2024.09.28 2024.12.05
屋根塗装の意味が「ある」理由と、意味が「ない」と考えられている要因についてご紹介します。
家の大部分を占める屋根は、見た目の美しさはもちろん、雨や風から家を守る大きな役割を果たしています。それなのに「屋根塗装に意味がない」と考える方が多いのはなぜなのでしょうか?
この記事では、屋根塗装には意味が「ある」理由と、意味が「ない」考えられる要素、屋根塗装の必要性について解説していきます。
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目次
屋根塗装に意味は「ある」
結論から述べると、屋根塗装に「意味はあり」ます。
世間では一般的に屋根塗装には意味がないという意見が聞かれますが、屋根塗装にはそれなりの意味があるのです。屋根塗装には以下のようなメリットがあります。
- 屋根の色褪せを綺麗にして美観の向上を図れる
- 屋根の色を変えてイメージチェンジできる
- 防水機能を助けている
- 屋根材を保護している
屋根塗装に意味がないと考えられる理由
屋根塗装に意味がないと考えられる理由をご紹介します。
先ほど紹介したように屋根塗装には意味が「ある」のですが、なぜ世間一般には屋根塗装に意味がないという意見が溢れているのでしょうか?考えられる理由を考察しましょう。
屋根塗装しても機能が向上するわけではない
屋根塗装に意味がないと言われる理由の一つは、屋根塗装が機能向上に貢献するわけではないことが挙げられます。
屋根塗装のメリットには、美観の向上や防水機能のサポート、屋根材の保護などがありますが、機能性に大きく影響を与えるとは考えられていません。例えば、屋根塗装することで雨漏りしないとか、防水シートが劣化しないなどの効果は期待できないでしょう。
やはり屋根塗装の主な目的は美観向上ですので、「機能が向上しないのならしても意味がない」という理由で考えられているのかもしれません。
塗装が必要・不要な種類の屋根があるため
屋根塗装には、塗装が必要な屋根と不要な屋根があります。
日本の家屋の屋根は幾つかの種類があり、中でも古くからある「粘土瓦」の場合、屋根塗装は不要です。瓦自体に防水機能や耐久性があり、変色はほとんど起きず、塗装すると逆に雨漏りしやすくなるので屋根塗装向きではありません。
ただ近年増えているセメント系の屋根材の場合は、表面が塗料で着色されているため、屋根塗装のメンテナンスを定期的に行う必要があり、塗装は必須条件となります。このように塗装が必要・不要な種類の屋根が混在しているため、屋根塗装には意味がないと考えられているのでしょう。
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屋根塗装によってトラブルの可能性がある
屋根塗装が原因でトラブルの発生があるという懸念も、屋根塗装に意味がないと考えられている理由です。
これは職人の腕や業者の施工品質に大きく関係しますが、下地処理が甘かったり、塗料の選定に問題があると、後で雨漏りが発生するなどのトラブルに見舞われる場合もあります。またすぐに塗装が剥がれてしまって、塗り直しが必要になったという事例も。
このような事例が見られるため、「屋根塗装は意味がない」と考える方がいらっしゃるのも無理はありません。屋根塗装を失敗しないためには、適切な業者選びが必須条件です。口コミや評判、施工実績などをよく比較検討して決めてください。
屋根塗装を行う意味
屋根塗装を行う意味についてご紹介します。
屋根塗装を行うことには幾つかの意味があり、塗装が果たす役割もあります。具体的に屋根塗装の意味を理解して、メンテナンスをしていきましょう。
美観を向上させるため
屋根塗装の一番の目的は、美観の向上性を維持するためです。
家の上部のほとんどを占めている屋根は、外観を大きく左右する箇所と言えるでしょう。塗装が剥がれたり色褪せたりしていると、家としては美観も損なわれ、住居の価値が一気に下がってしまいます。
見た目の美しさを維持するためにも、屋根塗装には大きな役割があるのです。
屋根材の保護の役目がある
家の一番上部にある屋根は、常に雨や風、紫外線の影響を受けています。そのため年数が経てば劣化していくのは当然です。
もし屋根塗装をしていなければ、屋根材はこれらの外的要因に丸裸でさらされることになり、屋根材の寿命はもっと短くなります。塗装してカバーすることで屋根材を保護し、できるだけ長く綺麗な状態を維持する役目を果たしているのです。
防水性を高める
屋根塗装には、屋根材の防水性を高める役割もあります。
塗装をせずに塗膜が劣化した状態が続くと、屋根材が水を吸ってしまい、腐食したりカビが生えてくることも。屋根からの雨漏りを防ぐためには、しっかりと屋根の塗装を行う必要があるのです。
断熱性を向上させる
特に暑い地域に住んでいる場合、屋根塗装は断熱性を向上させる役割も果たします。
