ヤマトシロアリの羽アリは見た目が黒い?【特徴一覧】

シロアリとクロアリの違いは色だけじゃない?【見た目から生態まで徹底比較】

2024.03.06 2024.09.03

本記事では、シロアリとクロアリの違いについて解説します。

名前とは裏腹に、意外と色味で見分けが付かないシロアリとクロアリ。クロアリの発生も嫌なものですが、家屋に直接的な被害を及ぼすシロアリが発生したとなると大ごとです。

いち早く違いを判断して適切な対策が取れるよう、それぞれの特徴を徹底比較します。

シロアリとクロアリはそもそも属性がちがう?

シロアリとクロアリはそもそも属性がちがう?

アリという共通の名を持つシロアリとクロアリ(よく見かける黒いアリ)ですが、生物学分類上は別の虫となります。

クロアリは「ハチ目アリ科」に分類され、ハチの仲間を祖先にもつ昆虫です。 体つきもよく見るとスズメバチやアシナガバチに似ており、数は少ないものの針を持つ種類も存在します。

一方で、シロアリはゴキブリを先祖とした生命力の強い虫。昆虫学の観点では、「昆虫綱ゴキブリ目シロアリ下目 」となり、一般的なアリとは別の種類の昆虫なのです。

シロアリとクロアリの見分け方①見た目

シロアリとクロアリの見分け方①見た目

名前にちなんで、シロアリは白色、クロアリは黒色と一目瞭然であれば分かりやすいですが、実際は色だけで判断するのは難しいと言えます。

シロアリは、茶褐色や黒っぽい色のものも存在するため、白くないから普通のアリだと安心するのは危険です。

見た目の判断基準を表にまとめました。

判断箇所 シロアリ クロアリ
胴体 くびれがない くびれがあり、頭部・胸部・腹部がはっきり分かれる
模様(翅脈)が細かい 模様(翅脈)が太い
その他 羽が取れやすい 太い羽は引っぱらないと取れない

 

シロアリとクロアリの羽アリを見分ける最大のポイントは、羽の模様と胴体のくびれの2つです。

羽の模様が違う

アリの身体に羽が付いている羽アリの状態では、胴体のくびれは確認しにくいですが、羽の模様を見れば判別できます。

  • シロアリ⇒羽の模様(翅脈)が細かく多い
  • クロアリ⇒羽の模様(翅脈)が太く少ない

胴体のくびれ方が違う

クロアリとシロアリを色だけで判別するのは難しいですが、クロアリは、ハチのように胴体にくびれがあります

羽が取れた状態では、羽アリのときよりも「くびれ」がはっきりと確認できるため、羽を落とした時期のほうがそれぞれ区別しやすいでしょう。

シロアリとクロアリの見分け方②生態

シロアリとクロアリの見分け方②生態

シロアリとクロアリの違いは見た目で見分けられるとは言え、「虫を近くで見るのは避けたい」という方も多いのではないでしょうか。

発生する生態の違いについて確認することで、もっと判別がわかりやすくなります。

  • それぞれの羽アリが飛び回る時期
  • 発生した時の個体の規模
  • シロアリもクロアリも高温多湿を好む

順番に確認していきましょう。

それぞれの羽アリが飛び回る時期

アリの生態として、羽アリとなって群飛する時期が一番人目につきます。羽アリが発生した時期によって、以下の通りに見分けられるはずです。

  • シロアリ⇒4月~7月
  • クロアリ⇒6月~10月

建物に被害を与える主な白アリは、4月中旬~5月(ヤマトシロアリ)、6月~7月(イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリ)にかけて羽アリが発生し、他の時期では発生しません。

クロアリが羽アリとなって繁殖が活発になるのは、一番被害が多く一般的とされる「ヤマトシロアリ」の後が主流です。6月から10月にかけて複数の種類が代わる代わる発生します。

シロアリの種類についてはこちらの記事も参考にしてください。

発生した時の個体の規模

活発に活動する時期の個体数にも着目しましょう。

クロアリと違い、シロアリの羽アリは数百匹~数千匹という大きな単位で発生することが多いです。シロアリの羽アリが室内から発生した場合は、既に床下がシロアリ被害に遭っていると覚悟すべきでしょう。

シロアリ被害が深刻になると、柱などの建築部材の中身がスカスカな状態となり、住まいを支える大黒柱にも損傷が出ます。早急に、シロアリ駆除および予防工事を依頼しましょう。

シロアリ駆除の費用相場は、以下の記事も参考にしてください。

シロアリとクロアリの見分け方③好物

シロアリとクロアリの見分け方③好物

シロアリとクロアリの見分け方として、好きな食べ物、つまり食害を受ける場所からも判断できます。

  • シロアリは柔らかな木材や落ち葉が好き
  • クロアリは雑食性

それぞれ見ていきましょう。

シロアリは柔らかな木材や落ち葉が好き

本来、シロアリは柔らかな木材や落ち葉の水分を好みます。家を食い荒らす印象の強いシロアリですが、最初から人間の家を狙っているのではありません。

湿気のあるところや餌のあるところを探し求めた結果、好みの湿気を含む住宅の木材を見つけて住み着いてしまうという流れです。

つまり、常に換気を心掛けるだけでも被害をある程度防止できると言えるでしょう。

クロアリは雑食性

シロアリが木材などを好む一方で、クロアリは甘いものが大好き。花の蜜や樹液などを好むと聞いて、納得する方も多いでしょう。

さらには、虫の死骸なども食べる雑食性をもちます。驚くことに、クロアリはシロアリをも食すため、シロアリにとっては天敵とも言える存在なのです。

クロアリがシロアリを食べることで被害を防げる?

