グリストラップの正しい掃除方法

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グリストラップの正しい掃除方法はコレ!便利グッズや清掃時の注意点も解説

2024.08.03 2024.08.30

この記事では、グリストラップの正しい掃除方法について徹底解説します。

日常的にメンテナンスしないと、悪臭や排水管の詰まりなどを起こすグリストラップは、正しいお手入れ方法や掃除頻度を理解しておくことが重要です。

また、掃除の手間を減らす便利グッズや清掃時の注意点もご紹介。記事後半では業者選びのコツにも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

グリストラップの掃除方法の基本【適切な清掃頻度は?】

グリストラップの掃除方法の基本

多くの飲食店で設置されているグリストラップですが、清潔に保つには、正しい清掃と適切な頻度が欠かせません。自治体によっては、グリストラップの清掃や正しい管理法を義務化しているところもあるため、しっかり確認しましょう。

グリストラップの概要

グリストラップは、排水に含まれる油脂や残飯などを分離して取り除く装置のことです。下水道に汚水を流して環境破壊にならないため、東京都のような自治体では、飲食店での設置が義務化されています。グリストラップは排水を日々処理しているため、定期的な清掃が必要です。

グリストラップの構造と掃除頻度

グリストラップは基本的に3つの槽に分かれており、それぞれの清掃箇所が異なります。

仕組み 掃除箇所 頻度
第1槽 厨房からの排水に混ざっている残飯や生ごみの除去 バスケット内の生ゴミを処理し、カゴやふたを中性洗剤で洗う 毎日(1回から数回)
第2槽 油脂分は浮かせ、底に汚泥が溜まる 浮いた油脂分と底の汚泥をすくい取る 2~3日に1回
第3槽 油脂分を分離させ、パイプ状のトラップ管から下水へと排出 トラップ管の蓋や内部の清掃 2~3カ月に1回、または1カ月に1回

それぞれの役割について簡単にご紹介します。

第1槽

第1槽ではバスケットを設置して、残飯や食材カスなどの大きなゴミを除去します。小さなゴミや油は、沈殿させて、次の工程で分離します。第1槽のバスケットにゴミが蓄積するので、頻繁に回収しないといけません。毎日1回または、1日数回除去しましょう。

第2槽

第2槽では、油脂分と水を分解します。仕切り板によって遮られた油は浮かび、細かいゴミは沈殿します。第2槽で浮かんだ油脂分と沈殿しているゴミを除去する掃除が必要です。2・3日に1回か、最低でも1週間に1度は掃除しましょう。

第3槽

第3槽は、とりきれなかった油を除去して、きれいな水をトラップ管より排出させます。このトラップ管には、害虫の侵入や悪臭が出ないように蓋が付いています。第3槽では、蓋をとってトラップ管内の掃除と、底に沈殿している汚れを除去しないといけません。掃除は2~3カ月に1回か、1カ月に1回行いましょう。

グリストラップ全体

上記のような、日常的な掃除だけでは落としきれない汚れが、槽内全体にこびりつきます。槽内を水抜きして、壁面や底の部分を洗剤でしっかり洗います。目安は1カ月に1回ほど。

ただし、強烈な悪臭とこびりついた汚れ落としはかなりの重労働であり、従業員だけで作業するのは難しいでしょう。業者依頼が基本です。

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グリストラップ掃除に使える便利グッズ【清掃アイテム4選】

グリストラップの掃除を少しでも簡単に素早くできる、便利な道具を紹介します。

  • バスケットの水切りネット
  • 油脂を吸収するシート
  • 柄の長いすくい棒
  • すくい網

それぞれ詳しい使い方を解説します。

バスケットの水切りネット

  • 旭化成のグリストネット
  • 花王グリストラップ掃除用捕集ネット
  • 日本サニパックグリースラップ用水切りネット

第1槽のバスケットに取り付けるネットです。ネットをかけておけば、調理くずをしっかりキャッチしてくれて、清掃の手間が省けます。水切りがよく、目詰まりしくいのが特徴。伸縮性があり、どんなサイズにもフィットします。汚れの付着も減らせるので、毎日の掃除も楽になります。

油脂を吸収するシート

  • 旭化成のグリースクリーン
  • 花王のグリース吸着シート
  • モノタロウの食品油吸着シート グリストラップ用

第2槽で使用する、油脂を吸い取るポリプロピレン製シートです。通常は、柄杓で油をすくい取りますが、油は液体なので上手く取り除けません。吸収シートを浮かべておくと、油脂分だけが吸着できて、大変便利です。浮かべたシートは蓋のようになり、ニオイの抑制になります。