一般的に屋根塗装をする場合、目的や希望に合わせて塗料を選びますが、九州や沖縄などの比較的暑い季節が長い地域では、遮熱対応の塗料を選ぶことがあります。遮熱塗料を使用すると、屋根の表面温度を下げることができ、室内温度の上昇も抑えることが可能に。
これによって夏の時期の空調代を節約できたり、小さなお子さんやペットも心地よく過ごせる空間が確保できます。
屋根塗装が無意味なケース
屋根塗装が無意味なケースについてご紹介します。以下の3つのケースが考えられます。
- 屋根の瓦の多くが破損している
- 屋根塗装の剥がれがひどい
- 塗装が不要な屋根である
それぞれのケースを詳しく解説していきましょう。
屋根の瓦の多くが破損している
屋根の瓦の多くが破損している場合、屋根塗装は意味がないと言えます。正確に言えば、屋根塗装だけでは綺麗にならず、修理が必要ということです。
通常、屋根塗装が必要なセメント系瓦の屋根材の寿命は30~40年と言われていますが、この期間を過ぎるとひび割れや瓦が欠けるなどの症状が出て、屋根の葺き替えやカバー工法をする必要性が生じます。これを怠れば雨漏りなどのトラブルが生じる可能性も。
まずは塗装よりも根本的なメンテナンスが必要で、屋根塗装は無意味となります。
屋根塗装の剥がれがひどい
屋根塗装の剥がれがひどい場合も、屋根塗装は無意味な状態となります。
塗装の剥がれや剥離が生じている屋根にそのまま屋根塗装したとしても、数年しか維持できず、まだ塗装工事が必要となります。余計な出費と手間を掛けることになるので、屋根塗装は無意味です。
もし屋根塗装の剥がれがあるなら塗装工事ではなく、既存の屋根に新しい屋根材を被せる「カバー工事」か、すべて新しく取り付ける「屋根の葺き替え」工事のどちらかのリフォームが一般的です。
塗装が不要な屋根である
塗装が不要な屋根であれば、屋根塗装は無意味です。
一般的に日本の伝統的な屋根材として知られている「粘土瓦」は、塗装が不要と言われています。これは粘土を高温で焼き上げて作られたもので、和瓦や洋瓦など色んな種類があります。代表的なものは以下の種類です。
- いぶし瓦
- 素焼き瓦
- 釉薬瓦
これらの粘土瓦は、高い耐久性と防水性があるため屋根塗装は不要になります。しかも何十年も維持できるのが特徴で、トータルで見ればとてもコストパフォーマンスの良い屋根材です。このような屋根材であれば、屋根塗装は無意味になるでしょう。
塗装できない種類の屋根材に注意!
塗装できない種類の屋根材についてご紹介します。
現在よく利用されている「スレート屋根」ですが、中には塗装に不向きな種類のものもあります。割れやすかったり、ひび割れが生じやすいなど理由は様々ですが、間違って塗装することで破損する場合もあるので注意が必要です。
パミール
パミールは、今は製造中止となっているニチハの屋根材です。
1996年~2008年に製造されていたものですが、塗装と本体が層状にパリパリと剥がれてしまう不具合が生じ、塗装によるメンテナンスはできません。
セキスイ瓦U
2007年に廃版となったセキスイルーフテック(現在は積水屋根システム株式会社)の屋根材です。
40年以上販売されていた人気の屋根材でしたが、塗装後の割れがひどい現象があり、屋根塗装はおすすめできません。この種類にはアスベスト含有のものとノンアスベストのものがありますが、特にノンアスベストの瓦は割れ方がひどいと言われています。
グリシェイドNEO
グリシェイドNEOは、久保田松下電工(現在はケイミュー株式会社)の屋根材です。
グリシェイドNEOは2001年9月に発売された「化粧スレート」の屋根材ですが、2000年代後半に販売終了となっています。塗装後の比較的短期間で大きなひび割れや反りが起こり、塗装はできません。
コロニアルNEO
コロニアルNEOは、クボタ株式会社(現在はケイミュー株式会社)の屋根材です。現在は製造が中止となっています。
コロニアルNEOは、塗装することで無数のひび割れや砕け、変色が見られる不具合が相次いで生じました。また約10年ほどしか維持できないため、塗装はできません。
レサス
レサスは、松下電工(現在はケイミュー株式会社)の屋根材です。
レサスは、塗装することで早期の劣化が進み、割れや破損、屋根材の落下などの不具合が生じています。ちょっと歩くだけでもポロポロと割れてしまう脆さが弱点で、屋根塗装はできません。
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屋根塗装の意味が「ある」理由と、意味が「ない」と考えられている要因についてご紹介しました。
世間では屋根塗装に意味がないとの意見が多いですが、屋根塗装には意味が「あり」ます。美観向上の役割もありますし、屋根材の保護や防水機能のサポートも可能。
ただ使用している屋根材によっては塗装不可のものもあり、塗装してもメリットがない種類のものもあります。自分で判断できない時には専門家に点検してもらい、最適なリフォーム方法を提案してもらいましょう。
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