剪定は大きな負担がかかるため、剪定後こそ、適切な管理や維持が最も重要です。弱らせないための方法や樹形を小ぶりのままキープするコツについて、詳しく解説していきます。
弱らせないためにできること
サツキの強剪定後は栄養不足や水切れに注意が必要です。また、切口から病害虫が侵入しやすくなるため予防対策しましょう。
水やりと肥料の与え方は次のとおりです。
- 水やり:新芽が出る時期は水切れしないように、鉢植えは土が乾いたらたっぷり水を与える。庭植えは乾燥したら水を与えるで十分。
- お礼肥(おれいごえ):5〜6月に緩効性肥料(かんこうせいひりょう*)や油かすを与える、肥料の量は通常より少なめか、与えないことも。または、肥料の時期を遅らせる
*緩効性肥料とはじっくり肥料成分が溶け出し、効果が長く続く肥料のことです。植物の三大栄養素の「窒素」「リン酸」「カリ」が含まれています。
強剪定後の水やりは通常通りだが、肥料は少なめか与えず回復に専念させる
病害虫の予防は次のとおりです。
- 剪定後は新芽に病害虫の被害を受けやすいので、殺虫剤や殺菌剤を散布し定期的にチェックする
サツキには葉っぱを食べるムシやダニ、新芽を食べるガの幼虫などに注意しましょう。また、葉に斑点や変色が見られる病気が発生するため、見つけたら摘み取って殺菌剤を散布しましょう。
小ぶりをキープするコツ
サツキを強剪定すると樹形が小さくなり、剪定してしばらくは小ぶりのままキープできるでしょう。しかし、徐々に左右のバランスが崩れる可能性もあります。小ぶりをキープするコツは以下のとおりです。
- 開花後は花がらを摘み取る
- 開花後の5〜6月の時期に刈り込みや間引きなどの剪定を行う
このように定期的な剪定がキープするコツです。もし、上手く成長しない、樹形が乱れてどこを切ったらよいかわからない場合は、プロへ相談して解決してもらいましょう。
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サツキのバッサリ剪定は専門的な知識と技術を持ったプロへおまかせ!
サツキのバッサリ剪定は大きくなりすぎた場合に小さくする方法として有効です。しかし、切りすぎてしまうと、花が咲かなくなる、枯れるといったリスクもあり、自分でやるのは避けましょう。安心・安全に剪定するならプロにお任せするのがオススメ!優良な業者選びでは、複数社での比較検討が重要です。
実績や口コミがチェックできるセーフリーで、まずはお住まいに近い業者を探してみましょう。
- サツキをバッサリ剪定したい
- 切りすぎないか心配…
- 剪定後の処分が面倒
サツキのバッサリ剪定は切り過ぎは厳禁
翌年もきれいな花を咲かせたいなら
プロへおまかせ!
サツキのバッサリ剪定に関するよくある質問
-
Q. サツキのバッサリ剪定ではどこを切ったらいい?
A.太い幹の根元をたどり、葉っぱの付いた細い枝が分岐している箇所を見つけてください。分岐している箇所の少し上の位置で、太い幹をカットしましょう。
-
Q. サツキのバッサリ剪定に適した時期はいつ?
A.開花前の3月頃が適しています。
-
Q. サツキのバッサリ剪定をした後に花が咲かなくなったのはどうして?
A.強剪定によってサツキに大きな負荷がかかり、花が咲かなくなります。剪定後の水やりや肥料、病害虫予防を参考にしてください。