2025.07.17 2025.08.01
この記事では、切りたくても切ってはいけない木について詳しく解説しています。
「隣地から伸びた木は切っていい?」
「ずっと昔からある木のせいで害虫が寄ってくる…」
「マンション入り口の木を切って欲しい」
こうした悩みを抱える方は少なくありません。しかし、安易に木を切ってしまうと、思わぬトラブルや法的リスクを招く可能性があります。
「切りたくても切ってはいけない木」の具体例や解決策まで詳しく解説しています。
後悔しないためにも、まずはこの記事を読んで正しい判断をしましょう。
目次
切ってはいけない木とは?具体例8選
一見すると普通の木でも、実は法律や地域のルールによって勝手に伐採できないものが多くあります。例えば、松や南天などの「縁起のよい木」は「幸福や魔除けの象徴」として信じられており、地域の信仰や慣習によって守られているケースが少なくありません。
また、隣地にある木や借家人が植えた木、霊園内の木などのように「他人所有の木」も、所有権が複雑なため要注意。
切ってはいけない木の種類と代表例を以下の表にまとめました。
分類 | 具体例 | 代表的な樹木 |
---|---|---|
縁起のよい木 | 幸福や繁栄を象徴する木 魔除けや厄除けの効果を信じられている木 |
松の木、南天、柊など |
他人所有の木 | 隣地の木 貸地内の借家人が植えた木 墓地や霊園の木 |
庭木、隣地の果樹など |
境界標 | 境界ギリギリの木 土地境界の目印として長年存在している木 |
庭木、竹など |
森林法規制 | 保安林・国有林内の木 | 杉、ヒノキ、松、ナラのなどの国有林木 |
保存樹制度 | 市町村指定の保存樹 地域の象徴的な木 |
桜、けやき、イチョウなど |
文化財・景観樹 | 天然記念物指定の木 歴史的名木 神社仏閣の木 |
杉(屋久杉)、楠、公園や境内の古木など |
警戒区域等の指定 | 防災樹木 | 松、杉、ヒノキなどの針葉樹 コナラ、クヌギなどの広葉樹 竹など |
鳥獣保護法 | 鳥が巣を作っている木、卵やヒナがいる木 | 松、杉、ヒノキなどの針葉樹、桜や紅葉などの落葉樹 |
このように、縁起・所有者・境界・法律・文化財・地域の規制・鳥獣保護など、さまざまな理由で保護されている木があるのです。杉やヒノキといった国有林の木は「森林法」で管理され、桜やけやきなどは自治体の保存樹に指定されている場合もあります。
また、神社の大木や天然記念物、災害対策で守られている防災樹木、さらに鳥が巣を作っている木なども、伐採時に細心の注意が求められます。
縁起が悪いとされる「切ってはいけない木」伐採前にすべき心構え
南天や松、柿などは古くから縁起が良いとされ、魔除けや繁栄、健康を象徴する存在として人々に親しまれてきました。こうした木を切ることについて、抵抗がある人も多いでしょう。
スピリチュアル的な考え方では、木には精霊や神が宿るとされ、長年その土地に根を張ってきた木ほど強い力をもつといわれています。そのため、伐採という行為が自然界との調和を崩すものと受け取られ、「不幸になるのでは」と不安になってしまうのです。
すべての人が迷信を信じているわけではないにせよ、大切なのは自分や家族の気持ちを整理し、納得して行動することです。
伐採前にしておきたい「気持ちの区切り」
伐採にあたってまず意識したいのは、「ただの木」ではなく「大切な存在」だったことへの感謝です。長年家を見守り季節の変化を伝えてくれた木に対し、最後に手を合わせる時間を持つことは、心の整理にもつながります。
神聖な儀式でなくても構いません。自分でできる簡単なお清めとして、木の四隅に塩とお酒をまき、「ありがとう」と心を込めて伝えるだけでも十分に丁寧な向き合い方と言えるでしょう。
気になるなら神社に依頼するという選択肢も
「どうしても気持ちがすっきりしない」「大切な木だからきちんと供養したい」そんなときは、神社にお祓いを依頼する選択肢があります。依頼時は日時や木の状況などを伝え、費用についても前もって確認しておくと安心です。
木と縁起については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。
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庭の木を切ると不幸になると言われる4つの理由!対処法や放置するリスクも解説
2025.06.25 2025.06.25
他人所有の切ってはいけない木【越境した枝や根の対応策】