上記のようなシート以外で、グリストラップの油脂を溶かす洗剤が販売されています。便利なアイテムですが、注意が必要です。油を分解せずに流すことになるため、水質汚染に繋がります。自治体でも注意勧告されていますので、使用は避けましょう。

柄の長いすくい棒

  • 旭化成すくいん棒
  • 花王汚泥キャッチャー
  • 村国のステンレス清掃器

グリストラップの底に沈んでいる、汚泥を取り除く道具です。

底部分に届く柄の長さと、四角形のすくい部分でしっかりゴミをキャッチしてくれます。水切りの穴もあるので、そのままゴミ袋に捨てるだけです。グリストラップの大きさに合わせたサイズのものや、沈殿物の重さに耐えられる頑丈なものを選びましょう。

すくい網

  • テラモトのグリス棒くん
  • 個の力のグリストラップ清掃網具

グリストラップの浮遊物を効率的にすくいとる道具です。

浮いた油脂分は柄杓などを使いますが、網であれば、汚れだけを効率的に取り除けます。別売りのネットとセットで使いましょう。

また、グリストラップ内やバスケットなどの部品を掃除する際は、洗剤選びも重要です。通常は、中性洗剤で洗いますが、頑固な汚れは専用洗剤を使うと、楽に落とせます。次のような洗剤に関する記事もご参照ください。

グリストラップを掃除する際の注意点

グリストラップ清掃の際の注意点

グリストラップを掃除する際は、次の点に注意しましょう。

自治体のガイドラインを確認する

自治体によってグリストラップの設置や、適切な維持管理を義務付けているところもあります。例えば、東京都下水道局では、グリストラップの日常的な清掃について、以下のように規定しています。

  • バスケットの清掃は毎日1回
  • 油脂分の清掃は毎日1回
  • ゴミ・油脂の掃除は1週間に1回
  • トラップ内部の掃除は2~3カ月に1回

また、排水の水質基準について、「動物性油脂類含有量は1リットルにつき30㎎以下」と設定している自治体もあります。このように、下水道のガイドラインを事前に確認しましょう。

グリストラップの掃除スケジュールと手順を共有

グリストラップの掃除は、スケージュール決めと掃除方法の共有が重要です。

「誰かがやる」とあいまいにしていては、何も決まらないでしょう。グリストラップの掃除は、「汚い・クサイ・キツイ」の3Kが揃っているので、基本的に率先してやりたい仕事ではありません。明確にスケージュールと担当者を決めましょう。

また、担当者間で掃除方法を共有し、きちんと掃除ができる体制を整えましょう。清掃が行き届いていなければ、悪臭や詰まりの原因につながります。誰がやっても清潔に保てるように徹底するのも大事です。

掃除で出たゴミを分別して処分する

グリストラップで出たゴミは、一般廃棄物と産業廃棄物で分別します。

  • 第1槽のバスケット内の食材カス:一般廃棄物
  • 第2槽上部に浮いた油脂分:産業廃棄物
  • 底部に堆積した汚泥:産業廃棄物

産業廃棄物は、産業廃棄物処理の資格を持った専門業者に依頼して適切に処理してもらわなければいけません。もし、一般廃棄物と一緒に処理すれば、処罰される可能性があるので、注意しましょう。

部品の劣化を点検する

グリストラップの掃除の際に、各部品の劣化状況も併せて確認しましょう。

  • グリストラップの蓋
  • 第1槽のバスケット
  • 槽を分ける仕切り板
  • トラップ管
  • トラップ管の蓋

グリストラップの蓋は通常、人が乗っても頑丈ですが、鉄製であれば5年、ステンレス製であれば10年が耐用年数といわれています。様子をみながら、交換が必要かどうか見極めましょう。

