アシナガバチ対策を徹底解説!刺されないためのポイントと予防について
2024.06.08 2024.06.13
この記事では、アシナガバチ対策について徹底解説します。
刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険がある、アシナガバチ。刺されないためには対策が必須です。正しく対策をすれば、刺されるリスクを大幅に下げられます。
ここでは、アシナガバチに刺されないための対策や、巣を作らせないための対策をご紹介します。巣を自分で駆除する方法も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
【アシナガバチ対策の基本】生態と特徴を知ろう
効果的な対策をするためには、アシナガバチについての正しい知識をもっておかなければなりません。そこで、まずはアシナガバチの生態や特徴について詳しく見てみましょう。
- 生態と特徴
- 危険性
- アシナガバチの種類
- スズメバチとの違い
生態と特徴
アシナガバチはスズメバチ科に属していて、体長は1.2~2.6cmほど。さまざまな種類がいる蜂の中でも体は大きめで、長い足をゆらゆら揺らしながらゆっくり飛ぶ姿が印象的です。
アシナガバチは基本肉食で、植物などにダメージを与える虫を捕食してくれる「益虫」としての一面もあります。
危険性
アシナガバチは、スズメバチの中では比較的大人しい性格で知られています。基本的に、刺激を与えなければ攻撃してくることはありません。ただし、巣を攻撃したり触ったりすると毒針で攻撃します。
アシナガバチの毒はスズメバチほど強くないものの、毒針がとても強力で、刺されると強烈な痛みがあります。場合によってはアナフィラキシーショックを起こすことがあるため、大変危険です。
危険性としては、アシナガバチが人間の生活圏に巣を作りやすいという点も覚えておきたいポイントです。
- 軒下
- ベランダ
- 室外機の中
- 庭木
- 草むら
上記をはじめ、住宅の近くに巣を作るケースが多くなっています。
アシナガバチの種類
日本には11種類が生息しているとされ、なかでも下記3種は多く目撃されています。
種類 | 体長 | 特徴 |
---|---|---|
セグロアシナガバチ | 2.0~2.6cm | 足の先端が黄色 |
キアシナガバチ | 2.0~2.6cm | 黒ベースに鮮やかな黄色の斑紋がある |
フタモンアシナガバチ | 1.4~1.8cm | 全体的に黄色。羽の後ろ側に線が2本ある |
スズメバチとの違い
蜂の中で特に狂暴なスズメバチとアシナガバチには、下記のような違いがあります。
種類 | 体長 | 特徴 | 巣 |
---|---|---|---|
アシナガバチ | 1.4~2.6cm | 黄色と黒がベースの体でスリム。足をゆらしてゆっくり飛ぶ | シャワーヘッド型 |
スズメバチ | 2.7~5.0cm | オレンジ色と黒がベースの体でおしり部分が大きい。素早く飛ぶ | フラスコ型で丸い |
アシナガバチ対策!刺されないためのポイント6つ
人間の生活圏内で良く見かけるアシナガバチに刺されないためには、覚えておきたいポイントが6つあります。
- アシナガバチや巣に近付かない
- 大きな声や音を出さない
- 強いニオイを身につけない
- 黒い色やひらひら動く衣服を避ける
- 素早い動きをしない
- 巣を見つけたらすぐに駆除する
身を守るために、それぞれのポイントについて正しく理解しておきましょう。
アシナガバチや巣に近付かない
巣に近付くと、刺されるリスクが高くなります。アシナガバチはスズメバチほど攻撃的ではありませんが、それでも急に巣に近付いたり、巣の近くで攻撃と捉えられる行動を取ると危険です。
アシナガバチの巣は軒下や庭木など、生活の身近なところに巣を作ることが多いため、日頃から巣の場所をチェックしておき近付かないようにしましょう。
大きな声や音を出さない
大きな声や音は、アシナガバチにとって刺激となります。突然アシナガバチが現れると、思わず大きな声を出してしまうこともあるかもしれません。
しかし、大きな声や音を出すと攻撃されやすくなるため、静かにそっと離れるのがベストです。
強いニオイを身につけない
強いニオイも、アシナガバチを刺激する一因です。
- 香水
- 整髪料
- 制汗剤
- 化粧品
- 柔軟剤
上記をはじめ、強いニオイを発するアイテムは身につけないようにしましょう。
黒い色やひらひら動く衣服を避ける
黒い色やひらひらと動きのある衣服も、アシナガバチを刺激してしまうため避けましょう。
