飲食店に発生したネズミ

飲食店にネズミが出たらどうなる?対処法や予防策は?【営業停止になる前に】

2023.07.30 2024.07.01

飲食店の経営する上で、必要になってくるのがネズミの対策。飲食店はネズミの餌となる食料が大量にあるため、ネズミが発生しやすい環境です。ネズミを放置してしまうと、最悪の場合営業停止などの大きな被害が発生してしまう可能性もあるので注意しましょう。

今回は、飲食店にネズミが出てしまった場合の対処法から、ネズミが出ないようにするための予防策まで徹底解説します。ネズミがまだ発生していないなら万全の対策を、すでに出てしまっていたら被害拡大前に速やかに対処しましょう。

飲食店にネズミが発生した場合どんな被害がある?

ネズミの被害で閉店した飲食店

食中毒などの健康被害の発生

ネズミは、サルモネラ菌をはじめとする様々なウイルスや病原菌を媒介にします。サルモネラ菌は食中毒の原因になる菌で、ネズミが触っていた食材や食器を使って気づかずに料理を出してしまうと、お客様の健康に被害が及んでしまうので危険です。

食中毒が出てしまった場合は、お店が営業停止処分を受ける可能性があるため、その間は営業できず大きな損害が発生します。また、営業を継続できたとしても、ネズミがかじった食材や紙類を廃棄しなければならないため、余計にかかってしまう材料費などのコストが経営を圧迫してくるでしょう。

風評被害によってお店のイメージが低下

ネズミが発生したことがお客様に知られてしまうと、衛生管理ができていないお店というイメージを持たれてしまい、客足が遠のいてしまう可能性があります。飲食店ではネズミを見かけるのが当たり前でも、お客様にとっては日常ではありません。

2019年には、あるコンビニでネズミが歩いている動画が撮影され、その動画がSNSで拡散されたことによって営業休止となり、その後店舗が閉店になったという事案も発生しています。ネズミを放置しておくと営業停止処分を受けるだけでなく、閉店にまで追い込まれてしまう可能性もあるため注意が必要です。

火災が発生する危険も

ネズミは固いものをかじる習性があります。ネズミが電気の配線を齧ったことが原因で漏電が起こり、火災によってお店が焼失してしまうかもしれません。火災が発生しないまでも、冷蔵庫が使えなくなったり、照明が使えなくなってしまったりと、休業が必要になるような被害が起こる可能性もあるので注意しましょう。

飲食店でネズミが出た場合の対処法4選!

飲食店でネズミ対策をするための捕獲器

ネズミが侵入できそうな隙間を塞ぐ

ネズミは小さな穴からでも侵入するため、ネズミが侵入できそうな隙間は塞ぎましょう。ネズミの侵入ルートには以下のような場所があります。

  • 通気口などの換気用の穴
  • エアコンダクトや配線を引き込む穴
  • 換気扇や配管周辺

上記のような場所に、パテや金網を使ってネズミが侵入できないような対策をすると良いでしょう。ただし、自分で塞ぐのが難しい場所も多いため、侵入を防ぎたい場合はネズミ駆除業者に防鼠(ぼうそ)工事を行ってもらうのが確実です。

超音波や電磁波を使って寄せ付けない

ネズミは人間よりも高い音を聞き取れるため、ネズミにしか聞こえない不快な超音波を発生させて追い払う方法もあります。超音波グッズには、電気タイプとコンセントタイプがあるため、設置したい場所に合わせて購入すると良いでしょう。超音波と同時に電磁波を発生させてネズミをより寄せ付けない効果がついたタイプもあります。

ただし、ネズミによって個体差があり、超音波や電磁波を気にしなくなる個体も多いので注意が必要です。最近では超音波を発生させるスマートフォン向けのアプリもあるため、効き目が不明な超音波グッズを導入するくらいなら一度試してみても良いかもしれません。

殺鼠剤や捕獲器を使ってしとめる

殺鼠剤の入った毒餌を置いたり、バネ式や粘着シート式の捕獲器を使ったりすれば、お店に出たネズミをしとめられます。毒餌や捕獲器にはいくつか種類があるので、設置場所によってうまく使い分けましょう。

毒餌の種類と特徴は以下の通りです。

特徴
固形タイプの毒餌 ネズミが食べやすく、餌場に置くと効果が高い
袋タイプの毒餌 ネズミが巣に持ち帰りやすいため、一気に駆除したい場合におすすめ
粉末タイプの毒餌 ネズミの足や体に付着させて広範囲に広げるため、ネズミの通り道に設置する

捕獲器には、大きく分けて、閉じ込めるカゴタイプと、粘着シートで動けなくするタイプの2種類があります。

特徴
バネ式やカゴ式の捕獲器 ネズミが餌を食べると仕掛けが作動するタイプ。ネズミの出入口や物陰に設置
粘着シートタイプの捕獲器 ネズミの通り道に設置して捕獲するタイプ。安価だが、ネズミに避けられないように設置するのが難しい

