一戸建ての排水管高圧洗浄について

一戸建ての排水管の高圧洗浄は自分でできる?普段のお手入れから注意点まで徹底解説

2024.08.30 2024.09.06

この記事では、一戸建ての排水管高圧洗浄を自分で行う方法について徹底解説します。

毎日生活用水や汚水が流れる排水口まわりは、油汚れや髪の毛だらけ。特に、奥の排水管内部は目にする機会がないだけに、汚れを放置しがちです。

「排水管がつまって流れが悪い!」
「排水口からのニオイが最近キツいような…」

といった症状が少しでも見られるなら、高圧洗浄は一つの手。ひどい詰まりや害虫の大量発生を招く前に対処しましょう。

記事後半では、一軒家で取り組みやすい普段のお手入れや、汚れを付着させない予防法もご紹介します。排水管をきれいに保ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

【一戸建て】自分でできる?排水管高圧洗浄とは

一戸建ての排水管を高圧洗浄する人

排水管高圧洗浄とは、高圧洗浄機に取り付けたホースを排水管や排水枡(はいすいます)に入れて、高圧の水を噴射し内部の汚れを取り除くことです。主な清掃箇所である排水管と排水桝は次のとおりです。

  • 排水管:家庭から排出される汚水や雨水が通る管。建物内部(台所や洗面所など)から外部へと管が伸びている
  • 排水桝:排水管の合流部。一軒家の場合、屋外に「おすい」とマンホールに書かれている

高圧洗浄することで、排水管内部の汚れをきれいに落とせ、結果、詰まりやニオイの改善が期待できます。
詰まりの原因には、家庭から排出される食材カスや油汚れなどが冷やされて、管内で固まることで詰まりが起こったり、子どものおもちゃやペットボトルの蓋などが引っかかって起ったりするケースがあります。
前者のような食材カスや油汚れが原因であれば、高圧洗浄することで解消されるケースがほとんどです。

一戸建ての排水管は詰まりが起こりやすい

一戸建ての場合、排水管の構造上、詰まりやすい特徴があります。

一軒家では、敷地に横向きの長い管が設置されています。マンションのような縦向きの管であれば、水が勢いよく流れ、汚れが付着しにくいですが、一戸建ての場合は、勾配がゆるやかで、汚れが堆積しやすくなります。つまり、自然に詰まりを回復するのは難しいでしょう。

また、マンションであれば、定期的に洗浄の手配をしてくれますが、一軒家では自主的にする必要があります。だからこそ、定期的な高圧洗浄の清掃が必要です。

一戸建ての排水管の詰まる箇所と原因【自分で高圧洗浄する前にチェック】

一軒家の排水管で詰まりやすい箇所であるお風呂

一軒家で排水管が詰まる箇所や原因は主に次のとおりです。

排水管が詰まる箇所 原因
キッチン 油分・食材カス・洗剤カス
お風呂 髪の毛・シャンプーなどの油分・皮脂・詰替え用シャンプーの端切れ
洗面所 髪の毛・ひげ・クレンジングオイルやヘヤーワックスなどのオイル
洗濯機 洗剤カス・糸くず・髪の毛・ホコリなど

詰まりを起こしやすい原因は主に油汚れ。油脂は水よりも粘性が高く、排水パイプに付着しやすい特徴があります。冷えて固まれば、排水をせき止めてしまうでしょう。

また、髪の毛は水に溶けないため、排水管の中で堆積していることも。油脂や髪の毛をなるべく流さない工夫が、詰まりを起こさない対策になります。

一戸建ての排水管を自分で高圧洗浄する方法

洗濯機の排水管を高圧洗浄している画像

排水管を手早くきれいする手段として、高圧洗浄機を使って掃除する方法があります。蓄積してしまった汚れや頑固な汚れには効果的ですが、排水口や排水管の分解や高圧洗浄機を用いた大がかりな掃除になるため、手間や体力のいる作業です。また、排水管を破ったり、傷つけたりするリスクもあります。あくまでも自己責任にはなりますが、次のような手順で進めましょう。