黒ではなくても、濃い色はアシナガバチにとって「黒」と認識されてしまう可能性があります。また、衣服だけでなく帽子やバッグなどにも配慮すると安心です。
素早い動きをしない
さっと振り返ったり走ったりなどの素早い動きも、アシナガバチを刺激してしまいます。アシナガバチを見つけたらすぐにでも逃げたいものですが、走ってしまうと余計刺されるリスクが高くなるのです。
アシナガバチに遭遇したら、振り返らず、ゆっくり身を低くして後ずさりしながらその場を離れるようにしましょう。
巣を見つけたらすぐに駆除する
アシナガバチは巣を拠点に活動するため、巣の近くが刺されるリスクが一番高いです。刺されないためには、巣を見つけたらすぐに駆除することが大切です。
特に、軒下など自宅の周辺に巣があるのなら、なおさら少しでも早く駆除しましょう。
アシナガバチ対策!巣を作らせないための方法
アシナガバチに巣を作らせないためには、「巣作りに向いていない環境」を作る必要があります。ここでは、6つの方法をピックアップしてご紹介します。
- 殺虫スプレーを散布する
- 木酢液を使う
- 甘い香りの花を置かない
- 防虫ネットを設置する
- 女王蜂の捕獲トラップを設置する
- 天敵【オニヤンマ】を活用する手もある
殺虫スプレーを散布する
アシナガバチが巣を作りそうな軒下などには、殺虫スプレーを散布しておく方法が有効です。殺虫スプレー成分が体につくとアシナガバチは死滅するため、散布した周辺には近寄れなくなるためです。
アシナガバチの巣は、春先4月頃に女王蜂が1匹のみで作り始めます。この時、殺虫スプレーが散布されている周辺は近づけないため、巣作りできなくなるのです。
虫除けスプレーでは効果がないため、ピレスロイド系の蜂専用殺虫スプレーを使うことがポイント
木酢液を使う
木酢液(もくさくえき)は、アシナガバチが苦手とするニオイの一つです。火を連想させるニオイのため、木酢液の周辺には近づいてきません。
そこで、巣を作られたくない場所に木酢液を散布、設置すると効果的でしょう。散布する場合は、水と木酢液を1:1で希釈しスプレーボトルに入れて使います。設置する場合は、木酢液を入れたペットボトルを置いておきましょう。
甘い香りの花を置かない
アシナガバチは甘い香りの花に寄ってくる習性があります。そこで、ベランダや庭で育てる花は、ニオイにも気を配りましょう。
また、花だけでなく柔軟剤の香りにも寄ってくる場合があるため、アシナガバチを寄せ付けたくないなら柔軟剤選びにも注意すると安心です。
防虫ネットを設置する
網目の細かい防虫ネットを設置すれば、アシナガバチは物理的に近づけなくなり巣を作られなくなります。
広範囲に設置するのは難しいですが、アシナガバチが通る屋根裏や床下など、限定的な部分に設置すれば巣作りを予防できます。
女王蜂の捕獲トラップを設置する
捕獲トラップを設置して女王蜂を駆除してしまえば、巣を作られることもありません。ただし、女王蜂の捕獲トラップはアシナガバチが好むニオイを使用するため、6月以降に使うと働き蜂も多く寄せつけてしまうため危険です。
4~5月、女王蜂のみ、もしくは働き蜂が少ない時期のみ有効な方法です。
- 焼酎300mlと酢100ml、砂糖100gを混ぜた誘引剤を作る
- 1.5~2Lの大きさのペットボトルに誘引剤を入れる
- ペットボトルのフタの下部分に吊るす用の紐を括りつける
- ペットボトル上部に「H」型の切れ込みを入れ、切れ込みを中外に折り込む
上記の方法で作った捕獲トラップを、庭木などに設置しましょう。設置後は、雨が降った後などを中心に、定期的に誘引剤を入れ替えると効果が持続します。
【天敵】オニヤンマを活用する手もある
アシナガバチの天敵であるオニヤンマを活用すると、巣作りを予防しやすくなります。とは言え、本物のオニヤンマを活用するのは非現実的なので、実物そっくりのフィギュアを使用するのが一般的です。
オニヤンマのフィギュアは、アシナガバチが見つけやすい場所に設置するのがおすすめ。時々場所を変えて設置すると、長く予防効果が得られます。
アシナガバチ対策!巣の駆除方法
予防していても、巣を作られてしまうことはあります。巣を見つけたら、安全のためにできるだけ早めに駆除しなければなりません。巣を駆除する方法は、下記3つあります。
- 基本は業者へ依頼する
- 自治体が駆除してくれることもある
- 自力で駆除できるのは直径5cm以内の初期の巣のみ
基本は業者へ依頼する
アシナガバチはスズメバチほど危険度は高くありませんが、それでも駆除には大きな危険が伴います。そのため、駆除は基本的に業者へ依頼しましょう。