グリストラップ掃除の必要性

グリストラップ掃除の必要性

グリストラップの掃除を怠ると、次のような問題が発生します。

  • 悪臭が発生する
  • 害虫が発生する
  • 詰まりによる高額な出費がかさむ

悪臭や害虫の発生は、お店の評判にも大きく関わるため、早急に対処が必要です。

悪臭が発生する

悪臭の原因は、グリストラップ内に溜まったゴミや汚泥の腐敗、雑菌などの繁殖です。

強烈なニオイにより従業員のモチベーションが下がるだけではなく、お客様へ不快な思いをさせることも。結果として、売上げダウンになる可能性もあります。

また、悪臭が発生した時の清掃料金は、通常よりも費用が余計に掛かってしまいます。日常的な掃除に加えて、定期的な業者の清掃も怠らないようにしましょう。

害虫が発生する

グリストラップ内のゴミを放置すれば、食料カスを餌に、ネズミ・ゴキブリ・ハエが発生します。害虫の駆除も必要になるため、掃除がかなり大変になります。害虫が客席に出没すれば、不衛生な店だと大きく評判を落としてしまうでしょう。

また、グリストラップのトラップ管には蓋が付いていますが、これは悪臭や害虫の侵入を防ぐためです。開けたままだと害虫が侵入するので、必ず蓋をしましょう。

詰まりによる高額な出費がかさむ

清掃を怠ると、グリストラップ内の排水管が詰まり、正常に機能しなくなります。排水が厨房にあふれ出すなど、営業をストップする事態も…。また、排水管の詰まりの清掃は、かなりの高額になります。

大きな損害にならないよう、定期的な清掃を心がけましょう。

グリストラップ内の汚れ掃除は専門業者への依頼がおすすめ

グリストラップの清掃の男性

グリストラップ内の汚れを適切に除去して、機能を正常に保つのは、非常に重要です。

しかしながら、蓄積した汚泥や油脂分を完全に取り除くのは難しいでしょう。完璧な清掃を従業員に任せるのも、かなりの負担を強いることにもなります。

日常的なバスケットのゴミ廃棄や油脂分のすくい取りは店舗側で対応し、定期的なグリストラップ内の掃除を専門業者に依頼するのがおすすめです。

グリストラップの清掃料金の目安や安くするコツ

グリストラップの清掃料金は、施設の規模や清掃内容などによって異なります。一般的な費用は、200mlで24,000円~30,000円程度です。多くの飲食店では、約100mlの床下設置のものなので、20,000円くらいが相場になります。

清掃料金はグリストラップの状態や清掃内容によって、価格に大きく影響します。常日頃から清掃を行っていれば、費用を抑えられます。また、単発で依頼するよりも定期的な依頼であれば、1回あたりの料金が安く済むでしょう。

グリストラップの清掃業者を選ぶポイント

グリストラップ清掃業者を選ぶポイントは、次の3つです。

  • 産業廃棄物処理業許可証などを有している
  • 実績がある
  • 口コミや評判を確認する

グリストラップ清掃で出る油脂や汚泥は産業廃棄物。そのため、適切に処理できる資格を有した業者が安心です。複数の業者を上記のようなポイントで見比べて、検討しましょう。

グリストラップは日常的な掃除と定期的な業者依頼で清潔に

グリストラップ清掃業者の男性

グリストラップの日常的な掃除は不可欠です。従業員で掃除のスケジュールや正しい掃除方法を共有して、きれいに保つ努力をしましょう。掃除には便利な道具を活用すれば、短時間で済み、負担を軽くする可能性もあります。

しかしながら、普段の掃除では落としきれない汚れは業者に依頼するのが、おすすめです。条件で絞り込んで業者をじっくり比較検討できるセーフリーを利用して、まずは依頼したい業者を見つけましょう。

水まわりの清掃業者を探す

グリストラップの正しい掃除方法はコレ!便利グッズや清掃時の注意点も解説のよくある質問

  • Q. グリストラップの掃除をもっと楽にする方法は?

    A.

    グリストラップ清掃を簡単にする道具を使用しましょう。第1槽のバスケットにつけるネット、第2槽の浮いた油脂分を吸い取るシート、沈殿した汚泥をすくいとる柄の長いすくい棒はおすすめです。

  • Q. グリストラップ清掃はどのくらいの頻度がよい?

    A.

    グリストラップを清潔に保てる頻度が重要です。第1槽のバスケットの除去は毎日、油脂をすくいとるのは2・3日に1回、汚泥の除去は1週間に1回を目安にしましょう。

  • Q. グリストラップの掃除って誰がやるもの?

    A.

    グリストラップの掃除に特別な資格は必要ありませんので、従業員や責任者など誰でもできます。スケジュールを組んで、交代でやるのがよいでしょう。しかしながら、従業員への負担がかかる場合は、清掃業者への依頼もおすすめです。

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