スズメバチの女王蜂のイメージ

スズメバチの女王蜂について徹底解説!一生・生態・駆除方法も紹介

2024.05.05 2024.05.07

 

この記事では、スズメバチの女王蜂について徹底解説します。

働き蜂とは違い、体が大きい女王蜂。スズメバチのトップの地位に君臨する女王蜂には、ほかの蜂とは違う役割があります

ここでは、スズメバチの一生や寿命、生態について詳しくご紹介します。

女王蜂を見かけたりスズメバチの巣を見かけたりした場合の対処法もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

【スズメバチ】女王蜂の生態

スズメバチの女王蜂の生態を教える女性

スズメバチの巣に必ず一匹いる、女王蜂。女王蜂はどのようにして生まれ、どのような役割を担っているのか、生態を見てみましょう。

  • 選ばれ方
  • 女王蜂の寿命
  • 女王蜂の役割
  • ほかの蜂との違い

選ばれ方

女王蜂は、「女王蜂」として特別な遺伝子をもっているわけではありません。ほかの働き蜂と同様に、女王蜂の子どもの内の一匹として産み付けられます。

ただし、産み付けられる部屋が違います。ほかの卵の部屋に比べて広く大きい部屋に産み付けられた卵が、女王蜂に成長する仕組みです。

また、女王蜂として広い部屋で育つスズメバチには、栄養豊富なエサが与えられます。無事に羽化した後も、狩りなどの労働に出ることはなく、体力を蓄えながら育ちます。

女王蜂の寿命

働き蜂の寿命は平均1ヶ月ほどですが、女王蜂の寿命は1~3年とされています。働き蜂と違って、越冬できることが特徴です。

女王蜂の役割

女王蜂の役割は、卵を産むこと。冬眠から目覚めてある程度巣作りが進んだ時期からはじめ、秋頃まで産卵します。

冬眠から目覚めた春先は働き蜂がいないため、女王蜂は一匹で巣作りをします。卵が羽化して働き蜂が増えてくると、産卵に専念して巣作りなどは働き蜂に任せるのです。

女王蜂は、多い時には1日に2,000~3,000個もの卵を産むとされています。

ほかの蜂との違い

女王蜂とほかの蜂との大きな違いは、大きさです。一回りも大きい体つきの女王蜂は、パッと見ただけでも判別できます。

スズメバチには、女王蜂と働き蜂、そしてオス蜂がいます。受精卵から産まれる働き蜂はすべてメスで、凶器となる毒針は、卵を産むための「産卵管」が変形したものです。

これに対して、無精卵から産まれるのがオス蜂です。オスには毒針がなく、スズメバチ全体の5~10%ほどしか存在しません。女王蜂は、オスとメスを産み分けられるそうです。

そんなオス蜂の役割は、交尾のみ。役割を終えるとすぐに死んでしまいます。

スズメバチの女王蜂の一生【時期による活動】

スズメバチの女王蜂を象徴するティアラ

スズメバチの女王蜂の一生を、時期を追って見てみましょう。

  • 幼虫期
  • 交尾
  • 越冬
  • 巣作り
  • 産卵・育児

幼虫期

女王蜂は、9~10月頃に生まれます。

卵からふかした幼虫時期は、働き蜂よりも大きな部屋で、栄養豊富なエサを食べて育ちます。狩りなどの労働をすることは一切なく、体力を蓄えて大きく育つことが特徴です。

ちなみに、数少ないオス蜂も女王蜂と同じ時期に生まれます。オス蜂も、働き蜂よりも大きめの部屋で育ちます。

交尾

羽化した女王蜂は、交尾のために飛び立ちます。このとき、同じ時期に生まれたオス蜂たちも一緒に巣から飛び立ちます。

女王蜂は、ほかの巣から飛び立ったオス蜂と出会うと交尾を開始。オス蜂は交尾終了後すぐに死んでしまいますが、女王蜂は精子を体内に蓄えたまま越冬場所を探します。

越冬

女王蜂は寒さをしのぐため、朽木や土中などで過ごします。ちなみに、働き蜂やオス蜂はすべて死滅し、女王蜂のみが越冬します。

巣作り

温かくなる4月頃になると、女王蜂は活動を開始します。巣作りに良い場所を探し、一匹のみで巣作りをスタートします。

産卵・育児

5~6月頃になり、巣作りがある程度進むと、産卵も同時に進行。そして幼虫が羽化して働き蜂が増えてくると、女王蜂は産卵と育児に専念します。

スズメバチの女王蜂を見分けるには【大きさをチェック】

スズメバチの女王蜂の特徴は、大きな体です。ほかのハチと比較してみました。

種類 大きさ
女王蜂 ・オオスズメバチ 4.5cm前後
・キイロスズメバチ 3.0cm前後
・モンスズメバチ 3.0cm前後
働き蜂 ・オオスズメバチ 4.5cm前後
・キイロスズメバチ 3.0cm前後
・モンスズメバチ 3.0cm前後
オス蜂 ・オオスズメバチ 2.7~4.0cm
・キイロスズメバチ 2.0cm前後
・モンスズメバチ 2.2~2.5cm

 

女王蜂と働き蜂に大きな差はありませんが、働き蜂の方が少し小さいと認識しておきましょう。一方で、女王蜂とオス蜂では、一回り程度大きさが異なります。

スズメバチの女王蜂は人を刺す?

スズメバチの女王蜂への警戒を促すサイン

スズメバチの女王蜂が人を刺すことは、あまり多くありません。活動時期の大半を巣の中で過ごし、外に出てくる機会が少ないためです。

女王蜂が巣の外にいる春先も、目覚めたばかりでそこまで攻撃的ではありません。ただし、絶対に刺さないわけではないので注意しましょう。

活動している時期や冬の間、危険を感じると人を刺す場合があります。

スズメバチの女王蜂が死んだらどうなる?