庭や敷地に侵入してきた木の枝や根が気になるとき、「勝手に切ってしまえば早い」と思うかもしれません。しかし、その木が他人の所有物である場合、法律に則った対応をとらなければトラブルの火種となりかねません。
特に越境している木の扱いは民法によって細かく定められており、自分の土地であっても自由には手を出せないのです。
ここでは、隣家の木が境界線を超えてきたときの対処法と注意点について見ていきましょう。
自分敷地でもNG?自由に切れない木がある理由
自宅の敷地に入り込んできたからといって、その枝を勝手に切ってしまうのは法律違反になる可能性があります。枝はあくまで木の一部であり、その木の所有者に権利があるためです。
たとえ空中に伸びてきた枝であっても、他人の所有物を断りなく傷つけるのは器物損壊や不法行為に該当することがあります。
一方で、木の「根」については例外です。
民法では越境してきた根を切ることが認められており、敷地内に伸びてきた部分に限って自らの判断で対応してOK。
枝と根の違いは少しややこしいですが、木を巡る権利関係では重要なポイントとなります。
隣家の木が越境してきた場合の正しい手順
第一にすべきことは、隣家の方に事情を説明し枝の剪定や伐採をお願いすることです。民法第233条では、越境してきた枝について所有者に切除を求める権利があるとされています。ほとんどの場合、丁寧に話をすれば快く応じてもらえるでしょう。
もし「自由に切ってもいい」と言われた場合には、後々のトラブルを防ぐためにも、できれば書面で同意をもらっておきましょう。
伐採業者に依頼する場合は費用負担についても取り決めておくと安心。
仮に隣家が応じてくれない場合、催告した上で一定期間(通常は2週間〜1ヶ月程度)内に対応がなければ、自分で枝を切ることが認められるケースもあります。
ただし、越境の程度や剪定の範囲によっては問題となるため、慎重に判断しましょう。
※参照元:民法233条
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ご近所トラブルを避けるため相談・解決の流れ
もっとも大切なのは、お互いの信頼関係を損なわないよう冷静かつ丁寧な対応を心がけることです。感情的に動いたり、一方的に剪定を進めてしまうと、たとえ法的に問題がなくても関係が悪化する原因になります。
どうしても話し合いが進まない場合は、調停や法的手続きに委ねるのも選択肢の一つですが、まずは円満な解決を目指すことが基本です。
また、木の枝が越境することで発生するリスクに対しては、園芸的な工夫で枝の方向を変えるといった折衷案もあります。縄や針金で枝の成長方向を制御する手法は、木を傷めにくく、お互いにとって納得しやすい解決策となるかもしれません。
境界標の切ってはいけない木【法的問題や対処法】
土地と土地の境目を示す「境界標」は、たとえそれが木であっても非常に重要な役割を担っています。境界線上やその付近に立つ木が、登記や地積測量の目印として長年使われてきた場合、安易に伐採すると大きなトラブルになりかねません。
ここでは、法的な観点から「切ってはいけない境界の木」について詳しく見ていきましょう。
境界線ギリギリにある木
自宅の敷地内にあっても、木が境界線すれすれの場所に植えられている場合、伐採するなら慎重に判断しなければいけません。特に根や枝が隣地に越境している場合、所有権や管理責任の所在が複雑になりがちです。
勝手に切ってしまえば、相手方から「無断で境界を変えた」と主張されることもあり、民事上の争いに発展する可能性も。実際の所有境界が曖昧な場合は、測量や専門家の立ち会いを経た上で、相互に納得した形で処理しましょう。
土地境界の目印として長年存在している木
境界標として役割を果たしてきた木は、地域の共有認識や慣習によって大切にされてきたケースがあります。
「昔からこの木の位置が境界だった」と記憶されていることもあり、たとえ登記上の正確な線とは異なっていても、実際はその木を基準にして近隣との関係が保たれている場合があるのです。
こうした木を無断で伐採すると、境界線の信頼性が崩れるだけでなく、近隣との関係性にも深刻な影響を及ぼしかねません。伐採の必要がある場合は、周囲と十分に話し合い、記録や同意書などで証拠を残しましょう。
賃貸・共有地での「切ってはいけない木」の判断と対処法
マンションの植栽は管理組合の共有資産である場合があり、個人の判断で枝を切る、抜根するのは原則として認められていません。また、賃貸住宅では借主が庭木を自由に処分できるわけではなく、貸主の承諾が必要です。
共有地に関しても、管理側の合意がなければ手を加えることはできません。勝手に伐採してしまうと損害賠償請求の対象となることもあるため、まずは管理者や所有者に確認しましょう。