作業に必要な道具は次のとおりです。

  • 高圧洗浄機
  • 配管用洗浄ホース
  • ゴム手袋
  • 雑巾
  • バケツ

高圧洗浄機は業務用と家庭用がありますが、家庭用を準備しましょう。高圧洗浄機で代表的なものは、ケルヒャー製。パワフルで、音が静かというのが特徴です。

  • ケルヒャー(Karcher) 高圧洗浄機 K2 サイレント

また、洗浄ホースは長さが7メートル以上で、管内に入りやすい柔らかいものがおすすめです。重要なのは、ノズルの種類。ホースのノズルは逆噴射タイプで、進む方向とは逆の後ろ側から水を噴射する力で前進する仕組みです。直線的で細いパイプや管は「豆ノズル」、曲がりくねった管内を進みやすいのは「スズランノズル」が最適です。とくに、スズランノズルはプロも使用するほど使いやすいタイプですが、少し値段が高くつきます。

  • ZitFRi パイプクリーニングホース ケルヒャー用 10M
  • ケルヒャーKシリーズ スズランノズル 10m

まずは、キッチンやお風呂場など詰まりやすい屋内の排水管から掃除します。

キッチン・洗面台の排水管の洗浄

キッチンや洗面台の排水管はシンク下です。排水管の構造を見て、目隠しで板が貼り付けられている場合は、取り外します。塩化ビニールの灰色の素材であれば、取り外せるので、各部分のナットを確認してください。

  1. 排水管の周りにバケツを用意し、タオルで周りを養生する
  2. 水が出ていないことを確認し、排水管のナットを緩めて、排水ホースを取り外す
  3. 取り外した排水ホースの内部をきれいに洗う
  4. 排水口に高圧洗浄機のホースを管内に沿わせて入れていく
  5. 詰まりがある部分で回転したり、左右に動かしたりして汚れを取り除く
  6. ホースを取って、排水管の部品をもとに戻す

排水管の部品はしっかり取り付けないと、水漏れを起こすので、注意しましょう。

下記では、キッチンや洗面台の排水溝を簡単にできるお掃除方法も紹介していますので、参考にしてください。

>>洗面台の排水溝の掃除方法

お風呂の排水管の洗浄

お風呂の排水管は、排水管トラップにあります。一番上の円状の排水目皿、ヘアーキャッチャー(排水筒)を外すと、排水管トラップが出てきます。排水管トラップがないものもあるので、実際に見るか取扱説明書で確認しましょう。

  1. 排水管トラップの排水口にホースを通す
  2. 洗浄する際は水が飛び散るので、タオルなどで覆う
  3. 詰まりがある部分で回転し、左右に動かす
  4. ホースを取り外し、元通りにセットする

目皿やヘアーキャッチャーなど汚れが付着している場合は古歯ブラシできれいにします。

洗濯機の排水管の洗浄

洗濯機の排水トラップを掃除する前に、まずは周囲の環境を整えましょう。洗濯機を動かさなくても手が届けばよいですが、動かさないと作業できない場合は、次のような方法を試してください。

  1. 電源とアースを外す
  2. 洗濯機の蛇口を閉める
  3. 給水ホースを外し、水が溢れないようバケツに入れる

洗濯機を動かしたら、トラップを外して洗浄します。

  1. 排水管周りにタオルで養生する
  2. バケツを置いたら、排水管ホース・フタを外す
  3. 筒状のパーツを持ち上げ、中のパーツを外す
  4. 各パーツはブラシなどで洗う
  5. 排水口に高圧洗浄機のホースを入れて掃除する
  6. 元のようにパーツを戻す

洗濯機の排水口や排水管は、普段、掃除しないため、かなり汚れが付着しています。パーツは年1回ほど掃除すれば十分です。

排水桝の洗浄

屋内の排水管だけではなく、排水管が集まる排水桝の汚れもしっかり落としましょう。排水桝は一戸建ての場合、庭や駐車場などの敷地内に設置されています。1箇所だけではなく、複数設置されている場合もあるので、キッチンやお風呂などのそばを探してみましょう。

