2025.08.07 2025.08.07
今回は、オフィスビルや商業施設、工場などで使用される、高圧受電設備「キュービクル」の撤去費用について徹底解説していきます。
キュービクルは規模や設置環境、条件などによって撤去費用が大幅に変動します。また、有毒物質を含有する古い製品は撤去費用が高額になるため、特に良心的な業者の選定が重要です。
記事後半では、なるべくコストを抑えるためのポイントについてもご紹介。キュービクルを処分する予定のある人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
キュービクルの撤去費用はいくらくらい?かかるコストの総額・内訳まとめ
キュービクルの撤去は、高圧受電設備の解体から搬出、廃棄物処理まで複数工程に分かれます。
主な流れは、以下のとおりです。
- 電力会社との供給停止手続き
- 内部機器や配線の撤去
- 外箱の解体
- 廃棄物の運搬・処分
費用の大部分は工事費と産業廃棄物処理費で構成され、これに付随する諸経費が加わります。金額は規模や設置状況により変動しますが、ここでは目安となる金額と変動要因を解説します。
撤去工事費用の目安
キュービクル本体の解体・搬出にかかる工事費用は、一般的に20〜50万円程度が目安です。
大型で重量のあるタイプや、設置場所が狭い・高所にある場合はクレーン作業や特殊搬出が必要になり、費用が上乗せされます。また、電力会社との調整や安全管理のための人員配置なども費用に含まれるため、単純な解体費用だけでなく作業環境全体を考慮する必要があります。
産業廃棄物処理費用の目安
撤去したキュービクルや内部機器は産業廃棄物として処分されます。鉄や銅などの金属類はリサイクルできる場合もありますが、絶縁油や碍子(がいし)などは適切な処理が必要です。
産業廃棄物処理費用の目安は10〜30万円程度で、重量や種類、処理施設までの距離によっても変動します。PCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれる場合は、この費用が大幅に高くなる点に注意が必要です。
その他の費用
撤去工事に付随する費用として、電気設備の使用停止手続きや、撤去後の原状回復工事(基礎コンクリートの撤去や舗装工事など)が発生する場合があります。
また、作業に伴う道路使用許可申請や交通誘導員の配置費用も追加となるケースがあります。これらは現場条件により大きく差が出るため、見積もり段階で必ず確認しておきましょう。
費用はキュービクルの大きさや設置環境で変動する
キュービクルの撤去費用は、大きさや重量だけでなく、設置場所や周辺環境によっても大きく変わります。狭い敷地やビル屋上など搬出が難しい場所では、クレーンや特殊車両の使用が必要となり、コストが高くなります。
また、老朽化や損傷の程度によっては解体作業が難航し、工期や人件費が増えることもあります。現場条件に応じた事前調査が重要です。
キュービクルの撤去費用が高額になるケースとは?注意すべき含有物質と対処法
撤去費用が大きく膨らむ要因のひとつに、PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む機器の存在があります。PCBは環境汚染の危険があるため、処理には国の許可を受けた業者による特別な手続きと設備が必要です。
検査費用や処分費用は通常の産廃処理よりも高額で、納期も長くなります。PCBが疑われる場合は、事前に検査を行い、処理期限や対応可能な施設を確認しましょう。
PCBとは
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は絶縁油などに使用されていた化学物質で、高い電気絶縁性と耐熱性を持つ一方、環境や人体への有害性が指摘されています。日本では製造・使用が禁止されていますが、古いキュービクルには含まれている場合があります。
PCB廃棄物は2027年3月末までに処理を完了することが義務付けられており、期限を過ぎると法的罰則が科される可能性があります。
PCBを含有するキュービクルの撤去の流れ
PCB含有機器が確認された場合、まず絶縁油や部品のサンプリング検査を実施します。次に、許可を持つ専門業者が機器を解体し、PCBを含む部品を密閉容器に収めて運搬します。
その後、JESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)の処理施設で高温焼却などの方法により無害化処理が行われます。
PCBの処分は専門業者や行政機関との連携が重要
PCB処分は、必ず許可業者による適正処理が必要であり、処理施設の予約や搬入スケジュール調整も求められます。自治体やJESCOの情報を活用し、補助金制度や処理費用の軽減措置を確認してください。
申請や書類準備には時間がかかるため、撤去計画を立てる際は早めの着手が望まれます。
キュービクルの撤去費用を抑えられる3つのコツ!
