2026.05.01 2026.05.01
本記事では、松くい虫の対策や防除方法を紹介します。
松くい虫は、一度発生すると短時間で枯死に至る深刻な病気です。ただし、発生時期に合わせた予防や早期対策を行えば、被害を防げる可能性があります。
そこで今回は、松くい虫の正体・被害の仕組み・発生の時期、実際に出る症状や対処法を一挙に解説。記事の後半では、業者依頼時の費用も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
松くい虫対策は予防・駆除が基本

松くい虫の対策は、大きく分けて「予防」と「駆除」の2つがあります。
予防は、まだ健康な松に虫を寄せ付けない、感染させないための対策です。主な内容は、薬剤散布や樹幹注入となります。
一方、駆除はすでに感染・枯死してしまった松を伐採・処理し、被害の拡大を食い止める対策です。一度発症すると手遅れになるケースが多いため、この2軸をスケジュールに合わせて正しく行いましょう。
少しでも対応が遅れると、取り返しがつかない状態になってしまうので、注意が必要です。
松くい虫とは?正体と被害が広がる仕組み【対策前に確認】

松くい虫被害は、正式には「松枯れ(マツ材線虫病)」と呼ばれます。農林水産省や林野庁でも、日本の景観を守るために強い注意喚起がなされている非常に恐ろしい病気です。
松くい虫被害(マツ材線虫病)は依然として我が国最大の森林病虫害です。(中略)
被害が増加した地域における対策は当然のこと、被害が軽微になった地域においても気象要因等によっては再び激しい被害を受けるおそれがあることから、引き続き被害状況に即応した的確な対策を推進していく必要があります。
引用:林野庁
以下で、松くい虫の正体や媒介虫、被害を詳しく解説します。
松くい虫の正体・媒介虫
実は、松くい虫と呼ばれる名前の虫が直接松を枯らすわけではありません。真の正体は、体長1mmにも満たないマツノザイセンチュウという線虫です。
この線虫を体に付着させて運んでくる運び屋(媒介虫)が、「マツノマダラカミキリ」というカミキリムシで、この虫がマツノザイセンチュウを他の松へ運ぶことで被害が拡大します。
松くい虫による被害
松くい虫による被害としては、以下のようなものが挙げられます。
- 治療法がなく100%枯れる
- 二次感染による被害が拡大する
- 放置すると倒木や森林火災の原因となる
松くい虫による被害は、庭木一本の問題に留まりません。治療法がなく、ほぼ100%枯れると言われており、線虫が松の内部で増殖して水の通り道を塞ぐため、発症すると回復は絶望的です。
また、二次感染による被害が拡大しやすい点にも注意しなければなりません。枯れた松の中でカミキリムシが育ち、翌年新たな松へ病気を広げます。
さらに、枯死した松を放置すると、倒木による事故や乾燥した枝葉による森林火災の原因にもなり得るため、深刻な被害を防ぐためにも早めの予防・対策が必須です。
松くい虫の被害が広がる仕組み
季節ごとの、松くい虫の被害の広がり方は以下の通りです。
- 感染:初夏(5月〜7月)
- 増殖と発症:夏〜秋(7月〜9月)
- 枯死:秋〜冬(10月〜12月)
- 越冬:冬〜春(12月〜4月)
初夏の5月〜7月は、線虫を保持したカミキリムシが成虫になり、松の若い枝をかじります。その傷口から線虫が松の内部へ侵入することで、感染が進んでいくのが特徴です。
7月〜9月は線虫が松の中で爆発的に増殖し、水の吸い上げが阻害され、急激に元気がなくなります。さらに秋になると松全体が赤茶色に枯れ、その枯れ木にカミキリムシが卵を産み付けます。
その卵が冬になると幼虫になり、冬を越して翌春に羽化する流れです。このサイクルにより、松くい虫の被害はどんどん広がり、他の木も枯らしてしまいます。
松くい虫の発生時期と対策・防除スケジュール

松くい虫対策は、時期ごとの対策がすべてです。以下のスケジュールに沿って対策を行いましょう。
- 5〜6月:薬剤散布
- 〜9月頃まで:枯れた松を伐採
- 12月〜翌3月:薬剤注入
それぞれ詳しく解説します。
5月末~6月初旬:薬剤を散布
5月末~6月初旬は、カミキリムシが松をかじって線虫を移すのを防ぐため、殺虫剤を散布します。成虫が活動を始める直前に行うのが効果的です。
薬剤には多くの種類があるため、状況に合わせて使い分けましょう。
~9月頃:枯れた松の伐採
枯死が判明した松は、内部にカミキリムシが定着する前に伐採・搬出しなければなりません。他の松への感染源を断ち切るために、早急に対処しましょう。
枯れた木はもろくなっている可能性が高いので、作業の際は十分に注意してください。
12月~3月頃:薬剤を樹幹注入
12月~3月頃は松の幹に直接ドリルで穴を開け、線虫を殺す薬剤を注入します。線虫が侵入しても増殖できないようにする、非常に効果の高い予防策です。
散布する薬剤とは種類が異なるため、混同しないようにしましょう。
松くい虫の被害症状と見分け方|早期発見チェックリスト

松くい虫の段階別の症状や対策は次のとおりです。
| 症状の段階 | 症状・状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 初期 | 幹に近い旧葉が黄色・薄茶色に変色し始める | 薬剤を散布 |
| 中期 | 松脂が出なくなる | 薬剤を樹幹注入 |
| 末期・枯死 | 枯れた茶色の葉が地面に落ちず残る | 枯れた松を伐採 伐採した木を破砕するなどして幼虫を駆除 |
通常の枯れは時間をかけて徐々に進みますが、松くい虫の場合は夏場に1ヶ月程度で急激に全体が茶色くなるのが特徴です。
また、枯れた葉がパラパラ落ちず、枝についたまま茶色く残るのも典型的な症状となります。このような症状がみられる場合は、早めに伐採や幼虫の駆除を検討しましょう。
松くい虫で枯れた松の駆除方法と注意点