  1. 「おすい」と書かれたマンホールを開ける
  2. 中に溜まった汚れをスコップや柄杓で取り除く
  3. 管内にホースを沿わせて入れて、一気に水を流す
  4. 詰まりがある箇所を回転し左右に動かす
  5. 再び汚れが出てきたら取り除く
  6. ホースを取り外しマンホールを閉める

汚水桝は長年放置され続けているため、ニオイや汚れがひどい箇所です。必ずマスクやゴム手袋をしましょう。

高圧洗浄機を使うと汚れがきれいに落ちますが、かなりの重労働です。軽度な汚れや予防といった普段のお手入れであれば、もっと簡単に掃除できるでしょう。

【一戸建ての排水管洗浄】普段のお手入れ方法

一戸建て排水管の普段のお手入れ方法

もっと簡単に排水管を洗浄するには、次のような方法があります。

  • 水圧で流す
  • 市販のパイプクリーナーを使う
  • ワイヤーブラシを使うの3つの方法

3つの方法について詳しく解説します。

水圧で流す

大量のお湯で一気に流す方法で、配管内をきれいにします。

  1. 40〜50℃のお湯を用意する
  2. お湯が流れやすいよう排水トラップを外す
  3. 排水口にタオルや水を入れたビニール袋でしっかり栓をする
  4. 大量に溜めて、一気に栓を抜く

40〜50℃のお湯で油脂をふやかす効果はありますが、洗い流すまでは難しいでしょう。あくまでも予防程度と考えましょう。

市販のパイプクリーナーを使う

市販のパイプクリーナを使って管内の汚れを落とす方法です。主に強力な塩素系の洗剤で、油脂分や髪の毛を溶かす効果が高いのが特徴です。溶解力はもちろん、密着性の高い洗剤を選びましょう。

  • ジョンソン パイプユニッシュ
  • サニボン 泡パワー

洗浄方法は次のとおりです。

  1. 目皿やバスケットなどを外す
  2. パイプクリーナーを排水管に流す
  3. 規定の時間放置し、よく洗い流す

刺激が強い洗剤なので、必ず換気して、ゴム手袋を装着してください。また、酸性の洗剤と混ぜると、有毒ガスが発生して危険です。

使用上の注意は必ず守りましょう。大量に使用したり、規定の時間以上放置したりすると、逆に詰まりを悪化させる可能性もあります。

ワイヤーブラシを使う

ワイヤーブラシを使った洗浄方法も効果的です。用意するのは、家庭用で販売されているワイヤーブラシです。ワイヤーブラシは、排水管に入る太さ・長さ・強度で選びましょう。

  • SANEI パイプクリーナー 長さ5m 排水管のつまり解消・掃除に 折れにくい2重巻構造
  • Felimoa 回転式 5m/10m パイプ クリーナー ワイヤー

ワイヤーブラシを使った洗浄方法は次のとおりです。

  1. キッチンの排水トラップを外す。排水バスケットや栓などを外して、排水ホースが見えるようにする
  2. 配管に沿わせながら入れていく
  3. ワイヤーが奥まで入ったら、回転させたり上下に動かしたりする
  4. ワイヤーが引っかかる感じがなくなったら水を流す

排水口に取り付けられている蛇腹状のホースは、素材によってはワイヤーで敗れる可能性もあるので、注意しましょう。

一戸建ての排水管を高圧洗浄する際の注意点

一戸建ての排水管を自分で高圧洗浄する際の注意点

一軒家の排水管を、高圧洗浄機を使って掃除する際は、以下の2点に気をつけましょう。

  • 熱湯を流さない
  • ワイヤーブラシや高圧洗浄機のホースは奥まで入れない

詳しく注意点を解説します。

熱湯を流さない

お湯を使ってきれいにする方法を紹介しましたが、60℃以上の熱湯を使わないようにしましょう。ほどんどの配管は、塩化ビニールが使われているため、熱で変形するおそれがあります。また、パイプクリーナーを使う場合、熱によって有毒なガスが発生するおそれもあるため、熱湯は厳禁です。

ワイヤーブラシや高圧洗浄機のホースは奥まで入れない

排水管内部の様子が分からないのに、奥まで無理に入れるのは危険です。

劣化しているのに気づかずに破ってしまう、ゴシゴシと無理に磨いて傷つけるなど大きなトラブルに発展します。また、奥までワイヤーブラシを入れすぎると取り出せずに、逆に詰まりの原因になることも。

