シロアリの駆除剤について徹底解説【種類の違いや人体への影響も】
2024.04.07 2024.04.07
本記事では、シロアリの駆除剤について詳しく解説します。
シロアリ駆除に使用する駆除剤は、環境問題や人体への影響に考慮し、進化してきた歴史があります。
- プロの使用する駆除剤や効果
- 人体やペットへの影響はあるか
- 安心して依頼できる優良業者の見分け方
- 自分でもできるシロアリの予防方法
シロアリの駆除剤の効果や影響力についてお伝えするとともに、自分でも散布できる防除剤などもご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
目次
シロアリに効く駆除剤の種類
シロアリ駆除薬剤は、さまざまな種類があります。ここではそれぞれの特徴について解説していきます。
- 普及量・安全性が高い:ネオニコチノイド系薬剤
- 即効性がある:合成ピレスロイド系薬剤
- 確実性が高い:フェニルピラゾール系薬剤
- 中毒症状で退治:カーバメート系薬剤
- 食毒性がある:ホウ素系薬剤
- プロも使用:脱皮阻害剤(IGR剤)
順番に見ていきましょう。
普及量・安全性が高い:ネオニコチノイド系薬剤
日本で一番普及量が多い薬剤が、ネオニコチノイド系薬剤です。
薬剤量が少なく、効果の持続期間が比較的長いのが特徴。臭いがほとんどないのも、普及量の多さの理由です。
タバコなどに含まれるニコチンの殺虫成分を元に合成されているため、昆虫が苦手とする殺虫効果を発揮します。また、ネオニコチノイド系薬剤は飽和蒸気圧が非常に低く、空気中への揮発がほとんどありません。
人体やペットにとって、安全性が高い薬剤と言えます。
即効性がある:合成ピレスロイド系薬剤
即効性に特化している薬剤は、ピレスロイド系薬剤です。
除虫菊から抽出されるピレトリンを化学合成した「ビフェントリン」「ペルメトリン」などが分類されます。低温で効果を発揮するため、人体より体温の低い昆虫を選んで殺虫します。
夏にお馴染みの蚊取り線香や、ホームセンターなどで販売している家庭用殺虫剤の多くは、このピレスロイド系の薬剤が使われていることからも、安全性の高さがうかがえます。
確実性が高い:フェニルピラゾール系薬剤
フェニルピラゾール系薬剤も、市販の家庭用殺虫剤に使用されている薬剤です。
じんわりと神経伝達作用を阻害するので、家屋内のシロアリに気付かれないうちに、全てのシロアリに殺虫成分が行き届く確実性があります。
一方で、毒性が強く人間やペット、魚類にも影響が出るので注意が必要です。
中毒症状で退治:カーバメート系薬剤
フェニルピラゾール系と同じく、神経に作用することで駆除につなげる薬剤に、カーバメート系薬剤があります。シロアリ駆除剤に使われる成分としては、「フェノブカルブ」や「プロポクスル」など。シロアリを異常な興奮状態にさせて退治します。
駆除効果が安定しているカーバメート系薬剤ですが、その成分には、居住者の健康に悪影響を及ぼす、シックハウス症候群を発症させる疑いがあると言われています。化学物質に敏感な方は、使用を控える方が無難でしょう。
食毒性がある:ホウ素系薬剤
ホウ酸は、目薬の防腐剤として使用されているほど、人間にとっては安全性の高い薬剤。名前を聞いたことがある方もいるでしょう。
人間に害が少ない反面、急性毒性はネオニコチノイド系薬剤で使用されているクロチアニジンよりも高く、シロアリ駆除に効果があります。防腐成分により、木材に対する防腐効果も期待できます。
しかし、他の薬剤と違い、ホウ酸塩を食べることで効果が出る食毒性なので、シロアリが直接食べない限りは効果はありません。水溶性のため、雨などで流れてしまう欠点も。
駆除剤というよりも、木材防腐剤としての使用が適していると言えます。
プロも使用:脱皮阻害剤(IGR剤)
脱皮阻害剤とは、文字通り脱皮を阻害することでシロアリを死滅させるという、他の薬剤とは一線を画する効果が期待できます。
脱皮を繰り返して成長していくシロアリの特性に着眼し、脱皮を阻害することで成長を止め、死滅させる仕組みです。
