2024.07.08 2024.09.03
本記事では、IHクッキングヒーターを設置する時に必要なコンセント工事について解説します。
最近はコンロの形状も多岐に渡り、便利なタイプも増えてきました。中でも、火を使わないIHクッキングヒーターが人気を集めています。調理のしやすさに加え、省エネ効果や光熱費の節約に貢献してくれる点が人気の理由でしょう。
コンセント設置が必要なケースや全体的な流れ、工事費用目安などもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
コンセントを変えないとIHを設置できない?【工事が必要なケースとは】
IHクッキングヒーターの設置工事が必要なケースは、以下が挙げられます。
- IHクッキングヒーターの稼働に必要な200V専用回路がない
- ガスコンロからIHクッキングヒーターに切り替えたい
- 既存コンセントの位置が、設置したいIHクッキングヒーターに合わない
1口の卓上IHであれば通常のコンセントで対応できますが、基本的には専用回路が必要です。
IHクッキングヒーターを設置したい現場の状況によって、必要な工事内容が異なるので、次の項のチェック項目を確認してください。
IHクッキングヒーターの設置工事は専門知識と技術を要するため、電気工事士資格をもつ電気工事業者に依頼してください!
IH用コンセント設置のためのチェック項目
IH用コンセントを設置するために、以下の項目を確認しましょう。
- 引込み口配線の確認
- ブレーカー(分電盤)の容量確認
- ブレーカーに空き回路があるか確認
専門的な確認事項ですが、順番に解説していきます。
引込み口配線の確認
IHクッキングヒーターをキッチンに設置するには、200Vの専用回路が必要です。200V専用回路は、「単相3線式配線」で給電されている必要があります。
単相3線式配線は、3本の電線のうち中性線(真ん中の線)と上または下の電圧線を利用すれば100ボルト、上と下の電圧線を利用すれば200ボルトが利用できます。一方で、単相2線式配線は、電圧線と中性線の2本のみで、100ボルトしか使用できません。
既存の配線が単相2線式の場合は、電力会社に「単相3線式配線」への切替工事を依頼してください。
ブレーカー(分電盤)の容量確認
分電盤のアンペアブレーカーの容量が50A未満の場合、IHクッキングヒーターを使用すると「電気の容量オーバー」でブレーカーが落ちやすくなります。
一般の家庭は30~40Aの容量に設定されているケースも多いので、ブレーカーにあるアンペアブレーカーの色や、毎月の検針票の記載内容から容量を確認してみましょう。50A未満であれば、電力会社に依頼してください。
容量の切り替えのみであれば、基本的に無料で済むケースがほとんどです。
ブレーカーに空き回路があるか確認
ブレーカーを開けて、全てのスイッチがONになっているかどうかを確認してください。OFFのスイッチがあれば、空き回路がある状態です。
IHクッキングヒーターは専用回路が必要なので、もし空き回路が無い場合は、回路の増設、または回路数が多いブレーカーに取り替えなくてはなりません。
IHクッキングヒーター設置に向けたコンセント工事の流れ
では、IHクッキングヒーター用のコンセント工事の流れを見ていきましょう。
- 現地確認・準備
- 電気工事
- IHクッキングヒーターの設置
- 動作確認
上記の流れに沿って解説していきます。
現地確認・準備
最初に、専門業者が既存のキッチンにIHクッキングヒーターを設置するための工程などを確認します。
具体的な確認点は、主に以下の通りです。
- 既存の電力容量
- 空き回路の有無
- 設置スペースの寸法 など
実際に設置予定の機材にあわせた配線ケーブルなどの工具も、この時点で準備します。
電気工事
現地確認が完了したら、次に電気・配線工事を実施します。IHクッキングヒーターは200Vの電源を必要とするため、適切な電圧を供給できる変更工事が必要です。
分電盤からキッチンまで配線を伸ばし、IHクッキングヒーター専用のコンセントを設置します。キッチンのような水まわりでは、アース配線の工事が必要です。
アース配線は、電流を地面に逃がし、感電や火災のリスクを低減する役割を持つ配線。電気機器の漏電が起こりやすい水まわりに必須です。漏電や過電流から人を守るために法令で定められており、電気工事士資格をもたないと施工できません。
IHクッキングヒーターの設置
電気工事が完了したら、設置スペースにIHクッキングヒーターを設置し、配線を接続します。必要に応じて、キッチンカウンターや既存の開口部を加工し、IHクッキングヒーターが確実に固定されるようにします。
動作確認
IHの設置が完了したら、IHクッキングヒーターの電源を入れ、各機能が正常に動くか確認します。
電気系統部分は重要なチェック事項。電圧や電流を確認し、電気系統に問題がないか、この時点でしっかり見極める必要があります。
IH用のコンセントを付けるメリット【ガスコンロとの違い】
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換を迷っている方に向けて、IHとガスコンロを特徴ごとに比較しました。
特徴 | IHクッキングヒーター | ガスコンロ |
---|---|---|
安全性 | ・火を使わないため火災や火傷のリスクが低い ・自動消火機能やロック機能があり、子供やペットがいる家庭でも安心 |
・火を使うため、火災や火傷、ガス漏れなどのリスクがある |
火力調整 | ・細かい温度設定が可能で、一定の温度を保ちやすい ・低温調理から高温調理まで幅広く対応 |
・炎の強さを目で確認でき、感覚的に火力を調整できる ・細かい火加減の調整が容易 |
掃除のしやすさ | ・フラットな表面で汚れが拭き取りやすい | ・五徳やつまみ部分に油汚れが付きやすく、掃除が面倒 |
エネルギー効率 | ・電磁誘導で熱効率が高く、光熱費の節約につながる | ・熱が周囲に逃げやすく、エネルギー効率が低い |
IHの方が、安全性や省エネ対策においてメリットが高いと言えるでしょう。ライフスタイルにあわせて、検討してみてください。
IHクッキングヒーターのコンセント設置はDIYできる?