枯れてしまった松を放置すると、翌年そこから数百匹のカミキリムシが飛び出し、周囲の松を全滅させる恐れがあります。被害を広げないための「伐倒(ばっとう)」は、松オーナーの責務です。
以下を参考に、すでに枯れてしまった場合の対処を確認し、早めの対応を心がけましょう。
伐倒・くん蒸処理:カミキリ羽化前の対策が必須
伐採した木をその場に置いたままでは意味がありません。切り倒した材に薬剤をかけ、ビニールシートで密閉して虫を殺す「くん蒸処理」をするのが一般的です。
これをカミキリムシが飛び出す前の5月までに完了させる必要があります。対応するタイミングが少し遅れると、被害の拡大につながるので注意しましょう。
チップ化・焼却処理:再発防止のために完全処理
可能であれば、伐採した木を細かく砕いて「チップ化」したり、その場で「焼却」したりすることで、物理的に虫を死滅させます。これが最も確実な再発防止策です。
自力で難しい場合は、伐倒から後の対処まで専門業者に依頼しましょう。
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松くい虫の対策・防除をプロに依頼する場合の費用相場

松くい虫の対策・防除は自力で対応できるケースもありますが、被害が大きくなりそうなときは最初からプロの専門業者を頼るのがおすすめです。依頼にかかる費用などをまとめたので、参考にしてください。
薬剤散布・消毒費用
一般的な庭木(3〜5m程度)の場合、1本当たり4,000円〜8,000円前後が相場です。樹幹注入の場合は、薬剤代を含めて1本10,000円〜30,000円程度かかる場合もあります。
費用は木の太さや高さ、状態によっても異なるため、必ず実際に消毒したい松を見てもらい、詳しい見積もりを算出してもらいましょう。その際、あわせて追加料金も聞いておくと安心です。
使用する薬剤などに希望がある場合は問い合わせ時に伝えるとスムーズ!
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松の木の伐採・処分にかかる費用
枯れてしまった松の伐採は、1本当たり10,000円〜50,000円程度が目安です。高さや周囲の状況、処分の手間によって大きく変動します。
例えば、クレーン車が必要なほど高い木の伐採となると、別途で追加料金が発生するケースがほとんどです。伐採した木をくん蒸するなどして幼虫を駆除する場合も、伐採とは別で料金がかかります。
どんな対処を希望しているか事前に伝え、見積もりの内容と照らし合わせましょう。
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松くい虫の補助金制度
お住まいの自治体によっては、松くい虫被害の拡大を防ぐために「伐採・処理費用の補助金」を出しているケースがあります。
数万円単位で負担が軽減されることもあるため、依頼前に必ず市町村の森林課や環境課に確認してみましょう。いくつか、実際に自治体で出している補助金の例を紹介します。
| 補助金名 | 最大の補助金額 | |
|---|---|---|
| 長野県安曇野市 | 松くい虫被害防除対策事業補助金 | 伐採・処分費の半額(上限10万円) 伐採・処分費の1/3(上限50万円) 薬剤1本につき半額(1本につき上限1,500円) |
| 秋田県秋田市 | 松くい虫被害拡大防止事業補助金 | 対象経費の2分の1 補助限度額:50,000円 |
| 神奈川県葉山町 | 枯れ松防除補助制度 | 伐倒駆除:10,000円/1本(法人は5,000円) 樹幹注入:5,000円/1本(法人は2,000円) |
| 新潟県新潟市 | 保存樹等の松くい虫防除補助金 | 樹幹注入(薬効期間6年未満):5,000円 樹幹注入(薬効期間6年以上):15,000円 薬剤散布:5,000円 土壌灌注:5,000円 |
安曇野市と秋田市は、主に松くい虫の防除や対策を行う事業者に対する補助金です。葉山町や新潟市のように、個人に対して補助金を出している自治体も多くあります。
上手く活用すれば、安価な費用で松くい虫の対策ができるので、ぜひチェックしてみましょう。「自治体名 松くい虫 補助金」などと検索すると、簡単に探せます。
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松くい虫の対策・防除は「予防」と「早期発見」が重要です。被害が軽いうちは対処できる可能性もありますが、被害が進行すると伐採も視野に入れましょう。
松くい虫の被害は周囲の松に広がるため、自身で判断に迷う場合、被害が大きくて不安な場合は業者への相談がおすすめです。専門業者に相談すれば、松の状態を見極めた上で適切な対処をしてくれます。
セーフリーでは、料金や口コミ、対応内容などを比較しながら選べるので、ぜひ自分の希望に合った業者を探してみてください。
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松くい虫の対策・防除に関するよくある質問
-
Q. 松くい虫の予防・駆除は自分でもできる?
A.ごく初期の状態であれば、薬剤を散布するなどして対応できる場合もあります。ただし、被害の拡大が早いので、早めに対処しましょう。
-
Q. 松くい虫が発生したら最初にすべきことは?
A.まずは、状態を確認しましょう。松の状態によって、対応すべき内容が異なります。
-
Q. 松くい虫を寄せ付けないための対策は?
A.普段からお手入れをしっかり行い、消毒などを心がけることが大切です。自分で対応できないときは、定期的に専門業者にメンテナンスをしてもらいましょう。

