シロアリが好む木材などに成分を含ませ、食べさせることで効果を発揮。食べてもすぐに効果が現れないため、そのまま気付かずに巣内へ毒餌を持ち帰らせ、結果的に巣の全滅を狙います。
脱皮阻害剤の強みは高い安全性で、「ベイト工法」と呼ばれるシロアリ防除作業にも使用されています。人体をはじめとした哺乳類や鳥類、魚類などに安全性が高い薬剤です。
シロアリ駆除剤の選び方
駆除剤の種類を理解したところで、続いては選び方を見ていきましょう。
- 成分重視で選ぶ
- 目的で選ぶ
- 手軽さで選ぶ
- 特徴で選ぶ
順番に確認していきます。
成分重視で選ぶ
薬剤の「成分」は、シロアリ駆除剤を選ぶ上で重要なポイントです。化学物質に強くない居住者やペットを飼っている家庭では特に確認すべきでしょう。
安全性が高い代表的な駆除剤は「ネオニコチノイド系薬剤」が挙げられます。「イミダクロプリド」「クロチアニジン」などが、ネオニコチノイド系薬剤に分類されます。
昆虫のみをターゲットとして作用するため、シロアリ以外への影響が少なく、人間やペット・魚類などに害が少ないのがメリットですよ。
目的で選ぶ
家庭の被害状況に合わせた目的で、駆除剤を選ぶのも大切です。既に発生しているシロアリの全滅を目的とするか、シロアリが寄り付かないような予防を目的とするかによって、使い分ける必要があります。
シロアリを全滅させるのが目的の場合は、「非忌避性」「遅効性」「伝播性」の3つが揃っているものを選んでください。
「フィプロニル」などのフェニルピラゾール系薬剤は、上記の効果が揃っているものの、人体へ害を及ぼす場合もあるので、使用に注意が必要です。
手軽さで選ぶ
シロアリ駆除剤は、設置するだけのタイプもあります。
シロアリをおびき寄せてから、有効成分の入った毒餌を巣に持ち帰らせることで、巣自体を丸ごと駆除できます。最も手軽で簡単な方法と言えるでしょう。
効果が出るまで時間がかかるため、あくまでもシロアリによる被害が無い場合の予防策としての使用がおすすめ。既にシロアリ被害が目視できる状況では、即効性のある成分を選ぶか業者に依頼したほうが得策です。
特徴で選ぶ
シロアリ対策として急を要さない場合は、駆除効果以外のプラス成分に着目してみるのも良いでしょう。
たとえば、以下のような例が挙げられます。
- ガーデニングをしているなら「木材に優しい薬剤」を選ぶ
- シロアリ駆除剤の臭いを避けたいなら「無香料の薬剤」を選ぶ など
駆除中、駆除後の生活にも大きく関連するポイントですね。
シロアリの駆除剤は人体に影響がある?
しつこいシロアリを撃破する強力な駆除剤は、人体への悪影響があるイメージをおもちの方も少なくないでしょう。
実際に、吐き気や頭痛を発症する「シックハウス症候群」は、薬剤が揮発することによる、室内の空気汚染が原因の一つと言われてきました。
土壌汚染や人体への影響を解消すべく開発が進められてきた結果、現在普及しているシロアリ駆除用薬剤には、揮発成分がほぼ無い薬剤が定着してきています。
そして、現在も引き続き、薬剤の安全性を裏付ける検証試験などの開発が進められています。さまざまな安全項目をクリアできてこそ、認定薬剤として使用を許可される現在では、市販されているシロアリ駆除剤は安全性が高いと言えるでしょう。
シロアリの駆除剤散布は業者へ依頼すべき
「シロアリ被害は見えないし、ホームセンターで買った防除剤をまいておけば大丈夫」などと考えている方も多いはず。
しかし、シロアリ被害は目に付かないところで進んでいます。温暖化が進む昨今では、今までシロアリ被害が報告されにくかった地域でも、徐々に被害が拡大している傾向があるのです。
さらに、目視で確認できるシロアリ被害以外に、想像以上のシロアリが木材や床下に存在しています。プロが使用する確実性のある駆除剤散布を実施しないと、根絶は難しいと言えるでしょう。
また、駆除そのものだけでなく、床下にたまっているカビやホコリなどに触れることで、アレルギーを発症する可能性もあります。総体的に考えると、シロアリの駆除剤散布は専門業者に依頼すべきです。
駆除剤を使用したシロアリの駆除方法
専門業者の駆除方法は、以下の2つが主流です。