スズメバチの女王蜂が死ぬと、巣は存続できなくなります。働き蜂もそれ以上増えなくなり、巣も大きくなりません

スズメバチは女王蜂だけの時期が駆除しやすい!

スズメバチは攻撃的で毒性も高いため、駆除には大きな危険が伴います。

しかし、春先で女王蜂しかいないタイミングであれば、駆除のリスクは大幅に下がります。

働き蜂はおらず、女王蜂一匹に注意すれば良いためです。

スズメバチの駆除は、働き蜂の数が多ければ多いほどリスクが高くなります。そのため、女王蜂しかいない時期、もしくは働き蜂が数匹しかいない時期が駆除のチャンスです。

初期段階の巣を見つけた場合の対処法

4~5月頃に、初期段階のスズメバチの巣を見つけたら、すぐに駆除しましょう。

駆除は専門業者へ依頼するのがベストですが、初期段階であれば自力での駆除も可能。自分で駆除する場合の手順は、下記のとおりです。

  1. 防護服や殺虫スプレーなど必要なアイテムをそろえる
  2. 陽が落ちたら赤いセロハンを付けた懐中電灯を使って巣に近づく
  3. 巣に向かって殺虫スプレーをかけ続ける
  4. スズメバチの羽音が聞こえなくなり、駆除できたら巣を落とす
  5. 巣の入口に脱脂綿を詰めてゴミ袋に入れる
  6. スズメバチの死骸もほうきとちりとりを使ってゴミ袋に入れて処分する

自分で駆除する際は、安全のため必ず防護服を着用しましょう。そのほか、長靴や手袋などを着用し、万が一攻撃されても刺されない対策を講じておきます。

また、駆除した後、スズメバチの死骸には直接触れないようにしましょう。死骸でも反射的に刺してくる場合があるため、必ずほうきやちりとりを使って処分します。

大きめの巣を見つけた場合の対処法

6月を過ぎると働き蜂の数が急増し、巣は見る見るうちに大きくなります。大きくなった場合でも駆除方法は同じですが、危険度はグンと高くなるので注意しなければなりません。

蜂に攻撃的で刺された場合は、アナフィラキシーショックを起こす場合があります。

そのため、大きめの巣を見つけた場合は、業者へ依頼して駆除してもらうのがベストです。また、自治体によっては無料で駆除してもらえる場合があるので、まずは相談してみても良いでしょう。

集合住宅であれば管理会社や大家が対処してくれることもあるので、問い合わせてみるのもおすすめです。

スズメバチの女王蜂による巣作りを防ぐ方法

スズメバチの女王蜂のイラスト

スズメバチの駆除はリスクが高いため、できれば巣を作られないようにしておきたいもの。巣作りを防ぐためには、下記3つの方法がおすすめです。

  • 殺虫スプレーをまく
  • トラップをしかける
  • 防虫ネットを設置する

できる対策から始めて、スズメバチの脅威を予防しましょう。

殺虫スプレーをまく

スズメバチが巣を作りそうな場所に、定期的に殺虫スプレーをまく方法です。

  • 天井裏
  • 軒下
  • 庭木
  • 戸袋
  • 床下

上記をはじめ、家のまわりに殺虫スプレーをまいておくと女王蜂が近づきにくくなります。雨が降ると殺虫成分が流されてしまうので、雨が降った次の日は必ず再度スプレーしておきましょう。

トラップをしかける

トラップをしかけて、女王蜂を捕らえる方法です。市販のトラップでも良いですが、自宅にあるものでDIYもできます。

ただし、トラップは4~5月頃のみ有効です。6月以降にしかけると働き蜂を多く引き寄せてしまうことになるので注意しましょう。

トラップは下記の方法で作れます。

  1. 1.5~2Lのペットボトルの上部に「H」の形に切り込みを入れ、折り曲げる
  2. 誘引剤を底から10cmほどの高さまで入れる
  3. キャップ部分にビニール紐を付けて木の枝などに設置する

誘引剤はさまざまな作り方がありますが、ここでは焼酎を使う方法をご紹介します。

  • 水 500ml
  • 焼酎 20ml
  • 酢 30g
  • お酢 10ml

上記をすべて混ぜれば、誘引剤の完成です。

防虫ネットを設置する

目の細かい防虫ネットを設置すれば、女王蜂は物理的に近づけなくなり巣作りされなくなります。広範囲に設置するのは難しいかもしれませんが、屋根裏や床下などであれば、設置するだけで高い効果を発揮します。

スズメバチの女王蜂は春から巣作り!見つけたらすぐに駆除しよう

スズメバチの女王蜂は、産卵・育児が主な仕事です。巣作りは春先から始まるため、駆除するなら巣が初期段階のタイミングがベスト。巣が大きくなると駆除のリスクも高くなるので注意しましょう。

スズメバチの巣は、たとえ初期段階でも駆除には危険が伴います。自分で駆除できる場合もありますが、無理せずプロの業者へ依頼するのがおすすめです。

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スズメバチの女王蜂について徹底解説!一生・生態・駆除方法も紹介のよくある質問

  • Q. 女王蜂が死んだら蜂の巣はどうなる?

    女王蜂が死ぬと働き蜂が誕生しなくなるため、巣はそれ以上大きくならなくなります。

  • Q. 女王蜂は餌なしでも生きられる?

    女王蜂は、食べるものがない状態でも、何日も生きられます。

  • Q. 女王蜂は交代する?

    基本的に、女王蜂が交代することはありません。