一番の理由として、コンセント設置のような電気工事は、電気工事士の資格がないと法律違反になる点が挙げられます。
最近はDIYの需要も増え、素人でも資格を取得するケースがありますが、電気工事の中でもIHクッキングヒーターは高電力(200V)を必要とするため、専門知識だけでなく、実績と技術力が必要です。
誤った配線や接続は感電、漏電のリスクを高め、火災につながる恐れが否めません。
安全かつ確実に設置するために、専門業者へ依頼してください。
IHクッキングヒーターの工事費用目安【コンセント設置や配線変更など】
IHクッキングヒーターを設置する際の工事費用について、ガスコンロからIHに交換する場合の費用目安をまとめました。
工程 | 費用相場 |
---|---|
既存ガスコンロの撤去 | 1.5~2.5万円 |
ガス管の閉栓 | 0.5~2.5万円 |
コンセント新設 | 1.5~3万円 |
分電盤からキッチンまでの配線 | 3〜5万円 |
IHヒーターの搬入取り付け | 1.5〜2万円 |
ガスコンロからの交換は、既存のガス管の閉栓などの作業が追加されます。
また、上記に加えて、IHクッキングヒーターの本体価格が加算されます。メーカーや機能によりますが、例えばビルトインのIHであれば、5~30万円が相場です。
IHクッキングヒーター用コンセント工事の業者選び【ポイント3つ】
最後に、IHクッキングヒーターのコンセント工事を任せられる、業者選びのポイントをご紹介します。
- 電気工事士の資格や実績がある
- 見積もり内容が明確である
- 口コミ評価が高い
順番に解説します。
電気工事士の資格や実績がある
必須条件として、電気工事士の資格を所持しているかをチェックしてください。あわせて、IHなどの水まわり家電の設置実績が豊富かどうかも、公式ホームページで会社概要や施工事例から確認しましょう。
キッチンのコンセント設置は、湿気や水漏れのリスクと隣り合わせ。必ず専門知識や資格、技術が信頼できる業者を選びましょう。
見積もり内容が明確である
事前に見積もりを作成してもらい、詳細を細かく確認しましょう。
費用の内訳や作業内容がわかりやすく明記されていれば、本当に必要な工程かどうかが判断できます。不明瞭な点があるなら、必ず事前に確認してください。
作業後に想定外の追加料金を請求されるケースも少なくありません。複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
口コミ評価が高い
業者の口コミ評価も、重要な選定ポイント。公式サイトのお客様の声だけでなく、GoogleやYahoo、SNSなどの口コミも参考にしてください。
口コミの数が多い業者ほど、評価の高さが信頼できるでしょう。多くの利用者が実際に高評価を付けている、わかりやすい指標と言えます。
IHクッキングヒーターのコンセント工事を検討するなら
IHクッキングヒーターをキッチンに常設する時のコンセント工事について解説しました。
200ボルトのIHクッキングヒーターを使用するには、家庭でも対応できるコンセントが必要です。電気工事士資格が必須の作業なので、実績のある電気工事業者にお任せしましょう。
電気工事の業者探しは、数ある業者を一挙に比較できるセーフリー
がおすすめ。多くの電気工事業者の概要や口コミが掲載されており、ニーズに合った業者がスムーズに見つけられます。気になる業者を選んで、まずは問い合わせしてみましょう!
IHに切り替えるにはコンセントが必要?工事の流れや費用目安を解説のよくある質問
-
Q. IHクッキングヒーターには必ずコンセント工事が必要ですか?
A.IHクッキングヒーターの設置は、以下のような状況で必須になります。
・200V専用回路がない場合
・コンセントの位置が適切でない場合
電気工事士資格のある専門業者に相談してください。 -
Q. IHとガスコンロのそれぞれのメリットを知りたいです。
A.ガスコンロは、火力を確認しやすい点がメリット。一方で、IHクッキングヒーターは、火を使うガスコンロより安全性が高い、環境に良い、などのメリットがあります。
-
Q. 電気工事業者はどのように探すべきですか?
A.複数の業者を比較検討しましょう。「セーフリー」では、業者ごとに会社概要や施工事例を確認できます。口コミの比較や一括見積もりも可能なので、ぜひ活用してください。
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