- バリア工法
- ベイド工法
それぞれ解説していきます。
バリア工法
バリア工法とは、シロアリが潜む床下に薬剤や殺菌剤を散布する方法です。即効性に優れていることに加え、次にお伝えするベイト工法と比較し、費用も安いメリットがあります。
ただし、バリア工法で使用する薬剤はかなり強く、子供やペットへの悪影響が懸念されます。駆除期間、在宅を予定している場合は、安全を最優先してベイト工法も検討してください。
ベイト工法
ベイト工法は、毒餌が入った専用の容器を地面に埋める方法です。毒に気付かないまま餌を見つけて巣に持ち帰らせることで、シロアリを確実に駆除します。
シロアリの巣ごと根絶できるため、高い駆除効果が見込めます。バリア工法より時間と費用がかかるものの、人体に影響が少なく、臭いも少ない薬剤を使用する点は、安心感があると言えるでしょう。
シロアリ駆除剤の散布はプロに依頼!【業者の選び方】
専門業者を選ぶ時の、失敗しない選び方をお伝えします。
- シロアリ駆除の実績を確認する
- 見積書の明細が具体的かどうか
- 日本しろあり対策協会の会員か
どれも重要な選定基準なので、しっかり確認してください。
シロアリ駆除の実績を確認する
シロアリ駆除作業の実績が多い業者は、信頼性が高いと言えるでしょう。まずはホームページなどから、創業・設立年度を確かめましょう。
大きな法人でも地域密着型の個人経営でも、10年以上安定した実績があるようなら、大きなトラブルに発展する心配は少ないと言えます。
比較サイトの口コミなどからも、利用者のリアルな声から業者の対応が確認できます。
見積書の明細が具体的かどうか
見積もりの内容からも、業者の良し悪しが判断できます。信頼性がある業者ほど、分かりやすい見積書を作成してくれます。
作業費だけでなく、基本料金や出張費の有無も確認し、全体のトータル金額で比較検討してください。少しでも疑問に思う点は、依頼前に解決しましょう。優良業者であれば丁寧に回答してくれるはずです。
日本しろあり対策協会の会員か
「公益社団法人日本しろあり対策協会」とは、国土交通大臣から認可を受けた、シロアリ駆除に特化した団体です。
協会に加入するためのハードルが高いだけでなく、会員になった後も定期的に講習会や資格取得へのサポートが実施されています。
日本しろあり対策協会の会員であれば、安定した駆除作業が約束されると考えて良いでしょう。一方で「日本しろあり対策協会」と似た名称を表記する業者も存在しますので、充分注意してください。
駆除剤を使ったシロアリ対策は専門業者へ相談しよう
シロアリ駆除に使用する駆除剤について解説しました。
シロアリの駆除剤は、被害状況に合わせたいくつかの種類が存在し、現在も安全性の高い駆除剤の開発が進められています。
人体への影響が少ない薬剤もあるため「シロアリ被害に不安がある」「予防したい」とお悩みの方は、専門業者に駆除剤散布を依頼してください。
セーフリー掲載のシロアリ駆除業者なら、具体的な見積もりを提示する上、シロアリに関する不安に寄り添います。自力では難しいシロアリ駆除に、迅速に対応する優良業者が揃っているので、まずは無料相談してみましょう!
シロアリの駆除剤について徹底解説【種類の違いや人体への影響も】のよくある質問
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Q. シロアリ駆除に適した時期はありますか?
シロアリは、季節問わず活動し続けています。そのため、時期に関係なく定期的に駆除する必要があります。
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Q. シロアリの被害はどのように確認できますか?
代表的な例として、床下が沈む、木くずが落ちている、などで目視できます。
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Q. 業者の依頼費用を抑えるコツを教えてください。
複数業者から相見積もりを取り、比較検討してください。被害が拡大する前に依頼するのもコツの一つです。