撤去費用は条件次第で大きく変わるため、事前の工夫が重要です。複数業者の見積もり比較や、資源として売却できる部品の活用、補助金制度の利用などでコストを抑えられます。
特にPCB非含有の機器は、鉄・銅などのリサイクル価値があり、買取業者を通じて処分費用を相殺できる場合があります。補助制度は自治体によって異なるため、事前調査を徹底しましょう。
見積もりを複数の業者から取る
撤去費用は業者ごとに算出方法や作業内容が異なります。複数の業者から見積もりを取り、工事費・運搬費・産廃処理費など項目ごとの金額を比較しましょう。
同じ条件でも数万円以上差が出る場合があります。条件や対応の丁寧さも選定基準に加えると安心です。
買取業者への売却
キュービクル内部には銅線や変圧器などリサイクル価値の高い部材があります。これらを買取業者に売却すれば、その売却益を撤去費用に充てられます。
業者選定時に買取対応の有無や査定方法を確認しましょう。
補助金・軽減制度などの活用
PCB機器処理や省エネ設備更新に伴う撤去は、国や自治体の補助金・助成金の対象になることがあります。条件や申請期限が決まっているため、早めに制度を調べて申請準備を進めましょう。
工事を請け負う業者が申請サポートを行ってくれる場合もあるので、打ち合わせ時に確認してください。
キュービクル撤去費用を抑えるための見積もり時の注意点!3つのチェックポイント
見積もり段階で重要なのは、費用の根拠を明確にし、法令遵守や業者の信頼性を確認することです。不透明な見積もりや経験不足の業者に依頼すると、後から追加費用が発生したり、法的トラブルにつながる恐れがあります。ここではチェックすべき3つのポイントを紹介します。
内訳を確認する
見積書は「撤去工事費」「運搬費」「産廃処理費」など項目ごとに明確に分かれているかを確認します。不明瞭な一括記載は後のトラブルの原因になります。
法令遵守の確認
高圧電気設備の撤去は電気工事士資格や産業廃棄物収集運搬の許可が必要です。法令を守っている業者かどうか、許可証や登録情報を必ず確認しましょう。
実績や評判を調べる
同規模・同条件の撤去実績が豊富な業者は作業効率や安全管理が高く、トラブルも少ない傾向にあります。口コミや事例を調べ、信頼できる業者を選びましょう。
キュービクルの撤去費用で抑えるには業者選びが重要!良心的なプロに相談を
キュービクルを撤去する際、コスト面で損をしないためには適切な業者選びが大切です。
規模や設置環境、含有物質で価格が変動するので、適切な価格帯を知るためにも相見積もりは欠かせません。また、PCB含有製品は撤去費用が高額なため、補助金や軽減制度の情報をチェックしておきましょう。
撤去費用を抑えたい人は、本体や部品を電気工事業者に売却するのもおすすめです。セーフリーでは、全国各地の優良業者を豊富な口コミで比較検討できるので、ぜひご活用ください。
- キュービクルを撤去したい
- 撤去方法がわからない
- できるだけコストを抑えたい
キュービクルの撤去は
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スムーズかつ安全な撤去を!
キュービクルの撤去費用に関するよくある質問
-
Q. キュービクルの撤去費用を教えてください。
A.一般的に20〜50万円程度が目安です。
-
Q. キュービクルの撤去費用が変わる理由を教えてください。
A.狭い敷地やビル屋上など搬出が難しい場所では、クレーンや特殊車両の使用が必要となるため、その分の諸経費がかかります。
-
Q. キュービクルの撤去費用を抑える方法はありますか?
A.以下の方法があります。
- 見積もりを複数の業者から取る
- 買取業者への売却
- 補助金・軽減制度などの活用
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