クロアリがシロアリを食べることで被害を防げる?

「クロアリがシロアリを食べるなら、クロアリがいればシロアリ被害を防げるのでは?」

そう考えるのは自然な流れではありますが、残念ながらそうはいきません。

シロアリは、一つの巣に数千匹単位で生活しています。そもそも個体規模に差がある上に、クロアリに捕食されるのはほんの一部だけなので、シロアリ被害を抑えられる助けにはなりません。

違う角度で考えると、クロアリが発生するということは、その場所に餌となるシロアリがいるかもしれないのです。

シロアリの巣がある場所はクロアリにとって住みやすい環境であると言えるので、シロアリの存在を疑ったほうが良いでしょう。

シロアリやクロアリによる被害を比較

シロアリやクロアリによる被害を比較

被害が出る前に駆除できるのが一番ですが、人目につかない時期でも被害は広がっている可能性があります。

  • シロアリは家屋に直接的な被害を及ぼす
  • クロアリは家屋への被害はない

具体的に起こりうる被害の違いを解説していきます。

シロアリは家屋に直接的な被害を及ぼす

ご存じの通り、シロアリは家屋に直接被害を及ぼします。特に、春先に敷地内で羽アリを見かけた場合は、シロアリ被害が既に進んでいる恐れがあります。

シロアリは床下のような人の目につきにくい場所から食害を起こしはじめます。春先に群飛する羽アリは、シロアリが既に巣の中で繁殖し、新たな木材で被害を拡大させようとしているサインなのです。

シロアリ被害にあっていると見受けられる症状をリストアップしました。

  • 床下がふかふかと沈む箇所がある
  • 柱や浴室の入口ドアなどがスカスカになっている
  • 漏水や浸水などが起きる

上記のような現象が起きている場合は、既にシロアリが生息、かつ活動範囲を広げている可能性が高いです。

床下のシロアリ被害については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

クロアリは家屋への被害はない

クロアリはシロアリのように木材を食べることはないため、家屋に直接的な被害は与えません。しかし、クロアリは家屋の外壁を登って、窓のサッシの隙間などから室内に侵入します。

甘い匂いのするキッチンに集まり、食品に被害を及ぼすだけでなく、電化製品や自動車、テレビやパソコンの内部に侵入し巣を作る品種もいるので、放置はおすすめできません。

なにより注意が必要なのは、シロアリを食べるクロアリがいるということは、シロアリの発生も疑われること

クロアリの被害が短絡的と言える一方で、シロアリが家屋に及ぼす被害は甚大です。クロアリしか目に留まらないからといって、安心するのは大変危険です。

シロアリもクロアリも早めに徹底駆除しよう

今回は、シロアリとクロアリの特徴や違いを解説しました。

クロアリは、シロアリと違い、家屋に直接被害を与えません。しかし安心は禁物。

クロアリが住みやすい環境であれば、シロアリの発生も考えられます。シロアリもクロアリも、発見したら大事に至る前に駆除を依頼しましょう。

セーフリー掲載のシロアリ駆除業者なら、急ぎの依頼でも安心。シロアリやクロアリの駆除を迅速に解決できる優良業者が揃っています。ぜひご活用ください!

シロアリとクロアリの違いは色だけじゃない?【見た目から生態まで徹底比較】のよくある質問

  • Q. シロアリは色味ですぐわかりますか?

    シロアリという名だけにシロアリは白色、クロアリは黒色、と思われている方も多いですが、実際は色だけで判断するのは難しいと言えます。
    茶褐色や黒っぽい色のシロアリも存在するので、白くないからと言って放置しておくのは危険です。

  • Q. クロアリが発生しても心配ないでしょうか?

    クロアリは家屋に直接被害を与えないので、ノーマークになりがちですが、実はシロアリを餌に住み着いていることも。つまり、シロアリが住める環境が整っている可能性があります。
    放置せずに家屋の点検や駆除作業しましょう。

  • Q. シロアリやクロアリは自分で駆除できますか?

    ホームセンターなどでアリの駆除アイテムを販売していますが、シロアリもクロアリも自分で根絶するのは難しいです。特にシロアリは、目に見えないところで被害を拡大させている可能性があるので、専門業者に依頼しましょう。