ネズミは警戒心が強いため、毒餌や捕獲器に設置されている餌を食べない場合もあります。始めの数日は餌だけを置き、ネズミが慣れてから捕獲器を設置すると効果的です。ただし、毒餌や捕獲器で死んだネズミを放置してしまうと、悪臭や菌が繁殖する原因にもなってしまうので知識がない場合は業者に依頼するのが良いでしょう。

業者に駆除を依頼する

飲食店のネズミを駆除したいのであれば、ネズミ駆除専門の業者に依頼するのがおすすめです。自分でネズミを駆除するのは難しく、対処法を間違ってしまうとネズミ被害が悪化してしまう可能性もあります。

飲食店にネズミが出た場合、営業停止処分や風評被害を避けるためにも、確実にネズミを駆除できる業者に依頼をしましょう。

飲食店にネズミが出ないようにするための予防策3つ

飲食店にネズミが出ないようにキレイにする

お店をキレイに保つ

ネズミは餌となる食材や生ごみの臭いで寄ってくるため、店内をキレイに保つことでネズミが出にくくなります。食材は適切な場所に保管し、汚れた食器や調理器具はすぐに洗うようにしましょう。また、掃除の際にはキッチンやフロアだけでなく、汚れのたまりやすいシンクやごみ箱など隅々までキレイにすることが重要です。

巣の材料となるものを捨てる

飲食店で食材運搬に使われる段ボールはネズミの巣の材料になるため、不要になったらすぐに処分しましょう。また、ペーパータオルや新聞紙、卵トレーなどもネズミの巣の材料になるため、適切に保管をして、使用し終えたらすぐに処分する必要があります。

忌避剤を使って寄せ付けない

ネズミが嫌う成分を含んだ忌避剤を使うことで、ネズミが発生しにくくなります。忌避剤には置くタイプやスプレータイプ、燻煙タイプなどがあるので設置場所に合わせて導入しましょう。

注意点として、忌避剤の成分が食材や食器などに付着すると、健康被害を及ぼす可能性があります。また、火の近くでスプレータイプの忌避剤を使うと引火や爆発の危険性もあるため、忌避剤を使用する際には細心の注意を払いましょう。

飲食店ネズミ駆除の費用相場

飲食店のネズミ駆除にかかる相場費用
飲食店のネズミ駆除にかかる費用相場は、おおよそ10万円~50万円程度です。駆除する面積が広い場合や、ネズミが大量に発生している場合には、その分費用も高くなります。できるだけ安い費用で駆除を行いたい場合には、複数の業者から見積もりをとり、比較しながら検討すると良いでしょう。

ただし、安すぎる業者の場合、サービス面に問題がある可能性もあるため、料金だけでなく駆除作業で行う内容についてもしっかり確認することをおすすめします。業者を選ぶ際には、ネズミ駆除の実績、アフターサービスの有無などを確認すると良いでしょう。

ビルのテナントで営業をしている場合は、ビルの利用規約によっては管理会社の負担でネズミを駆除できる可能性もあります。ただし、生ごみの処理をしていなかったなど、借り主に原因がある場合には借り主負担になってしまうこともあるので注意が必要です。ビルのテナントでネズミが発生した場合は、まず管理会社に相談してみると良いでしょう。

最悪の事態が起こる前にネズミ対策をしよう

飲食店にネズミが出ると、食材が使えなくなるだけでなく、営業停止や風評被害による売り上げ減少などの被害が起こります。まだネズミが出ていない場合には、しっかりとネズミ予防を行い、もしもネズミが出てしまった場合は早急に駆除を行いましょう。

また、ネズミが出ないように店内をキレイにしておくことも重要です。そのため、日ごろの清掃もしっかり行いましょう。

飲食店にネズミが出たらどうなる?対処法や予防策は?【営業停止になる前に】のよくある質問

  • Q. ネズミが飲食店の店内にいるかどうか調べる方法は?

    ネズミが発生している場合、ネズミの糞が散乱していたり、天井や壁に黒ずみが発生します。そのほかにも、ケーブルや木材などがかじられたあとがあれば、ネズミが発生しています。

  • Q. 飲食店のネズミ被害は保険の対象になる?

    ネズミによる被害は、保険の対象外になる可能性が高いです。通常の火災保険や休業保険では補償されないケースが多いので注意しましょう。

  • Q. 飲食店のネズミ駆除は自分でもできる?

    ネズミの駆除は自分でできるものもありますが、基本的には業者に依頼をしましょう。特に飲食店では確実な駆除が必要になるため、大きな被害が出る前に業者に依頼することをおすすめします。