ネズミの鳴き声は「チューチュー」じゃない!判別方法や対処法を詳しく解説
2024.05.01 2024.06.07
本記事では、ネズミの鳴き声の特徴を解説しています。
ネズミと言えば「チューチュー」と鳴くイメージがありますが、実は聞こえ方が違います。また、鳴き声が聞こえたときには繁殖が進んでいる可能性もあるので、放置するのは絶対にNG。
ネズミとよく似た害獣の鳴き声や、実際にネズミがいた時の対処法も紹介しています。ネズミ被害や、存在の可能性があって対策したい方はぜひ参考にしてください。
目次
ネズミの鳴き声は「チューチュー」ではない
ネズミの鳴き声といえば「チューチュー」と表現することが多いですが、実は聞こえ方が違います。実際の鳴き声は「キーキー」「キューキュー」「キュッキュッ」などで、かなり高い声を出します。
「チューチュー」と聞こえないからネズミではない、と判断してしまうのは危険ですので、覚えておきましょう。
ネズミの鳴き声と間違えやすい害獣4選
住宅街に出没しやすい害獣の中で、ネズミの鳴き声と似ている4種類を紹介します。
害獣 | 鳴き声 |
---|---|
ハクビシン | 「ピーピー」「キーキー」 |
イタチ | 「キッキッキッ」「キーキー」「クククク」 |
タヌキ | 「キューン」 |
コウモリ | 「キィキィ」「チチチ」 |
それぞれ具体的に解説していきます。
ハクビシン:「キーキー(低め)」
ハクビシンは、「キーキー」「ピーピー」などと鳴きます。成獣の鳴き声は、ネズミと比べるとやや低め。威嚇するときは、さらに低い太めの声で「ガウッ」と鳴きます。
幼獣の場合は大人よりも高めで、いったん鳴き声を出し始めるとなかなか鳴き止みません。
イタチ:「キッキッ」
イタチは平常時にはほとんど鳴きませんが、威嚇する時に「キッキッキッ」と発声します。幼獣が親を呼ぶときの鳴き声は、「キーキー」「クククク」のような高めの声です。
タヌキ:「キューン」
タヌキも、平常時には滅多に鳴きません。威嚇する際には「キュウーン」という子犬の鳴き声に似た声を出します。
コウモリ:「キィキィ」
コウモリの鳴き声は超音波で、通常は人間には聞こえません。ただし、威嚇するときには、「キィキィ」や「チチチ」などの人間に聞こえる鳴き声を出すケースもあります。声自体はネズミに似ていますが、ネズミと比べて太めなので、違いは分かりやすいはず。
コウモリは、鳴き声以外にも羽音で存在の有無がわかります。屋根裏などで羽音が聞こえたらコウモリを疑いましょう。
ネズミの鳴き声はどんな時に聞こえる?【タイミングや時間】
ネズミの鳴き声が聞こえるタイミングを解説します。
- 夜中に聞こえる
- 春と秋の繁殖期
- ドブネズミは驚いた時にも声を出す
時間帯やタイミングなどをチェックしていきましょう。
夜中に聞こえる
ネズミは夜行性なので、鳴き声は人間が寝ている時間帯に聞こえます。夜間に、屋根裏などで高い鳴き声が聞こえてくるなら、複数のネズミが存在しているかもしれません。
春と秋の繁殖期
ネズミの繁殖期のピークは春と秋で、3月~5月・10月~11月あたりには小ネズミが生まれます。そのため、夜間以外の時間帯でも、鳴き声が聞こえやすくなります。
ネズミの繁殖力はすさまじいので、この時期に鳴き声が聞こえたら要注意でしょう。
ドブネズミは驚いた時にも声を出す
クマネズミの幼獣やドブネズミは、驚いたタイミングでも鳴きます。
ハツカネズミはあまり鳴かないため、罠につかまった時などに鳴く場合は、ドブネズミもしくは、クマネズミの幼獣の可能性が高いです。
鳴き声以外でネズミと判断するには?【ラットサインを探そう】
鳴き声以外でも、ネズミの存在を確認できる方法があります。
- 夜に天井や壁から音がする
- 壁に黒いシミがある
- かじられた跡がある
- 足跡がある
- ふんが落ちている
「ラットサイン」と呼ばれる、ネズミの痕跡を確認していきましょう。
夜に天井や壁から音がする
夜、天井や壁から騒音が聞こえるなら、夜行性であるネズミの可能性が高いでしょう。
- 「ガリガリ・カリカリ」→木をかじる音
- 「ドドドッ」「ガサガサ・カサカサ」→天井裏や断熱材の中を走り回る音
壁に黒いシミがある
家の中で、覚えのない黒いシミができている場合は、ネズミの侵入を疑いましょう。ネズミの体に付着している脂分や汚れなどが、壁や床などにこすり移って黒いシミになるのです。