法律で守られた「切ってはいけない木」は厳しい制限がある
法律や条例によって保護されている木も数多く存在します。環境保全や文化財の保護、安全対策などさまざまな理由から特別な扱いを受けており、たとえ自分の敷地に生えていても、勝手な伐採はもちろん、剪定にも厳しい制限が設けられています。
- 保安林・国有林内の木
- 保護樹木
- 文化財・歴史的景観・美観を形成する木
- 土砂災害警戒区域内にある防災樹木
- 鳥が巣を作っている木(鳥獣保護法)
- 文化財の敷地にある木
- 地元住民によって大切にされている「地域の象徴」的な木
ここでは「法律で守られた切ってはいけない木」の種類とその背景について見ていきましょう。
保安林・国有林内の木
保安林や国有林に生えている木は、森林法に基づき国や自治体によって厳格に管理されています。災害防止や水源涵養(森林が雨水を吸収し地下水や河川にゆっくりと供給する機能)など公共の利益に関わる役割を果たしており、勝手に伐採してはいけません。
保護樹木
市町村の条例によって「保存樹」や「保護樹木」に指定されている木も、原則として伐採や剪定に許可が必要です。自然環境や景観にとって重要な存在とし、指定後は定期的な管理が行われると同時に維持も義務となっています。
文化財・歴史的景観・美観を形成する木
神社仏閣の境内にある古木や、城跡や旧街道沿いに残る並木道など、歴史的・文化的価値のある場所にある木は、文化財や景観保護の観点からも大切に扱われます。自治体の条例や文化財保護法のもとで守られており、景観を損ねる恐れがある伐採や剪定は、厳しく制限されています。
土砂災害警戒区域内にある防災樹木
土砂災害が懸念される区域では、木々が地盤を安定させる役割を担っているため「防災樹木」として保護されている場合があります。無断で伐採すると斜面の崩落リスクを高める恐れがあるため、地域の安全を守る観点からも慎重な対応が求められます。
鳥が巣を作っている木(鳥獣保護法)
庭木や林の中に鳥が営巣している場合、鳥獣保護法により木の伐採や剪定は原則として禁止され許可を得る必要があります。繁殖期に不用意に手を加えると法令違反に問われるため、鳥の存在に気づいたら注意しましょう。
文化財の敷地にある木
史跡や重要文化財などの敷地内に生える木は、景観の一部ではなく、建物や土地の価値を引き立てる重要な要素として扱われています。文化財保護法の対象となり、伐採や管理には文化庁や自治体への届出・許可が必要です。
地元住民によって大切にされている「地域の象徴」的な木
法的な指定がなくても、地域の人々に長年親しまれてきたシンボルツリーのような木は、無断で伐採すると大きな反発を招いてしまいます。たとえ所有者であっても、地域との合意や説明を怠ると深刻な対立を生む可能性があるため、慎重な対応しなければいけません。
切ってはいけない木の判断に迷ったら専門家への相談がおすすめ!
本記事では、切ってはいけない木について、具体例や正しい対処法を解説しました。
もし、生活に支障をきたしている木であれば、まずは所有者に相談し対処してもらうのが正しい流れ。しかし、対応が難しい場合や、どう対処すればいいか分からないときは、プロの手を借りるのが安心・確実です。
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切ってはいけない木に関するよくある質問
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Q. 自分の敷地内の木でも切ってはいけない場合がある?
A.保護樹木や文化財関連の木、防災目的で指定された木は自由に伐採できません。許可や届出が求められるケースがあるため注意しましょう。
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Q. 隣家の木の枝がこちらに伸びてきた場合、勝手に切っても問題ない?
A.枝は所有者の許可なしに切ることはできません。まずは相手に剪定をお願いし、応じてもらえないときに限り対応が認められます。無断で切るとトラブルになるおそれがあります。
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Q. 伐採してはいけない木かどうかを確認するにはどこに相談すればいい?
A.役所の環境課や文化財保護の担当窓口、森林組合などが相談先になります。賃貸住宅の場合は管理会社に連絡して見ましょう。木の種類や場所によって扱いが異なります。