2025.06.09 2025.06.09
この記事では、床からシンクまで厨房各所の清掃方法やその具体的な手順について徹底解説していきます。
油汚れが多く付着する厨房では、汚れの性質に合わせた方法で清掃することが大切です。当然ながら厨房では衛生管理が重要で、マニュアルを作るなどして掃除を効率的かつ徹底的に進める必要もあるでしょう。
記事後半では、業者にスポットで、もしくは定期的に清掃依頼した場合の費用相場もご紹介。厨房の清掃を徹底し、負担を減らしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
厨房清掃で大事な5つのポイント【掃除マニュアル〜食品管理まで】
厨房は、店内でも特に清潔にしておかなければならない場所。清潔な環境を維持するためには、以下5つのポイントを押さえておきましょう。
- HACCP(ハサップ)を意識する
- 清掃マニュアルを作成する
- 清掃チェックリストを使う
- 日常的なお手入れと定期的な大掃除を使い分ける
- 掃除用具を適切に管理する
それぞれ、詳しくご紹介します。
HACCP(ハサップ)を意識する
HACCP(ハサップ)とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略称で日本語では「危害分析重要管理点」と呼ばれます。食品の安全を確保するために必要な衛生管理手法です。
日本では食品衛生法が改正された2021年6月より、HACCPに準じた衛生管理が義務となっています。食品の安全を確保するために必要な7つの原則や12の手順などが決められているので、必ず目を通して店舗の運営に取り入れましょう。
清掃マニュアルを作成する
厨房は、毎日清潔でなければなりません。一度清掃して終わりではなく、毎日継続しなければならないため、誰がいつ掃除をしてもキレイな状態を保てるよう、清掃マニュアルを作成しておきましょう。
清掃マニュアルは、具体的で分かりやすく、画像などを入れながらパッと見て分かりやすい内容に仕上げましょう。
清掃を担う可能性がある従業員には全員に配布し、知識を共有することが重要です。
清掃チェックリストを使う
抜けなく厨房内を清掃するためには、チェックリストの活用が有効です。誰がいつどこを清掃したかが分かるリストにして、担当した人がチェックを入れていけるように設置しましょう。
チェックリストは、毎日清掃する場所や数日おきに清掃する場所、1週間ごとに清掃する場所などに分けて作ったり、頻度が分かるように表示させるのが効果的です。
日常的なお手入れと定期的な大掃除を使い分ける
日々汚れが溜まっていく厨房では、基本的に毎日お手入れが必要です。ただし、毎日の店舗運営にプラスして厨房のお手入れをするのは、簡単ではありません。
毎日徹底的な掃除をするのは難しいため、「毎日実施する日常的なお手入れ」と「定期的に実施する大掃除」を使い分けましょう。
それぞれの詳細は、記事後半でご紹介します。
掃除用具を適切に管理する
厨房の清掃をするためには、掃除用具をそろえる必要があります。また、掃除用具は適切に管理し、清潔な状態を保たなければなりません。どんなに丁寧に掃除しても、掃除用具が汚れていては意味がないためです。
掃除用具は使用後に必ず汚れを落として風通しの良い場所に保管し、定期的にしっかり汚れを除去しましょう。
厨房の清掃方法!シンク・流し台まわりの掃除手順【食品残さ・オイルボールetc.】
では、具体的に掃除箇所ごとの清掃についてご紹介します。
- シンク・流し台
- 排水口・排水管内部
- グリストラップ
- 床・グレーチング
上記水まわりを、最初に見てみましょう。
シンク・流し台
シンク・流し台は、ヌメり汚れや水垢が多く発生しやすい場所。食器や食材を洗う重要な場所なので、汚れはできるだけしっかり落としておかなければなりません。二層シンクの場合は、それぞれでスポンジを使い分けても良いでしょう。
シンク内は洗剤とスポンジなどでこすり洗いし、こまめに消毒・殺菌するのが大切。シンクの素材に適した洗剤を使うのも重要なポイントです。
排水口・排水管内部
排水溝や排水管の内部も、生ゴミや油によって汚れが多く蓄積します。排水口のゴミはこまめに除去し、洗剤とスポンジやブラシでこすり洗いしましょう。ヌメりや油汚れが落ちない場合は、アルカリ性の洗剤を使うのも効果的です。
排水管内部は、高圧洗浄するのが効果的です。法律により6ヶ月に1回は排水管の掃除をしなければならないため、定期的に専門業者へ依頼しましょう。
グリストラップ
