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引っ越し給付金とは?単身世帯から子育て世帯まで活用できる支援制度を紹介

2024.07.07 2024.11.01

この記事では、国や自治体が交付する「引っ越し給付金」について徹底解説します。

引っ越しには、敷金礼金や仲介手数料等の初期費用がかかります。金銭的な負担を減らすには、「引っ越し給付金」を活用するのがおすすめ。ただし、各制度には申請条件があるので、手続きを円滑に進めるためにも事前確認が必須です。

記事後半では、引っ越し給付金以外で初期費用を減らす方法もご紹介。「なるべく費用を抑えたい!」方は、ぜひ最後までご覧ください。

引っ越し給付金とは【補助金と助成金の違いも】

引っ越し給付金について考える女性

引っ越し給付金とは、転居する個人に対して国や自治体が資金を支給する制度です。

支給された資金の返済義務はありませんが、給付金を受け取るには、一定の条件を満たす必要があります。引っ越し給付金を受け取りたい場合は、各制度の詳細を事前に確認しておきましょう。

補助金や助成金との違いは?

補助金は、国や自治体が実施する事業の推進に向けて、企業や事業者等の取り組みを支援するために交付される資金です。

助成金は、特定の事業で事業者や個人を支援するために提供される資金を指します。補助金や助成金の支給対象になるのは、以下のような経済的な負担が大きい世帯です。

  • 子育て世帯
  • ひとり親世帯
  • 収入に不安がある世帯
  • 地方移住を検討する世帯
  • 高齢者・障害者世帯

とくに、子育て世帯やひとり親世帯は、子供の成長とともにお金がかかるため、補助金や助成金の対象になることが多いです。ただし、一定の要件を満たせば単身者でも利用できる制度はあります

補助金や助成金について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

さらに詳しく知りたい方はこちら

引っ越し給付金【子育て世帯向け】

引っ越し給付金について考える女性

子育て世帯向けの引っ越し給付金は、以下の4つです。

  • 結婚新生活支援事業
  • 次世代育成転居助成
  • 民間賃貸住宅家賃助成
  • ひとり親家庭住宅支援資金

それぞれの概要について詳しく解説します。

結婚新生活支援事業【最大60万円支給】

結婚新生活支援事業は、これから夫婦として新生活を始める世帯を対象に、新生活を始める際にかかる費用を支援してもらえる制度です。

対象費用は、「新居住宅費(新居の家賃、敷金礼金、仲介手数料等)」と「新居への引越費用(引越業者や運送業者に支払った費用)」があります。

結婚新生活支援事業の詳細は、以下のとおりです。

結婚新生活支援事業
利用要件 ・令和5年3月1日〜令和6年3月31日までに入籍した世帯
・夫婦の所得を合わせて500万円未満
・夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下の世帯
・お住いの市区町村が定める要件を満たす世帯
支給額 夫婦ともに29歳以下の世帯は1世帯あたり上限60万円、39歳以下の世帯は上限30万円まで支給される。
※年齢区分は夫婦いずれか高い方による
申請先 結婚新生活支援事業を実施する自治体

参考:こども家庭庁「結婚新生活支援事業」

次世代育成転居助成【最大10万円支給】

次世代育成転居助成は、義務教育修了前の子供がいる世帯が、民間賃貸住宅に住み替える場合に、家賃の差額・引っ越し費用を助成してくれる制度です。

助成金は最長2年間、引っ越し費用は一括で支給されます。募集数は50世帯で、各期ごとの先着順です。

次世代育成転居助成の詳細は、以下のとおりです。

次世代育成転居助成
利用要件 【世帯要件】
義務教育修了前の児童を扶養して同居する世帯
【住宅要件】
・区内に所在する民間賃貸住宅である
・新耐震基準に適合している
・家賃が以下の金額以下である
4人まで:18万円
5人まで:21万5,000円
【所得要件】
前年の世帯総所得が、以下の金額以下である。
1人:540万円以下
2人:578万円以下
3人:616万円以下
4人:654万円以下
5人:692万円以下
支給額 ・転居前後の家賃差額
・引越し代の実費で最大10万円
※荷物搬送代で引越し業者に依頼した場合に限る。
申請先 住宅課窓口

参考:新宿区「次世代育成転居助成」

民間賃貸住宅家賃助成【月額3万円支給】

民間賃貸住宅家賃助成は、区内の民間賃貸住宅に住む世帯の家賃を助成して金銭的な負担を軽減するための制度です。

年に一度、一定の期間を定めて子育てファミリー世帯向けの申し込みを実施。例年の募集人数は50世帯で、応募者が募集世帯数を上回ると公開抽選で決まります。

民間賃貸住宅家賃助成の詳細は、以下のとおりです。

民間賃貸住宅家賃助成
利用要件 【世帯要件】
義務教育修了前の子供を扶養する世帯
※出産予定は含まない
【住宅要件】
・新宿区内の民間賃貸住宅に居住する世帯
・住民登録の届出を済ませている世帯
・住宅の借主が申込者、または配偶者である
【所得要件】
世帯全員の総所得合計が520万円以下
【家賃要件】
月額家賃が22万円以下
支給額 月額3万円(最長5年間)
申請先 都市計画部住宅課