専門知識と経験がある業者ならば、アシナガバチに刺されるリスクを最小限に抑えて駆除が可能です。特に、7月以降で巣が大きくなり働き蜂の数が増えてきている状況であれば、迷わず業者へ依頼しましょう。
自治体が駆除してくれることもある
自治体によっては、無料で駆除してくれる場合もあります。ただし、スズメバチほど危険度は高くないため、駆除対応してくれる自治体は少数です。
無料での駆除は対応していなくても、補助金を用意する、防護服を貸し出す、駆除業者を紹介してくれる自治体もあるため、まずは相談してみると良いでしょう。
自力で駆除できるのは直径5cm以内の初期の巣のみ
アシナガバチは自分で駆除することもできますが、刺されるリスクがなるべく少ない状況を見極めて作業することが大切です。
自分で駆除できるかどうかは、下記のポイントで判断しましょう。
- 直径5cm以内
- 女王蜂のみか、女王蜂+働き蜂が少数のみ
巣作りが始まる4月から、働き蜂がまだ少数である6月頃までであれば、自分で駆除できる場合があります。ただし、初期の巣でも駆除はリスクを伴うため、危険を感じたらすぐに中止しましょう。
アシナガバチ対策で自分で!巣を駆除する手順
アシナガバチを自分で駆除するなら、下記の手順で進めます。
- 昼間のうちに巣の場所を確認し必要なアイテムをそろえておく
- 日没後に巣に向かって殺虫スプレーをかけ続ける
- アシナガバチが退治できたら巣を根元から落とす
- 巣と退治したアシナガバチを処分する
- 数日間巣があった場所に殺虫スプレーを散布する
手順それぞれの詳細についても、ここで確認しておきましょう。
1.昼間のうちに巣の場所を確認し必要なアイテムをそろえておく
昼間のうちに、駆除する巣がどこにあるのかをチェックしておきましょう。暗くなると目視しにくくなるため、明るいうちに写真を撮っておくのもおすすめです。
また、駆除に必要なアイテムも、あらかじめ準備しておきます。
- 防護服
- ヘルメット
- ゴーグル
- 赤いセロハンを貼った懐中電灯
- 殺虫スプレー
- 剪定バサミやノコギリ
- ほうき
- ちりとり
- ゴミ袋
高いところに巣がある場合は、脚立なども必要です。
2.日没後に巣に向かって殺虫スプレーをかけ続ける
アシナガバチが巣に戻る日没後になったら、駆除作業を開始します。赤いセロハンを貼って光を弱めた懐中電灯を使って巣の位置を確認したら、殺虫スプレーを噴射し続けます。
羽音がしなくなりアシナガバチの活動がなくなったら、スプレーを止めます。
3.アシナガバチが退治できたら巣を根元から落とす
アシナガバチをすべて退治できたら、剪定バサミやノコギリを使って巣を根元から切り落とします。巣の位置が高い場合には脚立などが必要になるため、必ず2人以上で作業しましょう。
4.巣と退治したアシナガバチを処分する
落とした巣と退治したアシナガバチは、ほうきとちりとりを使ってゴミ袋に入れて処分します。
この時、巣やアシナガバチの死骸には直接触れてはいけません。特に死骸は反射的に刺してくることがあるため、注意が必要です。
5.数日間巣があった場所に殺虫スプレーを散布する
日没後は基本的にすべてのアシナガバチが巣に戻りますが、例外的に外出しているアシナガバチがいる場合もあります。
アシナガバチ対策は万全に!巣は早めに駆除しよう!
アシナガバチが嫌がるニオイを活用したり、むやみに刺激しなければ、刺されるリスクは下げられます。特に、自然が多い場所へ出向く時はしっかり対策をしておきましょう。
また、刺されないためには巣を作らせないための対策も必要です。殺虫スプレーや木酢液などを使って、万全の予防策を講じておきましょう。
それでも巣を作られてしまったら、セーフリーで駆除業者を見つけましょう。アシナガバチの駆除に強い優良業者を多数掲載しているので、まずは無料見積もりから依頼してみましょう!
アシナガバチ対策を徹底解説!刺されないためのポイントと予防についてのよくある質問
-
Q. アシナガバチはなぜ民家で多く見かける?
アシナガバチは、軒下やベランダ、庭木などを好んで巣を作るため、民家での目撃例が多いです。
-
Q. アシナガバチの毒は弱い?
アシナガバチの毒は、スズメバチに比べると弱めです。しかし、人間にとっては毒性が高く、アナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
-
Q. 一匹退治するとアシナガバチはもっと集まって襲ってくる?
状況に寄りますが、1匹退治したことが刺激となり、ほかのアシナガバチが集まって攻撃してくることはあります。