グリストラップは、毎日内部のゴミを廃棄し、2~3日に1回は第2槽の油分や沈殿物を除去する必要があります。トラップ部分は、1~2ヶ月に1回を目安にタワシなどでこすり洗いしましょう。
汚れを放置すると悪臭や害虫が発生するため、こまめなお手入れが必要です。
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床・グレーチング
油で汚れやすい床やグレーチングは、ほうきなどでゴミをできるだけ除去してからデッキブラシと水でこすり洗いします。落ちにくい油汚れには、業務用のアルカリ性洗剤を使うと良いでしょう。洗剤をかけてから10分ほど時間を置くと、汚れを落としやすいです。
最後にモップやワイパーで水分をしっかり除去するのも、重要なポイント。
あわせて、半年に1回ほどはワックスを塗り替えると良いでしょう。
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厨房の清掃方法!コンロまわりの掃除手順【油のこげつき・ベタつき】
コンロまわりは、こげつきやベタつきが気になる場所。調理する重要な場所なので、こまめなお手入れが必須です。
- (業務用)ガスコンロ
- フライヤー
- オイルフィルター
- レンジフード・換気ファン
- 壁
詳しい掃除内容を、それぞれ見ていきます。
(業務用)ガスコンロ・ガスオーブン
業務用のガスコンロは、油汚れが特に目立つ場所です。こげつきやベタつきも多いので、中性洗剤だけでなく重曹水などを使って掃除すると良いでしょう。
重曹水をスプレーしてブラシでこすり洗いする方法のほか、頑固な汚れには重曹を溶かした水でつけ置きするのも効果的です。
フライヤー
大量の油を使用するフライヤーは、以下手順で掃除します。
- 古い油を処分する
- フライヤー内部の残りカスを除去する
- 油槽内にお湯を入れる
- 中性洗剤かフライヤー専用のクリーナーを投入してこすり洗いする
- 排水して水洗いする
- 乾拭きして乾燥させる
汚れが落ちにくい場合は、お湯と洗剤を入れた後に加熱して沸騰させる方法も有効です。
オイルフィルター
オイルフィルターは、取り外してブラシでこすり洗いしましょう。アルカリ性の洗剤を使うと汚れを落としやすいです。
頑固な汚れがある場合は、アルカリ性の洗剤を溶かした水でつけ置きすると落としやすくなります。
レンジフード・換気ファン
レンジフード・換気ファンにも油汚れが多く付着します。
- フィルター:中性洗剤や重曹をぬるま湯に溶かしてつけ置きしてからこすり洗い
- ファン:中性洗剤や重曹でこすり洗いしたり、外してつけ置きしてからこすり洗い
- 本体:重曹水をスプレーして拭き掃除してから水拭き
ベタベタになったホコリつきのカバーも、重曹水でつけ置きすると汚れを落としやすいです。
壁
ついたばかりの軽度の汚れなら、水拭きや中性洗剤を含ませた雑巾でのこすり洗いで落とせます。
ベタベタしていたり黄ばんだりしていて落としにくい汚れには、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を含ませた雑巾でのこすり洗いを試してみましょう。
厨房の清掃方法!電化製品まわりの掃除手順
厨房にある電化製品も、定期的な掃除が必要です。
- (業務用)冷蔵庫・冷凍ストッカー
- 加熱調理機器:レンジ・トースター等
上記それぞれについて、ご紹介します。
(業務用)冷蔵庫・冷凍ストッカー
冷蔵庫・冷凍ストッカーには、食材カスやホコリのほか、泥などの汚れも付着します。そこで、庫内を水拭きと乾拭きして汚れをこまめに取っておくと良いでしょう。
水拭きで落とせない汚れは、中性洗剤を含ませた雑巾でこすり洗いするのがオススメ。仕上げにアルコールで除菌しておくと清潔度がアップします。
加熱調理機器:レンジ・トースター等
加熱調理機器も、こまめなお手入れが欠かせません。レンジの掃除では、以下の方法が一般的です。
- 水200mlと大さじ1杯の重曹かクエン酸を耐熱容器に入れて混ぜる
- 耐熱容器をレンジに入れて600wで5分ほど加熱
- 5分経ったら、扉を閉めたまま10~15分ほど放置する
- 最後に耐熱容器に残った溶液を布巾などに浸して庫内を拭き掃除する
- 水拭き・乾拭きをする
トースターなどの部品が外せる機器なら、外せるだけ外してそれぞれ中性洗剤で洗いましょう。
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厨房清掃で注意したい!汚れをためがちな掃除箇所2選!
