シロアリの防除を詳しく解説!駆除と予防との違い・必要性について
2024.05.05 2024.05.05
本記事では、シロアリの防除について解説します。
「防除」という言葉は、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。防除の意味と併せて、以下3点に焦点を当てていきます。
- シロアリの「防除」は駆除や予防とどう違う?
- 具体的にどのような防除工事がある?
- シロアリ防除が必要な家の判断基準は?
記事後半では、シロアリ防除に対応する業者の選び方もご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
シロアリの「防除」とは?【駆除や予防との違い・必要性】
シロアリの「防除」の意味は、「予防」と「駆除」、2つの意味を含み、予防と駆除を同時に実施する作業を指します。具体的な作業は以下の通りです。
- 「防」:シロアリが建物の内部に侵入するのを防ぐ
- 「除」:建物に被害を及ぼしているシロアリを駆除する
予防と駆除をセットに実施する「シロアリ防除」は、一般的な対策方法です。自力での駆除が難しいシロアリを根絶するために、防除は必須だと言えるでしょう。
シロアリの発生場所
シロアリが好む環境は、暗くて湿気のある暖かい場所です。具体的には、以下のような場所にシロアリが潜んでいる可能性が高いです。
- 床下の土台
- 屋根裏
- 玄関
- 浴室やキッチンなど水まわりの柱
- 畳の裏面 など
湿気の多い場所は、どこでもシロアリが発生する可能性があり、主に木材(セルロース)が食害に遭いやすいです。
しかし、シロアリに狙われるのは木造建築だけではありません。レンガや鉛、薄板を食べるほどの強靭な大アゴをもつため、鉄筋コンクリートでさえ被害を受けるケースもあります。
シロアリ防除の流れ【5つのステップ】
シロアリ防除の実際の流れをご紹介します。一般的に、シロアリの防除を依頼するときは、以下6つのステップで進めていきます。
- 被害状況・作業内容の確認
- 見積もりの作成・確認
- 養生・準備
- シロアリ防除工事
- 清掃・作業報告・支払い
それぞれ確認していきましょう。
1.被害状況・作業内容の確認
まずは、被害状況の有無を確認します。専門業者に出張してもらい、現場を確認してもらいましょう。出張費や状況確認を無料で対応している業者も多いです。
業者の良し悪しを判断できる段階でもあります。
2.見積もりの作成・確認
現地確認が済んだら、見積もりを作成してもらいましょう。
被害状況の有無や、被害の大小などが見積もり金額に反映されます。不要な作業はないか、不明瞭な点はないかを、しっかり確認してください。
不明点は業者に事前にしっかり聞きましょう。見積もり後に追加料金が発生しないかどうかも、この段階で確認すべきです。
3.養生・準備
見積もりに納得できたら、実際の工事準備に入ります。
シロアリの被害が起こりやすい床下には、キッチンや洗面所にある床下収納庫より進入する場合が多いです。床下収納庫がない建物では、和室の畳を1枚上げ、床板やコンクリートパネルなどの一部を取り外して進入するケースもあるでしょう。
作業時に建物に傷や汚れがつかないよう、養生も同時に実施されます。
4.シロアリ防除工事
養生などの準備が済んだら、床下・室内・室外のエリアごとに、防除工事を実施していきます。
床下部分のシロアリ防除施工は、以下の工程で進めていきます。
- 木部の穿孔薬剤注入
- 木部の薬剤散布
- 基礎・土壌の薬剤散布
室内のシロアリ防除施工は、主に以下の通りです。
- 被害箇所の穿孔注入処理
- 浴室の穿孔注入処理
- 玄関の穿孔注入処理
室内の被害に遭いやすい箇所に施工していきます。
また、建物の周囲も防除処理を実施します。シロアリの羽アリが飛んでくるケースもあるので、基礎の外廻りも防除の対象です。
5.清掃・作業報告・支払い
すべての防除作業が済んだら、使用した工具や機材の片付け、工事の際に移動した家具、床下への導線などを元の状態へ戻します。養生も撤去し、全体的に清掃を実施します。
作業報告を受けて支払いを完了したら、一連の防除施工は終了です。
シロアリ防除の費用相場について
シロアリ防除の予防と駆除工程だけでなく、シロアリが繁殖しにくくするための設備工事費用もあわせて解説します。
防除の費用相場
予防・駆除にかかる費用相場は、以下の通りです。
防除の方法 | 費用相場 |
---|---|
ベイト工法 | 6,500〜10,000円/坪 |
バリア工法 | 6,000~8,000円/坪 |
注意点として、繁忙期は割増になる場合があります。シロアリ駆除の繁忙期は、6月〜9月。シロアリ駆除の予約が取りにくい上、費用も高くなる傾向があるため、緊急でなければ依頼時期を調整しましょう。
設備工事の費用相場
建物の補強など、よくある設備工事の費用相場を表にまとめました。
施工メニュー | 費用相場 |
---|---|
床下換気扇の設置 | 5,000円/台~(床下に3台以上が目安) |
カットシール工法(コンクリートのひび割れの補修) | 9,000円/坪~ |
ハイブリッド工法(樹脂と強化繊維による補強) | 90,000円/坪~ |
被害に遭いやすい床下の換気促進のため、床下換気扇を設置するケースが増えています。
シロアリ防除の方法は2種類!