参考:新宿区「民間賃貸住宅家賃助成」

ひとり親家庭住宅支援資金【月額4万円貸付】

ひとり親家庭住宅支援資金は、自立に向けて意欲的に取り組んでいる児童扶養手当受給者に、自立を促進するために住宅の借り上げに必要となる資金を貸付する制度です。

ひとり親家庭住宅支援資金は貸付なので、原則返済しなければいけません。ただし、貸付日から1年以内に就職または高い所得の見込まれる転職等をし、1年間就業を継続した場合は返還が免除されます

ひとり親家庭住宅支援資金の詳細は、以下のとおりです。

ひとり親家庭住宅支援資金
利用要件 ・住宅に住むひとり親世帯
・児童扶養手当受給者
・母子・父子自立支援プログラムの策定を受け、自立に向け意欲的に取り組んでいる者
支給額 入居する家賃の実費(原則12カ月に限り、月額上限4万円まで)
申請先 福祉サービス推進部 福祉サービス推進課

参考:社会福祉法人「ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業」

引っ越し給付金【住宅購入者向け】

引っ越し給付金を探す夫婦

住宅購入者向けの引っ越し給付金は、以下の2つです。

  • 特定優良賃貸住宅
  • 住宅ローン減税

それぞれの概要について詳しく解説します。

特定優良賃貸住宅【最長20年間家賃補助】

特定優良賃貸住宅は、民間の土地所有者等が、市長の承認を受けて建設するファミリー世帯向けの民間賃貸住宅です。

国と市が建設費等を認定事業者に一部補助しており、入居者は所得に応じて家賃が減額されます。

特定優良賃貸住宅の詳細は、以下のとおりです。

特定優良賃貸住宅
利用要件 ・居住する住宅を必要としている者
・現に同居している親族がいる世帯
・世帯全員の月額所得合計が15万8,000円〜60万1,000円以下
・入居者と同等以上の収入がある連帯保証人を立てられる、または連帯保証人と同等の保証会社による保証を受ける者
補助額 毎年所得を確認して決定(最大20年間が上限)
申請先 住宅供給公社

参考:国土交通省「特定優良賃貸住宅」

住宅ローン減税【控除期間は最大13年間】

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合に、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。

2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅で、住宅ローン減税を申請する場合、省エネ基準以上に適合していることを証明する書類を提出する必要があります。省エネ性能に応じて、住宅ローン減税の借入限度額が異なるので気をつけてください。

住宅ローン減税の詳細は、以下のとおりです。

結婚新生活支援事業
利用要件 ・申請者が居住用に供する家屋である
・床面積が50㎡以上である
・合計所得金額が2,000万円以下
・借入金の償還期間が10年以上である
借入限度額 【新築住宅(控除率0.7%))】
・長期優良住宅・低炭素住宅(5,000万円:13年間)
・ZEH水準省エネ住宅(4,500万円:13年間)
・省エネ基準適合住宅(4,000万円:13年間)
【既存住宅(控除率0.7%))】
・長期優良住宅・低炭素住宅(3,000万円:10年間)
・ZEH水準省エネ住宅(3,000万円:10年間)
・省エネ基準適合住宅(3,000万円:10年間)
申請先 確定申告時に税務署に必要書類を提出する

参考:国土交通省「住宅ローン減税」

引っ越し給付金【移住者向け】

引っ越し給付金を探す女性

移住者向けの引っ越し給付金は、以下の2つです。

  • 移住支援金
  • 地方就職支援金

それぞれの概要について詳しく解説します。

移住支援金【最大100万円給付】

移住支援金とは、東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外へ移住して起業や就業等を行う方に交付金を支給する事業です。

移住支援金の対象になる東京圏は、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県が含まれます。

移住支援金の詳細は、以下のとおりです。

移住支援金
利用要件 【移住対象者】
・移住支援金申請が転入後3カ月以上1年以内である
・申請後5年以上、継続して移住先に居住する意思がある
【移住先の要件】
・地域で中小企業等へ就業
・テレワークによる業務継続
・市町村ごとの独自要件
・地方創生起業支援事業を活用
支給額 ・単身は60万円以内
・世帯は100万円以内
※18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合、1人につき最大100万円を加算される
申請先 閣府地方創生推進事務局

参考:内閣府「移住支援金」

地方就職支援金【移転費や交通費支給】

地方就職支援金は、東京圏内の大学に通う学生が、卒業年度の6月1日以降に実施される東京圏外の企業の採用活動に参加するための交通費を支援する制度です。

令和7年度からは、交通費支援を受けた学生が地方移住する際にかかる引っ越し費用も支援されます。

地方就職支援金の詳細は、以下のとおりです。

地方就職支援金
利用要件 【支援対象者】
・本部が都内にある大学の東京圏にあるキャンパスに、原則として4年以上在学する卒業年度の学生
・東京圏以外に移住、または就職する方
【補助対象の移住先】
東京圏以外の地域、または東京圏内の条件不利地域
支給額 ・就職活動の規定に沿った活動に要した交通費の最大1/2
・交通費支援を受けた学生が地方移住する際にかかる移転費
申請先 移住先の市町村