調理でメインで使う場所や機器だけでなく、以下の場所にも汚れは溜まってしまいます。
- 厨房機器の下
- 各種設備の取っ手
清潔な厨房を維持するためには、隅々まで丁寧に掃除するのが大切です。
厨房機器の下
意外と汚れが溜まりがちなのが、厨房機器の下部分。小さなゴミやホコリなどが蓄積しやすいです。
厨房機器の下は、ほうきなどを使って書き出してキレイにしておきましょう。定期的に機器をすべて移動させて、丁寧に掃除するのも大切です。
各種設備の取っ手
冷蔵庫や棚、ドアなどの設備についている取っ手は、多くの人が頻繁に触れる場所です。調理中に触れるケースも多いため、こまめに消毒や殺菌を実施しましょう。
取っ手の消毒・殺菌とあわせて、調理前や配膳時は必ず手を消毒したり手袋を着用したりするのも効果的です。
厨房主要設備のおすすめ清掃頻度【毎日or大掃除?】
厨房は、清掃すべき場所が大変多いのが特徴です。すべてを丁寧に掃除していたら時間が足りなくなってしまうので、場所ごとに適切な頻度で掃除するのが良いでしょう。
おすすめの 清掃頻度 |
主要な厨房設備 |
---|---|
毎日 | ・コンロ ・シンク ・排水口etc. |
週1回 | ・冷蔵庫 ・床の水拭き ・レンジ ・フライヤーetc. |
月1回 | ・レンジフード ・オイルフィルターetc. |
年に1回 | ・エアコンetc. |
ただし、油を多く使う厨房のエアコンは頻度を高めにするなど、店舗それぞれの状況に合わせて頻度を変える必要があります。上記はあくまでも目安にして、自店に最適な頻度を見極めましょう。
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厨房清掃はどこまで自力で?外部委託と日常掃除の使い分け方
手間がかかる厨房の清掃は、自店舗の従業員の力だけでなく、外部委託も併用して分担するのがオススメです。
よくある使い分け事例
よくある使い分けの事例を見てみましょう。
- 日常清掃は自店舗従業員、大掃除は外部委託
- 基本は自店舗従業員、エアコンやグリストラップなど難しい部分のみ外部委託
- 日常清掃も大掃除も丸ごと外部委託
店舗の規模や従業員の人数などにより、ベストな使い分けは異なります。費用面とのバランスも考えて、まずは専門の業者へ相談してみると良いでしょう。
費用相場(定期依頼・スポット依頼)
厨房清掃を業者へ依頼する場合の相場は、厨房全体を依頼した場合は5万円~15万円ほどです。掃除箇所別で依頼すると、以下が目安です。
- コンロまわり:20,000~40,000円ほど
- グリストラップ:20,000~40,000円ほど/基
- レンジフード:30,000~100,000円ほど
- 排水設備:15,000~40,000円ほど
また、スポットでの依頼ではなく定期利用する方法もあります。
厨房や従業員の状況などに合わせて、適切な依頼方法を検討しましょう。
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厨房清掃はますます重要に!掃除の一部or全部の外部委託で効率アップ!
厨房は、常に清潔で衛生管理が行き届いていなければなりません。そのためには、毎日のこまめなお手入れと定期的な大掃除が必須です。
業者の力を借りれば、従業員の負担を減らしつつ清潔度をアップできます。複数社から見積もりを取り、納得できる依頼先を見つけましょう。
- 厨房を常にキレイにしておきたい
- 衛生管理を徹底したい
- 清潔度をアップさせたい!
厨房は汚れに合った清掃を!
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手軽にキレイ度アップ!
厨房の清掃に関するよくある質問
-
Q. 厨房で忘れずに清掃すべき場所は?
A.厨房で忘れずに清掃すべき場所は、調理に直接関係する場所です。コンロまわりや水まわりに加え、取っ手など多くの人が触れる場所はこまめな清掃が必須です。
-
Q. 厨房の清掃マニュアルは作るべき?
A.厨房の清掃マニュアルは、作るべきと言えます。マニュアルがあれば、誰が清掃しても清潔レベルを一定に保てるためです。
-
Q. 厨房の清掃を業者依頼するといくらかかる?
A.厨房の清掃を業者依頼した場合の費用相場は、厨房全体で50,000~150,000円ほどです。