家庭では、目視できるぐらいの表面的な部分の掃除に留めましょう。

一戸建ての排水管を高圧洗浄する前に!予防策

一戸建ての排水管の高圧洗浄前の予防策

汚れが蓄積しやすい排水管ですが、次のように普段からちょっとした工夫で掃除の手間を減らせます。

  • キッチン:汚れは洗う前にキッチンペーパーなどで拭き取る
  • お風呂場や洗面所:排水口ネットで髪の毛やゴミが流れるのを防ぐ

排水管つまりの原因は、キッチンから排出される大量の油脂分です。

油をそのまま流すことはないでしょうが、食器洗い前にキッチンペーパーで拭き取るという、ひと手間を加えると、かなりの油脂分を減らせます。

また、洗面所ではドライヤーを使ったり、ヘアーセットしたりする際に落ちる髪の毛をそのまま流さず、ティッシュなどで拭きとりましょう。排水口ネットをすれば、細かい汚れもキャッチできます。

一戸建ての排水管の高圧洗浄は自分で難しい?業者依頼がおすすめ

排水管業者依頼について

自分で排水管を高圧洗浄機で掃除する方法をお伝えしましたが、上記にも述べたように、かなりの重労働で、無理な洗浄によって排水管が破損するなどの危険性もあります。自分で高圧洗浄するには限界があるでしょう。

業者に依頼するメリットは3つあります。

  • 排水管の奥まで洗浄できる
  • 家庭用よりも高い威力で洗浄できる
  • 詰まりの原因が特定でき解消できる

家庭用と異なり業者用の高圧洗浄機は高い洗浄力があり、通常は落としきれない汚れもきれいにできます。また、管内カメラを使って原因を特定したり、経験上から無理な洗浄したりすることもありません。高い技術と豊富な経験によって、的確に対応してもらえるためにも、業者への依頼がおすすめです。

排水管の高圧洗浄の頻度と費用の目安

排水管は詰まる前に定期的に掃除するのが重要です。排水管の洗浄は3年に1回が目安です。特に次のような症状がでたら、すぐに依頼しましょう。

  • コポコポと音がする
  • 流れが悪くなった
  • 排水口からのニオイが気なる
  • 排水管洗浄から5年以上経過している

一戸建ての場合、排水管の高圧洗浄は20,000〜30,000円が相場。汚れがひどいやトイレの排水管洗浄は、追加料金がかかります。まずは、事前に見積もりを依頼しましょう。

一戸建ての排水管の高圧洗浄は定期的に!自分でよりも業者依頼でしっかりと

一戸建てで自分でするよりも排水管高圧洗浄を業者に依頼しよう

排水管は汚れが蓄積しやすい箇所であり、定期的な高圧洗浄機での掃除は必要です。しかし、自分でやるには限界があり、逆に排水管を傷つける可能性もあります。しっかりと知識と経験をもった信頼できる業者に依頼するのが、おすすめです。

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一戸建ての排水管の高圧洗浄は自分でできる?普段のお手入れから注意点まで徹底解説のよくある質問

  • Q. 一戸建てでも、排水管の高圧洗浄をする必要がある?

    一戸建てだからこそ、高圧洗浄の必要性があります。一軒家の排水管は、勾配が緩やかで汚れが蓄積しやすい構造です。自然に汚れを解消するのは難しいため、3年に1回のペースで高圧洗浄しましょう。

  • Q. 一戸建ての排水管を自分で高圧洗浄できる?

    高圧洗浄機やホースなどを用意すれば、自分で洗浄が可能です。しかし、かなりの重労働で、排水管を傷つける危険性もあるため、業者へ依頼するのがおすすめです。

  • Q. 一戸建ての排水管を自分で高圧洗浄方法を教えて!

    一戸建ての場合、屋内の排水管と屋外の排水桝を高圧洗浄します。シンク下にある排水管の部品を分解し、排水口からホースを入れて、回転や左右に動かしながら洗浄してください。

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