特に、ネズミが通り道にしやすい壁・床の隅・柱などに現れる傾向があります。
かじられた跡がある
ネズミの歯は削らないと伸び続け、定期的に削らないと餌を食べることもできなくなります。そのため、食糧としてだけでなく、固いものをかじって歯を削る習性があります。
電気ケーブルや木でできているものは、ネズミがかじりやすい固さや素材。もし、かじられたような跡が見つかれば、ネズミがいる可能性が高いでしょう。
ネズミがかじった跡を見極めるには、以下の記事も参考にしてください。
足跡がある
1cm~2cm程度の小さな点のように見える足跡があったら、ネズミの可能性が濃厚です。他の害獣に比べ小柄ですばしっこいため、小さい穴がたくさんついているように見えるのです。
室内のほこりや、野外の汚れの上に小さな穴のような足跡が点在していたら、ネズミが侵入しているかもしれません。
ふんが落ちている
ネズミは移動しながらふんを落とします。糞の形状や色によって、侵入しているネズミの種類が判別できます。
ふんの特徴 | ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ |
---|---|---|---|
大きさ | 10mm~20mm | 6mm~10mm | 4mm~7mm |
色 | こげ茶色・灰色 | 茶色・灰色 | 茶色 |
形状 | 楕円形、太い | 楕円形、細長い | 両端がとがっている、米粒サイズ |
落ちている場所 | キッチン、水まわり、排水管まわり | 屋根裏、換気扇周辺 | 物置、倉庫 |
ふんを見つけたら一部保管し、業者に確認してもらうことをおすすめします。
鳴き声からネズミを見つけた時の対処法
鳴き声が聞こえたりネズミを目視したりしたら、早急に対処しましょう。
- ネズミ駆除業者を呼ぶ
- ネズミを寄せ付けないアイテムを活用する
- 侵入経路をふさぐ
上記3つについてそれぞれ解説していきます。
ネズミ駆除業者を呼ぶ
鳴き声だけで姿が確認できない時や、動きが速くて捕獲できない時は、早めに駆除業者に相談しましょう。徹底駆除しない限り、被害はみるみる拡大してしまいます。
ネズミは学習能力や適応力が高く、駆除作業が難しいとされているので、専門の駆除業者に依頼するのがベストな方法と言えます。
ネズミを寄せ付けないアイテムを活用する
とり急ぎ自力で対策する場合は、以下のような方法があります。
忌避剤を置く
忌避剤には、ネズミの嫌がる臭いや煙を充満させ、ネズミを寄せ付けない効果が期待できます。スプレータイプ、燻煙タイプ、設置タイプなどさまざまな形状がありますが、鳴き声だけで姿が見えない場合は、燻煙タイプか設置タイプが良いでしょう。
効果の持続性が低い点、ペットなど他の動物にもストレスを与える点などに注意が必要です。
超音波を流す
ネズミは聴覚が優れているため、人には聞こえない超音波を利用する方法もあります。ネズミにとって不快な超音波を流せる超音波発生器を設置すれば、ネズミは近付きにくくなるでしょう。
ただし、適応力の高いネズミは、超音波にすぐ慣れてしまい効果がなくなるため、他の対策と併用すべきでしょう。
LEDライトやスピーカーを設置する
ネズミは警戒心が強いため、強い光や大きな音を発生させると驚いて逃げ出します。LEDライトやスピーカーを侵入経路になりそうな箇所に設置してみましょう。
超音波発生器と同様に適応してしまう可能性や、光や音が近隣住民の迷惑になる点を考慮してください。
市販のアイテムは一時的な効果はありますが、学習能力の高いネズミへの持続性は期待できません。あくまでも応急処置として、その後は駆除業者へ依頼してください。
ネズミを自力で捕獲する方法は、以下の記事からもチェックできます。
侵入経路をふさぐ
ネズミは、想像以上に細いすき間などからも侵入してきます。そのため、侵入経路を見つけ出し塞ぐ作業が物理的な対策です。
侵入口が特定できたら、ネズミの嫌がる成分を含んだパテなどを使って、完全に穴を塞いでください。
しかし、小さな隙間でも侵入する以上、侵入経路を特定するのは至難の業。一つとも限らないため、結局他の箇所からの侵入が避けられない恐れもあります。
侵入経路の特定に慣れている駆除業者に相談するのが、一番安全でスムーズな方法と言えるでしょう。
侵入経路の探し方は、以下記事でも詳しく解説しています。
ネズミの鳴き声が聞こえる?住み着く家の特徴