参考:内閣府「地方就職支援金」

引っ越し給付金【特別な理由で働けない世帯向け】

引っ越し給付金を探す女性

収入が低い世帯向けの給付金に、「住宅確保給付金」があります。給付金の概要を確認していきましょう。

住宅確保給付金【最大9カ月間支給】

住宅確保給付金は、一定の要件を満たした方が、市区町村ごとに定める額を上限に、実際の家賃額を原則3カ月間支給する制度です。

延長は2回まで、最大9カ月間支給。支給された給付金は、賃貸住宅の賃貸人、または不動産媒介事業者等に自治体から直接支払われます。

住宅確保給付金の詳細は、以下のとおりです。

住宅確保給付金
利用要件 【対象要件】
・生計維持者が離職・廃業後2年以内である
・給与等が離職・廃業と同程度まで減少している
・市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12で家賃の合計額を超えていない
・世帯の預貯金合計額が各市町村で定める額の6月分
【求職活動要件】
ハローワーク等に求職の申込をして、誠実かつ熱心に求職活動を行なっている
支給額 ・世帯収入額が基準額以下の場合は「家賃額」を支給
・世帯収入額が基準額を超える場合は「基準額+家賃額-世帯収入額」を支給
【支給上限額 (東京都特別区の場合)】
1人:5万3,700円
2人:6万4,000円
3人:6万9,800円
申請先 最寄りの自立相談支援機関

参考:厚生労働省「住宅確保給付金」

引っ越し給付金以外!転居費用を抑える3つの方法

引っ越し給付金を探す夫婦

引っ越し費用を抑える方法は、以下のとおりです。

  • 転勤の引っ越し費用は会社負担になる
  • 勤務先から支給される手当を確認する
  • 安い引っ越し業者を選定する

それぞれの方法について詳しく解説します。

転勤の引っ越し費用は会社負担になる

転勤による引っ越しの場合、業者に支払う実費は会社負担になることが多いです。

具体的には、引っ越し業者の人件費や荷物運搬料金、車両チャーター料金等が含まれます。ただし、以下の条件を設定する会社も多いです。

  • 指定の引越し業者
  • 運搬できる家財道具の条件
  • 事前見積もりで安い業者を探す

会社によって条件は異なるので、どのような項目があるのかを事前に確認しておきましょう。

勤務先から支給される手当を確認する

福利厚生の一環として、住宅関連や転勤にまつわる手当を支給してくれる会社があります

たとえば、以下のような手当です。

  • 引っ越し料金
  • 敷金・礼金
  • 不動産会社の仲介手数料
  • 家賃補助
  • 単身赴任手当

ただし、すべての会社で手当を支給しているわけではありません。自分の会社はどのような手当を支給しているのかを事前に確認しておきましょう。

安い引っ越し業者を選定する

引っ越し費用を抑えたい場合は、料金設定が安い業者を選定しましょう

引っ越し費用は業者によって異なり、総額で見ると金額に差が生まれることがあります。安い引っ越し業者を探したいなら、相見積もりがおすすめ。

相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼して価格やサービス内容等を比較することです。現在は無料で見積もりを取れる引っ越し業者も多いため、気軽に依頼してみましょう。

引っ越し給付金を活用し金銭的な負担を減らそう!

引っ越し給付金を探す夫婦

今回は、国や自治体が交付する「引っ越し給付金」について解説してきました。

引っ越しには、敷金礼金、仲介手数料や入居時の諸経費など多くの初期費用がかかります。ただ、引っ越し給付金の活用で金銭的な負担が軽減されることも。安い引っ越し業者を選定すれば、さらに費用を抑えられます。

引っ越し業者を探す時は、業者との出会いをサポートしてくれる「セーフリー」の活用がおすすめ。サイト上で比較検討でき、自分の希望にマッチする業者を見つけやすいです。簡単に無料見積もりも依頼できるので、マッチングサービスうまく活用してくださいね!

引っ越し給付金とは?単身世帯から子育て世帯まで活用できる支援制度を紹介のよくある質問

  • Q. 単身者向けの引っ越し給付金はある?

    A.

    個人が利用できる給付金は、金銭的な負担が大きい家族世帯やひとり親世帯等に対するものが多いです。しかし、「移住支援金」や「地方就職支援金」など単身者向けの給付金もあります。

  • Q. 引っ越し給付金は誰でも申請できる?

    A.

    引っ越し給付金は誰でも申請可能です。ただし、各制度が設定する要件を満たす必要があります。利用したい制度がある場合、まずは自分が要件を満たしているのかを確認しましょう。

  • Q. 転勤による引っ越しは会社負担?自己負担?

    A.

    転勤による引っ越し費用は、会社負担になることが多いです。また、福利厚生の一環として、住宅関連や転勤にまつわる手当を支給する会社もあります。

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