予防と駆除を同時に実施する防除工事は、駆除工事と同様の工法が用いられます。
- ベイド工法
- バリア工法
それぞれの特徴を解説していきます。
ベイド工法
ベイト工法は、「ベイト剤」と呼ばれる毒餌が入った専用の容器を地面に埋める手法です。
建物外周にベイト剤を設置するベイト工法は、シロアリ発生の有無にかかわらず、効果が期待できます。強い薬剤を使用しないため、臭いや人体被害が少ないのも特徴でしょう。
バリア工法
バリア工法は、シロアリが潜む床下に薬剤や殺菌剤を散布する方法です。
被害に遭いやすい床下で、忌避性・即効性のある薬剤を散布するため、駆除だけでなく予防効果も見込めます。ベイト工法と比較すると安価で実施できますが、使用する薬剤はかなり強いので、小さな子供やペットへの配慮が必須です。
シロアリ防除の必要性は?【全ての家がシロアリすべき対策】
シロアリ防除は、新築なら5年以内に実施すべきでしょう。シロアリは建物の築年数に限らず、全ての家をターゲットにします。
新築時に防除工事を実施しても、薬剤効果の保証期間は5年。5年経ったらシロアリ予防する必要があるのです。
建物が鉄骨構造でも、シロアリ防除は必須と言えるでしょう。鉄筋コンクリート造りの家でも、柱や梁には木材が使用されています。また、隣の家が木造だったり、近くに山や林がある環境では、土の中を伝ってシロアリが侵入する可能性もあります。
鉄筋コンクリートも木造も、シロアリ被害のリスクは同等だと認識しておきましょう。
シロアリ防除業者を選ぶ時のポイント4つ
シロアリ防除を依頼する業者選びは、以下4点をチェックしましょう。
- シロアリ防除の実績
- 相見積もりで相場をチェック
- 口コミ評価の高さと内容
- 保証内容・アフターフォロー
シロアリ防除の実績
まずは業者のホームページで会社概要や施工事例をチェックしましょう。「創業から長く続いている」「多くの実績がある」などが確認できれば、大きなトラブルに発展する心配は少ないでしょう。
シロアリの専門業者には悪徳業者も存在します。「実績が少ない」「ホームページがない」「情報が少ない」などの業者は、念のため避けた方が無難です。
相見積もりで相場をチェック
複数業者から相見積もりをもらい、比較検討するのも大切。
複数業者を比べれば、工事内容や費用相場も把握しやすいはずです。料金設定が不明瞭な業者や安すぎる業者は、作業後に高額な追加料金を請求されるケースもあります。事前見積もりの時点で、少しでも疑問に思う点はしっかり質問しましょう。
実績が豊富で信頼性の高い業者ほど、初心者にも分かりやすいように、項目を分けた見積書を作成してくれます。優良業者か否かも、見積もりの内容で判断できると言えます。
口コミ評価の高さと内容
利用者のリアルな声は、業者選びの重要な判断基準となります。
業者の対応、接客態度、作業の様子など、口コミを見れば分かる情報もあります。また、口コミ数も、その業者がどれくらい依頼を受けているのか、参考になるでしょう。
保証・サービス内容/アフターフォロー
シロアリの防除作業は、薬剤の効果にあわせて保証期間が設定されていて、5年間の保証が一般的です。保証期間の有無や期間は大きな選定ポイントなので、必ず確認してください。
保証とは別に、事前調査時の写真撮影報告や、保証期間内のアフターフォローなどのサービスに注力している業者もあります。ご自身のニーズにあわせて業者を選びましょう。
シロアリ防除は専門業者に相談しよう
シロアリの防除の重要性や費用相場、具体的な工法などをご紹介しました。シロアリ防除は家の構造問わず、5年程度のサイクルで専門業者に依頼するのがおすすめです。
シロアリ防除の優良業者を選ぶには、複数業者に見積もりを取るのがおすすめ。セーフリーなら、年中無休でシロアリ防除に対応する専門業者を探せます。一括見積もりサービスでスムーズに業者を比較できるので、まずは無料見積もりから依頼してみましょう。
シロアリの防除を詳しく解説!駆除と予防との違い・必要性についてのよくある質問
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Q. シロアリ防除は一部のみ依頼できますか?
部分的な防除はおすすめできません。一部だけ防除すると、その他の部分へシロアリが移動してしまい、防除しなかった部分の被害が大きくなってしまいます。
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Q. 防除に適した時期はいつですか?
シロアリは冬眠せず年中活動しています。家屋にシロアリの発生に気付いたら、時期に関係なく防除依頼しましょう。
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Q. シロアリ防除はなぜ5年毎に実施すべき?
防除に使用する薬剤は、一般的に5年の持続効果が保証されています。よ保証の切れる5年を目途に依頼すると良いでしょう。