ネズミが好んで住み着きやすい家の特徴をお伝えしましょう。
- エサになる食べ物が豊富
- 巣材に活用できるものが多い
- 天敵となる生物がいない
- 侵入しやすい隙間が空いている
順番に解説します。
エサになる食べ物が豊富
ネズミはとても胃が小さく、こまめに何かを食べる習性があります。
必然的に、食材が豊富な場所が狙われやすいため、外に出しっぱなしの食材は冷蔵庫などにしまうなどして、放置しないのもネズミ対策の一つです。
巣材に活用できるものが多い
巣材になりうる材料が放置されていると、ネズミが寝床や繁殖場所を作る可能性があります。具体的には、ダンボールやティッシュ、布類など。巣を作って住みつく可能性があるので、ゴミは溜めずこまめに捨てましょう。
保湿効果のある素材がたくさん落ちている家やゴミ屋敷は、寒がりのネズミにとって好ましい環境です。
天敵となる生物がいない
「ネコがいる家にはネズミが出ない」という定説は有名。実際に、狩猟本能が強いネコはネズミを捕獲しようとするため、ネズミはネコのいる家には寄り付きにくい傾向があります。ネコ以外では、ワシやタカなどの大きな鳥、肉食動物、爬虫類系もネズミの天敵です。
ただし、天敵となる生物がネズミの確実な抑止力になるわけではありません。天敵とされている生物を、ペットとして迎え入れたからといって安心するのは危険です。
穴や隙間が空いている
ネズミは小さな穴や隙間から家に侵入します。窓のサッシや換気扇、室外機、配管などが侵入経路になりやすい場所。
しかも、自分の身体より小さい1cmほどの穴や隙間も、前歯でかじって間口を広げるケースもあるので、穴が小さいから大丈夫、と放置せずにすぐ対策しましょう。
ネズミの鳴き声が聞こえたら早急に対策!放置するリスクとは
姿が見えないからと言って、鳴き声やラットサインを無視するのは絶対にやめましょう。
- 見えないところで繁殖が進んでいる
- 家や人に被害を与える
ネズミを放置するリスクについて、解説していきます。
見えないところで繁殖が進んでいる
ネズミの鳴き声は、いわゆる「チューチュー」ではないとお伝えしました。ネズミでないだろうと放置してしまうと、繁殖力の高いネズミは短期間で一気に増加します。
一年のうち6~7回分娩し、1回に6~10匹程度の個体を産むため、1年で約10,000匹に増加する計算です。1匹でも存在を確認したら、すぐに駆除業者に依頼しましょう。
家や人に被害を与える
ネズミが建材や電線コードをかじりだすと、漏電や火災のリスクが高くなります。
家のダメージだけでなく、病原菌を保有するネズミは、人間の健康にも被害を及ぼします。食中毒やアレルギーの発症につながるので、ネズミの鳴き声が聞こえたら、早急に駆除を依頼すべきでしょう。
ネズミによる火事・漏電被害については、以下記事をご覧ください。
ネズミの鳴き声が聞こえたらすぐに駆除業者に相談
ネズミの鳴き声の特徴や他の害獣との見分け方、実際に見つけた時の対処法などをお伝えしました。ネズミの鳴き声はもちろん、何かしらの鳴き声が聞こえた場合にそのまま放置しておくのは大きな被害につながります。
「夜に甲高い鳴き声がする」「天井裏で足音がする」などの現象があるなら、早急に業者に相談しましょう。セーフリーを活用すれば、ネズミ駆除の優良業者を簡単に比較検討できます。一括見積もりも依頼できるので、気になる業者を見つけたら気軽に相談してみましょう。
ネズミの鳴き声は「チューチュー」じゃない!判別方法や対処法を詳しく解説のよくある質問
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Q. ネズミによって鳴き声は違いますか?
鳴き声自体に大きな差はありませんが、捕まえた時などに反応の違いはあります。
ドブネズミ:よく鳴く
クマネズミ:あまり鳴かない(幼獣は鳴く)
ハツカネズミ:あまり鳴かない -
Q. 鳴き声が聞こえなければネズミの心配はないでしょうか?
ドブネズミ以外のネズミは、成獣の場合あまり鳴きません。そのため、鳴き声が聞こえないからといって油断は禁物。鳴き声以外のラットサインがないか、確認してください。
-
Q. 鳴き声だけで被害がないので、放置してもいいですか?
成獣より幼獣の方が良く鳴きます。繁殖時期に子ネズミが鳴いている可能性もあり、繁殖力の高いネズミを放置するのは大変危険です。家屋や健康に被害が及ぶ前に早急に対策しましょう。